『ボーイズ』は、男の子が男らしさの檻から出られるようにはどうすればいいのか、いろいろな事例をあげて解説している。この本は男であることの全てが悪いと言っているわけではない。終章では「若い男性たちがより包括的でのびのびとしたマスキュリニティを選び取る」(p. 323)手助けが必要だと書かれている。 自分が男であることをのびのび楽しむのは別に悪いことではないし、伝統的に男らしいとされている特質で、いわゆる暴力的な「有毒な男らしさ」ではない、誰にとっても美徳と思えるような特質はいくつもある。 大事なのは、男の子が均質な集団ではなく個人差がとても大きいことを認識しつつ、男性であっても「優しさや慈しみの気持ち、豊かな表現力や傷つきやすさを見せること」(p. 327)は全く問題がないのだと示すことだ。ギーザはそうするためにはどうすればいいのか、いろいろな実践例をあげて説明し、男の子を育てる親たちを励まし