合法的な引用か、否か――。二松学舎(にしょうがくしゃ)大(東京都千代田区)が、トップの著作物を巡って揺れている。中山政義学長(66)が執筆した書籍や論文に、他の専門書などと酷似する記述があるとの指摘が寄せられ、大学側が調査に乗り出す事態になったのだ。不正の有無は外部の有識者を交えた調査委員会が調べるが、伝統の学び舎(や)に何があったのか。【平塚雄太】 皇居の北西、千鳥ケ淵近くに二松学舎大はある。 1877(明治10)年に設立された前身の漢学塾・二松学舎では夏目漱石や元首相の犬養毅らが学び、戦後の1949年に大学となった。「日本漢学研究センター」を持つなど漢文研究に定評があり、国語科の教員を多く輩出していることでも知られる。 調査対象の一つになっているのは法学の入門書「法学―法の世界に学ぶ―」(成文堂)。同書によると、大学で初めて法を学ぶ学生のため、二松学舎大の教員が編集・執筆して2017年