「平和のための原子力」を掲げたアメリカ合衆国の郵便切手(1955年発行)。 平和のための原子力(へいわのためのげんしりょく、英語: Atoms for Peace)は、アメリカ合衆国のドワイト・D・アイゼンハワー大統領が、1953年12月8日にニューヨークの国際連合総会で行った演説で提唱した、原子力に対する考え方である。核の平和利用(かくのへいわりよう)ともいう。 概要[編集] 第二次世界大戦末期の1945年、アメリカ軍が広島・長崎に原子爆弾を投下して、約10万6000人の死者と約11万人の負傷者を出した。その後も1948年、アメリカ合衆国が太平洋で核実験を行ったが、1949年にはソビエト連邦が核実験に成功し、核開発能力を備えるに至った。それを受けて、アメリカ軍はより強力な水素爆弾の開発を進め、1952年11月に爆発実験を成功させた。しかしソ連は、原子力発電所のノウハウを東側諸国に提供し、