一方で、日本は近年の国際競争力の低下が目立つ。箕浦氏はスイスのビジネススクールIMDが毎年発表する「世界競争力ランキング」(注)のデータを基にしたグラフを示し、「1992年には、日本の国際競争力はトップだった。そこから下降線をたどり、2018年には国内では景気が上向いてきたと言われていた中で、国際競争力が最下位に落ちている」と指摘する。 平成の30年間を昭和の働き方で過ごしてきた日本の「思い込み」と「誤解」 なぜ、日本人はこんな時でも会社に通うほど勤勉でありながら、企業競争力の長期低迷が続いているのか。箕浦氏は、日本が社会の大きな変化に対応できなかったからだと説明する。 その変化とは、情報機器の進化と、それに伴う働き方の変革だ。 昭和の時代、最先端の通信機器は、固定電話とファクシミリだった。それが平成の時代、PC、携帯電話、スマートフォンに置き換わっている。これらが象徴するように、世界では