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ウィトゲンシュタインの検索結果1 - 40 件 / 196件

  • 本好きなら高校生までに読破しておきたい古典100

    哲学・思想プラトン『饗宴』 アリストテレス『詩学』 アウグスティヌス『告白』 レオナルド・ダ・ヴィンチ『レオナルド・ダ・ヴィンチの手記』 マキァベッリ『君主論』 モア『ユートピア』 デカルト『方法序説』 ホッブズ『リヴァイアサン』 パスカル『パンセ』 スピノザ『エチカ』 ルソー『社会契約論』 カント『純粋理性批判』 ヘーゲル『精神現象学』 キルケゴール『死に至る病』 マルクス『資本論』 ニーチェ『道徳の系譜』 ウェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』 ソシュール『一般言語学講義』 ヴァレリー『精神の危機』 フロイト『快感原則の彼岸』 シュミット『政治神学』 ブルトン『シュルレアリスム宣言』 ハイデッガー『存在と時間』 ガンジー『ガンジー自伝』 ベンヤミン『複製技術時代における芸術作品』 ポランニー『大転換 市場社会の形成と崩壊』 アドルノ&ホルクハイマー『啓蒙の弁証法』 ア

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    • 人生を変える社会学──『岩波講座 社会学』刊行にあたって

      このたび、『岩波講座 社会学』が正式に刊行開始となりました。前回の「岩波講座」からほぼ30年経つ。私のほかに、北田暁大、筒井淳也、丸山里美、山根純佳の各氏が全体の監修を務め、テーマごとに編集される全13巻の各巻に、そのテーマに造詣が深い社会学者が編者になります。 前回の「岩波講座」が刊行されたときは、たしか私はまだ院生でした。貪るように読んだことを覚えています。あれから社会も、社会学も、大きく変化しました。 前回は上野千鶴子や吉見俊哉、大澤真幸などが全体の監修者で、巻数も26あったと記憶しています。各巻のタイトルも凝ったものが多かった。執筆者も社会学プロパーだけでなく、竹田青嗣などの周辺領域の方が入っていました。文体や内容も派手で、自由で、雑多で、それほど社会学とは関係のないものもたくさんありました。もちろんそれだけではなく、当時の最先端の社会学的な議論をしている論文もたくさんあって、たと

        人生を変える社会学──『岩波講座 社会学』刊行にあたって
      • Yu Izumi - 『悪い言語哲学入門』紹介・サポートページ

        『悪い言語哲学入門』(2022 ちくま新書)のためのページです. 出版社書籍ページ   Webちくま(ためし読み) 基本情報 2022年2月7日発売 新書判・256ページ ISBN 978-4-480-07455-3 価格 ¥840+税 Amazon 紀伊国屋書店 honto 目次 第1章     悪口とは何か—「悪い」言語哲学入門を始める 1 私たちは言語のエキスパートではない 日本語には「悪い」ことばがない?/言語について学ぶということ 2 悪口の謎 悪口の必要条件と十分条件を私たちはまだ知らない/悪口の必要条件/悪口の十分条件/謎1「なぜ悪口は悪いのか、そしてときどき悪くないのか」/謎2「どうしてあれがよくてこれがダメなのか」 3 言語哲学を学ぶということ 言語学と言語哲学/「正統派」言語哲学と「悪い」言語哲学 第2章     悪口の分類—ことばについて語り出す 1 内容にもとづいた

          Yu Izumi - 『悪い言語哲学入門』紹介・サポートページ
        • 現代哲学の研究に哲学史は必要なのか - 研究日誌

          大雑把に言えば、タイトルの問いに「必要ない」と答える論文が出た。 Hanno Sauer, "The End of History", Inqury. https://doi.org/10.1080/0020174X.2022.2124542 読んでみたら面白かったので、自分用のメモも兼ねて概略をまとめておいた。感想なども書きたいのだけど概要だけでだいぶ長くなったのでその辺はまたの機会にしたい。とはいえいくつかのことは注に書いておいた。 要注意事項 以下では同論文を2022年9月現在の'Latest articles'版のページ番号だけで参照する*1。 以下に出てくる鉤括弧は、そのあとにページ番号が付されている場合には同論文からの引用である(翻訳は植村による)。それ以外の鉤括弧は読みやすさのために植村がつけたものだ。 この要約は、箇所によっては原文をかなりパラフレーズするかたちで作られてい

            現代哲学の研究に哲学史は必要なのか - 研究日誌
          • 必読書コピペにマジレスしてみる・ミステリ編

            方針・目的ミステリはほとんど読まないので読んだのだけ最近のミステリは全然読んでない少しでも多くの人を読書沼に引きずり込みたい必読書を挙げるというより、自分の一押し的なものにする高校生までとは言わない、好きなときに読もうただし、できたら老眼になる前がいい犯人は伏せるが少しだけネタバレあり元増田→anond:202102151015001. エドガー・アラン・ポオ「モルグ街の殺人」先日も述べたように自分はポーの作品が好きではあるのだけれども、ミステリの黎明期は今でいうところの禁じ手を平気で使っているものが多く、純粋にストーリーを楽しもうとするとずっこけることがある。とはいえ、論理と推論をたどることによって面白い話を作りだすのを始めたのは彼なので、ミステリが好きなら読んでおきたい。確かに意外な真犯人ではある。 3. コナン・ドイル「シャーロック・ホームズの冒険」同じく、今でいえばお粗末な話も時折

              必読書コピペにマジレスしてみる・ミステリ編
            • 美的なものと芸術的なもの - obakeweb

              1 美学は芸術の哲学なのか? 2 芸術抜きの美学? 3 美学抜きの芸術? 4 ビアズリー、ディッキー、シブリー 5 美的なものと芸術的なもの、その後 参考文献 1 美学は芸術の哲学なのか? 博士論文(80,000 words)をあらかた仕上げて予備審査に出したので、ゴキゲンのブログ更新。 博論でも取り上げている話だが、私の専門である美学/芸術哲学への入門的な話題としてよさそうだったので、一部ネタを抜粋して再構成してみた。なにかというと、美学と芸術哲学の関係性についての話だ。*1 美学[aesthetics]は、なんの専門家でもない人にとっては「男の美学」「仕事の美学」とか言われるときの流儀やこだわりを指す日常語であり、もうちょっと詳しい人にとっては、芸術哲学[philosophy of art]の同義語だ。英語でも事情は同じらしく、aestheticsが専門だと言えば、artについてなんか

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              • 大塚淳『統計学を哲学する』について - mercbeinpのブログ

                この記事は、大塚淳『統計学を哲学する』(2020年、名古屋大学出版会)についての記事である。特に、哲学の観点から、本書における認識論への言及について論じる。 先に自己紹介をしておこう。私は数年前に大学院の修士課程を修了し、それ以降は特に哲学とは関係のない仕事をしている。大学では、学部・院を通して分析的認識論を勉強・研究していた。伝統的・非形式的な認識論のほうが詳しいと思っているが、形式認識論(特に確率を用いるベイズ認識論)についても関心を持っていて、博士課程に進んでいたらベイズ認識論を中心にした研究を行おうとも思っていた。数年前の記事になるが、私がどのようなトピックを学んでいたかは、現代の分析的認識論を紹介したこのブログ記事を読むとより把握できると思う。 踏まえて、以下の文章は主に哲学の視点からみたものになり、記述の大半は哲学的認識論に割かれている。帰納推論や因果推論などのトピックについて

                  大塚淳『統計学を哲学する』について - mercbeinpのブログ
                • なぜ「趣味」が社会学の問題となるのか――『社会にとって趣味とは何か』編著者・北田暁大氏インタビュー【後篇】|Web河出

                  いよいよ発売の、北田暁大+解体研[編著]『社会にとって趣味とは何か』。一見わかりにくいタイトルの本書は、いったいどんな書物なのか。北田暁大さんに訊いてみた。前篇・後篇、2回に分けてお届けする。 (前篇はこちら) :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 3◇「差異化の論理」との向かい合い方 ――本書のように趣味を捉えると、従来のサブカルチャー論などとどのように違ってくるのでしょう? 北田■たとえば、『神話解体』が出される以前の80年代~90年代初頭の文化論って、ものすごく記号論的、というか、他者との差異を示す記号として趣味を捉えるという志向性が強かったと思うんです。商品や消費対象である文化的生産物の「内実」の序列ではなく、横並びの記号化された商品・生産物の、記号的な差異を示すことに強い意味がみいだされる。ファッション、モードが一番良く採りあげられてい

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                  • 地上で最後の一人となった女性による、美術と哲学と狂気の内面世界を描いた実験小説──『ウィトゲンシュタインの愛人』 - 基本読書

                    ウィトゲンシュタインの愛人 作者:デイヴィッド・マークソン発売日: 2020/07/17メディア: Kindle版デイヴィッド・マークソンによるこの『ウィトゲンシュタインの愛人』は、何らかの理由で地球上で最後の一人になった女性が、淡々とその生活と過去のことを記していく自伝風小説だ。「人類最後の一人系」小説とか映画ってそう謳っておきながらも誰かが出てくるものだが、本作の場合そういうことはなくずっと独り言である。 ただ、普通の自伝ではない。版元の紹介に〈アメリカ実験小説の最高到達点〉とあり*1、最高到達点かどうかは、実験小説界隈にスキーのジャンプのように明確な計測が(僕の知る限りでは)存在しているわけではないので不明なところもあるが、とにかく実験的小説であることは確かである。というのも、女性はかなりの教養と美術的素養のある人物であることがその語りからは伺えるのだけれども、何十年にも及ぶ孤独な放

                      地上で最後の一人となった女性による、美術と哲学と狂気の内面世界を描いた実験小説──『ウィトゲンシュタインの愛人』 - 基本読書
                    • 2010年代、社会科学の10冊 - 西東京日記 IN はてな

                      2010年代になって自分の読書傾向は、完全に哲学・思想、心理、社会、歴史といった人文科学から政治、経済などの社会科学に移りました。その中でいろいろな面白い本に出会うことができたわけですが、基本的に社会科学の本、特に専門書はあまり知られていないと思います。 人文科学の本は紀伊國屋じんぶん大賞など、いろいろと注目される機会はあるのに対して、社会科学の本はそういったものがないのを残念に思っていました。もちろん、いい本は専門家の間で評価されているわけですが、サントリー学芸賞などのいくつかの賞を除けば、そういった評価が一般の人に知られる機会はあまりないのではないかと思います。 そこで社会科学の本の面白さを広めようとして書き始めたこのエントリーですが、最初にいくつか言い訳をします。 まず、「社会科学の本」と大きく出たものの、法学や経営学の本はほぼ読んでいませんし、以下にあげた本を見てもわかるように社会

                        2010年代、社会科学の10冊 - 西東京日記 IN はてな
                      • 書店における「道徳」と「倫理」~「本屋とヘイト本」問題をめぐって~|タサヤマ

                        非常に気が重いが、この本をご覧の展開をして販売している身として沈黙している訳にはいかず、私見を述べておきたい。 そもそも諸悪の根源は何か?ということを忘れてはいけないのではないか。 諸悪の根源とは差別であり、差別思想を撒き散らす者の存在である。 pic.twitter.com/6QrOIVQ0da — 日野剛広 (@Nanoruhino) December 10, 2019 おそらく、日野店長のコメントを全面的に否定されるような書店関係者はいないのではないかと思います。 もちろん完全に同書の意義を認めない人もいましたが、ほとんどの人は永江さんという著者のこれまでのお仕事に敬意をもっていて、そしてなにより「書店とヘイト本」の問題をシリアスに考えている。 (だからこそ、その期待に及ばなかったところに苦いコメントが出てくるのでしょう) 以下では、まず①同書についての批判的な指摘(全否定的な感想は

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                        • 必読書コピペにマジレスしてみる・哲学編

                          日本文学編→anond:20210222080124 追補編→anond:20210218080224 プラトン『饗宴』おっさんが飲み会で真実の愛について延々語るだけなので、哲学書の入門編にいいんじゃないかな。楽しそうにしてるおっさんはいいぞ。 アリストテレス『詩学』どうしてフィクションで人は感動するかについて述べた本の走りで、後半は散逸しているんだけど、カタルシスについてはなるほどなあ、とは思った。作家になりたいんだったら普通にハリウッドの三幕構成の本を買ったほうがいいかもしれないが、この読書リストを読んでいる人は実用的な知識よりも読んでいて楽しいかどうかを求めている気もする。 アウグスティヌス『告白』読もうと思ったまま長い時間が過ぎてしまった本で、まだ読めてない。アウグスティヌスが若いころややりたい放題やっていた時期のことも書いてあるらしいので、宗教書として以外にも楽しめるんじゃないだ

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                          • 「いまを生きる」に自覚的になる『瞬間を生きる哲学』

                            tumblr で知った仏陀の言葉が好きだ。 過去にとらわれるな 未来を夢見るな いま、この瞬間に集中しろ Do not dwell in the past, Do not dream of the future, Concentrate the mind on the present moment. そう、わたしは過去や未来ばかり見る。やったことを後悔し、不確かなことを心配する。ああすれば良かったと憤慨し、こうなったらダメだと心を痛める。 この、今を後回しにする生き方を批判し、「いま」「ここ」に充足する方法を考察したのが『瞬間を生きる哲学』だ。哲学や芸術から援用し、瞬間を生きるための具体的な技術を指し示す。 生のユーティリティ化 たとえば、今を後回しにして、「何かのため」に生きる生き方を、「生のユーティリティ化」と喝破したところがすごい。ユーティリティとは、「有用性」「効用」と訳され、何ら

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                            • ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』とプログラミング言語的世界観

                              ウィトゲンシュタインの『論理哲学論考』の解説本を読んでいて、 「これはプログラミング言語の世界観だ」 と思ったところがあった。 解説本とは、古田徹也『ウィトゲンシュタイン 論理哲学論考 シリーズ世界の思想 (角川選書)』である。 今回、言及するのは、§2 「事実と事態、事態と物(対象)」の部分である。 結論から先に言うと、 物のなかで可能性が予定されている という世界観だ。 以下、『論理哲学論考』の記載を引用する。[1] 2.012 論理においては何ひとつ偶然ではない。 ある物がある事態のなかに現れることが可能であるなら、その事態の可能性はその物のなかで予定されているのでなければならない。 2.0121 物が事態のなかに現れることが可能であるなら、その可能性は物のなかにすでにあるのでなければならない。 (論理的なことは、単に可能なことにとどまるものではありえない。論理はすべての可能性を扱い

                                ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』とプログラミング言語的世界観
                              • Very Short Introductionの邦訳まとめ - 清く正しく小賢しく

                                オックスフォード大学出版会のVery Short Introductionという有名な入門書シリーズがある。短くて内容も平易なので、まずはこの1冊という感じで推薦されることも多いシリーズだ。 さて、このシリーズは当然ながら邦訳もたくさん出ているのだが、複数の出版社がそれぞれの形で刊行しているため、どれがVery Short Introductionの邦訳なのか分からないという問題がある。 ありがたいことにオックスフォード大学出版会が以下のページに邦訳の一覧をエクセルのファイルで貼ってくれているが、ちょっと見にくい。*1*2 Very Short Introductions - Oxford University Press www.oupjapan.co.jp ということで、このページではVery Short Introductionの邦訳を一覧の形でまとめてみた。無秩序に並べていくのもな

                                  Very Short Introductionの邦訳まとめ - 清く正しく小賢しく
                                • 「インテリ的暴力性マシマシ」ウィトゲンシュタイン特攻服にシビれる皆さん「この特攻が倫理学である」

                                  リンク Wikipedia ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン ルートヴィヒ・ヨーゼフ・ヨーハン・ヴィトゲンシュタイン(独: Ludwig Josef Johann Wittgenstein、1889年4月26日 - 1951年4月29日)は、オーストリア・ウィーン出身の哲学者。イギリス・ケンブリッジ大学教授となり、イギリス国籍を得た。以後の言語哲学、分析哲学に強い影響を与えた。 ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジのバートランド・ラッセルのもとで哲学を学ぶが、第一次世界大戦後に発表された初期の著作『論理哲学論考』に哲学の完成をみて哲学の世界から距離を置く。その後、オ 120 users 97

                                    「インテリ的暴力性マシマシ」ウィトゲンシュタイン特攻服にシビれる皆さん「この特攻が倫理学である」
                                  • ChatGPTは史上最高の小説家になりうるーーSF作家 樋口恭介が考える、生成AIの知性

                                    樋口恭介『構造素子』(早川書房) 文章、画像、音楽、動画など幅広い分野の生成AIがあるなか、とりわけ昨今注目が集まっているのはChatGPTだ。インターネット上の大量のテキストデータを学習した、いわゆる大規模言語モデル(LLM)で、ユーザーがチャットで質問や指示を投げかけると、高精度の回答をまるで人間であるかのように返してくれる。 『構造素子』(早川書房)や『未来は予測するものではなく創造するものである ――考える自由を取り戻すための〈SF思考〉』(筑摩書房)などの著作で知られるSF作家・批評家の樋口恭介氏は、そんなChatGPTを「リスペクトをしている」と語る。SF的な発想をもとに新たな価値や事業を模索するメソッド「SFプロトタイピング」のアイデアをもらったり、小説や批評の執筆時に利用したりしているという。ChatGPTはどのような点が画期的なのか。これからの時代に、作家、批評家、クリエ

                                      ChatGPTは史上最高の小説家になりうるーーSF作家 樋口恭介が考える、生成AIの知性
                                    • 関数としてのテーブル - 写像と命題関数|ミック

                                      拙著の一つに『おうちで学べるデータベースのきほん』というデータベース初心者向けの入門書がある。2015年刊行なのでそれなりに年月が経っているのだが、ありがたいことに今でもコンスタントに読んでいただいている。 この本の中で「リレーショナルデータベースのテーブルは関数として捉えられる」という話をしているのだが、ある読者の方からそこがよく分からなかった、という質問をいただいた。ちょうどよい機会なので、少しこの点を補足説明しておきたいと思う。 テーブルが関数だと言うとき、二つの含意がある。一つは集合から集合への写像としての意味、もう一つが述語論理における命題関数としての意味である。一般的にテーブルが関数だという場合は、前者の意味で言われることが多い。こちらは関数従属性や正規形の概念にも繋がっていくから、関係モデルの理解という点でも広がりのあるオーソドクスな解釈だ。拙著でもこの意味で説明している。し

                                        関数としてのテーブル - 写像と命題関数|ミック
                                      • 「知の巨人」立花隆のすべてがここに『知の旅は終わらない 僕が3万冊を読み100冊を書いて考えてきたこと』 - HONZ

                                        立花隆といえば、誰がなんと言おうと言おうまいと『宇宙からの帰還』である。立花隆の最高傑作というだけでなく、日本のノンフィクションとして、他を全く寄せ付けない、世界に通用する空前絶後の作品だと断言できる。 1983年に出版されたその本以来、立花隆の本を何冊読んできたかわからない。それに、露出の多い人なので、ある程度のことは知っていると思っていた。しかし、この本を読んでみてわかった。ほとんど知らなかったということが。 単なる好奇心に満ちた「知の巨人」ではない。権力を恐れる必要はない、という教えをキリスト教徒であった母親から学んだ、こわいもの知らずの武闘派である。まずは、幼少期を北京で過ごした後、ただひたすら歩いた記憶しかない引き上げ体験が語られる。 あの体験の影響がすごく大きいと思うのは、その後の人生で、どんな大きな状況変化に出会っても、平気なんですよ。 小学校時代はIQテストでとんでもなく高

                                          「知の巨人」立花隆のすべてがここに『知の旅は終わらない 僕が3万冊を読み100冊を書いて考えてきたこと』 - HONZ
                                        • ノエル・キャロル『芸術哲学』:目次とリーディングリスト - obakeweb

                                          Carroll, Noel (1999). Philosophy of Art: A Contemporary Introduction. Routledge. 最近読んだ、ノエル・キャロル[Noël Carroll]による分析美学の教科書『Philosophy of Art: A Contemporary Introduction』(1999)が、入門としてかなりよさげだったので、紹介記事を書いておこう。 ロバート・ステッカー[Robert Stecker]の『Aesthetics and the Philosophy of Art: An Introduction』(『分析美学入門』)が2010年(初版は2005年)なので、本書は一昔前の教科書になる。ステッカーが幅広いトピックを扱っているのに対し、キャロルが扱うのは基本的に「芸術の定義」だけだ。環境美学、フィクション論、芸術の存在論、

                                            ノエル・キャロル『芸術哲学』:目次とリーディングリスト - obakeweb
                                          • 「もうからなければ意味がない」 AIベンチャーが続々、松尾豊の必勝法:朝日新聞GLOBE+

                                            AIの研究で日本を牽引する存在だ。「異能の学者」とも呼ばれる。起業家の育成に熱心なだけではない。「年功序列で金額が決まる」と国からの助成金は受け取らず、企業と組む道を選んだ。年間予算は億単位。そこに見えるのは、資本主義の土俵で勝負する覚悟だ。研究の成果で企業に価値をもたらし、そこからさらに研究費を生み出す循環をつくるという強い信念がある。だから「もうけにつながらないと意味が無い」とさえ言う。 追い風も吹いている。AIの中でも松尾の専門分野はディープラーニング(深層学習)という中核の技術。読み込んだデータから、AIが自ら特徴を見つけ出し、学習できるようになる。大量の画像からネコを認識したり、将棋や囲碁で人間の能力を超える手を見つけたり。AIは1950年代から研究されてきたが、飛躍的に進歩したのは2010年代にディープラーニングが確立されてから。いまはAIの第3次ブームと呼ばれ、車やスマートフ

                                              「もうからなければ意味がない」 AIベンチャーが続々、松尾豊の必勝法:朝日新聞GLOBE+
                                            • 天才哲学者・ウィトゲンシュタインの「ノート術」と、戦場でも手放さなかった「1冊の本」(鈴木 祐丞)

                                              天才哲学者・ウィトゲンシュタインの「ノート術」と、戦場でも手放さなかった「1冊の本」 精神と肉体、理論と実践のバランスを考える 裕福な家庭に育ち、また持病のヘルニアにより兵役を逃れられたにもかかわらず、志願兵としてオーストリア軍に入隊した、若き日の哲学者ウィトゲンシュタイン(1889~1951年)。 彼は、自らを戦場という窮地に立たせることで死を身近に感じながら、生への思考を深めていった。 そして、やがてトルストイの著書『要約福音書』に出合い、彼自身の哲学の要諦を獲得してゆく。 それ以上に強い影響を与えたのが、キェルケゴールだったのだ。 キェルケゴールの著書『死に至る病』(講談社学術文庫)の翻訳者・鈴木祐丞氏が、実存哲学の受け手としてのウィトゲンシュタイン哲学の成り立ちに迫る! (※本稿は、鈴木祐丞『〈実存哲学〉の系譜』を一部再編集の上、紹介しています) 「誠実さ」を目指す哲学者ウィトゲン

                                                天才哲学者・ウィトゲンシュタインの「ノート術」と、戦場でも手放さなかった「1冊の本」(鈴木 祐丞)
                                              • 【憲法学の散歩道/長谷部恭男】 第38回 ソクラテスの問答法について - けいそうビブリオフィル

                                                筆者はいわゆるロースクールに所属している。法曹養成を任務とするロースクールでは、ソクラティック・メソッドと呼ばれる問答を通じた教育が推奨されている。アメリカのロースクールでは、そうした教育方法がとられているらしいので*1、それを輸入しようということのようである。 ロースクールで行われるはずのソクラティック・メソッドが、ソクラテスが行ったと伝えられる問答法(dialectic)とどのような関係にあるかは、判然としないところがある。ロースクールの教員のすべて(あるいは大部分)が、ソクラテスの問答を描いたプラトンの著作の熱心な読者かと問われると、はなはだ心許ない。 とはいえ、ソクラティック・メソッドを標榜する以上、ソクラテスの問答法との関係について、全く無関心というわけにはいかないであろう。プラトンの描くソクラテスは、たしかに問答を通じて「徳とは何か」「知とは何か」等の深遠な問題を探究しているよ

                                                  【憲法学の散歩道/長谷部恭男】 第38回 ソクラテスの問答法について - けいそうビブリオフィル
                                                • [インタビュー]にゃるら氏に「NEEDY GIRL OVERDOSE」100万本突破を記念して聞く,これまでのニディガと,これからの美少女ゲーム

                                                  [インタビュー]にゃるら氏に「NEEDY GIRL OVERDOSE」100万本突破を記念して聞く,これまでのニディガと,これからの美少女ゲーム 編集部:早苗月 ハンバーグ食べ男 厳粛かつ優れた哲学的作品は, 完全に冗談のみからなるものであるかもしれぬ (A serious and good philosophical work could be written consisting entirely of jokes) アメリカの哲学者であるノーマン・マルコムは,交友のあったオーストリア出身の哲学者,ルートヴィヒ・ヨーゼフ・ヨーハン・ウィトゲンシュタインがこのように述べたと,回想録に記している。 2022年1月21日にSteam版がワイソーシリアスから発売された「NEEDY GIRL OVERDOSE」(PC / Mac / Nintendo Switch。以下,ニディガ)は,「顔が良い

                                                    [インタビュー]にゃるら氏に「NEEDY GIRL OVERDOSE」100万本突破を記念して聞く,これまでのニディガと,これからの美少女ゲーム
                                                  • 汎用人工知能が実現しない理由

                                                    Natureより。 Ragnar Fjelland 概要 人間のような人工知能(AI)を生み出そうとする現代のプロジェクトは、第二次世界大戦後、電子計算機が単なる数値計算機ではなく、シンボルを処理することもできることが分かったことから始まりました。機械知能が人間の知能と同一であることを前提とせずに、この目標を追求することが可能になりました。これは弱いAIとして知られています。しかし、多くのAI研究者は、強いAIと呼ばれる、人間の知能と原理上は同じ人工知能を開発することを目指してきました。弱いAIは強いAIに比べて野心的なものが少ないため、論争を引き起こすことはありません。しかし、弱いAIにも関連する重要な論争があります。この論文では、汎用人工知能(AGI)と特化型人工知能(ANI)の違いに焦点を当てています。AGIは弱いAIとして分類されるかも知れませんが、人間の知能の主な特徴の一つが汎用

                                                    • いかに良く生きるかは猫が知っている『猫に学ぶ』

                                                      生きる意味とは何か いまの自分に満足できない 人生の価値が分からない 自分は何者かになれるのか、あるいは、何者にもなれないのか これらを考えている人に、「猫を見ろ」とそそのかす。人は猫にはなれないし、猫のように生きることもできない。 なぜこんな悩みを抱えているのかまで掘り下げると、超リアリスティックな解に行き着く。いかに良く生きるかは、猫に学べと。人は、猫のように生きることはできない。だが、猫が生きるように生きることはできるという。 人生に意味を求める理由 そもそも人は、なぜ生きる意味を求めるのか? 自分自身の生活を超えたところに「価値」だの「生きがい」を探すことをやめられないのはなぜか? この疑問に、古今東西の哲学者や文学者を召喚する。プラトン、ピュロン、エピクロス、マルクス・アウレリウス、パスカル、スピノザ、モンテーニュ、ウィトゲンシュタイン、コレット、谷崎潤一郎、ゲイツキル……引き出

                                                        いかに良く生きるかは猫が知っている『猫に学ぶ』
                                                      • ちくま学芸文庫刊行書目一覧 最新版|かるめら

                                                        2024年2月29日時点での既刊のちくま学芸文庫全2,036点(セット版を除く)をあげた。 文庫の整理番号順に従って表記(一部変更あり)した。 「♾️」マークはMath&Scienceシリーズ(青背)を示す。 人名表記の揺れ(例「シモーヌ・ヴェイユ」と「シモーヌ・ヴェーユ」)は訳者に従い、統一はせずそのままにした。 編者、訳者は一部を除き割愛し、編著者が3人以上に及ぶ場合は代表者1人の名前のみ記した。 Math&Scienceシリーズのみの刊行書目一覧はこちら。 浅田彰『ヘルメスの音楽』 赤坂憲雄『異人論序説』 赤坂憲雄『王と天皇』 赤坂憲雄『排除の現象学』 赤坂憲雄『遠野/物語考』 赤坂憲雄『象徴天皇という物語』 赤坂憲雄『柳田国男を読む』 天沢退二郎『宮沢賢治の彼方へ』 飛鳥井雅道『明治大帝』 E・アウエルバッハ『ミメーシス[上] ヨーロッパ文学における現実描写』 E・アウエルバッハ『

                                                          ちくま学芸文庫刊行書目一覧 最新版|かるめら
                                                        • ハイデガーの「黒いノート」に記されていた、驚きの内容とは(轟 孝夫)

                                                          「黒いノート」の衝撃 今年の4月から1年間の予定でドイツ・ミュンヘンに滞在している。もっともその目的は一昔前のように、単純にこちらで何か最新の研究動向を仕入れて日本で紹介するといったものではない。 そもそも私の研究対象のハイデガーは日本のほうがよほど研究は盛んで、逆にドイツではほとんど関心の対象から外されているので、こちらで何かを学ぶという感じにはまったくならない。それでは留学の意味がないじゃないかと思われるかもしれないが、さすがに図書館の文献資料はこちらのほうが豊富だし、またドイツ社会におけるハイデガー受容のあり方を実感できるのも自分の研究にとっては非常に貴重な経験だ。 こちらでは夏学期以降、ミュンヘン大学で私を受け入れてくれたブフハイム教授のセミナーに毎週、参加してきた。その授業は学部、修士課程、博士課程の学生が論文のプランを発表して、指導教授や参加者のコメントを受けるといったものであ

                                                            ハイデガーの「黒いノート」に記されていた、驚きの内容とは(轟 孝夫)
                                                          • 【編集者座談会】人文書担当編集者たちが語る「ヒット本の裏側とバズらせ方と下心」|じんぶん堂

                                                            記事:じんぶん堂企画室 左から:麻田江里子さん(KADOKAWA)、柴山浩紀さん(筑摩書房)、竹田純さん(柏書房) 書籍情報はこちら 複数のリリースを用意して「協力者を一人でも増やす」 KADOKAWAの麻田江里子さんが取り上げたのは『ウィトゲンシュタイン 論理哲学論考』(古田徹也著)。角川選書「シリーズ世界の思想」の中の1冊だ。「(担当する角川選書と角川ソフィア文庫は)場合によっては50年ぐらい同じものを売るジャンル。基本の作品を整えて、シリーズものを展開できるようにすること、そして、やさしい一流の解説、長く読まれる最新の研究を扱うという基本方針」があったという。 角川ソフィア文庫の「ビギナーズ・クラシックス」では「日本」や「中国」の古典や思想は取り上げてきたものの、「西洋」をきちんとフォローできておらず、長年の“編集部の課題”だったそう。そこで、ちょうどレーベルの新シリーズを模索してい

                                                              【編集者座談会】人文書担当編集者たちが語る「ヒット本の裏側とバズらせ方と下心」|じんぶん堂
                                                            • 東浩紀『訂正可能性の哲学』|KIRA Takayuki

                                                              つい昨日に発売された、東浩紀『訂正可能性の哲学』(ゲンロン、2023年8月)と『観光客の哲学 増補版』(ゲンロン、2023年6月)を読んだ。 私はこの著者のよい読者ではない。『訂正可能性の哲学』もよい本だと思えなかった。ルソー、プラトン、ポパー、ウィトゲンシュタイン、アーレント……といった有名な哲学者の代表作をいきなり読んで(つまり近年の研究などはほとんど参照せず)、過度に単純化しながら連想ゲームで「ゆるいつながり」を作っていく。確かに読みやすいし、なるほどこういうふうに読ませるものかと感心させる部分はある。しかしそれは哲学的には意味のないレトリックを超えるものでない。もちろん一般向けの著作だから細かい解釈でどうこう言わずとも、何かオリジナルなアイデアが展開されていればそれでよいのだが、今回は「訂正可能性」という言葉でなんでもつなげている(たとえば第一部の鍵となる「家族」という言葉だが、こ

                                                                東浩紀『訂正可能性の哲学』|KIRA Takayuki
                                                              • 母が『モルヒネ見たい』と言うのでたぶんここかな?とネモフィラを見に連れてきた「ずっとモルヒネ凄いね~綺麗だね~って喜んでた」

                                                                ❀ひすい@塩昆布を買う @hisui_m @sakumatoso_kyo 昨夜ここのネモフィラが満開って記事を一緒に見た伏線があったので気づけましたが、それが無ければ何のことか分からなかったかも💦 2023-04-09 15:57:49

                                                                  母が『モルヒネ見たい』と言うのでたぶんここかな?とネモフィラを見に連れてきた「ずっとモルヒネ凄いね~綺麗だね~って喜んでた」
                                                                • VOL.13 深谷 賢治 教授(京都大学大学院理学研究科)

                                                                  VOL.13 深谷 賢治 教授(京都大学大学院理学研究科) 数学は抽象的で、直感的に理解しにくい学問の一つである。難解な定理や法則を使いこなし、人の目には認識できない高次元の空間すら描きだす最先端の数学ともなれば、なおさらだ。現代数学の最前線に立つ数学者にはどんな世界が見えているのだろう。数学のなかでもとくに図形や空間を取り扱う幾何学の分野で数々の業績を上げる、深谷賢治教授をとりこにする数学の魅力とは。 「数学は難しい」と敬遠する人、「数学は苦手」と顔をしかめる人が多いのはなぜだろう。 「「わかっていない」ことがわかりやすい学問だからです」。深谷教授の返答は、簡潔明瞭。 たしかにそうだ。ほんとうはわかっていなくても、なんとなくそれらしい解答を書いておけば点数をもらえる科目もある。でも数学は「なんとなく」ではごまかせない。「理解できている人とできていない人の差が明確かつ残酷にわかるのが数学。

                                                                    VOL.13 深谷 賢治 教授(京都大学大学院理学研究科)
                                                                  • 【最難解名著リスト】おすすめの教養となる本(哲学書)の古典的名著30冊。古典とは何かを知り教養を身につけるおすすめの難しい本  - 日々是〆〆吟味

                                                                    初心者向けのリストは以前に書いたものがこちらにあります。最初に哲学書を読もうと思われたら下記のリストのほうがいいかもしれません。 waka-rukana.hatenadiary.com 最難解な哲学書 30冊 選ぶ基準 1.歴史的評価の高いもの 2.分厚いものや巻数の多いもの 3.翻訳も難しいとされているもの 4.西洋哲学の範囲内のもの 5.哲学以外の本も若干含まれる 古代 8選 『ソクラテス以前哲学者断片集』 プラトン『国家』 アリストテレス『形而上学』 プリニウス『博物誌』 『初期ストア派断片集』 セクストス・エンペイリコス『学者たちへの論駁』 プロティノス『エネアデス』 『ナグ・ハマディ文書』 中世 4選 『中世思想原典集成』 アウグスティヌス『神の国』 トマス・アクィナス『神学大全』 オッカム『『大論理学』注解』 近世/近代 10選 ヤコブ・ベーメ『黎明』 カルヴァン『キリスト教綱

                                                                      【最難解名著リスト】おすすめの教養となる本(哲学書)の古典的名著30冊。古典とは何かを知り教養を身につけるおすすめの難しい本  - 日々是〆〆吟味
                                                                    • katsulow on Twitter: "飯島モトハさん作、ウィトゲンシュタイン特攻服。15万円。 https://t.co/32iuqT2WEa"

                                                                      飯島モトハさん作、ウィトゲンシュタイン特攻服。15万円。 https://t.co/32iuqT2WEa

                                                                        katsulow on Twitter: "飯島モトハさん作、ウィトゲンシュタイン特攻服。15万円。 https://t.co/32iuqT2WEa"
                                                                      • 観光客の哲学の余白に(25) リベラルと保守を超える|東浩紀

                                                                        この連載は「観光客の哲学の余白に」と題されている。2017年に出版した『観光客の哲学』で書き漏らしたことを中心に、もろもろ思いつくままに随想を綴る連載という意味でつけた。 いま、その『観光客の哲学』を本格的に改訂する作業を進めている。現行の『観光客の哲学』は2部7章(補論を含めて8章)から成っているが、そこに新たに2章を加えて、増補版が来年春に刊行される。うち1章はこの秋刊行の『ゲンロン12』に先行掲載される。先行掲載分だけで8万字(原稿用紙200枚)を超えているので、増補版はかなりの分量になるだろう。期待されたい。 先行掲載される内容は、シラスの放送などで小出しに語っているし、著者としては論文そのものを読んでほしいので紹介しない。けれども、ひとことだけ記しておけば、それは同書の増補のためだけでなく、いまの思想的な閉塞感を打破するためにも書かれた文章になっている。 2021年現在、この国の

                                                                          観光客の哲学の余白に(25) リベラルと保守を超える|東浩紀
                                                                        • 谷口一平「「マイナス内包」としての性自認の構成」&査読コメント を検証する - 落ち着けMONOLOG

                                                                          【拡散希望】本日、日本大学哲学会『精神科学』に投稿していた私の論文「「マイナス内包」としての性自認の構成 (Gender as Irifuji’s Minus-Intensions)」に、不採用の通知が届きました。来年出る『精神科学』に掲載されるよう今年春に書いたもので、トランスジェンダーを巡っても注目を集めている pic.twitter.com/EaJD44DVxv — 谷口一平 A.k.a.hani-an (@Taroupho) 2023年12月25日 独立研究者・谷口一平氏の日本大学哲学会『精神科学』への投稿論文がリジェクトされた。 そこで谷口氏は査読過程、及び匿名査読者2名の査読コメントに疑義を投げかける連投ツイートを昨年末にしていた。 谷口氏のツイートを見る限り、この疑義にはもっともな部分もありそうだが、谷口氏の論文本体が公開されているわけではないので、判断しかねる部分もある。

                                                                            谷口一平「「マイナス内包」としての性自認の構成」&査読コメント を検証する - 落ち着けMONOLOG
                                                                          • 齋藤純一、田中将人『ジョン・ロールズ』(中公新書) 8点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期

                                                                            1月24 齋藤純一、田中将人『ジョン・ロールズ』(中公新書) 8点 カテゴリ:思想・心理8点 20世紀において政治哲学を復興させたと言ってもいいジョン・ロールズの評伝。 1971年に出版された『正義論』は大きなインパクトを与え、リベラリズム、リバタリアニズム、コミュタリアニズムといった政治思想の区分が生まれるきっかけを与えました。『正義論』そのものは読んでいなくても、その議論や『正義論』に対する批判のロジックを知っている人は多いはずです(自分もそう)。  しかし、時系列に沿いながらロールズの思想を解説する本書を読んで、実は意外と知らなかったことが多かったことにも気付かされました。 若い頃にウィトゲンシュタインの影響を色濃く受けていたこと、『正義論』へ寄せられた批判の中では、ノージックでもサンデルでもなく、H・L・A・ハートからの批判がもっとも重要だったこと、晩年に京都賞を辞退していたことと

                                                                            • 【論理の哲学】 論理と数学の関係、論理と哲学の関係に迫る - 「好き」をブチ抜く

                                                                              記事の内容 「論理」というものは、どのように研究されてきたのだろうか?? ・論理と数学の関係は? ・論理と哲学の関係は? ・論理と私たちが使う言語の関係は? などなど、興味は尽きない。 「論理」という対象に、どこか興味を惹かれる人もいると思う。 今回の記事では、この「論理」に様々な角度から迫るいい本を紹介したい。 深掘りしていこう。 記事の内容 論理の哲学 論理学の歴史 論理と数学における構成主義 ブラウワーの哲学 ダメットの哲学 BHK解釈 おすすめ本、記事 論理の哲学 ・論理学と哲学 ・嘘つきのパラドクス ・ソリテスパラドクス ・完全性と不完全性 ・論理と数学における構成主義 ・論理主義の現在 ・計算と論理 ・自然言語と論理 目次を見れば分かる通り、「論理」に関する様々な考察に満ちている! 数学よりな議論もあれば、哲学よりな議論もある。とくに、「計算と論理」、「自然言語と論理」について

                                                                                【論理の哲学】 論理と数学の関係、論理と哲学の関係に迫る - 「好き」をブチ抜く
                                                                              • Greg Frost-Arnold「「分析哲学」の興隆: いつ、どのようにして人々は自らを「分析哲学者」と呼ぶようになったのか - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ

                                                                                Frost-Arnold, Greg (2017). The Rise of ‘Analytic Philosophy’: When and How Did People Begin Calling Themselves ‘Analytic Philosophers’? In Sandra Lapointe & Christopher Pincock (eds.), Innovations in the History of Analytical Philosophy. Palgrave Macmillan. pp. 27-67. タイトルは「分析哲学」が括弧に入っているのがポイントで、「分析哲学の興隆」ではなく、「語「分析哲学」の興隆」。「分析哲学」という用語の普及の歴史を追った論文。 目次 1 序 2 動機 3 いつ? 3-1 境界を見る: ネーゲルの記事、最初の教科書、最初のアンソロ

                                                                                  Greg Frost-Arnold「「分析哲学」の興隆: いつ、どのようにして人々は自らを「分析哲学者」と呼ぶようになったのか - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ
                                                                                • フランチェスコ・グアラ『制度とは何か』(瀧澤 弘和 監訳・水野 孝之 訳) - logical cypher scape2

                                                                                  社会科学の哲学の立場から書かれた制度論 経済学的な制度理解と哲学的な制度理解とを架橋するための議論が展開されている。 二部構成となっており、前半では、制度についての均衡説と制度についてのルール説を統合した統一理論「均衡としてのルール」説を展開する。 ただし、これは均衡説とルール説との単なる折衷案ではなく、ルール説を均衡説へと還元するような方向の統一理論(正確には、ルール説の代表的立場であるサールが説く「構成的ルール」を、統整的ルール(均衡をももたらす条件付き戦略)へと還元する立場)。 後半では、制度についての実在論の立場にたち、反実在論的な社会構成主義を批判すると同時に、社会構成主義の動機である規範的アプローチないし改良主義的なアプローチを、実在論によって掬いとろうとしている。 個人的文脈 社会科学の哲学、社会的存在論については、以前から興味があった 例えば、下記の倉田論文 『現代思想20

                                                                                    フランチェスコ・グアラ『制度とは何か』(瀧澤 弘和 監訳・水野 孝之 訳) - logical cypher scape2