福島第一原発の事故をめぐり、検察審査会から「起訴議決」を受けた東京電力の勝俣恒久元会長(75)ら元幹部3人について、検察官役の指定弁護士が29日、業務上過失致死傷の罪で東京地裁に強制起訴した。3人は起訴内容を否認するとみられ、事故を事前に予測できたのかや、対策をしていれば事故を防げたのかが主な争点となる。 起訴されたのは、勝俣元会長のほか、武藤栄(65)、武黒一郎(69)の両元副社長。起訴状によると、3人は原発の敷地の高さである10メートルを超える津波が襲来し、建屋が浸水して電源喪失が起き、爆発事故などが発生する可能性を事前に予測できたのに、防護措置などの対策をする義務を怠ったとしている。その結果、2011年3月の東日本大震災では10メートルを超える津波で原発が浸水し、水素ガス爆発などが発生。爆発によるがれきなどで作業員ら13人を負傷させ、周辺の病院から避難しようとした入院患者ら44人を死