新型コロナウイルスによる感染症(COVID-19)が中国で流行して以来、アジアでは何万人もの人が感染し、何千人もの人が亡くなった。そしてウイルスは世界中に広がっている。
「こんなに楽になるのなら……」 埼玉県K市在住の白井ゆりさん(仮名)は、ALS患者としては珍しい20代発症の若い患者だ。東京まで1時間かけて通勤するサラリーマンの夫と小学校低学年と幼稚園児の娘さん2人がいる。子育ての最中に、難病ALSが襲いかかったのである。 私がゆりさんに初めて会ったのは去年4月。浅草の花やしきを貸し切って、お花見イベントを開催した時、ほかの患者さんから紹介された。 その頃のゆりさんは、ALSが進行して呼吸が苦しくなっても、人工呼吸器は装着しないかもしれない、ということで、友人と一緒に作った絵本には、ママがいなくなったとしてもパパを大事にしてね、というようなことも描かれていた。 でもFacebookなどで同病の人たちと繋がって、家族にあまり負担をかけずとも、自宅で生きていかれることを知るようになり、それで生きる勇気が湧いてきた。 先週、ゆりさんは気管切開に踏み切った。そし
(この話に登場する人物にモデルはいますが、仮名を使う などご本人とわからないように詳細は変えて書いています) 自分はまだ大丈夫、今日と同じ明日が来る、と信じる病人の気持ち一瞬視界が真っ白になりました。「ひどく煙った部屋だな」私がロクロウさんの部屋のドアを開け、中を見渡すと、6畳程度の部屋にある使い古したベッドには、痩せた男性がテレビを観ながら、静かに横になっていました。 脇にはたばこの吸い殻が大量に並ぶ、灰皿がありました。ロクロウさんは、私と目が合うと、その躯体とはおおよそ似つかわしくない、鋭い目つきで私を見つめました。 とある病院から、肺がんのロクロウさんのことを初めて紹介されたのは、1週間前のことでした。病院からは、「外来の受診も、入院も、本人を説得しても、全く応じない。家族も困っている。病院としては、何も手助けができない」ととても困っていることがよく分かりました。 私は、緩和ケアを長
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