並び順

ブックマーク数

期間指定

  • から
  • まで

1 - 39 件 / 39件

新着順 人気順

ナショジオの検索結果1 - 39 件 / 39件

  • つらい記憶のフラッシュバックは「テトリス」をやると減る、研究

    2006年、イラクのアルファルージャで、軍用の金属探知機を膝に乗せ、テトリスをプレイする米海兵隊の兵士。(PHOTOGRAPH BY TOBY MORRIS, ZUMA PRESS/ALAMY STOCK PHOTO) 1980年代に世界的ベストセラーになったコンピューターゲームの「テトリス」を、メンタルヘルスの改善に役立てる研究が進められている。具体的には、テトリスをプレイして、性的暴行や自動車事故、戦争、自然災害、または困難な出産などを体験した後に起こるフラッシュバック(過去に経験したトラウマ的な記憶が自分の意志とは無関係に侵入すること)の回数を減らせる可能性があるという。 世界24カ国で実施した調査によると、人が死ぬところを見たり、愛する人が突然亡くなったり、命が脅かされたりする事故に遭ったりするなどのトラウマ体験があると報告した人の割合は70%を超えていた。だが、その後に睡眠障害や

      つらい記憶のフラッシュバックは「テトリス」をやると減る、研究
    • 1カ月の断酒が肝臓を救う 世界で広がる「ドライ・ジャニュアリー」

      1カ月にわたってアルコールを断つ「ドライ・ジャニュアリー」や「ソバー・オクトーバー」に参加している多くの人が、睡眠の改善や不安の軽減を実感している。専門家によると、肝臓や腸などの臓器にもいい効果をもたらすという。(PHOTOGRAPH BY VICTORIA JONES, PA IMAGES/GETTY IMAGES) 世界中で毎年何百万人もの人たちが、1カ月間アルコールを飲まずに過ごすことを選択している――「ドライ・ジャニュアリー(断酒の1月)」として始まったこの習慣は、今では「ソバー・オクトーバー(しらふの10月)」のような同様の取り組みへと拡大している。自身の飲酒習慣に関心を持ち、あえて飲まない「ソバーキュリアス」というライフスタイルを選ぶ人の数はどうやら、着々と増えつつあるようだ。 英国では、成人の7人に1人が2023年のドライ・ジャニュアリーに参加する計画を立てていた。また米国で

        1カ月の断酒が肝臓を救う 世界で広がる「ドライ・ジャニュアリー」
      • 仮想の自宅で「物を捨てる練習」、ためこむ人に効果あり、研究

        ためこみ症に悩む一人暮らしの男性。自宅アパートで。(PHOTOGRAPH BY ARNAUD CHOCHON, HANS LUCAS/REDUX) 古新聞や古着をはじめ、たいした価値がないのに物を捨てられず、生活に支障が出るほどためこんでしまう。そんな「ためこみ症」の治療に、片付けの爽快感や恩恵を仮想現実(VR)の世界で体験することが効果的という研究結果が発表された。「シミュレーションによって、ためこみ症の患者が大切にしている物を手放す練習をさせるという研究は、これが初めてです」と、医学誌「Journal of Psychiatric Research」の2023年10月号に掲載された論文の筆頭著者で、米スタンフォード大学医学部精神医学・行動科学教授のキャロライン・ロドリゲズ氏は言う。 ほとんどの人は、捨てられない大切な物を少しは持っている。しかし、精神疾患の一つであるためこみ症では、火災

          仮想の自宅で「物を捨てる練習」、ためこむ人に効果あり、研究
        • 女性の脳は月経周期で劇的に変化する、感情や記憶への影響は不明

          32歳の健康な女性の頭部MRI冠状断画像(画像は着色されている)。最近の研究により、女性の特定の脳領域の体積は月経周期とともに変化することが明らかになった。(PHOTOGRAPH BY DR P. MARAZZI, SCIENCE PHOTO LIBRARY) 月経周期を生じさせている女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)の増減にあわせて、感情や記憶、行動、情報伝達の効率などをつかさどる脳の領域も劇的に変化していることが、同時期に発表された2つの研究で示唆された。2023年10月5日付けで学術誌「ネイチャー・メンタル・ヘルス」に発表された研究と、2023年10月10日に査読前論文を投稿するサーバー「bioRxiv」で公開された研究だ。 女性の脳の変化が感情や認知にどんな影響をもたらしているのかまではまだわからないが、米ノースウェスタン大学の神経生物学者であるキャサリン・ウーリー氏は、

            女性の脳は月経周期で劇的に変化する、感情や記憶への影響は不明
          • あの「ナショナルジオグラフィック」が最後に残ったライターを解雇

            by Mario Spann 世界で最も読まれている雑誌のひとつであるナショナルジオグラフィックが、2023年6月28日にスタッフライターを全員解雇したことを、The Washington Postが報じました。1888年の創刊以来135年にわたって自然と科学を追究してきたナショナルジオグラフィックですが、デジタル時代の波に押される形で紙媒体での店頭販売を終了し、今後は記事も外部委託されることになります。 National Geographic lays off its last remaining staff writers - The Washington Post https://www.washingtonpost.com/media/2023/06/28/national-geographic-staff-writers-laid-off/ National Geographic

              あの「ナショナルジオグラフィック」が最後に残ったライターを解雇
            • お酒が女性をかつてないほど死なせている、男性に迫る勢い

              米国政府は、お酒を飲むなら女性の場合1日1杯までとするよう勧めているが、健康という観点からは、それ以下にするか、または全く飲まない方がいいと専門家は指摘する。(PHOTOGRAPH BY ARTUR WIDAK, NURPHOTO/GETTY IMAGES) 米フロリダ州タンパ在住の起業家でブロガーのジャスミン・シャルボニエさん(35歳)は、学生の頃から酒の量が多かった。30代前半にはテキーラ入りカクテルを1日に8杯飲む日が週に数回はあったという。昨年、酒を断とうとしたところ、離脱症状(禁断症状)に陥ってしまい、その時初めて事の重大さに気付いた。 アルコール関連の疾患で死亡する確率はいまだに男性の方が高いが、最近は男女の差が縮まっていることが最新の研究で示されている。女性も男性と同じように酒を飲むようになったためだ。 2021年の米国政府による調査で、過去1カ月の間にアルコールを摂取したと

                お酒が女性をかつてないほど死なせている、男性に迫る勢い
              • コロナワクチンのつらい副反応は「良いこと」、研究続々

                2023年10月2日、オランダで新型コロナウイルスワクチンの接種を受ける患者。頭痛や悪寒などの強い副反応は不快だが、ワクチンがより強い免疫反応を引き出して将来の感染に備えているサインなのかもしれない。(PHOTOGRAPH BY KOEN VAN WEEL, ANP/REDUX) 新型コロナウイルスワクチンの副反応におびえる人々に朗報だ。最新の研究によれば、強い副反応はワクチン接種後にウイルスと戦う抗体がより多く作られていることを示していて、良いことかもしれないという。論文は査読前の論文を投稿するサーバー「medRxiv」で2023年10月6日に公開された。 「強い症状を報告する人ほど、抗体レベルが高かったのです」と、この研究を率いた米カリフォルニア大学サンフランシスコ校の臨床心理学者アリク・プレーザー氏は言う。 米ブラウン大学の腫瘍専門医ジェレミー・ワーナー氏は、新型コロナウイルスワクチ

                  コロナワクチンのつらい副反応は「良いこと」、研究続々
                • 「歩く」魚も、奇妙な深海生物を100種以上発見、すべて新種か

                  チリの海山で1月に発見された新種と思われるフサアンコウの仲間。フサアンコウは待ち伏せ型捕食者で、「誘引突起」で獲物をおびき寄せて仕留める。(PHOTOGRAPH BY SCHMIDT OCEAN INSTITUTE) チリ沖の深海を探査していたチームが最近、新種と思われる奇妙な生物を100種以上も発見した。SF番組にはエイリアンとの遭遇が付きものだが、たとえ想像上の生物でも、こうした深海生物ほど奇妙なものはほとんどいない。 「探査が進んでいない辺境の海で新種を発見すること自体は予想外ではありませんが、100種以上も発見できたことには感激しています」と主任研究員のハビエル・セラネス氏はナショナル ジオグラフィックにメールで語った。セラネス氏はチリ、北カトリック大学の海洋生物学者だ。 セラネス氏らは1月、シュミット海洋研究所の調査船「ファルコン」で南東太平洋の深海探査に出発した。そして、ライト

                    「歩く」魚も、奇妙な深海生物を100種以上発見、すべて新種か
                  • なぜ無効な成分が市販のかぜ薬にずっと使われているのか?

                    鼻づまりを改善する成分として多くの市販薬に使われてきたフェニレフリンは、飲み薬では効果がないと報告されていた。(PHOTOGRAPH BY NEWSCAST/UNIVERSAL IMAGES GROUP/GETTY IMAGES) 鼻づまりを改善する成分として一般的な市販薬に使われてきた「フェニレフリン」は、飲み薬(経口薬)では効果がないという結論が、米食品医薬品局(FDA)の諮問委員会によって下された。かぜとインフルエンザのシーズンが近づき、新型コロナウイルス感染症の流行も続く中、米国の消費者の間に動揺が広がっている。 フェニレフリンは、処方箋なしで買える多くの市販薬に使われている。鼻づまりを緩和する成分が含まれているとうたう米国の製品の大半にはフェニレフリンが入っていると、米テキサス大学ヒューストン医療科学センターの耳鼻咽喉科医で助教授のジェイソン・タルマッジ氏は言う(編注:日本でもフ

                      なぜ無効な成分が市販のかぜ薬にずっと使われているのか?
                    • ネコは世界をどのように捉えているのか、人間の感覚とどう違う?

                      ネコが感じ取る世界は、私たちが暮らす世界とはかなり違っている。ネコには人間と同じ五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)が備わっているが、薄明かりの世界で生きやすいように、そのいくつかはより特殊化し、より精密になっている。(PHOTOGRAPH BY SAMUEL WHITTON, ALAMY STOCK PHOTO) ネコにとっての世界は、私たちが暮らす世界とはかなり違う。ネコは人間と同じ五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)を備えているが、感覚器官から入ってくる情報の理解や処理のしかたは人間とは大きく異なる。 ネコの気持ちを理解するためには、まず私たちはネコが世界をどのように捉えているかを理解する必要がある。あなたのネコが経験している世界を知ることで、ネコとの関係をより良くすることができるかもしれない。(参考記事:「ネコの表情は276種類あると判明、なぜそんなに多いのか?」) 視覚 ネコも人

                        ネコは世界をどのように捉えているのか、人間の感覚とどう違う?
                      • 処刑された英王妃アン・ブーリンの愛読書、消された文字を発見

                        かつてアン・ブーリンが所有していた時祷(じとう)書に紫外線を当てると、肉眼では見えない文字が余白に浮かび上がる。運命に翻弄された王妃の時祷書は、1536年に彼女が処刑された後に所在が分からなくなり、1903年ごろに発見された。(PHOTOGRAPH COURTESY HEVER CASTLE & GARDEN) 英国王ヘンリー8世の2番目の妻であるアン・ブーリンはしばしば「男を誘惑する女」として、また最終的に英国の宗教のあり方が変わる原因となった女性として描かれる。だが実際のブーリンは、教育と宗教改革に身をささげる知的で信仰心のあつい女性だった。 しかし、1536年5月にブーリンが姦通と近親相姦という無実の罪を着せられて逮捕され、処刑された後、ヘンリー8世は彼女のことを忘れようと決意した。ブーリンの紋章は宮殿の壁から取り去られ、きらめく宝石は暗い金庫にしまい込まれ、彼女が所有していた貴重な

                          処刑された英王妃アン・ブーリンの愛読書、消された文字を発見
                        • マラソンの起源は「古代ギリシャの故事」は誤り、真相は

                          紀元前490年、ペルシャに勝利したという吉報を携えてアテネに古代ギリシャの急使フィリッピデスが到着した出来事が、現代のマラソンの起源になったと伝えられている。この伝説の問題点は何か? そんな事実は存在しないことだ。(IMAGE BY SALINAS, ALBERTO VIA LOOK AND LEARN / BRIDGEMAN IMAGES) 42.195kmを走るマラソンの起源について誰かに質問したとしよう。するとおそらく、古代ギリシャの急使フィリッピデスが、ペルシャとの決戦でギリシャが勝利したことを知らせるため、マラトンの町からアテネまで約40kmを走り、その場で絶命したというエピソードを聞くことになるだろう。ギリシャは古代オリンピックに「マラソン」の競技を追加することで、フィリッピデスの働きをたたえたと伝えられている。(参考記事:「オリンピックの驚きの歴史、古代ギリシャから東京まで」

                            マラソンの起源は「古代ギリシャの故事」は誤り、真相は
                          • 野生の緯度から離れたパンダ、より無気力で異常行動が増加、研究

                            フランスのボーバル動物園で飼育されているオスのジャイアントパンダ(Ailuropoda melanoleuca)。中国には、野生のパンダが約1800頭生息している。(PHOTOGRAPH BY ERIC BACCEGA, NATURE PICTURE LIBRARY) 転がったり、滑ったり、楽しそうに遊んだりして、動物園の来園者を楽しませてくれるジャイアントパンダ(Ailuropoda melanoleuca)。しかし、新たな研究により、飼育されるパンダに潜む問題が明らかになった。 動物園で飼育されているパンダは、本来の生息地とは異なる緯度で生活している場合、野生で生活しているときより活動レベルが下がり、異常行動も示しやすかった。この論文は2023年9月18日付けで学術誌「Frontiers in Psychology」に掲載された。 英国スターリング大学の博士課程の学生で、心理学を専攻し

                              野生の緯度から離れたパンダ、より無気力で異常行動が増加、研究
                            • NASAが宇宙に浮かぶ謎の「?」マークを発見、正体は?

                              ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)が撮影した新しい画像。背景に、赤く光るクエスチョンマークが見える。(PHOTOGRAPH BY NASA, ESA, CSA) 銀河系で特に注目される2つの星を撮影したところ、画像に謎のクエスチョンマークが写り込んでいた。 このクエスチョンマークは、驚異的な感度を誇る米航空宇宙局(NASA)のジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)の近赤外線カメラNIRCamで「ハービッグ・ハロー天体46/47」(HH 46/47)を初めて撮影した最新の画像で発見された。HH 46/47は有名な形成中の星で、頻繁に観測されている。 この2つの星は、私たちの太陽がどのように形成されたかを知る手掛かりとなりうる。地球からの距離は約1400光年と比較的近く、生まれてからわずか数千年の比較的若い星だ。ただし厳密に言えば、HH 46/47はまだ星として「誕生」していない。

                                NASAが宇宙に浮かぶ謎の「?」マークを発見、正体は?
                              • 電気刺激で味覚を変える実験の日本人研究者2人にイグ・ノーベル賞

                                人々を笑わせ、考えさせるユニークな研究に贈られる今年の「イグ・ノーベル賞」が発表され、「電気を流した箸やストローで食品の味を変える実験」により、明治大学総合数理学部の宮下芳明教授と東京大学大学院情報学環の中村裕美特任准教授が「栄養学賞」を受賞した。日本人のイグ・ノーベル賞受賞は17年連続となった。

                                  電気刺激で味覚を変える実験の日本人研究者2人にイグ・ノーベル賞
                                • ヒアリもアライグマもやってくる、外来種は定着すれば「負け戦」

                                  ヒアリ、ツマアカスズメバチ、アライグマ、マダニ――生態系や人の暮らしに影響を与える外来種が次々と現れ、現場は日々その対策に追われている。2022年12月の国連第15回生物多様性条約締約国会議(COP15)で扱われた「ポスト2020生物多様性枠組」では、外来種対策のターゲット目標が掲げられた。 日本の外来種対策の第一人者で「外来種バスター」の異名を持つ、国立環境研究所生態リスク評価・対策研究室の五箇公一(ごか・こういち)室長に、ヒアリをはじめとした海外からの侵入が続く外来種と人間社会について話を聞いた。 コロナ禍でも次々に見つかるヒアリ ―ヒアリが2017年以降、海外からのコンテナで次々に発見されて話題になりました。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ですっかり忘れかけていましたが、6年以上が経った現在はどのような状況でしょうか。 コロナ禍でも物流はあるわけで、ヒアリがコンテナで入っ

                                    ヒアリもアライグマもやってくる、外来種は定着すれば「負け戦」
                                  • 生命はどのように誕生したのか、知っておきたい3つの仮説

                                    生命の最初の兆候は、約35億年前までに出現した。科学者たちは、初期の生命は落雷によって形成されたか、深海の噴出孔で誕生したのではないかと考えている。(ILLUSTRATION BY GREGOIRE CIRADE, SCIENCE PHOTO LIBRARY) 約46億年前に地球ができてから数億年の間、地表はほぼ確実に高温で、彗星や小惑星の衝突も激しかったため、いかなる生命体も生息できない環境にあった。だが、約10億年後には、生命が誕生しただけでなく、微生物マット(微生物がマット状にかたまって増殖した状態)の化石という形で痕跡を残すまでになっていた。(参考記事:「40億年前の地球は生命誕生の「温床」だった」) その間に一体何が起こったのか? 5億年かそこらの間に、生命はどのようにして無生物から誕生したのだろうか。これまでに提唱された3つの主な理論を紹介しよう。 1. 大気から雷によって生ま

                                      生命はどのように誕生したのか、知っておきたい3つの仮説
                                    • 大量に噴出する水素ガスを発見、世界を変えるエネルギー源に?

                                      米ノースカロライナ州沿岸部のLiDAR(光による検知と測距)画像。地中から漏れ出している水素ガスによって、明るく円形に色づいて見える。地中から水素を回収できれば、温室効果ガスを排出せずに発電できるため、水素が大量に蓄えられた場所を探す取り組みが続けられている。(PHOTOGRAPH BY VIACHESLAV ZGONNIK AND MICHAEL DAVIAS) 地質学の実地調査は、噴火する火山の斜面や極寒の南極の谷底など、ときに過酷な場所で行われる。とはいえ、何度も爆発した鉱山の中で調査されることはあまりない。ところが、南欧アルバニアにあるクロム鉄鉱の鉱山で、まさにそれが行われた。科学者たちの目当ては、ほぼ純粋な水素ガス。爆発のもとであると同時に、世界を変えるクリーンなエネルギー源になりうるものだ。 その水素が漏れ出ているところが見つかったと、2024年2月8日付けで学術誌「Scien

                                        大量に噴出する水素ガスを発見、世界を変えるエネルギー源に?
                                      • 「パンチドランカー」を生きている間に治療できるように、研究

                                        2018年6月9日、カリフォルニア州ロサンゼルスで行われたWBCスーパーウェルター級タイトルマッチで、オースティン・トラウト氏(白のトランクス)と対戦するジャーメル・チャーロ氏(ゴールドのトランクス)。この試合は、チャーロ氏が判定勝ちした。(PHOTOGRAPH BY JAYNE KAMIN-ONCEA, GETTY IMAGES) パンチドランカーと患者が言われることもある「慢性外傷性脳症(CTE)」は、記憶障害、認知機能の低下、行動の変化といった症状が、通常は中年期から徐々に進行する神経変性疾患だ。アメリカンフットボール、アイスホッケー、ボクシング、総合格闘技など、接触が多いコンタクトスポーツの選手のほか、軍人や家庭内暴力の被害者など、繰り返し頭部に外傷を受けた場合でも発症する。(参考記事:「爆風の衝撃 見えない傷と闘う兵士」) CTEは現在、死後の解剖によってしか確定診断できないが、

                                          「パンチドランカー」を生きている間に治療できるように、研究
                                        • 太陽系の第9惑星が見つかるかも、超巨大な“怪物望遠鏡”が挑む

                                          米SLAC国立加速器研究所で、完成の最終段階に入ったベラ・C・ルービン天文台のカメラ。189個のセンサーを持ち、32億画素の写真を撮影できる世界最大のデジタルカメラだ。(PHOTOGRAPH BY CHRISTIE HEMM KLOK) 地球上から無数の望遠鏡が夜空を観測しているにもかかわらず、地球の周辺にはいまだに姿がとらえられていない未知の天体が数多く存在している。 しかし間もなく、それが変わろうとしている。南米チリに建設中のベラ・C・ルービン天文台(VRO)は、これまで知られていなかった太陽系の大部分を明らかにし、天文学に進歩と革命をもたらすことが期待されている。驚異のエンジニアリングとソフトウェア、科学的な創意工夫から生まれたVROの目的は一つ。夜空全体を丸ごと記録することだ。 確認される小惑星の数は、VROの運用が開始された直後に急増すると予測されている。1801年に最初の小惑星

                                            太陽系の第9惑星が見つかるかも、超巨大な“怪物望遠鏡”が挑む
                                          • 欧州貴族の奇妙なかつらの奇天烈な歴史、はじまりは王の薄毛隠し

                                            ルイ14世(シルバーのかつらをつけた人物)が、頭頂部の盛り上がった長い髪のかつらを愛用するようになると、宮廷の人々も同じようにかつらをつけ始めた。訪問者のザクセン選帝侯(赤い服の人物)までもが、大きなかつらをつけていた。1715年、ルイ・ド・シルベストル作。(BRIDGEMAN/ACI) 「髪を高く盛れば盛るほど神に近づく」と言ったのは、米国の歌手で女優のドリー・パートンだったが、300年前のフランスにも、同じように感じていた人物がいたようだ。派手なファッションスタイルで知られたルイ14世が、流れるような長い巻き毛のかつらをつけ始めると、周辺国の王から平民まで、ヨーロッパ中がこれを真似した。 国王と女王の「薄毛隠し」 かつらの歴史はルイ14世よりもずっと古く、何千年も前からヨーロッパや地中海諸国で愛用されてきた。史上最古のかつらは、古代エジプトのエリート層のものだったという。古代エジプト人

                                              欧州貴族の奇妙なかつらの奇天烈な歴史、はじまりは王の薄毛隠し
                                            • オスの「武器」が大きな哺乳類、メスは「脳」が大きい、初の報告

                                              崖の上に立つ3頭のビッグホーン(Ovis canadensis)。新たな研究により、ビッグホーンなどの哺乳類のオスは角をより大きくするように進化し、メスは脳をより大きくするように進化したことが示された。(PHOTOGRAPH BY TOM MURPHY, NAT GEO IMAGE COLLECTION) 4万年以上前からスイギュウの角やイノシシの牙を洞窟の壁に描いてきたように、人類は、はるか昔から大きな「武器」をもつ動物たちに魅了されてきた。しかし、角や牙の威厳に執着するあまり、メスで起こっている驚くべきことに気づかなかったのかもしれない。2024年1月12日付けで学術誌「Behavioral Ecology and Sociobiology」に掲載された研究で、哺乳類のオスで戦闘用や自分の健康状態を示す大きな武器が進化すると、同種のメスでは想定より脳が発達することが初めて示された。 こ

                                                オスの「武器」が大きな哺乳類、メスは「脳」が大きい、初の報告
                                              • サプリを信じる前に知るべき5つのこと、ずさんな表示の実態も

                                                サプリメントは2000億ドル(約30兆円)規模の産業になると予測されているが、サプリメントには効果ばかりがあるわけではなく、有害になりうるものさえある。(PHOTOGRAPH BY HEINER MÜLLER-ELSNER, LAIF/REDUX) もし錠剤を1錠飲むだけで、突然、エネルギーがみなぎり、肌がきれいになり、心臓が健康になるとしたら? ドラッグストアのサプリメント売り場を通るたび、このような期待が手招きする。売り場には魚油のカプセルや、容器入りのコラーゲンパウダー、マグネシウムのチュアブル錠、そして、ありとあらゆるビタミン剤が並ぶ。 実に魅力的だ。世界のサプリメント産業が2025年までに2000億ドル(約30兆円)規模に達すると予測されているのも不思議ではない。 しかし、これらのサプリメントにどれくらい効果があるのか、コストに見合うのかについて、筆者はいつもかなりの疑念を持って

                                                  サプリを信じる前に知るべき5つのこと、ずさんな表示の実態も
                                                • 失われた大陸「ジーランディア」の全貌がついに判明、範囲明確に

                                                  ニュージーランド南島の西海岸にあるパンケーキ・ロックス。この島国はジーランディアという水没した大陸の先端にあたる。2023年、ジーランディアのマッピングがようやく完了した。(PHOTOGRAPH BY JOANA KRUSE, ALAMY STOCK PHOTO) 長年にわたる探査と調査の末、南太平洋に沈む大陸「ジーランディア」の地質図が完成した。岩石サンプルと地域の磁気データなどを調べた結果、ニュージーランドを取り囲む海に隠された範囲が明確になった。この大陸地殻が水没したのは何千万年も前で、面積は約500万平方キロに及び、先住民マオリの言葉で「テ・リウ・ア・マウイ」と呼ばれている。論文は学術誌「Tectonics」に2023年9月に発表された。

                                                    失われた大陸「ジーランディア」の全貌がついに判明、範囲明確に
                                                  • 炎症を抑えてうつ病と闘う、食べ物の効果や新治療法など研究進む

                                                    体と脳の炎症はメンタルヘルスを悪化させることが知られている。最近の研究により、食生活を見直し、瞑想や運動を取り入れることで、炎症を抑制し、うつ病や不安を改善できることがわかってきた。(IMAGE BY SCIEPRO, SCIENCE PHOTO LIBRARY) 体の慢性疾患は心の健康にも深刻な影響を及ぼす。米疾病対策センター(CDC)によると、がん患者の42%、関節リウマチ患者の42%、糖尿病患者の27%、心血管疾患患者の17%、アルツハイマー病患者の11%がうつ病を合併するという。 これらの疾患には炎症という共通点がある。慢性疾患を抱えていることが大きなストレスになるのは明らかだが、炎症そのものがメンタルヘルスを悪化させている側面もあることが、近年、明らかになってきている。 炎症とうつ病との生物学的な関わりの研究は、新たな薬の使い方や、炎症を管理してメンタルヘルスを改善する方法につい

                                                      炎症を抑えてうつ病と闘う、食べ物の効果や新治療法など研究進む
                                                    • スペースXの“銀河鉄道”人工衛星、多すぎでは? 専門家に聞いた

                                                      米国コロラド州のブラックキャニオン国立公園の空を長時間露光で撮影。自然の光と人工的な光の動きの両方を捉えている。地球軌道を周回する何千もの人工衛星は宇宙のかなたにある天体より何百万倍も明るく輝くことがあり、天体観測の妨げになっている。(PHOTOGRAPH BY BABAK TAFRESHI) UFOの一団、奇妙な配列の流星群、ドローンショー。これらは、イーロン・マスク氏の航空宇宙企業であるスペースX社の巨大通信衛星網「スターリンク」の人工衛星が、最近間違われたもののほんの一部だ。日本では「銀河鉄道のよう」と言われることもある。 これらの衛星は地球の辺境にブロードバンドインターネットをもたらしている。通常、最終的な軌道である高度約550キロ地点に向かう途中の、高度300キロ付近の地球低軌道で目撃される。上昇するにつれて暗くなり、互いの距離が離れ、数週間後、ほとんど視認できなくなる。天文学者

                                                        スペースXの“銀河鉄道”人工衛星、多すぎでは? 専門家に聞いた
                                                      • ノンアル飲料はやはりお酒の量を減らす、実力を示す初の研究

                                                        米ニューヨーク市のカクテルバー「ヌベルズ」で提供しているノンアルコールカクテル(モクテル)「ニノ・メロン」。アルコールが健康に及ぼす影響が知られるようになったおかげで、上質なノンアルコールカクテルの人気が高まっていると専門家は指摘する。(PHOTOGRAPH BY KRISTA SCHLUETER, THE NEW YORK TIMES/REDUX) ジョン・デバリー氏が米ニューヨーク市でバーテンダーとして働き始めた2008年頃、ノンアルコール飲料(アルコールテイスト飲料)の提供は珍しく、味もそれほど良いとは言えなかった。しかし最近では、人気ビールの低アルコールまたはノンアルコール版や、洗練されたノンアルコールカクテルの種類が増え、人気が急速に高まっている。そのうえ、ノンアル飲料の提供で飲酒量を減らせることを世界で初めて示したとする論文が10月2日付で医学誌「BMC Medicine」に発

                                                          ノンアル飲料はやはりお酒の量を減らす、実力を示す初の研究
                                                        • 「うるう秒」とは何か、なぜ廃止が決まったのか? その後は白紙

                                                          1959年、初期のセシウム原子時計を扱う科学者たち。うるう秒は原子時と天文学的な時刻を同期させるために使われてきた。(PHOTOGRAPH BY NIST, THE NEW YORK TIMES/REDUX) いまは何時? 携帯電話やパソコンを見れば、かなり正確な答えがわかるだろう。時刻は不変のペースで刻まれているように思えるが、実は私たちの時計は何十年もの間、数年ごとに「うるう秒」を挿入して調整されてきた。 これは、原子時計と地球の自転に基づく時計を合わせるためであり、そうして調整された時計が長い間、国際的な時刻の基準になっていた。ところが、科学者たちはうるう秒を廃止することにした。うるう秒の何が問題なのだろうか? 「秒」を定める 「秒」という時間の単位は、24時間の天文学的な1日(地球の1回転)を単純に8万6400分割して作られた。ただ、一つだけ問題があった。地球は毎日同じ速度で自転し

                                                            「うるう秒」とは何か、なぜ廃止が決まったのか? その後は白紙
                                                          • 米国人の家に招かれたら、靴は脱ぐ? 脱がない? 専門家の見解は

                                                            このハワイの住宅のように玄関先で靴を脱げば、汚れや病原菌、鉛のような毒素が住宅に入りにくくなることが研究で明らかになっている。(PHOTOGRAPH BY ROBERT MADDEN, NAT GEO IMAGE COLLECTION) 米国に住んでいると、新しい友人の家を訪れた時に、玄関で靴を脱ぐか脱がないか迷ったことがあるかもしれない。これは、伝統的文化と個人的な好みに関わる、やっかいな社交的儀式なのだ。脱ぐと、見た目と臭いが気になるだろう。でも、訪問先で靴を脱げば、その家の住民の健康にプラスになるかもしれない。なぜ玄関で靴を脱ぐように科学者は勧めるのか、その理由を探ってみよう。 家で靴を履かない人たち 家に入る時に靴を脱ぐのはきまりが悪いと感じる人もいるが、それも不思議ではない。屋内で靴を脱ぐか脱がないかという問題には、相反する見解と文化的な背景がある。異文化コミュニケーションの研究

                                                              米国人の家に招かれたら、靴は脱ぐ? 脱がない? 専門家の見解は
                                                            • 蚊が好む人の匂いを特定、石鹸で洗うと引き寄せる場合も、研究

                                                              走査電子顕微鏡で撮影したメスのガンビエハマダラカのカラー化画像。人間の血を吸って膨れ上がった腹部が確認できる。メスはオスより触覚の毛が少ないことで見分けられる。緑色の複眼の下に伸びる赤い管は口吻(こうふん)で、皮膚に突き刺して血を吸うための吻針(ふんしん)と呼ばれる器官がある。(MICROGRAPH BY DR TONY BRAIN, SCIENCE PHOTO LIBRARY) 米カリフォルニア州立大学サクラメント校の英語学准教授キム・ザリンスさんは、大いに蚊に好かれている。ザリンスさんがあまりにも蚊を引き寄せるため、18歳の息子は、屋外に出る際に彼女を誘うほどだ。なぜなら、母親がおとりとなって「自分は安全を確保できるのを知っているから」だと、ザリンスさんは言う。 ザリンスさんのような人々の存在は、何がこの吸血動物を引き寄せているのかを科学的に特定するうえで役に立つ。 「蚊は人間を感知す

                                                                蚊が好む人の匂いを特定、石鹸で洗うと引き寄せる場合も、研究
                                                              • ペットは人を幸せで健康にするのか? 研究が示す本当のところ

                                                                ペットを飼うことは、高齢者をはじめ、友人や家族との親密な関係が希薄な人にとっては特に重要な効果をもたらす。(PHOTOGRAPH BY ROBERT CLARK, NAT GEO IMAGE COLLECTION) イヌは長い間、人間の最良の友と呼ばれてきた。その主な理由は忠誠心、愛情、サービス精神といったイヌの性質だ。米国ミシガン州グランドラピッズ在住のシャロン・リードさんはイヌの献身的な愛情を実感している一人だ。「夫の死後、愛犬が最も頼りになる存在となり、愛犬のおかげで、つらい時期を乗り越えることができました」 ペットを飼うことが健康にもたらす利点として最も広く知られているのは、ストレスに対処しやすくなること、共感や思いやりの精神が育まれること、「孤独の害から守られる」ことだと米パデュー大学の動物生態学教授で、同大学ヒューマン・アニマル・ボンド・センターの所長を務めるアラン・ベック氏は

                                                                  ペットは人を幸せで健康にするのか? 研究が示す本当のところ
                                                                • 謎の人類ホモ・ナレディが死者を埋葬した証拠、最古を10万年更新

                                                                  ライジング・スター洞窟に仲間の遺体を運び入れるホモ・ナレディの復元図。彼らが意図的に埋葬を行っていた可能性を示唆する新たな証拠は、人類の進化にまつわる現在の考え方に一石を投じるものだ。(ILLUSTRATION BY JON FOSTER, NAT GEO IMAGE COLLECTION) 数十万年前に生きていて現在は絶滅した人類が、南アフリカの洞窟の奥深くに死者を意図的に埋葬し、意味のある図形を壁に彫り込んでいた可能性がある。そうした高度な行動は、一般にネアンデルタール人や現代のホモ・サピエンスに特有のものだと考えられている。もし埋葬の事実が確認されれば、知られている限りで最古の埋葬が行われた時期が少なくとも10万年早まることになる。 この主張は、査読前の論文を投稿するサーバー「bioRxiv」に2023年6月5日付けで公開された2本の論文で発表されている。また、米ストーニーブルック大

                                                                    謎の人類ホモ・ナレディが死者を埋葬した証拠、最古を10万年更新
                                                                  • 蚊やマダニの虫よけ剤、どれを選ぶべき? 適切な使い方も紹介

                                                                    2016年に顕微鏡で撮影したネッタイシマカ(Aedes aegypti)。ジカウイルスやデング熱を媒介することで知られている。適切な虫よけ剤を用いれば、虫が媒介する病気から身を守れる。(PHOTOGRAPH BY FELIPE DANA/AP PHOTO) スプレーや超音波装置、リストバンド、虫よけキャンドル。蚊やマダニなどの厄介な虫を寄せつけないことを約束する製品は、山ほど市場に出回っている。これらの害虫から、最も私たちを守ってくれるのはどの製品だろうか? 蚊やマダニは、ウエストナイル熱やライム病のような病気を媒介する可能性があり、自分の身を守ることは重要だ。しかし、すべての虫よけ剤が同じように効くわけではない。中にはまったく効かないものもある。 どの虫よけ剤を使うべきかは、住んでいる場所や屋外にいる時間、どの虫を撃退したいかによって異なる。また、香りの強さなど個人の好みもあるだろう。

                                                                      蚊やマダニの虫よけ剤、どれを選ぶべき? 適切な使い方も紹介
                                                                    • 縮れた髪の毛は初期人類の脳が大きくなるのに有利だった? 研究

                                                                      人間の頭部に毛髪が生えている理由をめぐっては昔から論争があり、科学者の見解は一致していない。最新の研究により、強く縮れた髪の毛は、ヒト族の祖先を進化的に有利にしていた可能性があることが明らかになった。(PHOTOGRAPH BY REBECCA HALE, NAT GEO IMAGE COLLECTION) 2023年6月6日付けで学術誌「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」に発表された論文によると、縮毛は人間の進化において脳が大きくなるうえで有利にはたらいた可能性があるという。 「脳は大きくて熱に弱い器官ですが、発熱量も多いのです」と、論文の筆頭著者であり米ペンシルベニア州立大学の生物人類学の博士研究員であるティナ・ラシーシ氏は説明する。「私たちは、進化においてこの点は重要なのではないかと考えました。脳のサイズが大きくなっていく時期には、頭部の温度調節が特に重要だったのではないでしょうか

                                                                        縮れた髪の毛は初期人類の脳が大きくなるのに有利だった? 研究
                                                                      • オオアナコンダの新種を発見、“世界最重のヘビ”に衝撃の事実

                                                                        最近の新たな研究により、オオアナコンダはヒトとチンパンジーの間よりも遺伝的差異が大きい2種に分けられることが明らかになった。写真はエクアドルのヤスニ国立公園で撮影された、今回新種とされたキタオオアナコンダ(Eunectes akayima)。頭にヒツジバエ科のハエが止まっている。(PHOTOGRAPH BY KARINE AIGNER/NATUREPL.COM) 世界で最も重いヘビが大きな秘密を隠していたことが明らかになった。2024年2月16日付けで学術誌「MDPI Diversity」に掲載された論文によれば、南米にすむオオアナコンダ(Eunectes murinus、英名Green Anaconda)は、実際には遺伝的に異なる2つの種に分けられることがわかった。両種の見た目は非常に似ているため、専門家でさえ区別できないほどだ。 「遺伝的には、違いは非常に大きいです」と、ナショナル ジ

                                                                          オオアナコンダの新種を発見、“世界最重のヘビ”に衝撃の事実
                                                                        • ネコかハトか、スパイの適性を持つ動物は? 真面目な研究の歴史

                                                                          ネコを見て警戒する人はあまりいないので、ネコはスパイ役にぴったりだ。1960年代、CIAは「アコースティック・キティ作戦」に2000万ドル(当時のレートで72億円)を投じ、世界で初めてサイボーグのスパイネコを作り出した。(PHOTOGRAPH BY VINCENT J. MUSI) 冷戦時代の高度な利害関係と壮絶な駆け引きの中で、CIA(米中央情報局)は、常に諜報(ちょうほう)活動の難題に直面していた。それは「接触」だ。どのような事態でも、独自の解決策が求められた。厳重に警備されている外国首脳のプライベートな空間に、どうやってスパイを送り込むか。そこには、ごく親しい友人や当人が好きなノラネコしか入れないとしたら? それならば、見えないように盗聴機器を取り付けたネコを送りこんだらどうだろう。 CIAはこの作戦を「アコースティック・キティ」と名づけた。しかし、作戦の研究開発に5年の歳月と200

                                                                            ネコかハトか、スパイの適性を持つ動物は? 真面目な研究の歴史
                                                                          • 2000年間話し手がいなかったヘブライ語、どうやって復活した?

                                                                            2023年に競売にかけられた、最古にして最も完全なヘブライ語聖書である「サスーン写本」。こうした宗教文書は、2000年にわたってヘブライ語が存続した大きな要因のひとつだ。(PHOTOGRAPH BY WIKTOR SZYMANOWICZ, ANADOLU AGENCY/GETTY IMAGES) ヘブライ語は生きた言語だ。話者は世界中で約900万人にも及び、この言葉を通じてありとあらゆる思考や望みを伝え合っている。 わずか150年ほど前まで、ヘブライ語は古代の宗教文書の中にしか存在しない言語とみなされていた。当時の人々には、今のような事態は予測できなかっただろう。 ヘブライ語が使われなかった期間は約2000年に及ぶ。その間、ユダヤ人コミュニティーは世界各地に散らばり、それぞれが新たな故郷となった土地の言葉を使うようになっていった。19世紀後半の時点では、ヘブライ語の語彙には、ヘブライ語聖書

                                                                              2000年間話し手がいなかったヘブライ語、どうやって復活した?
                                                                            • 魚の大量死が世界の川や海で頻発 なぜ窒息してしまうのか?

                                                                              2022年9月、ドイツのリューゲン島にあるクレイナー・ヤスムンダー・ボッデンの岸辺で、アシの根元に浮かぶ魚の死骸。このような魚の大量死は多くの場合、酸素濃度の低下が原因だ。(PHOTOGRAPH BY DANIEL MÜLLER, AGENTUR FOCUS/REDUX) 2023年6月、米テキサス州南東部の海岸を魚の死骸がじゅうたんのように覆った。海岸に横たわる死骸が腐敗を始めると、捕食者が波のように到来した。テキサス州公園野生生物局死骸汚染チームによれば、間もなく、海岸は「ボロボロの魚の骨」だけになった。 ほかにも魚の大量死が報告されており、科学者や環境保護団体は世界中の川や海に暮らす魚の健康状態を懸念している。(参考記事:「動物の大量死が増加、過去70年の傾向を調査」) 魚の大量死そのものは、干ばつなどの異常気象や藻類の大発生によって自然に起きることもある。しかし、専門家によれば、こ

                                                                                魚の大量死が世界の川や海で頻発 なぜ窒息してしまうのか?
                                                                              • 動物の糞から高級コーヒー、1杯1万円も 飼育環境に懸念 - 日本経済新聞

                                                                                ゾウの糞から取り出した豆でいれたコーヒーは、どんな味がするのだろう。コーヒー2杯分の豆が入った小袋のお値段は、約150ドル(約2万2000円)。世界で最も高価なコーヒー豆の一つに数えられ、高級ホテルで提供されたり、わずかだがオンラインでも販売されている。この高価なコーヒー豆を作るために飼育されているアジアゾウは、餌としてコーヒーの実や果物を与えられる。食べたものは胃の中で発酵して果肉が分解され

                                                                                  動物の糞から高級コーヒー、1杯1万円も 飼育環境に懸念 - 日本経済新聞
                                                                                1