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ブックマーク / honz.jp (7)

  • 『ゲッベルスと私 ナチ宣伝相秘書の独白』 - HONZ

    作者:ブルンヒルデ・ポムゼル、トーレ・ハンゼン 翻訳:森内 薫、赤坂 桃子 出版社:紀伊國屋書店 発売日:2018-06-21 ヒトラーの時代を考える ヒトラーと、その右腕ゲッベルス宣伝相が作り出した大衆的熱狂の先には、戦争と破壊、そして未曾有の大量殺戮が待ち受けていた。偏狭な自民族中心主義と極端な反ユダヤ主義、人種差別主義(レイシズム)が第二次世界大戦と結びついて、ヨーロッパを「暗黒の大陸」へと変えたのだ。戦後、世界は解放された各地の強制収容所に累々と積み上げられた犠牲者の屍に絶句し、「二度と繰り返してはならない」と誓ったのである。 それから73年が経過した今、ドイツ、オーストリアを始め世界各地でポピュリズム、排外主義の動きが不穏な高まりを見せている。人権と民主主義を軽んじる政治的指導者が名乗りをあげるなか、あらためてヒトラーの時代を考えることには大きな意味があるだろう。ヒトラーは大衆民

    『ゲッベルスと私 ナチ宣伝相秘書の独白』 - HONZ
    poronnotei
    poronnotei 2018/06/21
    「これは、他でもない現在の日本で起きていることである。」
  • 『第三帝国の愛人』アメリカ大使一家が見た、ナチスの暗い真実 - HONZ

    1933年1月、ヒトラーがヒンデンブルク大統領の任命により首相になってから、翌1934年8月、ヒンデンブルクの死と同時にあらゆる権能を掌握し、絶対的な権力者・総統となるまでの2年弱。ヒトラーとナチスの「権力掌握の総仕上げ」が成され、日常生活に潜んでいた恐怖政治の実体が一気に表面化して世を覆い尽くすこの時代を、ヒトラー政権下で初めてベルリンに赴任したアメリカ大使とその一家が残した日記や手記、膨大な文書や歴史資料をもとに再現したのが書である。 シカゴ大学の教授で著名な歴史学者でもあるウィリアム・D・ドッドは、就任したばかりの大統領・ローズベルトから「政府に奉仕する気があるか聞きたい。ドイツに大使としていってもらいたいのだ」という電話を受ける。「ドイツリベラルアメリカ人の手を示してもらいたい」と。このときすでに4ヶ月も駐独大使の席は空席だった。が、ドッド自身にとっても、周囲の人々にとって

    『第三帝国の愛人』アメリカ大使一家が見た、ナチスの暗い真実 - HONZ
  • 『粘菌 偉大なる単細胞が人類を救う』“単細胞”は、もはやアホの代名詞ではない - HONZ

    物理学賞のトリプル受賞により日を沸かせたことで記憶に新しい、ノーベル賞。その陰で、権威や注目度は大きく違えども、独特な存在感を醸し出している賞がある。イグ・ノーベル賞だ。「まずもって人々を笑わせ、次に考えさせる研究」に対して贈られ、今年日からは、北里大学の馬淵教授らの「バナナの皮を踏むとなぜ転びやすくなるか」を学術的に解明した研究が「イグ・ノーベル物理学賞」を受賞。バナナ片手に歌いながら研究成果をスピーチする姿も話題になった。 日人の受賞は今年で8年連続と、実は家よりハイペースな受賞頻度を誇るこの賞。その栄誉(?)に2度も輝いたのが、粘菌の生態に関する研究である。著者は粘菌をはじめとする単細胞生物の研究を続けて25年になる研究者で、2度の受賞の中心人物だ。 粘菌。日常生活ではなかなか口にしない名前だが、実はちょっとした藪や都会の植え込みにも潜んでいる身近な生物だ。湿気を好み、特に森

    『粘菌 偉大なる単細胞が人類を救う』“単細胞”は、もはやアホの代名詞ではない - HONZ
  • 完全食品ソイレントが突きつけるもの - HONZ

    『ニューヨーカー』の2014年5月12日号に、「ソイレント」という液状品に関する記事が掲載されました。軽~く興味を引かれて読み始めたところ、ちょっと意外なぐらいに、われわれの「」について考えさせる内容になっていたので、ご紹介してみます。 液状のべ物というのは、昨今、それほど珍しいわけではありません。減量したい人のダイエット品にも、ドロドロした飲むタイプのものがありますし、筋肉増強したい人のためにも、タンパク質メインの飲み物はあります。しかしソイレントがそれらと異なる点のひとつは、完全品を謳っている点です。これだけを摂取していれば、ほかには何もべなくてもよいというのです。 ソイレントを考案したのは、ロブ・ラインハートという青年で、品関係というよりむしろ、ITとかSNS系の起業をやりそうな感じに見えます。実際、ラインハートは、ジョージア工科大学卒業後、友人二人とともにIT関係のス

    完全食品ソイレントが突きつけるもの - HONZ
    poronnotei
    poronnotei 2014/06/05
    おもしろかった。
  • 『真実 新聞が警察に跪いた日』 - 栄光からの転落 - HONZ

    時代がいくら変わっても、新聞には変わらない役割があります。その重要な 一つが権力監視、権力チェックではないでしょうか。権力監視の力は弱くなってきたと言われていますが、読者のためにも権力監視の役割を放棄するわけにはいきません。北海道警察の裏金問題の報道は、まさにそうした、新聞来の役割を取り戻すための作業でした。 2004年10月、書の著者・高田昌幸氏が北海道新聞取材班の代表として、報道界最高峰と言われる新聞協会賞を受賞した時のスピーチである。このときの「北海道警裏金問題追及キャンペーン」は素晴らしい仕事であった。一連の調査報道は、このほか日ジャーナリスト会議大賞、菊池寛賞も受賞し、北海道新聞の勇名を日中に轟かせた。事件の取材においては警察との「友好関係」が欠かせない警察記者クラブの記者たちが、よくぞ踏ん張って戦ったものだなあと、私も当時感心した記憶がある。 かっこいいなあ新聞記者。頼

    『真実 新聞が警察に跪いた日』 - 栄光からの転落 - HONZ
    poronnotei
    poronnotei 2014/05/24
    この本めっちゃ面白そう
  • 無能な研究者のずさんな仕事……なのか?  除草剤アトラジン問題のゆくえ - HONZ

    除草剤アトラジンをめぐる長年の論争がひとつの山場を迎えているようで、『ニューヨーカー』の2月10日号にホットなレポートが載っていました。アトラジンは日でも使われている除草剤でもあり、今後の成り行きが注目されます。 が、今回の記事はアトラジンの性質というよりもむしろ、医薬品や農薬などの安全性を調べている科学者が、その製品を製造販売している企業にとって好ましくないデータを出してしまったらどうなるのか--しかもそこに巨額の金が絡んでいるときには--という、われわれとして知っておくべき残念な事実に関するものでした。 除草剤アトラジンの問題は、両生類(とくにカエル)の内分泌学を専門とする、タイロン・ヘイズという研究者を抜きにしては語れないようで、『ニューヨーカー』の記事もヘイズを軸として展開されていました。 ヘイズは、サウスカロライナ州出身のアフリカアメリカ人で、彼が生まれ育った地域では、人口の

    無能な研究者のずさんな仕事……なのか?  除草剤アトラジン問題のゆくえ - HONZ
  • 『動物が幸せを感じるとき』ーリアルで自在な動物行動学入門 - HONZ

    著者は高機能自閉症であり、動物の気持ちがわかる、という特異な才能を持つ動物学者だ(好きなら、オリヴァー・サックスの『火星の人類学者』で取り上げられたことを覚えているかも知れない)。書と前著『動物感覚』はベストセラーとなり、一昨年には、彼女を取り上げたテレビ映画が作られ、エミー賞でテレビ映画部門の作品賞を受賞するなど、大きな話題となった。 『動物感覚』はとても面白かった。彼女自身の経験から発せられる言葉の数々に引きつけられたのと同時に、私にとって常識をくつがえすような興味深い動物行動学や心理学の研究が多数引用され、また文章が非常にわかりやすかったからだ。私がもしオールタイムベスト10を挙げるならおそらくこのは必ず入れるだろう。 そして書。タイトルを見たとき、前著ほどの面白さはないような気もしたのだが(ちなみに原著のタイトルを訳すと『動物がわれわれを人間にした』。こちらのほうがHONZ

    『動物が幸せを感じるとき』ーリアルで自在な動物行動学入門 - HONZ
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