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ブックマーク / book.asahi.com (12)

  • 「エリートたちの反撃」書評 ドイツ論壇を揺るがした論争|好書好日

    エリートたちの反撃 ドイツ新右翼の誕生と再生 [著]フォルカー・ヴァイス 2010年、ドイツで論壇を揺るがす「ザラツィン論争」が起こった。 中道左派の社会民主党(SPD)の財政専門家で、独連銀の理事になってまもないティロ・ザラツィンが、ドイツに帰化したトルコ系などを「福祉に依存するクズ」と呼び捨て、排外主義と人種差別むきだしの著書『ドイツは自滅する』(未邦訳)をベストセラーにしたのである。書はこの論争を吟味し、右派言論の歴史的系譜を探る社会思想史。日では続編にあたる『ドイツの新右翼』が先に訳されたが、シュペングラー『西洋の没落』以来の「没落文学」を概観し、日の読者にはむしろわかりやすい順番だろう。 この種のはえてして保守主義とナショナリズム、排外主義、人種主義などが混然としがちだが、記述と言葉遣いも慎重かつ平明。日でヘイトスピーチが現象化したのと同時期のこの論争が、単にドイツの特

    「エリートたちの反撃」書評 ドイツ論壇を揺るがした論争|好書好日
    natu3kan
    natu3kan 2023/08/28
    行き過ぎたリベラリズムっていうより、行き過ぎたエガタリアニズム(平等主義)なんだろうな。
  • 綾辻行人さん×FF14・FF16吉田直樹プロデューサー対談 ミステリもゲームも「驚き」が命|好書好日

    綾辻行人さん(左)と吉田直樹さん=吉村智樹撮影 ミステリ小説で知った「驚き」 ――吉田さんは綾辻さんが書く小説の影響を強く受けていると聞きました。 吉田直樹(以下、吉田): そうなんです。中学時代に図書館で綾辻さんの『十角館の殺人』を借りて読ませていただいたのが始まりです。とにかく、「こんなに緻密なミステリが書けるものなのか……」と驚きました。常識をひっくり返されるというか、展開は予想するものの、結末に近づくにつれことごとくその予想が「気持ちよく」外れていく。あのときに受けた衝撃とカタルシスはいまだに忘れられないです。僕もゲームの脚を書いたり校正を行ったりしますが、プレイヤーに与えたいのは「驚き」です。そこは綾辻さんから受けた影響がめちゃくちゃ大きいのです。 綾辻行人(以下、綾辻):思わぬところで、自分が書いてきた作品がいろんなクリエイターさんたちに影響を与えている、と知る機会が増えまし

    綾辻行人さん×FF14・FF16吉田直樹プロデューサー対談 ミステリもゲームも「驚き」が命|好書好日
  • 「君たちはどう生きるか」宮崎駿監督が、新作映画について語っていたこと。そして吉野源三郎のこと|好書好日

    宮崎駿監督の新作「君たちはどう生きるか」ポスター=スタジオジブリのTwitterより 「私自身、訳が分からない」 「おそらく、訳が分からなかったことでしょう。私自身、訳が分からないところがありました」。 2023年2月下旬、東京都内のスタジオで上映された、「君たちはどう生きるか」の初号試写。米津玄師の歌うピアノバラードが流れ、エンドロールが終わった瞬間、灯りが点き、宮崎駿監督のコメントが読み上げられた。 客席から軽い笑い声が漏れた。私もその一人だった。あまりの展開の速さと、盛り込むだけ盛り込まれた情報を消化しきれず、茫然と座り込んでいたが、その言葉で我に返った。 これは「宮崎アニメ」の集大成なのか、吉野源三郎の著書『君たちはどう生きるか』の再解釈なのか。とにかく、1回見ただけではとても全容を把握できなかった。 「自分のことをやるしかない」 今回の作品は、公開前のプロモーションも、メディア関

    「君たちはどう生きるか」宮崎駿監督が、新作映画について語っていたこと。そして吉野源三郎のこと|好書好日
    natu3kan
    natu3kan 2023/07/14
    となりのトトロだって意味不明だったから
  • 文學界新人賞・市川沙央さん 「なにか職業が欲しかった」ままならぬ体と応募生活20年の果てに 「小説家になりたい人が、なった人に聞いてみた。」#1|好書好日

    第128回文學界新人賞 受賞作品「ハンチバック」 親が遺したグループホームで裕福に暮らす重度障害者の井沢釈華。Webライター・Buddhaとして風俗体験記を書いては、その収益を恵まれない家庭へ寄付し、Twitterの裏垢では「普通の人間の女のように子どもを宿して中絶するのが私の夢」と吐きだす。ある日、ヘルパーの田中に裏垢を特定された釈華は、1億5500万円で彼との性交によって妊娠する契約を結ぶ――。 療養生活という名の引きこもり 取材は市川さんが両親と暮らす自宅で行われた。お母さんに案内された部屋で、市川さんと目が合った瞬間、その射貫くような眼差しに気圧された。市川さんは筋疾患先天性ミオパチーという難病により、人工呼吸器を使用しているため、発話に大変な体力を使い、リスクもある。そのため取材も、あらかじめメールで回答をもらい、補足のみ、最小限お話いただく形をとった。 目力の強さはそれが市川さ

    文學界新人賞・市川沙央さん 「なにか職業が欲しかった」ままならぬ体と応募生活20年の果てに 「小説家になりたい人が、なった人に聞いてみた。」#1|好書好日
    natu3kan
    natu3kan 2023/05/28
    hunchbackってタイトルもパンチあるな。知識だけしかないのは、経験のある正業のある人には勝てないなって思う気持ちは分かる。苦役列車みたいな破天荒なのは実際の経験ないとディティール詰めるの難しいし。
  • うそ社会 軽やかに適応 宮台真司「制服少女たちの選択」|好書好日

    写真・飯塚悟 宮台真司(みやだい・しんじ)社会学者 首都大学東京教授。1959年生まれ。東京大大学院博士課程修了。国家権力からサブカルチャーまで扱う領域は広く、著書多数。93年、朝日新聞で女子中高生をめぐるいわゆるブルセラ論争に火をつけた。3人の子どもの父親で、近年は子育てについても積極的に発言している。近著に『ウンコのおじさん』『正義から享楽へ』。 30代半ばに書いたです。女子中高生が援助交際をしたり、ブルセラショップで制服や下着を売ったりしている当時の現象を、個別の道徳意識や成育環境の問題として考えるのではなく、社会システムの問題として分析しました。 この問題に関心を持ったのは1992年に女子高校生からカミングアウトされたからです。最初は特殊な話かと思いましたが、いざ渋谷で声をかけ、ツテをたどって調査を始めると、そうじゃないことにすぐ気づきました。 実はショックでした。女の子の売春に

    うそ社会 軽やかに適応 宮台真司「制服少女たちの選択」|好書好日
  • 「紛争でしたら八田まで」田素弘さんインタビュー 「知性」と「地政」で紛争解決するユニークなヒロイン|好書好日

    文:吉川明子 写真:斉藤順子 田素弘(でん・もとひろ)漫画家 1976年生まれ。東京都出身。アパレル、広告、webデザイン・ディレクション業を経て30代後半で脱サラ。『定時退社でライフルシュート』で「第1回THE GATE」一色まこと賞受賞。初連載『紛争でしたら八田まで』を43歳で開始。 半年間のイギリス滞在が影響 世界を股にかけて活躍する主人公といえば、漫画では『ゴルゴ13』のデューク東郷、『MASTERキートン』の平賀=キートン・太一、映画では「007」シリーズのジェームズ・ボンドと男性が主流だ。しかし、『紛争でしたら八田まで』の主人公・八田百合はサラサラのロングストレートにメガネとミニスカート姿が定番の女性。職業は地政学コンサルタントで、言語、文化歴史、宗教、政治、経済、軍事とあらゆることを頭に詰め込んで依頼に臨むが、どこに行っても浮きまくりで“ビッチ”扱いされてしまう、という異色

    「紛争でしたら八田まで」田素弘さんインタビュー 「知性」と「地政」で紛争解決するユニークなヒロイン|好書好日
    natu3kan
    natu3kan 2022/03/02
    40代前半ってゴールデンタイムでプロレスが放送されてた世代なんだ。30代前半だとゴールデンタイムでナイター延長の野球が放送されてた世代だろうし、主流のテレビ番組の変遷を感じる。
  • 福井県立図書館「100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集」インタビュー レファレンスサービスは、なんでも聞いていいんです!|好書好日

    宮川陽子さん福井県立図書館 司書 1998年から福井県立図書館で司書として勤務。現在の担当分類は、建築や機械工学、家政学などを扱う「5類 技術」(日十進分類法)。読書バリアフリーサービスや寄贈図書の管理なども行なっている。同館の「覚え違いタイトル集」の発案者でもある。 福井県立図書館「覚え違いタイトル集」 レファレンスサービスの認知向上のために ――「覚え違いタイトル集」は、どういった経緯で生まれたのですか。 そもそもの始まりは大学時代の後輩が久世番子さんの漫画『暴れん坊屋さん』を勧めてくれたのがきっかけかもしれません。久世さんが書店でバイトをしていたときのことを描いた漫画で、お客さんが覚え違えているタイトルから「これですね」と正しいタイトルのを渡すシーンがあったんですよね。それを見て図書館のカウンターでも似たようなことがあるという話から、エクセル表で覚え違いの事例を集めていくことに

    福井県立図書館「100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集」インタビュー レファレンスサービスは、なんでも聞いていいんです!|好書好日
    natu3kan
    natu3kan 2022/02/08
    月を宇宙みたいに似た概念や広いカテゴリーで覚えてる事ってあるよな。
  • 室町武士は‘‘サイヤ人’’だった!? カオスな時代、権力者たちのサバイバル描く「室町幕府全将軍・管領列伝」 (好書好日)

    ――書は室町幕府の歴代の将軍と実権を持っていた管領について、幕府の開始から滅亡まで章立ててまとめています。高校までの教科書では名前も出てこないような人物まで、家臣や主君、親族同士で激しい権力闘争を繰り広げた様が描かれています。しかし、なぜメジャーな戦国や幕末のヒーローではなく、室町幕府の権力者たちを取り上げたのでしょうか。 僕は大学時代に中国古代史を専攻していましたが、父が日古代史の研究者であることもあって日史も好きでした。中国古代史に関しては今でも半分研究者のつもりですが、日中世史などについてはあくまで素人です。 ただ数年前、NHK大河ドラマ「真田丸」で有名になる前の「国衆」(大名より規模の小さい在地の領主)という概念を取り上げた「全国国衆ガイド 戦国の‘‘地元の殿様’’たち」(2015年、星海社新書)というを企画しました。それがきっかけで日中世史の新書を多く担当することにな

    室町武士は‘‘サイヤ人’’だった!? カオスな時代、権力者たちのサバイバル描く「室町幕府全将軍・管領列伝」 (好書好日)
  • 熊代亨さん「健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて」インタビュー しんどさの根、見つめる|好書好日

    HOME インタビュー 著者に会いたい 熊代亨さん「健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて」インタビュー しんどさの根、見つめる どこにでもある日常風景の写真が5枚、書には差し挟まれている。駅構内で通行人が進む方向を示す矢印の群れ、何かの見せしめのようにすし詰めで皆が一服している屋内喫煙所、「不審者見たら110番!」の看板、といった類いである。 それらの一体どこが問題なのか、と思う人は少なくないだろう。だからこそ書かれただとも言える。昭和の時代に生まれ育った著者は、当時の雑然とした街に比べ、今の日は「清潔で、健康で、安心できる街並みを実現させると同時に、そうした秩序にふさわしくない振る舞いや人物に眉をひそめ、厳しい視線を向けるようになった」と記している。 健康に神経質過ぎる不健康さ、大人が作った秩序からはみ出さない子供たち、多様性と言いながら「不揃(ふぞろ)いでコミュ

    熊代亨さん「健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて」インタビュー しんどさの根、見つめる|好書好日
  • 「しまっちゃうおじさん」誕生秘話 「ぼのぼの」作者いがらしみきおさんインタビュー|好書好日

    文:吉野太一郎 画像提供:いがらしみきおさん、竹書房 いがらしみきお漫画家 1955年、宮城県生まれ。24歳で漫画家デビュー。1986年に「ぼのぼの」連載開始。88年に第12回講談社漫画賞受賞。2019年に漫画家生活40周年を迎えた。「ぼのぼの」は単行45巻のほか、映画化2回、アニメシリーズ化2回。ぼのぼの絵『しまっちゃうおじさんのこと』などもある。その他の作品に「ネ暗トピア」「忍ペンまん丸」「誰でもないところからの眺め」「かむろば村へ」「羊の木」(作画)、「I【アイ】」など多数。 どんどん自分のイメージから離れていった ――ぼのぼのや森の動物たちの幼少期を描いたスピンアウト「ぼのちゃん」シリーズの完結編に「しまっちゃうおじさん」の誕生秘話を選んだのはなぜですか? 「ぼのちゃん」という話は結局、編のぼのぼのの話と完全にはつながっていなくて、ある程度パラレルワールドの世界ではあります。

    「しまっちゃうおじさん」誕生秘話 「ぼのぼの」作者いがらしみきおさんインタビュー|好書好日
    natu3kan
    natu3kan 2020/05/29
    しまっちゃうおじさんって、大人になってみればバカバカしいけど怖い強迫観念ってのがリアルだよな。
  • 動かぬ巨竜に支配される心の闇 池澤春菜さんオススメ文庫|好書好日

    池澤春菜が薦める文庫この新刊! 『竜のグリオールに絵を描いた男』 ルーシャス・シェパード著 内田昌之訳 竹書房文庫 1188円 『魔術師ペンリック』 ロイス・マクマスター・ビジョルド著 鍛治靖子訳 創元推理文庫 1620円 『『星系出雲の兵站(へいたん)1』 林譲治著 ハヤカワ文庫 907円 (1)一つの山にも匹敵する大きさの竜グリオール。かつて魔法使いとの戦いに敗れ、動くことのできなくなったグリオールの周りにいつしか人々が住みはじめた。その巨大な体に絵を描き、絵の具に含まれる毒でゆっくりと殺そうとする画家の生涯をかけた戦いの話。グリオールの体内に入り込んだ鱗(うろこ)狩人の娘が見いだした、異形の世界の話。3話目は法廷劇、グリオールが生み出した宝石が引き起こした殺人事件。美しい女性に変化する竜と、それに恋をした男の異種恋愛譚(たん)。4の短編からなる連作。あまりに強大なグリオールは麻痺(

    動かぬ巨竜に支配される心の闇 池澤春菜さんオススメ文庫|好書好日
  • コラム別に読む : 「偶然」の科学、リベラルの論拠 - 尾関章 | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    偶然といえば、やっぱりサイコロ。のカバーと同じでは申し訳ないので、カラフルなものを文具店で見つけた=尾関章撮影 読みは、偶然の賜物である。屋に行く。華やいだ街の大手書店のこともある。駅前にある馴染みの屋のこともある。自転車で乗りつける中古ショップのこともある。目を書棚に並ぶ背表紙に走らせて、それが止まる一瞬が大事だ。「これだ」と思うと、そのと僕との間に関係性が生まれる。この「文理悠々」でとりあげてきたのなかには、こんな瞬間を経て買い込んだものが多い。 最近では、1月20日付当欄で紹介した『缶詰に愛をこめて』(小泉武夫著、朝日新書)や、2月3日付当欄の『「闇学」入門』(中野純著、集英社新書)がそうだ。背表紙にある「缶詰に愛」や「闇学」の字面が強烈だった。 さて今回、当欄は200回目を迎えた。初回は2010年4月1日、「植草甚一の話から始めてみよう」だった。欄名は「めざせ文理両道

    コラム別に読む : 「偶然」の科学、リベラルの論拠 - 尾関章 | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト
    natu3kan
    natu3kan 2014/04/18
    >「〈モナ・リザ〉はこの世界では人気があるが、ほかの歴史ではよくある傑作のひとつにすぎず、われわれが聞いたこともないような別の絵が〈モナ・リザ〉の座を占めていることになる」
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