時に西暦1995年。国が、社会が、そして個人が“自分とは何か?”を探し求めていた空気の中、「もはやオリジナルなんて存在しない」と公言したクリエイター=庵野秀明の理想と苦悶の果てに、「新世紀エヴァンゲリオン」は生み落とされた。多くの謎とリアルな心理描写、そして観る者のどんな嗜好をも飲み込んでしまう深淵さは、やがて世代を超えた一大ブームを巻き起こす。ブームの頂点で衝撃の結末を提示したあの劇場版から10年――新劇場版4部作として、エヴァンゲリオンは再び我々の前に姿を現そうとしている。いまなぜ“エヴァ”なのか? この“?”に迫るべく、キーパーソン2人に話を聞いた。(聞き手:村上健一) 大月俊倫プロデューサー インタビュー 「以前とはまったく別物。誰もが楽しめる完全なエンターテインメントです」まずは、プロデューサーの大月俊倫。庵野総監督とは20年来の友人、かつキングレコード常務取締役である彼の存在な