同人誌界'94 同人誌の世界において去年一番の話題と言えば、やはり、秋の「コミックシティIN幕張メッセ」の開催中止とその後の自主規制問題であろう。この事件、いろいろな局面での主催者の赤ブーブー通信社の対応のまずさが事態を悪化させた。 開催中止問題では、過去にわいせつ問題で「コミックマーケット」が撤退を余儀なくされた場所でありながら、事前の周到な対外折衝がなされていなかったのに加え、千葉県警のただ一度の「青少年保護条例に反したものがあれば、現行犯逮捕もあり得る」という警告に対して、ねばり強く交渉もせずに、自ら中止を決定してしまった。そして、開催を主張する事務スタッフと中止やむなしとする経営陣との間に対立が生じ、事務局の大半が同社を辞める結果となった。しかも、参加費を預けているサークルへの説明が不正確かつ不十分であり、そうした不備への指摘は「会社への内政干渉」と突っぱねた姿勢も安易であった。