新生児科の医師からその事実を聞くまで、私は生まれてきた命はすべて救命の対象になるものと思っていました。しかし、お母さんのおなかから生きて出てきて産声を上げても、助けられない命があるというのです。(科学文化部記者 池端玲佳) 通常、赤ちゃんは妊娠40週前後で生まれてきます。一方で、早産では何らかの理由で、おなかの中で十分に発育する前に生まれてきます。医療技術の進歩で、超早産と言われる妊娠22週で出産した赤ちゃんも、人工呼吸器などをつけて、発達を促すことで、その後退院し、生育できるようになっています。国の最新の統計では、おととし1年間に、妊娠23週で生まれた赤ちゃんは298人。22週だと130人いました。