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ブックマーク / blog.tatsuru.com (18)

  • ドイツのあるジャーナリストの日本論 - 内田樹の研究室

    ドイツのある新聞の東京特派員が過去5年間の日の政府と海外メディアの「対立」について記事を書いている。 安倍政権の国際的評価がどのようなものかを知る上では貴重な情報である。 でも、日国民のほとんどは海外メディアが日をどう見ているのかを知らない。 日のメディアがそれを報道しないからである。 しかたがないので、私のような門外漢がドイツの新聞記者の書いたものをボランティアで日語に訳して読まなければならない。 このままでは「日で何が起きているのかを知りたければ、海外のメディアの日関連記事を読む」という傾向は止まらない。 そんなことまで言われても日のジャーナリストは平気なのか。 「ある海外特派員の告白 5年間東京にいた記者からドイツの読者へ」 Carsten Germis さて、荷造りも終わった。ドイツの日刊紙Frankfurter Allgemeine Zeitungの特派員として東

    popoi
    popoi 2015/05/15
    メモ。 #メディア #報道 #歴史修正主義 #外交
  • New York Times AIIBについての記事から - 内田樹の研究室

    4月2日のNew York Times の記事を訳した。 AIIBの意味について、日のメディアは取材も分析も足りないと思う。 AIIBへの不参加が客観的な情勢判断に基づいて「国益に資する」としてなされた決定であるなら、それがひとつの政治的見識であることは私も認める。 けれども、その決定の根拠が「アメリカによく思われること」であるというのなら、それは主権国家のふるまいとは言いがたい。 主権国家はまず自国の国益を配慮する。 韓国台湾もオーストラリアもそうした。日だけがしなかった。というかできなかった。 それはこれまで中国を敵視し、メディアを通じて中国のガバナンスは不安定であり、経済的にも後退局面に入っているという「主観的願望」を垂れ流してきたせいで、現実が見えなくなってきたからである。 中国がアジアにおける日の最大のライバルであるというNYTの評価は客観的には適切なものだと思いたい。

  • 「沖縄の孤独な戦い」ル・モンド - 内田樹の研究室

    『ル・モンド』が3月25日に「沖縄の孤独な戦い」と題するレポートを掲載した。 ヨーロッパから見た沖縄の状態についてのレポートである。ヨーロッパからは日は「こういうふうに見えている」ということである。 とくに、最後の方の「日政府の無関心が沖縄独立気運を強めている」という観察はたぶん欧米の読者には腑に落ちる説明だろう(植民地においての無数の苦い経験が彼らにはある)。 なぜ日政府がそのような愚かな選択に固執するのか、その理路が記者にはどうしても理解できないようだ。 日のメディアでは自明として扱われていることが、海外メディアからは理解不能であるという場合に、対応は二通りある。ひとつは海外メディアは「何も事情がわかっていない」と無視すること。ひとつは「事情がわかっていないのは自分たちかもしれない・・・」と疑ってかかること。 知的負荷が大きいのは後者である。 沖縄の孤独な戦い フィリップ・ポン

  • 日本はアジアの次の独裁国家になるのか? - 内田樹の研究室

    Bloomberg Viewという海外メディアに安倍政権の改憲の企てがめざす方向についての興味深いコメントが載っていた。 書いたのはNoa Smithさん。ニューヨーク州立大学Stony Brook 校の准教授とある。 たぶんアメリカリベラル知識人の「最大公約数」的見解だろう。 こういう判断をする人たちがホワイトハウスに影響力を持つならば、安倍の暴走は「外圧」によって阻止される希望がある。 著者は野党が自民党の対抗勢力としてほとんど役に立たないことについては言及しているが、日のメディアの反権力的な機能については一語も費やしていない。 話題にするだけ「無駄」だということを知っているのだろう。 それにしても、天皇とホワイトハウスしか自民党の「革命」を止める実効的な勢力が存在しないというような時代を生きているうちに迎えることになるとは思ってもみなかった。 もとの記事はこちら。 http://

  • 『日本の反知性主義』のまえがき - 内田樹の研究室

    『日の反知性主義』は3月刊行予定。編者として「まえがき」を書いたので、それを掲載しておきます。 どういう趣旨のなのか、その緊急性は何か、それをぜひご理解ください。 編者のまえがき みなさん、こんにちは。内田樹です。 書、『日の反知性主義』は昨年の『街場の憂国会議』に続いて、私がその見識を高く評価する書き手の方々に寄稿を依頼して編んだアンソロジーです。書の企図が何であるかは昨夏に発送した寄稿依頼の書面に明らかにされております。それを再掲して、書編纂の意図を示しておきたいと思います。まずそれをお読みください。 私たちは先に晶文社から『街場の憂国会議』を刊行しました。これは特定秘密保護法の国会審議においてあらわになった立憲政治、民主制の危機について、できるだけ多様な視点からその文脈と意味を考察しようとした試みでした。不肖内田がその編著者を拝命いたしましたが、多くのすぐれた書き手の方に

  • アパルトヘイトをめぐるThe Daily Beast の記事から - 内田樹の研究室

    曾野綾子が産経新聞のコラムに掲げた「アパルトヘイト支持」発言について、海外のメディアはこれを大きく取り上げない日の主要メディアと政府の不誠実さに対してつよい懸念を抱いている。 一人の人間が人種差別的な思想の持ち主であることは、その想念がその人の脳内にとどまる限り咎めることはできないし、咎めるべきでもない。けれども、それを公開するときは、それが伴う「社会的責任」がどのようなものかを意識する必要がある。大人なら、誰でもそうしている。 曾野綾子の知性が不調なのは、彼女の個人的信念が世界標準では「許されない非人道的なもの」として認定されているという「事実」を勘定に入れることを怠った点にある。 そして、さらに問題なのは、このように低調な知性の持ち主に定期的なコラムを掲載していた新聞が存在し、そのような人物を教育政策の諮問機関に「有識者」として登用してきた政府が存在するという事実の方である。 個人の

  • 歴史の検閲について - 内田樹の研究室

    韓国のヨンハップニュースがアメリカ歴史家たちが「慰安婦」問題で、日政府の検閲をきびしく告発していると報じた。そのニュースを訳出しておく。 韓国メディアなので、当然日に対して批判的なスタンスからの報道だが、声明の内容についてはこれまで見た中では最も詳しく紹介している。 「米国の学者たち、日の『歴史検閲』に抗議」(2015年2月5日) by Chang Jae-soon and Roh Hyo-dong Yonhap News Agency アメリカ歴史家団体は5日、日の教科書出版社に対して第二次世界大戦中に日が行った女性の性奴隷化についての記述を変更するように日政府が圧力をかけようとしたことに対して強く抗議する共同声明を発表した。 名を連ねた19人の学者たちは共同声明の中で、学術調査と蛮行の生存者からの聴き取りに基づく限り、これが「国家後援の性奴隷制度の質的な特徴を備えてい

  • またまたロイターの記事から - 内田樹の研究室

    2月11日のロイター発の記事が日政府の歴史問題についての広報活動が結果的に日にとって痛い結果をもたらすだろうという観測を述べている。 アメリカ歴史家たちの声明に続いて、英米から安倍政権の歴史認識についての批判的なコメントが続いているが、日のメディアは国際社会から安倍政権がどういう評価をされているかについてほとんど報道しない。 こうやってSNSで手仕事をするしかない。こういう手立てがあるだけありがたいといえばありがたいけれど。日のメディアに対する信頼が急落していることについて、もう少しメディア関係者は危機感を持って欲しい。 記事はここから。 日の戦時下の行為についての偏見を訂正しようとする日政府の運動が引き起こした騒動は、海外に友邦を創り出そうとする巨額のPR活動の積極的なメッセージを台無しにするリスクがある。 PRの予算規模は5億ドルを超えるが、これは日の戦前戦中における行

  • NewYork Times 3月2日の記事から - 内田樹の研究室

    アメリカの対日世論はしだいに疑惑と不信の論調に傾きつつある。 New York Times の昨日の記事「安倍氏の危険な歴史修正主義」を訳してみた。 安倍首相の「真意」を記者が読み切れないのは、つねづね申し上げているとおり、「対米従属を通じての、対米自立」という自民党の伝統的な戦略の「意味」と、それを支える「心性」がアメリカ人には理解しにくいものだからである。 記事は首相の真意を「hard to decipher」と評しているが、decipher というのは「意味不明の言葉・暗号・古文書などを解読する」というかなり特異な含意の動詞である。 首相の対米姿勢は友好的なのか対立的なのか、よくわからないという先方の当惑がよく伝わってくる記事である。 なにより「does not want to be dragged into a conflict between China and Japan」(ア

    popoi
    popoi 2014/03/06
    NYT《戦争の歴史を改竄/ #歴史修正主義 》#南京虐殺 に関する安倍氏の意思表示。『南京戦はあったが「南京虐殺」はなかった』呼掛人 #安倍晋三 http://www.tsukurukai.com/_src/sc1017/ikenkokoku2.pdf.pdf
  • 特定秘密保護法案に反対する学者の会記者会見全文 - 内田樹の研究室

    特定秘密法に反対する学者の会が12月28日13:00から学士会館で開かれました。 集英社の伊藤直樹くんが音声を記録して文字起こしまでしてくれましたものに佐藤学先生が朱を入れてくれた「決定版」が送られてきましたので、改めてご紹介します。 引用などされる場合はこちらの「決定版」からされるようにお願いします。 お手間をかけた伊藤くんとスタッフのみなさんに改めて感謝致します。では、どうぞ。 2013年11月28日特定秘密法に反対する学者の会 佐藤学 :  お忙しい真っ最中だと思いますが、今日はこのように多数、お集まり頂き、ありが■2013年11月28日特定秘密法に反対する学者の会■ 佐藤学(学習院大学教授): お忙しい真っ最中だと思いますが、今日はこのように多数、お集まり頂き、ありがとうございました。最初に、ここに並んだ者の自己紹介をさせて頂きたいと思います。私、日の司会役を務めます学習院大学の

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    popoi 2013/12/03
    専門家の解説。《今までにも文書は決して公開されていない/今公開されている物を特定秘密で保護しようというんじゃない/今現に公開が全然できていないという状態》 #秘密保護法 #政治
  • New York Times の特定秘密保護法案衆院通過についての記事 - 内田樹の研究室

    New YorkTimes は11月29日に「秘密保護法案によって日は戦後の平和主義から離脱するのか」という記事を掲載しました。さきほどツイッターに紹介しましたけれど、アメリカでの論調を知って欲しいので、ここに訳出しておきました。やや荒っぽい翻訳ですけれど、新幹線車内での仕事なので、ご容赦ください。 では。どぞ。 街頭でのデモや主要紙の批判的社説を一蹴して、日の保守派の首相安倍晋三は秘密保護法を通過させることによって、彼の国の戦後の平和主義を逆転させることをめざす一連の法整備の第一歩を進めた。 安倍首相によれば、国家機密をより厳正に管理することがアメリカとの国家機密にかかわる軍事情報の共有のためには必要であると語っている。火曜日に衆院を通過したこの法案は近日中に参院でも採択される見通しであり、これは安倍氏の、日を彼の言うところの「ふつうの国」に変えるためのステップの一つである。具体的

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    popoi 2013/12/03
    「#法律 は情報の秘密指定の適切性を点検する機構の設立を定めていない/日本には米国の様な他の民主国家にある様な情報に関するしっかりした法律が整備されていない」 #秘密保護法案 #政治
  • 石破発言について - 内田樹の研究室

    毎日新聞にこんな記事が出ていた。 自民党の石破茂幹事長は29日付の自身のブログで、国家機密を漏えいした公務員らに厳罰を科す特定秘密保護法案に反対し、国会周辺で行われている市民のデモについて「単なる絶叫戦術はテロ行為とその質においてあまり変わらないように思われます」と批判した。国会周辺では連日、市民団体が特定秘密保護法案に反対するデモを行っているが、これを「テロ行為」と同列視する内容で反発を招くのは必至だ。石破氏はブログで「今も議員会館の外では『特定機密保護法絶対阻止!』を叫ぶ大音量が鳴り響いている。どのような主張であっても、ただひたすら己の主張を絶叫し、多くの人々の静穏を妨げるような行為は決して世論の共感を呼ぶことはない」と指摘。「主義主張を実現したければ、理解者を一人でも増やし支持の輪を広げるべきだ」と主張した。(毎日新聞12月1日) 重要な発言である。 彼の党が今採択しようとしている

    popoi
    popoi 2013/12/03
    この #秘密保護法案 は、現状では一応、現行憲法の縛りが有るが。仮にもし #自民党 の #憲法 改正草案が通れば、毒性が一気に激化する。麻生ナチス発言や、石破テロ発言は、重要な道標。 #政治
  • 非実在有害図書 - 内田樹の研究室

    東京都青少年健全育成条例について基礎ゼミの発表がある。 「表現に対する法的規制」というものについて私は原理的に反対である。 ふつうは「表現の自由」という大義名分が立てられるけれど、それ以前に、私はここで言われる「有害な表現」という概念そのものがうまく理解できないからである。 まず原理的なことを確認しておきたい。 それは表現そのものに「有害性」というものはないということである。 それ自体有害であるような表現というものはこの世に存在しない。 マリアナ海溝の奥底の岩や、ゴビ砂漠の砂丘に、あるいは何光年か地球から隔たった星の洞窟の壁にどのようなエロティックな図画が描かれていようと、どれほど残酷な描写が刻まれていようと、それはいかなる有害性も発揮することができない。 「有害」なのはモノではなく、「有害な行為」をなす人間だからである。 全米ライフル協会は「銃が人を殺すのではない、人が人を殺すのだ」と主

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    popoi 2013/07/14
    #《私たちが推論できるのは、 #性犯罪 の多発と「#有害 」図書のあいだに有意な相関は見られない、ということである》 #内山樹 #表現規制 #自民党 #政治 #漫画 #マンガ #犯罪 #わいせつ
  • 改憲案の「新しさ」 - 内田樹の研究室

    ある媒体に長い改憲論を寄稿した。 一般の目に触れることのあまりなさそうな媒体なので、ここに採録しておく。 改憲案の「新しさ」 改憲が政治日程に上ってきている。7月の参院選で自民党が大勝すれば、今秋以降には国内での合意形成めざした議論が始まるだろう。自民党や改憲勢力がいったいこの改定を通じて「何を」実現しようとしているのか、それをこの機会に確認しておきたいと思う。 自民党の改憲草案については、さまざまな批判がすでになされている。個別的な条文ひとつひとつについての適否は専門家による議論に委ねて、私としてはこの改憲案に伏流している「新しいものの見方」についてだけ考えてみたいと思う。護憲派の論客の多くは、改憲案の「復古調」に違和感や嫌悪を覚えているようだが、私はむしろこの改憲案は「新しい」という印象を受けた。その「新しさ」とは何かについて書きたい。 まず、今日のみならずグローバルなスケールで起き

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    popoi 2013/06/05
    #表現規制 #生活保護 叩き #天賦人権 と #公共の福祉 否定の #憲法改正草案 #TPP 参加。纏めると、斯様な方向性か。この論考発表後 #自民 は #ワタミ 擁立。明瞭。 #政治 #社会 #憲法 #自民党 #内田樹 #経済
  • 英語公用語化について - 内田樹の研究室

    「ユニクロが公用語、英語に」という新聞の見出しを見て、「UNIQLO」という単語が英語の辞書に採択されたのか、すげえと思っていたら、そうではなくて、社内の公用語が英語になったのである。 日の企業ではすでに日産と楽天が公用語を英語にしているが、ユニクロも「日のオフィスも含めて、幹部による会議や文書は基的に英語とする」ことになった。 柳井正会長兼社長は「日の会社が世界企業として生き残るため」と語っている。 海外で業務ができる最低限の基準として、TOEIC 700点以上の取得を求めるのだそうである。 こんな時代にサラリーマンをしていなくてよかったなあ、と心底思う。 英語が公用語という環境では、「仕事はできるが英語はできない」という人間よりも「仕事はできないが英語ができる」という人間が高い格付けを得ることになる。 英語が公用語になったある学部では、英語運用能力と、知的ランキングが同期してし

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    popoi 2013/04/07
    メモ。 #学校 #日本 #教育 #政治 #社会 #環境 #大学 #内田樹 #勉強 #組織 #仕事 #会社
  • 学校教育の終わり - 内田樹の研究室

    大津市でのいじめ自殺、大阪市立桜宮高校でバスケットボール部のキャプテンの体罰自殺など、一連の事件は日の学校教育システムそのものがいま制度疲労の限界に達していることを示している。 機械が壊れるときは、金属部品もプラスチックもICもすべてが同時に劣化する。それに似ている。学校教育にかかわるすべてが一斉に機能不全に陥っている。 これを特定のパーツを取り替えれば済むと考えている人は「どこが悪いのか?」という「患部」を特定する問いを立てようとする。だが、それは無駄なことだ。日の学校制度はもう局所的な手直しで片付くレベルにはない。 「日の学校制度のどこが悪いのでしょうか」と訊かれるならば、「全部悪い」と答えるほかない。 けれども、学校教育は「全部悪い」からといって、「全部取り替える」ことができない。自動車なら、新車が納車されるまで、バスで通う、電車で通うという代替手段があるが、学校にはない。新し

    popoi
    popoi 2013/04/07
    メモ。 #学校 #日本 #教育 #政治 #社会
  • ネット上の発言の劣化について - 内田樹の研究室

    個人的印象だが、ネット上での匿名発言の劣化がさらに進んでいるように見える。 攻撃的なコメントが一層断定的になり、かつ非論理的になり、口調が暴力的になってきている。 これについては、前に「情報の階層化」という論点を提示したことがある。 ちょっと長い話になる。 かつてマスメディアが言論の場を実効支配していた時代があった。 讀賣新聞1400万部、朝日新聞800万部、「紅白歌合戦」の視聴率が80%だった時代の話である。 その頃の日人は子どもも大人も、男も女も、知識人も労働者も、「だいたい同じような情報」を共有することができた。 政治的意見にしても、全国紙の社説のどれかに「自分といちばん近いもの」を探し出して、とりあえずそれに同調することができた。 「国論を二分する」というような劇的な国民的亀裂は60年安保から後は見ることができない。 国民のほとんどはは、朝日から産経まで、どれかの新聞の社説を「口

  • 陸軍というキャリアパスについて - 内田樹の研究室

    寺子屋ゼミでは1936年の二・二六事件と現在の「空気」の近さが話題になった。 統制派と皇道派の対立の賭け金は何だったのか? なにが蜂起した青年将校たちの「政治的正しさ」を主観的には根拠づけていたのか? 資料的なことは私は知らないが、大筋はわかる。 二・二六はテロリズムだから、皇道派の「求めたもの」が浪漫的に脚色されすぎて、見えにくくなっているものがある。 このテロ事件にはもっとリアルなものが伏流していた。 ポストである。 その前年に相沢事件というものがあった。 統制派の首魁、永田鉄山陸軍少将が皇道派の相沢三郎中佐に軍務局長室で斬殺された事件である。 陸軍内部に二つの勢力があり、そのポスト争いは平時に軍人同士が殺し合うほど深刻なものだったというのは冷静に考えるとかなり異常なことである。 ふつうの組織でも、派閥はあるし、ポスト争いもある。 でも、人は殺さない。 軍内部の人事異動(直接には真崎甚

    popoi
    popoi 2013/01/30
    迂遠なのが良い事も有るという話、かしら。皆が皆、ラインハルト・フォン・ローエングラムではない。アンドリュー・フォークの方が多いのである。
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