配送料を巡り「楽天市場」の出店者、さらに公正取引委員会と対立する異例の事態を引き起こした楽天。そこにあるのは、「虐げられる出店者」と「意固地になる楽天」という単純な構図だけではない。一連の問題から見えたのは、「中小店舗をエンパワメントする」という楽天の理念が、いつの間にか薄れつつあることではないだろうか。 「何が何でも成功させたい」──。2020年1月に出店者を集めた「新春カンファレンス」で、楽天の三木谷浩史会長兼社長は一律送料無料ラインの導入についてこう語った。一部の出店者から反対の声が上がり、公取委が「優越的地位の乱用」にあたるかどうかを調査すると表明していても、強気の構えを崩さなかった。送料も含めた物流全体の競争力を引き上げなければ、アマゾンジャパン(東京・目黒)には勝てない。そんな焦りともとれる姿勢が垣間見える。 楽天市場のユーザーなら経験があるかもしれない。商品を注文した際に、店