インボイス制度の導入反対を訴えるフリーランスの声優らや国会議員=26日、東京都千代田区の日比谷野外音楽堂で 消費税の新ルール「インボイス制度」に反対する声優やアニメーターらが26日夜、東京・日比谷野外音楽堂で集会を開いた。影響を大きく受ける個人事業主を中心に約1200人が参加し「ストップ、インボイス」と導入中止を訴えた。(小川慎一)
われわれが繰り返し聞かされてきた、南海トラフ地震の30年以内の発生確率が「70〜80%」という国の予測(80%予測)。それがどう計算されたのかはほとんど知られていない。その確率の根拠が江戸時代に港を管理していた役人の一族に伝わる古文書だと、知り私は驚いた。 南海トラフ地震 静岡県の駿河湾から九州沖の海底に延びる溝(トラフ)沿いで起きる巨大地震。過去1400年の歴史上、100〜200年間隔で大地震が起きている。政府の中央防災会議は2012年、最悪の場合、死者が約32万人に上ると想定。地震調査委員会は13年に南海トラフ全域でマグニチュード(M)8以上の巨大地震が30年以内に起きる確率は60〜70%と発表。18年には年数の経過により70〜80%と引き上げられた。
東京五輪・パラリンピックで、大会組織委員会が東京都や国の税金を使い、最上位スポンサーに発注した77件の個別の契約額を公表しないことが分かった。非公表の契約額は計800億円。都や国が5割強を、残りを組織委が負担した。組織委は公表に向け国際オリンピック委員会(IOC)と交渉したが、守秘義務を理由に応じなかったため断念したという。事業の原資に税金が含まれるにもかかわらず、使い方の妥当性を十分に検証できないことになる。(森本智之)
専門職の人の労働時間規制を外す高度プロフェッショナル制度が、導入を主導した安倍晋三元首相らの当時の説明と懸け離れた運用になっている。経験が浅く希望もしていない人が高プロを適用された疑念が直近の調査で浮上。当時も今も所管の厚生労働相を務める加藤勝信氏は、当初の説明通りになっていない実態を指摘されても正面から答えず、制度を見直さない姿勢を示した。(池尾伸一、写真も) 高度プロフェッショナル制度 証券トレーダー、コンサルタントなど5業種の年収1075万円以上の社員を対象に労働時間の上限規制を外す制度。安倍晋三政権が政治主導で立案、過労死遺族や労働組合は「過労死を増やす」と反対したが2019年4月に導入された。今年3月末時点で21社22職場で665人に適用。2カ所の職場で在社時間と社外の労働時間の合計が月間400時間以上に達し、「過労死ライン」(残業含む労働時間月約273時間)を大幅に上回
埼玉県所沢市の藤本正人市長(60)は30日、昨年8月に開かれた世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関連団体のイベントに出席し、あいさつをしたと明らかにした。「旧統一教会系の団体と知っていた」といい、自身の選挙での応援は「一切ない」とした。市の定例会見で質問に答えた。 イベントは旧統一教会の関連団体が主催した「ピースロード2021」。所沢市境に近い多摩湖畔で開かれたサイクリングの出発式で「平和を願って頑張ってください」との趣旨であいさつしたという。参加者は40人ほどで、その場には地元選出ではない自民党県議もいたという。 「イベントには信者の知人から誘われ、その後、招待された」といい、旧統一教会に対する認識は「昔は問題があったが、その後は(霊感商法などの)情報が出なくなったので改善していると思っていた。反省はそんなにしていません」と述べた。今後の関わりについては「私の性格上、もう行かないとは言
7月に行われた安倍晋三元首相の葬儀に陸上自衛隊の儀仗(ぎじょう)隊が参列したのは、戦後の首相経験者の家族葬では初めてだった。防衛省が本紙の取材に明らかにした。防衛省・自衛隊の弔意表明の一環として、安倍氏の遺族の意向を確認し、防衛相の指示で行ったと説明している。当時の防衛相は安倍氏の実弟の岸信夫氏だった。 政府がかかわった首相経験者の公的な葬儀は、1967年の吉田茂氏の国葬以降、2020年の中曽根康弘氏の内閣・自民党合同葬まで11回ある。すべて儀仗隊が参列した。安倍氏の家族葬のように、政府が関与しない首相経験者の私的な葬儀は個別に行われてきたが、儀仗隊参列は「確認できる範囲において、安倍氏以外はない」(同省陸上幕僚監部)という。 一方、防衛省の前身の防衛庁長官経験者を対象にした家族葬への参列は3例あったという。同省は「元防衛庁長官等の家族葬で、遺族の意向を踏まえ儀仗を実施した」と説明し
島津製作所(京都市)が製造した医療用エックス線装置を巡り、保守と販売を担う子会社の島津メディカルシステムズ(大阪市)熊本営業所の幹部社員が、熊本県内の公立病院に納入した装置に回路を遮断するタイマーを仕掛け、故障を装って部品を交換していたことが本紙の取材で分かった。病院は交換修理費として200万円超を支払った。島津製作所は社内調査していることを認め、自社のホームページに「事実関係が明らかになり次第、しかるべき対応を行う」とのコメントを出した。 両社の関係者は25日、この病院を訪れて謝罪し、概要を説明した。営業所を所管する熊本県は、メディカル社などから聞き取りをする考えを示した。病院を運営する自治体は、代金の返還を求めることも視野に検討するとした。 部品を交換していた装置は、エックス線で体内を撮影しながら映像を見られる「エックス線テレビシステム」で、この病院には2009年に設置された。関係者に
政治に関心のある若者でつくる「選挙ギャルズ」が20日、安倍晋三元首相の国葬や改憲に反対するパレードを東京都内で行った。インスタグラムなどの交流サイト(SNS)で呼びかけ、約110人が参加。「国葬うちらは求めていない」などと訴えながら、日比谷公園から日本橋まで約2キロを行進した。 選挙ギャルズは5月末、地方選挙のボランティア活動を通じて知り合った大学生や会社員ら平均年齢21歳の10人が結成。この日は「ラブ&ピース・パレード」と称し、軽快な音楽に合わせて「うちらは求めてない国葬」「返せようちらの民主主義」と声を上げた。「国葬に反対」「憲法改悪マジ反対」など自作のプラカードを掲げて歩いた。 メンバーの1人は取材に「国民の意見に耳を傾けず、国会の議論も経ずに国葬を決定した。民主的でないやり方は信頼できない」と話した。パレードに参加した都内の女性会社員(24)は「コロナ禍で格差が拡大したのに、手を打
立憲民主党の小川淳也政調会長が辞任の意向を固め関係者に伝えた。複数の党関係者が11日、明らかにした。小川氏はこれまで、敗北した参院選について総括した後に泉健太代表を除く執行部刷新が必要だと主張していた。泉氏は月内に執行部人事を行う方針で、小川氏らの処遇を決める見通しだ。 立民は10日の臨時常任幹事会で、参院選総括を了承した。小川氏はその後、自身のツイッターで「少なくともここまでは現執行部として責任を果たすべきと主張してきた私自身も、どこかでけじめをつけなければならない」と投稿した。参院選直後から、党役員ながら泉氏を除く執行部の刷新を訴えていた。
安倍氏の国葬は9月27日に行われる。費用は明らかになっていないが、各国から首脳級の参列も予想され、多額を要するのは必至。政府が半額を負担した中曽根康弘元首相の内閣・自民党合同葬(2020年)は、首相経験者の葬儀としては過去最高の約1億9000万円だった。 税金などの詳細な使い道は、国民の代表者で構成される国会の議決に基づいて決めなければならないというのが「財政民主主義」の原則だ。一方、政府が国葬の財源に充てる方向の予備費は、憲法87条が「予見し難い予算の不足に充てる」目的で、あらかじめ使途を定めず計上することを認める予算。内閣の判断で支出し、使った場合は国会の事後承諾を得る仕組みになっている。 ただ、制度の主眼は自然災害など急を要する事態に備えることだ。野党からは「災害対策などに予備費執行はあり得るが、国葬はわけが違う。国会が関与すべきだ」(立憲民主党の泉健太代表)などと疑問の声が上がる。
鉄道の駅改札を出てから便意を催した場合、改札内のトイレを無料で使わせてもらえるのか。JR東日本の駅で「改札内に再び入るなら入場券を買って」と駅員に求められた本紙読者の投稿「JRのトイレ対応に疑問」(7月13日東京新聞発言欄に掲載)に対し、「ひどい対応」「お金を払うのは当然」など賛否合わせて約30件の反響があった。そこで、JR東日本はじめ首都圏の鉄道各社の対応を調べてみた。(青木孝行) 投稿者は東京都青梅市のパート、今井恵子さん(68)。6月中旬、友人と映画を見るためJR昭島駅の改札前で待ち合わせ。最寄りの青梅駅から乗車し昭島駅に着いたが、集合時刻に間に合うか心配で慌てて改札の外に出た。すぐに「あっ! トイレ」と思い、駅員に再入場を願い出たが「改札内に入るなら入場券が必要」と断られ、目的地の映画館までトイレを我慢。以前、西武線の駅では借りられた体験があるので「JRはなぜダメなのか」と聞きたく
新型コロナウイルスの第7波が拡大する中、東京都内では感染で容体が悪化しても救急搬送が極めて困難な状況となっている。7月末には高齢のがん患者の搬送先が見つからず、感染判明から10時間後に自宅で亡くなった。都が公表する病床使用率は50%台と数字上は空きがあるものの、訪問診療の医師は「なぜ入院できないのか」と憤りの声を上げる。(小川慎一) 搬送先の病院が見つからず、感染判明から10時間後に自宅で死亡した男性に手を合わせる田代和馬院長(手前)と男性の妻=東京都品川区で(ひなた在宅クリニック山王提供) 7月28日午後9時前、品川区内のマンション一室で、救急隊員がスマートフォンで電話をかけていた。感染し容体が悪化した男性(83)の搬送先を探し、既に2時間を超えていた。駆けつけた区内の「ひなた在宅クリニック山王」の田代和馬院長が「100件ぐらいかけたか」と聞くと、隊員は「100件以上かもしれない」。
国政選に初挑戦した「参政党」が参院選比例代表で1議席を得た。得票率も2%を超え、公職選挙法上の政党要件を満たした。動画投稿サイト「ユーチューブ」や短文投稿サイト「ツイッター」を駆使して、政府や既存政党と対決する姿勢をアピール。政治に不満を抱く若者らの受け皿になったとみられる。 参政党は比例で議席を得た元大阪府吹田市議の神谷宗幣(そうへい)事務局長(44)が発起人となり、2020年に結党した。次世代の党などに所属していた元衆院議員の松田学氏ら3人が共同代表を務めている。綱領には「先人の叡智(えいち)を活かし、天皇を中心に一つにまとまる平和な国をつくる」などと記している。 選挙では、外国資本による企業や土地の買収を難しくする法律の制定を訴えたほか、外国人参政権への反対、外国人労働者の雇用抑制を主張。こうした保守的な主張に加え、子どもの教育充実、食の安全の確保、環境保全などを訴えた。また、政府の
東京の投票率は全国3位56.55% 無党派多い都市部で異例の高さ 物価高に苦しむ有権者、与党対策に異議<参院選2022> 参院選(10日投開票)の東京選挙区の投票率は56.55%で全国3位だった。1000万人以上の有権者を抱え、無党派層が多い都市部としては異例の高順位。大消費地・東京では、物価高が有権者の選挙への関心を高め、投票率を押し上げたとみられる。改選6議席を与野党が3議席ずつ分け合ったが、得票を詳しく分析すると、政権の物価高対策に対する有権者の意識が浮かび上がってくる。(村上一樹、我那覇圭)
閑散とした敷地に、案内係の職員が手持ちぶさたの様子でたたずんでいた。6月半ば、自衛隊が設置する東京都千代田区の新型コロナワクチン大規模接種会場。かつては希望者が多かった金曜日だが、訪れる人はまばらだった。 「会場の中もひっそりしてましたね」。3回目接種を済ませた千葉県松戸市の20代の女性会社員は話した。国内でのワクチン接種率は1、2回目が80%を超える一方、3回目は60%超で早くも頭打ちの兆しが見えてきた。医療の逼迫(ひっぱく)が緩和されて接種の必要性を感じにくくなる中、副反応への懸念から接種を避ける人も少なくない。 接種の鈍化で目立ってきたのが、有効期限を過ぎたワクチンの廃棄だ。特に米モデルナ社製は副反応の強さが心配され、期限までに使い切れない自治体が各地で続出。品川区では約6万回分、大阪市では約8万5000回分、広島市では約7万回分が廃棄に回った。 「無駄が出ないよう工夫したが、3回目
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