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大江健三郎の検索結果201 - 240 件 / 367件

  • ひ、ひゃくまんえん!  - 日々の暮らしの中で あれこれ思うこと

    実家の両親が旅行のついでに足を伸ばして、我が家に立ち寄った。 ひとしきりお互いの近況報告や 旅行のお土産話が弾んだ後に、唐突に母が言う。 「100万円、ダメにしたわ」 そこに居た全員が驚きの声をあげる。  「ひ、ひゃくまんえん!」 同じ屋根の下に暮らしている父ですら 初耳らしく、一緒に驚いている。 「旅行中に落としたの? でも旅行にはそんなに大金を持ち歩かないよね?」「留守中に空き巣に入られたか、水漏れ事故かなにかで家財道具をダメにした?」「まさか、骨董品の偽物なんて買わないよね?」などと皆が口々に言う。 それ以外だとすると・・・私の脳裏に咄嗟に浮かんだのは、詐欺の被害に遭ったのではないか・・・ということだった。 しかし、母は「なりすまし詐欺、振り込め詐欺」の類いには慎重で、まず騙されそうにはない。 それどころか、このブログの「謎」に書いたように、犯人?(警察官?)を泣かせてしまったかもし

      ひ、ひゃくまんえん!  - 日々の暮らしの中で あれこれ思うこと
    • 21世紀の純文学小説10点 - jun-jun1965の日記

      『文學界』で鴻巣、安藤礼二、江南が10点ずつ選んでいたが割と不満だったので自分の選んだのをあげておく。 車谷長吉「忌中」 勝目梓「小説家」 西村賢太「小銭をかぞえる」 大江健三郎「水死」 三木卓「k」 柳美里「JR上野駅公園口」 島本理生「夏の裁断」 今村夏子「あひる」 村田沙耶香「コンビニ人間」 宇佐見りん「推し、燃ゆ」 自分のはさすがに抜いた。

        21世紀の純文学小説10点 - jun-jun1965の日記
      • https://ansaikuropedia.org/wiki/防衛大学校

        防衛大学校(ぼうえいだいがっこう、英語:National Defense Academy of Japan)とは、神奈川県横須賀市走水1-10-20に本部を置く刑務所であり、アイロンがけと掃除のプロを養成する施設でもある。小原台刑務所とも呼ばれる。略称は防大、防衛大、NDA。 概要[編集] 大学校全体[編集] 日本の幹部自衛官となるべき者を教育訓練する防衛省の刑務所であり、位置付けは諸外国の士官学校とは異なり、アイロンがけと掃除のプロの教育・育成を主たる目的としている。教育課程は、本科、理工学研究科及び総合安全保障研究科の三つがあるが、一般に「防衛大学校」というと本科のみを指すことも多い。辛い大学受験を乗り越えた後に、なぜか地獄に落ちてしまった、ドMの為の施設であり、4年間、場合によっては5年6年耐えたにもかかわらず、フツーの大学を卒業してきた者と同様に、幹部候補生学校(陸上・海上・航空)

          https://ansaikuropedia.org/wiki/防衛大学校
        • 大江健三郎が「1970年代の若者」に与えていた「鮮烈な衝撃」…その生々しい実感を振り返る(堀井 憲一郎) @gendai_biz

          大江と長島 大江健三郎が小説『死者の奢り』を発表したのは、東大在学中の昭和32年(1957年)夏のことである。 第38回芥川賞の候補となるも開高健が受賞して、『死者の奢り』では取れなかった。 そして次の第39回芥川賞を『飼育』で取る。 昭和33年の夏のことである。 ジャイアンツのルーキー長島茂雄の活躍に世間が注目していたころである。 このかなりかけ離れたイメージの二人ではあるが、年齢も一歳違いで(大江がひとつ上)、しかも大江は一年浪人して大学に入っているから、東京大学と立教大学という「東京六大学」で同学年として大学生活を送っていたことになる。 長島茂雄は大学生のときから圧倒的なスターであったが、大江健三郎にもそれに近い空気があった。そうおもっている。 いや、私は長島茂雄プロデビューのころに生まれたのでリアルな空気を知っているわけではないが、あとから追っかけてそういう風景をずっと想像している

            大江健三郎が「1970年代の若者」に与えていた「鮮烈な衝撃」…その生々しい実感を振り返る(堀井 憲一郎) @gendai_biz
          • 試験勉強でつかんだマルクスの「本領」:私の謎 柄谷行人回想録⑤|じんぶん堂

            記事:じんぶん堂企画室 マルクス『資本論』の初版本(1867年) 書籍情報はこちら ――前回は東大駒場寮時代のお話を伺いました。午前10時まで寝ていたということは、寮では先輩たちと夜中まで議論するような生活ですか? 柄谷 いや、本を読んでいた。誰かと一緒ではない。ひとりですよ。一番よく読んでいたのは、マルクス経済学者の宇野弘蔵です。ブント系は宇野を読むものだと聞いてたからだと思うけど、『経済原論』など、入学して早速買いましたね。マルクス主義について通俗的には知っていたけど、初めてマルクスについて考えた。マルクスの本領は『資本論』なんだと、宇野を通じて知った。 経済学者の宇野弘蔵 ――62年、経済学部に進みます。宇野弘蔵は58年に東大を退官していますが、当時は弟子の鈴木鴻一郎が教えていますね。宇野派の経済学を学ぶのが目的ですか? 柄谷 勉強しないでいいからです(笑)。当時、文科一類からは基本

              試験勉強でつかんだマルクスの「本領」:私の謎 柄谷行人回想録⑤|じんぶん堂
            • 今週のはてなブログランキング〔2023年3月第4週〕 - 週刊はてなブログ

              はてなブログ独自の集計による人気記事のランキング。3月19日(日)から3月25日(土)〔2023年3月第4週〕のトップ30です*1。 # タイトル/著者とブックマーク 1 GPTの仕組みと限界についての考察(1) - conceptualization by id:isobe324649 2 CoCo壱番屋と共に生きる - やしお by id:Yashio 3 LLM chatbotが人類にもたらすのは、絶望なのか希望なのか - 渋谷駅前で働くデータサイエンティストのブログ by id:TJO 4 プレイステーションが勝者になったのは FINAL FANTASY VII のお陰なんだっけ? - 最終防衛ライン3 by id:lastline 5 一番星はてのがブコメにスターをつけるようになりました - 一番星はての開発ブログ by id:firststar_hateno 6 AIとブレスト

                今週のはてなブログランキング〔2023年3月第4週〕 - 週刊はてなブログ
              • 那覇国際通りすぐ近く、沖縄第一ホテルで朝食を - 青い滑走路

                以前は安里三叉路近くにあった「第一ホテル」がだいぶ前に移転してから、初めて家族で訪問して参りました。移転した「沖縄第一ホテル」の薬膳料理が沖縄のガイドブックに紹介されていたのを目にした妻の希望を受けての訪問でした。移転前より50品種の材料を用いた”豪華”朝食が名物だったのですが、移転後に更にパワーアップしているのだとか... 現在の「沖縄第一ホテル」はレストランやお土産屋、ホテルが軒を連ねる国際通りの中ほど、お土産やの一銀堂があった角を曲がって、一銀通りを久茂地小学校に向かう途中(赤マルの位置)に10年程前に移転したそうです。ホテルは部屋数が限られたオーベルジュのようで、当初は自分達も宿泊しようと目論むも満室だったのでテクテクとおもろまちから炎天下を歩いて来たのでした。 だいぶ洗練された感じもありますが、以前の木造建築の面影が残る内庭を横目に見ながらホテルロビーに進み、予約をした旨をホテル

                  那覇国際通りすぐ近く、沖縄第一ホテルで朝食を - 青い滑走路
                • 大江健三郎『洪水はわが魂に及び』考察:序~核と洪水と世界の終わり~ - かるあ学習帳

                  大江健三郎は日本で2人目のノーベル文学賞受賞者である。大江さんは大作小説『洪水はわが魂に及び』を執筆し、野間文芸賞を受賞した。しかしこの『洪水はわが魂に及び』、ちょっと手に入りにくい本なのである。それでもこの小説には名作の予感が漂っていたので、私はメルカリで上下巻の古本を入手した。試しに読んでみたらやっぱり面白かった。世界の終わりを思考し、人類の傲慢さを告発する超良作だったよ。 『洪水はわが魂に及び(上・下)』 大江健三郎 新潮社 1973年9月30日発行 大洪水よ、ワイにかかって来いやあ! まずは、この小説に名付けられた『洪水はわが魂に及び』という仰々しい題名について考察したい。私が買った古本には、大江さんと渡辺広士の対談が掲載された小冊子が付属していた。大江さんはこの対談で、旧約聖書のヨナ書で表現された「大洪水による終末」にインスパイアされて小説の題名を思い付いたと言っている。しかし私

                    大江健三郎『洪水はわが魂に及び』考察:序~核と洪水と世界の終わり~ - かるあ学習帳
                  • 先輩が俺の童貞を奪おうとしてくる - オタゴン無法地帯

                    ~前回のあらすじ~ どうも、23歳で実家暮らし体重115kgの成人男性オタゴンです。4000字かけて『セックスさせろ』って書いたら1800RTもされる結果になりました。しかもリプライ欄に見当違いな説教野郎共まで湧く大惨事に発展。でも殺意で性欲を忘れさせてくれたことには感謝しなければいけませんね。 otagon.hatenablog.com これだけ拡散されたんだから複数回に及ぶ性交渉の機会が俺にも与えられるはず。間違いない。そんな時、先輩からとんでもないLINEが飛んできた。結論から言うと、俺は先輩に童貞を奪われてしまうかもしれない。 AV出演強要の様子 俺が先輩と呼ぶこの人の性別は、もちろん男だ。もしかすると俺に女の先輩がいて、その人に迫られているという空疎な夢物語をこの記事の見出しから連想した人もいるかもしれない。だが安心してほしい。仮にそういう状況になっていたとしたら、俺はブログにな

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                    • なぜ岡村靖幸は勉強しつづけるのか?俳句やラップ、コントなど未知のジャンルに初挑戦した『岡村靖幸のカモンエブリバディ』発売記念インタビュー | ダ・ヴィンチWeb

                      トップインタビュー・対談なぜ岡村靖幸は勉強しつづけるのか?俳句やラップ、コントなど未知のジャンルに初挑戦した『岡村靖幸のカモンエブリバディ』発売記念インタビュー ミュージシャンの岡村靖幸さんにとって、「勉強」はひとつのトレードマークになっている。「Super Girl」「家庭教師」といったソロ楽曲、DAOKOさんとコラボした「ステップアップLOVE」、プロデュースを担当した川本真琴さんの「愛の才能」など、数多くの楽曲に「勉強」というフレーズが登場する。 6月9日に発売された『岡村靖幸のカモンエブリバディ』(双葉社)は、岡村さん自身が勉強する姿が収録されている。本作は、様々なゲストを招いて、俳句やラップ、コント、歴史、ポエトリーリーディングなどを学ぶNHKのラジオ番組が書籍化されたものだ。 本記事では、岡村さんの単独インタビューを実施。本作の魅力はもちろん、あまりメディアに出演してこなかった

                        なぜ岡村靖幸は勉強しつづけるのか?俳句やラップ、コントなど未知のジャンルに初挑戦した『岡村靖幸のカモンエブリバディ』発売記念インタビュー | ダ・ヴィンチWeb
                      • 小説の密度、奔放、そして詩 大江健三郎さんを悼む 作家・池澤夏樹:朝日新聞デジタル

                        おおえ・けんざぶろう なんと美しい名前だろう。 やわらかい母音が三つ連なり、それをKという子音がしっかり受けて、更にごつごつしたZが乱して、「ろう」で丸く収まる。音節の数は軽く七五調を逸脱している。 こんな名前を持った男が詩人でないはずがない。 いわゆる詩集はない。しかし彼の小説のタイトル…

                          小説の密度、奔放、そして詩 大江健三郎さんを悼む 作家・池澤夏樹:朝日新聞デジタル
                        • 大江健三郎は「戦後」に君臨しないまま統治した 池澤夏樹さん追悼:朝日新聞デジタル

                          戦後文学を牽引(けんいん)した大江健三郎さんが3日、亡くなった。親交のあった作家、池澤夏樹さんは自ら編集した「日本文学全集」のうちの一巻をまるごと大江作品にあてた。その魅力とは? 追悼文を寄せてもらった。 ◇ おおえ・けんざぶろう なんと美しい名前だろう。 やわらかい母音が三つ連なり、それをKという子音がしっかり受けて、更にごつごつしたZが乱して、「ろう」で丸く収まる。音節の数は軽く七五調を逸脱している。 こんな名前を持った男が詩人でないはずがない。 いわゆる詩集はない。しかし彼の小説のタイトルをみればそれがそのまま詩であることは歴然としている。 思い出すままに順不同で並べてみれば(このところぼくは羅列という古代的な文芸の手法を多用している)―― 燃えあがる緑の木 洪水はわが魂に及び 芽むしり仔(こ)撃ち 狩猟で暮したわれらの先祖 人生の親戚 われらの狂気を生き延びる道を教えよ 「雨の木(

                            大江健三郎は「戦後」に君臨しないまま統治した 池澤夏樹さん追悼:朝日新聞デジタル
                          • おれらの時代(町田 康)

                            初めて手にした大江作品は 初めて手にしたのは文庫版の『死者の奢り・飼育』で昭和五十三年頃だったように思う。最初は普通の文章と違って、ひとつのことを言うためにまったく違ったことを言い、それを言うためにまた別のことを言うようなところがあって極度の集中を読者に求める、みたいな文章にまったく歯が立たず、でも辛抱して何度も読むうちに、わかるところが段々と増えていって、昭和五十八年頃には大分、読むようになっていた。恥を言うようだが、その頃おれは学業を放棄してパンクロッカーになっていた。なぜなったかというと、そっちの方が楽でおもしろそうだったからで、私は、「不満足」という小説の題とローリング・ストーンズの曲の題は似てるのお、など言いながら京都の川端通を歩くなどしていた。 歩いて向かうのは大抵が北白川のライブハウスだったが時折はその手前の「京大西部講堂」にも行った。「京大西部講堂」ではときおりロックの自主

                              おれらの時代(町田 康)
                            • ノーベル文学賞作家の大江健三郎さん死去 88歳

                              「万延元年のフットボール」など詩的な言葉を使って、危機に陥った現代人の実相を描いた小説で知られ、日本人で2人目のノーベル文学賞を受賞した大江健三郎(おおえ・けんざぶろう)氏が3日、老衰のため死去した。88歳だった。愛媛県出身。葬儀は家族葬で行った。後日、お別れの会を開く。長男は作曲家の大江光(ひかり)さん。妻は映画監督の故・伊丹十三の妹。 愛媛県喜多郡大瀬村(現、内子町)に7人兄弟の三男として生まれた。松山東高校を経て、昭和34年に東大文学部仏文学科を卒業。大学在学中の33年、短編小説「飼育」で芥川賞を受賞。39年、実生活をモチーフに障害児を持つ若い父親の心情を描いた「個人的な体験」で新潮社文学賞を受賞した。 その後も旺盛に小説を発表し、42年「万延元年のフットボール」で谷崎潤一郎賞を、48年「洪水はわが魂に及び」で野間文芸賞、58年には「新しい人よ眼ざめよ」で大佛次郎賞を受賞。59年には

                                ノーベル文学賞作家の大江健三郎さん死去 88歳
                              • 新潮新人賞・赤松りかこさん 大江健三郎の新作がもう出ない世界を生きるために 連載「小説家になりたい人が、なった人に聞いてみた。」#7|好書好日

                                赤松りかこさん=撮影・武藤奈緒美 第55回新潮新人賞 受賞作品「シャーマンと爆弾男」 南米で生まれたアリチャイは、族長である母からシャーマンとして育てられたが、帰国し30代になった今も精霊の声は聞こえない。彼女を巡る神秘的な物語をいつも語り聞かせていた母は、今は老人ホームで好物の蒸しパンを楽しみに過ごす。アリチャイは多摩川の河川敷でカワウの幼鳥を見つけ、やがてくる水害から彼らを救おうとする。彼女に心酔したホームレスのヨハネ四郎は元活動家の血が騒ぎ、手製爆弾で協力を申し出る――。 困った。何を聞いても大江健三郎の話になってしまう――。 新潮新人賞を受賞した赤松りかこさんのことだ。応募の際、略歴を提出するのだが、赤松さんはそこにも〇歳で大江文学と出会い、〇歳のときに大江のこの作品に感銘を受け……と〈マイ大江ヒストリー〉をぎっしり書き、編集部から「ひょっとして関係者のかた?」と聞かれたそうだ。筋

                                  新潮新人賞・赤松りかこさん 大江健三郎の新作がもう出ない世界を生きるために 連載「小説家になりたい人が、なった人に聞いてみた。」#7|好書好日
                                • 大江健三郎の同性愛的描写に関する考察【飼育】 - 世界のねじを巻くブログ

                                  ゲイ的表現の鋭さ 日本の文学界を代表する作家、大江健三郎。 意外と同性愛的視点で読んだ解説などが少ないので、 今回はLGBT的視点から大江文学について語りたいと思います。 ノーベル文学賞受賞の著者 ノーベル文学賞が話題になったので日本を代表する文豪、大江健三郎について書くことにしました。 僕自身、大江健三郎の大ファンではないので、全ての作品を網羅したわけではないですが 著書のいたる部分で同性愛者的表現が目立ちます。 ペ○スの描写も不自然なほど登場し、BL的な臭いもする作品があったりも。 LGBTというよりも、同性愛に限られてます。 生々しさを重視したものなので、 よりホモセクシュアルが強調されたような描写が特徴的。 初期の代表作『飼育』(芥川賞受賞)もそんな傾向を凝縮したような短編です。 あらすじとしては、 「戦争の時代、四国の村にアメリカの軍機が墜落し、 黒人兵が捕虜が村の捕虜となる。僕

                                    大江健三郎の同性愛的描写に関する考察【飼育】 - 世界のねじを巻くブログ
                                  • 初めての論考、読み直して再発見した自分:私の謎 柄谷行人回想録⑥|じんぶん堂

                                    記事:じんぶん堂企画室 柄谷行人さん 撮影:篠田英美 書籍情報はこちら ――1965年、東京大学経済学部を卒業し、東京大学大学院人文科学研究科英文学専攻課程へ。フォークナーの研究や翻訳で知られる大橋健三郎さんのゼミに入ります。 柄谷 学部のときに大橋さんの授業を聴講していて、フォークナーも好きだったからね。文学部に入り直すのは面倒だったから、1年留年してから、大学院に進むことにしました。英文科に入ったとはいえ、僕の専攻は実はアメリカ文学なんですよ。当時、アメリカ文学を専攻する人はまだ少なかった。大学院生では、僕1人だけだったんだから。 アメリカ文学者の大橋健三郎 ――原真佐子さん(1939~1995)と結婚したのもこの頃ですね。翻訳家としても活動し、後に「冥王まさ子」の名で文芸賞を受賞する作家でもあります。 柄谷 大学院で知り合ってすぐに結婚しました。彼女は、年が二つ上、学年で言うと一つ上

                                      初めての論考、読み直して再発見した自分:私の謎 柄谷行人回想録⑥|じんぶん堂
                                    • 抱腹絶倒! 辺境探検家が『みんな水の中』を当事者研究的に書評する。

                                      高野秀行(たかの・ひでゆき) ノンフィクション作家。モットーは「誰も行かない所に行き、誰もやらないことをやり、誰も書かない本を書く」。1966年東京都生まれ。 『幻獣ムベンベを追え』(集英社文庫)でデビュー。『ワセダ三畳青春記』(集英社文庫)で酒飲み書店員大賞を、『謎の独立国家ソマリランド』(集英社文庫)で講談社ノンフィクション賞と、梅棹忠夫・山と探検文学賞を受賞。 その他、『アヘン王国潜入記』(集英社文庫)、『移民の宴』(講談社文庫)、『間違う力』(角川新書)、『腰痛探検家』(集英社文庫)、『辺境メシ』(文藝春秋)、『幻のアフリカ納豆を追え!』(新潮社)など著書多数。 写真は、ネパールで雑穀から作った酒を飲んでいる時。 (『精神看護』2021年9月号より転載) 文字通り、貪(むさぼ)るように読んでしまった。こんな不思議な読書は初めてである。ものすごくわかるところと全然わからないところが斑

                                        抱腹絶倒! 辺境探検家が『みんな水の中』を当事者研究的に書評する。
                                      • 2023.4.18 親の事情? 大人の事情? クソくらえ! - カメキチの目

                                        桐野夏生の『路上のX』という小説を読んだ。 (グーグル画像より) 物語に出てくる「JK」という言葉、流行の言葉かもしれないがどこかで聞いた。 小説はたまに読むくらい。 先の大江健三郎さんもその一人として書いていた『大震災の中で』という本に 桐野さんも東日本大震災について書いておられたので、読んでみようともうと 思ったわけだ。 この小説で描かれた「JK」とは、きわめて現代的かつ都会的な日本の風俗だけど ごくごくごく一部の現実でしかないにしても、(ロシアのウクライナ攻撃、戦争で死ぬ などの被害を受ける人たちと同じように、ごくごくごく一部かもしれず)ほとんどの人には 関係のない世界の出来事にしても、確実に存在している。 そのことの重みをズシリと感じた。 ーーーーーーーーーー 小説のエキスだけ言うと、16、7の女の子が(自殺しない限りは)生存(そう「生存」) しなければならないので「ホレ、お金をや

                                          2023.4.18 親の事情? 大人の事情? クソくらえ! - カメキチの目
                                        • 大江健三郎の顔を描いてみた。 - 花とウォーキングシューズ

                                          朝日新聞に先日亡くなってしまった大江健三郎の写真が出ていた。 とてもいい写真だなと思い、とっておきたくなったので、とりあえず水彩画で写すことにした。目なんかどうでもいいから、明るくも優しくも皮肉っぽい口元を残したい。 と思い、両親がまだ起きる前、新聞を読む前に急いで描いてみた。 うーんなんか外国人の指揮者のような顔になってしまったな。 やはり水彩画は難しい。もうちょっと陰影に富んでいるべきなのだが。 乾かずにまた絵具をのせてしまっておろおろ。 すみません大江健三郎さん。 ご冥福を祈ります。 昔背伸びして読みました。作品の雰囲気は覚えています。

                                            大江健三郎の顔を描いてみた。 - 花とウォーキングシューズ
                                          • 村上春樹さんの新作「街とその不確かな壁」、識者はどう読んだか 「対談」独文学者・松永美穂さん×英米文学者・阿部公彦さん | 47NEWS

                                            村上春樹さんの新作「街とその不確かな壁」、識者はどう読んだか 「対談」独文学者・松永美穂さん×英米文学者・阿部公彦さん By 田村文 人気作家、村上春樹さん(74)の6年ぶりとなる新作長編小説「街とその不確かな壁」が4月13日に発売された。発売日には書店でカウントダウンイベントが行われるなど話題を集め、出版取次大手の日本出版販売とトーハンが発表した2023年上半期のベストセラーランキングでいずれも1位に輝いた。本書は1985年の長編「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」と同様、80年に文芸誌に発表した中編が下敷きになっている。ドイツ文学者の松永美穂さん(64)と英米文学者の阿部公彦さん(56)が、新作について率直に語り合った。(司会・聞き手は田村文・共同通信編集委員) ▽「最近の村上作品には違和感を覚えることが多かったが…」 ―「街とその不確かな壁」は村上春樹さんの6年ぶりの長編小

                                              村上春樹さんの新作「街とその不確かな壁」、識者はどう読んだか 「対談」独文学者・松永美穂さん×英米文学者・阿部公彦さん | 47NEWS
                                            • 芥川賞162回分の選評を分析してみた|大滝瓶太

                                              前回、「小説家になろう」に投稿された新着2000作品のタイトル分析を行った。やったからといって特別なにか新しいことがわかった訳ではないのだけれど、「精読(close reading)」の対義語である「遠読(distant reading)」は何かの役に立ちそうではある。ということで、別のものを「遠読」してみることにした。 とはいえ、ぼくとしても時間や手間がかかるようなことはしたくない。なのでネット上でデータベース化されたものを対象にしたいと周りをみるとちょうどいいのがあった。みんな大好き、「芥川賞」である。 「日本で一番有名な文学賞」である芥川賞のウォッチャーならば、上記サイトを知らないひとはおそらくいないだろう。2020年5月現在、第二次世界大戦時の中断を挟んでこれまでに162回行われてきたこの文学賞の選評がこのサイトではデータベース化されている。そこで今回、ここにある選評(の抜粋)をス

                                                芥川賞162回分の選評を分析してみた|大滝瓶太
                                              • 苅谷剛彦 著『思考停止社会ニッポン』より。自粛の要請という言い回しも、教員が「自発的に残業している」という言い回しも、非科学的。 - 田舎教師ときどき都会教師

                                                道徳とは共同体のルールである。しかも、そこでの善悪の基準は、時代によって変化し、多数派の価値観や特定のイデオロギーが力を得たりする。時に恣意的でさえある。合理的・合法的判断より情緒的判断が優先される場合も少なくない。 ここから引き出すことのできる仮説的な結論は、自粛の氾濫は、このように政府の役割を道徳の世界に引き込んでしまったのではないか、という推論である。遠回しの命令を道徳的な空間で通用する自粛に代替することで発揮された(曖昧な)権力の行使である。それゆえ責任の主体はおぼろげになる。 (苅谷剛彦『思考停止社会ニッポン』中公新書ラクレ、2022) おはようございます。オックスフォード大教授の苅谷剛彦さんが問う「自粛の氾濫」って、教員の「時間外労働の氾濫」と似ていると思うんですよね。よく知られていることですが、文部科学省は、教員が「自発的に残業している」という立場を一貫してとり続けています。

                                                  苅谷剛彦 著『思考停止社会ニッポン』より。自粛の要請という言い回しも、教員が「自発的に残業している」という言い回しも、非科学的。 - 田舎教師ときどき都会教師
                                                • 「身近なこと」世界文学へ昇華 大江健三郎さん、難解さとユーモアと:朝日新聞デジタル

                                                  ","naka5":"<!-- BFF501 PC記事下(中⑤企画)パーツ=1541 -->","naka6":"<!-- BFF486 PC記事下(中⑥デジ編)パーツ=8826 --><!-- /news/esi/ichikiji/c6/default.htm -->","naka6Sp":"<!-- BFF3053 SP記事下(中⑥デジ編)パーツ=8826 -->","adcreative72":"<!-- BFF920 広告枠)ADCREATIVE-72 こんな特集も -->\n<!-- Ad BGN -->\n<!-- dfptag PC誘導枠5行 ★ここから -->\n<div class=\"p_infeed_list_wrapper\" id=\"p_infeed_list1\">\n <div class=\"p_infeed_list\">\n <div class=\"

                                                    「身近なこと」世界文学へ昇華 大江健三郎さん、難解さとユーモアと:朝日新聞デジタル
                                                  • 初音ミク「護法少女ソワカちゃん」(下)ファンたちの白熱〜奇跡の3カ月(18) - 丹治吉順|論座アーカイブ

                                                    初音ミク「護法少女ソワカちゃん」(下)ファンたちの白熱〜奇跡の3カ月(18) 「ソワカちゃんに出逢って人生が変わった」 丹治吉順 朝日新聞記者 〈読者の皆さまへ〉初音ミクの登場から14年以上過ぎ、当時の記録の多くが散逸または追跡困難になっています。公開当時注目された作品でも、削除または非公開になっていたりします。当時を知る方々の記憶以外、たどり着けない出来事も多々あります。そうした記憶を、記事の「コメント欄」に記入していただけないでしょうか。 関連する回にお書きいただくのが理想的ではありますが、「この回には関係ないが、ふと思い出した」ことを閲覧中の回のコメント欄に書き込んでいただいてもかまいません。当時の言葉でいう「スレ違いのカキコ」に当たるものです。初音ミクとボーカロイド、歌声合成ソフトの文化は、そうした集合知の文化でもありました。 とはいえ今回は引き続き「護法少女ソワカちゃん」の話題で

                                                      初音ミク「護法少女ソワカちゃん」(下)ファンたちの白熱〜奇跡の3カ月(18) - 丹治吉順|論座アーカイブ
                                                    • 批評の練習帳 天皇制をめぐる「深さ」と「緊急性」

                                                      浅田彰と津田大介が「あいちトリエンナーレ2019」の「表現の不自由展・その後」について語っている記事(「芸術/表現は今、いかに可能か」、「REALKYOTO」2020年1月11日公開)を読んだ。全体的に問題点が良く整理されているとは思ったが、その中で一点私が引っかかったのは、浅田の次の言葉である。「天皇制はそんな「深い」ものではなく、たんに憲法改正によって廃止すればすむものです(言い換えれば、天皇制廃止は緊急の課題ではなく、自由民主党政権が憲法9条の「改正」を狙っているとき憲法改正論議の土俵に乗らないほうがいい、その程度の問題でしょう)」。 この言葉は、様々な点で私を躓かせる。まず「天皇制はそんな「深い」ものではな」いとは、どういうことか。芸術の対象として深刻あるいは深遠なテーマではないということだろうか。しかし少なくとも天皇制を「憲法改正によって廃止」することは、「たんに」という言葉が暗

                                                      • 『群像』編集長・戸井武史が語る、文芸誌と社会 「“時代”への問題意識を表現できる媒体に」

                                                        「群像」リニュアール特大号 2020年1月号から大幅にリニューアルした「群像」が好評だ。「文×論」をコンセプトに掲げ、1946年創刊の伝統ある純文学の雑誌にかつての論壇誌の役割もとりこみ、新たな形の総合誌になろうとしている。「週刊現代」で社会を取材し、「小説現代」でエンタテインメント小説を担当した経験を今どう活かしているのか。文学や批評への思いについて、昨年6月に就任した戸井武史編集長に訊いた。(円堂都司昭/8月11日取材) 伝統がつながる「群像」ブランド ――2004年に講談社へ入社した段階から「群像」志望だったそうですね。 戸井:学生時代は、私もそうですが、周囲にも文芸誌を読んでいる人はあまりいませんでした。お金もなかったですし。ただ私は昔から純文学が好きだったので、就職を意識してからちらちら見はじめました。大江健三郎さんとお仕事がしたいと思ってました。就活は就職氷河期最後の世代で、結

                                                          『群像』編集長・戸井武史が語る、文芸誌と社会 「“時代”への問題意識を表現できる媒体に」
                                                        • 連載「哲学ディベート――人生の論点」【第1回】出生前診断を受けるべきか?|本がひらく

                                                          ●「哲学ディベート」は、相手を論破し説得するための競技ディベートとは異なり、多彩な論点を浮かび上がらせて、自分が何に価値を置いているのかを見極める思考方法です。 ●本連載では「哲学ディベート」を発案した哲学者・高橋昌一郎が、実際に誰もが遭遇する可能性のあるさまざまな「人生の論点」に迫ります。 ●舞台は大学の研究室。もし読者が大学生だったら、発表者のどの論点に賛成しますか、あるいは反対しますか? これまで気付かなかった新たな発想を発見するためにも、ぜひ視界を広げて、一緒に考えてください! 教授 本日のセミナーを始めます。テーマは「命の選択」です。 科学技術が飛躍的に発展した現代社会では、もはや「科学を視野に入れない哲学」も「哲学を視野に入れない科学」も成立しません。その中でも、とくに大きな変化が生じているのが「人間の命」に対する考え方です。 今日は、これから文学部のAさんに「出生前診断を受け

                                                            連載「哲学ディベート――人生の論点」【第1回】出生前診断を受けるべきか?|本がひらく
                                                          • 社会現象にも!話題になった芥川賞受賞作品まとめ - 日々の栞

                                                            芥川賞といえば純文学の登竜門的な賞だ。 純文学で優れた新人に与えられる賞で、安部公房や大江健三郎、中村文則、平野啓一郎、川上未映子、綿矢りさ、阿部和重など数多くの有名作家が受賞してきた。 芥川賞は文学賞の中でも特に有名な賞である。それもあって、受賞作がベストセラーになったり、社会現象になったことも数多くあった。 歴代の芥川賞受賞作品の中でも、特に話題になった受賞作品について紹介したい。 芥川賞とはどんな文学賞? 社会現象・話題になった芥川賞受賞作品の紹介 太陽の季節 / 石原 慎太郎 されどわれらが日々 / 柴田 翔 赤頭巾ちゃん気をつけて / 庄司 薫 限りなく透明に近いブルー / 村上 龍 僕って何 / 三田 誠広 エーゲ海に捧ぐ / 池田 満寿夫 蹴りたい背中 / 綿矢 りさ 蛇にピアス / 金原 ひとみ abさんご / 黒田 夏子 火花 / 又吉 直樹 コンビニ人間 / 村田 沙耶

                                                              社会現象にも!話題になった芥川賞受賞作品まとめ - 日々の栞
                                                            • 2月10日は納めの金比羅(安井金比羅宮)、大湯祭(氷川神社)、歳暮、ごめんねの日、アロエヨーグルトの日、ノーベル賞授賞式、世界人権デー、三億円事件の日、無人航空機記念日、いつでもニットの日、マネーキャリアの日、 等の日&話題 - 風に吹かれて旅するブログ (話題・記念日&ハッピートーク)

                                                              おこしやす♪~ 12月10日は何の日? その時、何してた? 2023年(令和5年) 12月10日は納めの金比羅(安井金比羅宮)、大湯祭(氷川神社)、歳暮、ごめんねの日、アロエヨーグルトの日、ノーベル賞授賞式、世界人権デー、三億円事件の日、無人航空機記念日、いつでもニットの日、マネーキャリアの日、 等の日です。 ■納めの金比羅(安井金比羅宮) www.youtube.com 古式ゆかしい正月飾り「稲宝来」が授与される 平安末期、保元の乱に敗れて讃岐(香川)に配流となった崇徳天皇を主祭神として祀る。天皇は讃岐の金刀比羅宮に参籠し、一切の欲を断ち切ることを祈願されたことから、現在は悪縁を切って、良縁を結ぶ「縁切り縁結び」の神社として信仰を集めている。 12月10日はその年の最後の縁日。この日から新年の初金比羅祭(1/10)までの期間(数量限定につき無くなり次第、授与終了)、稲穂に神札、松竹梅など

                                                                2月10日は納めの金比羅(安井金比羅宮)、大湯祭(氷川神社)、歳暮、ごめんねの日、アロエヨーグルトの日、ノーベル賞授賞式、世界人権デー、三億円事件の日、無人航空機記念日、いつでもニットの日、マネーキャリアの日、 等の日&話題 - 風に吹かれて旅するブログ (話題・記念日&ハッピートーク)
                                                              • ズバリ、右翼と左翼はどちらが多いでしょうか?

                                                                回答 (12件中の1件目) Aさんは朝日新聞と週刊金曜日を購読し「LITERA」をよく閲覧しています。作家は大江健三郎、マンガは手塚治虫と宮崎駿が好きで、太平洋戦争は侵略戦争だったと考えており、選挙で投票するのは共産党か社民党です。国政を私物化し、アベ友に利益誘導して国民を虐げる安倍政権には心底絶望しています。ツイッターのプロフィールは多分こんな感じです。 > NO NUKES☠️NO HATES🌈肉球新党🐾安倍自民党に断固"NO"の「こんな人」😎この国に人殺しの基地はいらない‼️子どもたちの未来を奪う原発に反対🙅‍♂️格差拡大、女性差別、種子法改悪絶対NO🙅‍♀️宇宙船地球号の乗組...

                                                                  ズバリ、右翼と左翼はどちらが多いでしょうか?
                                                                • 「街とその不確かな壁」ネタバレ有りの感想・書評 - Letter from Kyoto

                                                                  街とその不確かな壁 作者:村上春樹新潮社Amazon 2023年4月13日に出た、村上春樹の新刊です。これまで村上春樹の新刊を、リアルタイムで読んだことはなかった。初めて同時代の波に乗っかる。ただ今回は、前回『騎士団長殺し』や前々回『1Q84』の時ように大々的に騒がれていない。一冊だけど650ページ超えで、長編のはずなのに。世間はもう村上春樹に飽きたのか。ノーベル賞も獲れなさそうだしね。 そもそも騒がれだしたのが、『海辺のカフカ』でノーベル賞の前哨戦と言われるフランツ・カフカ賞を獲ったあたりからだった。「大江健三郎以来か」とにわかに沸き立ったがその後何度も逃し、「どうやら見込みがなさそうだ」というところで落ち着いたのかもしれない。 なぜ村上春樹作品を読むか ネタバレ有りのあらすじと感想 読書メモ 第一部 第二部 第三部 なぜ村上春樹作品を読むか 僕は、というか多くの村上春樹読者は、そういう

                                                                    「街とその不確かな壁」ネタバレ有りの感想・書評 - Letter from Kyoto
                                                                  • 国のために死ねるか、人のために生きられるか。戦後右翼も左翼も超えてゴジラが平和と愛国を問い直す! - Something Orange

                                                                    映画『ゴジラ-1.0』(以下『マイナスワン』)を批判する動画を見ました。 非常に面白い。 ある種の政治的観点からこの映画を批判する意見は当然、出て来ると思っていました。 単なる難癖に過ぎないような批判は無数にあるけれど、この動画はきわめてロジカルだし、非常に説得力がある感じ。 そしてその上で、まったく共感できない(笑)。 この動画は主に映画の「リアリティ」と「人間ドラマ」について批判しているのですが、物凄く丹念に批判されているにもかかわらず、ほとんど納得がいかない。 ほんとうに作品の本質が理解されていない、何ひとつ伝わっていないんだなあといっそ感心するくらい。 そしてまた、山崎貴という監督はほんとうに舐められている、あなどられているんだということもあらためて感じますね。 小説でもマンガでもそうだけれど、カルト的に「とがった」作家に比べ、一見して「わかりやすい」エンターテインメントを展開する

                                                                      国のために死ねるか、人のために生きられるか。戦後右翼も左翼も超えてゴジラが平和と愛国を問い直す! - Something Orange
                                                                    • 政治小説の師(星野 智幸)

                                                                      大江作品、深みにはまった一冊 後藤明生の本で読んだドストエフスキーの言葉、「我々はみなゴーゴリの『外套』から出てきた」を私なりに言い換えれば、「我々はみな、大江健三郎の『セヴンティーン』から出てきた」となるが、「我々」のうちの「々」はおらず、自分の知るかぎり私は独り『セヴンティーン』から出てきたのだった。 何もかもにも劣等意識を持つ鬱屈した十七歳の少年が、クラスメイトから右翼の演説会でサクラのバイトをしないか、と持ちかけられ、右翼の演説を聞くうちに、《右》である自分というアイデンティティを獲得していく過程が、一人称で執拗にグロテスクなまでに描かれたこの短編小説を読んだのは、私がメキシコ留学から帰国した一九九〇年代前半、大江さんがノーベル賞を受賞したころだった。大学時代に安部公房にのめり込み、そこからガルシア=マルケスに移り、ラテンアメリカ文学に魂をさらわれてメキシコに行き、中南米諸国のうち

                                                                        政治小説の師(星野 智幸)
                                                                      • 無機質な言葉 書くコトでしか表現できない魅力ある文体  - 京都案内  こうへいブログ

                                                                        読みにくさの魅力 明治期の近代以降、とくに戦後の現代において、欧文脈というものが日本語の文章に大きく影響を与えることになります。 欧文脈とは、つまり「翻訳調」と言い換えていいと思いますが、それは、あたかも英語などの欧文を翻訳したかのように感じられる文体のことです。 あくまで翻訳っぽく見える文体ですので、背後に本当の欧文がある直訳体ではありません。 その特徴は、文の組み立てや語彙の選択、およびその背後にある発想にあるんですね。 たとえば、翻訳調のわかりやすい例が無生物主語や連体修飾節が多用され表現されている文に多く見ることができます。 それは決して読みやすいわけではないのですが、意味をとろうと強く意識して読むことによって、文意がツルリと逃げていくことなく、鮮やかに印象を残していくのです。 読み応えというか、引っ掛かるような感覚でもって読み手の脳裏に強い印象を刻んでいくんですね。 翻訳調の文が

                                                                          無機質な言葉 書くコトでしか表現できない魅力ある文体  - 京都案内  こうへいブログ  
                                                                        • Fact・Check:虚偽 大江健三郎氏が「電気はいらない!」のプラカードを掲げる画像 実際は「原発はいらない!」 | 毎日新聞

                                                                          画像合成で巧妙に加工 ノーベル文学賞作家の大江健三郎さんがタクシーの中から笑顔で「電気はいらない!」と書かれたプラカードを掲げる――。そんな画像がツイッターを中心に拡散され続けている。しかし、実際に大江さんが掲げていたのは「原発はいらない!」と書かれたカードで、「電気」の部分だけが合成された虚偽の画像だった。著作権侵害の可能性も指摘されている。 問題の大江さんの画像は、1月12日、ツイッター上で、匿名アカウントから発信され、一時は約4800件のリツイート(RT)と、1・8万の「いいね」がついた。このツイートは1月31日にこの記事がニュースサイトに掲載された後に削除されたが、転載された画像は今もネット上のあちこちに残っている。

                                                                            Fact・Check:虚偽 大江健三郎氏が「電気はいらない!」のプラカードを掲げる画像 実際は「原発はいらない!」 | 毎日新聞
                                                                          • 「何言ってるか分からないけど面白い」が最強の記事 ねとらぼ編集部員に聞く「お前の原体験はなんだ」~杉本吏編~

                                                                            前のページへ 1|2|3|4 次のページへ ※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています 杉本:小学生のころだと、寺村輝夫の『ぼくは王さま』『かいぞくポケット』シリーズとか、柏葉幸子の『霧のむこうのふしぎな町』『天井うらのふしぎな友だち』とか、岡田淳の『二分間の冒険』とか。あの、俺、昔は「全ての本は面白いに決まってる」と思ってたんだよ。 ――全ての、ですか。 杉本:そう。小学生のころに読む本って、学校の図書室とかで見つけたやつが多くって、そういうのって全部時間のふるいにかけられたものでしょ。昔から名作とされてきて、評価も定まってて、残るべくして残ってきたもの。 だから、どれも水準以上に面白い。推薦図書とか読めばちゃんと面白い。それで、「本って全部面白いんだなー」ってうたがってなかったんだよ。でもさ、ほんとは全然そんなことないじゃん。 「そんなことないじゃん?」 ――その通りだと

                                                                              「何言ってるか分からないけど面白い」が最強の記事 ねとらぼ編集部員に聞く「お前の原体験はなんだ」~杉本吏編~
                                                                            • 最近読んだ本、読んでる本、買った本、借りた本 - on the road

                                                                              〇最近読んだ本 高丘哲次『最果ての泥徒』 前作『約束の果て 黒と紫の国』を読んでファンになったので、発売してすぐに買った。数年前はamazonで頼むことが多かったのだけれど、最近では本屋で取り置きしてもらうことが増えた。本屋で取り置きしてもらってでも買うことで、少しでも自分の趣味が反映された本が棚に並ぶんじゃないか、という期待。取り置きしてもらった本がレジ奥のキャビネットから取り出される特別感。この本も取り置きしてもらった。 尖筆師とその泥徒のふたりの半生を描いた話。尖筆師というのは、泥で作られた躯体に霊息を吹き込んで、泥徒を創る職業。1890~1910年くらいのヨーロッパを舞台にしていて、当時の情勢が妙にリアルなので、まるっきりファンタジーと言うことでもない。旅順を防衛するため、日本とロシアが戦闘するシーンが相当グロテスクで迫力があった。描写でグッと引き込まれた場面でいちばん印象に残って

                                                                                最近読んだ本、読んでる本、買った本、借りた本 - on the road
                                                                              • 新書十二神将を連れてきたよ(四大新書レーベルからそれぞれベスト3を選んだよの意) - 宇宙、日本、練馬

                                                                                あまた乱立する新書レーベルのうち、岩波新書・中公新書・ちくま新書・講談社現代新書で四大新書レーベルとすることに異論がある人はそう多くないでしょう。無論、これはほかのレーベルからすぐれた書籍が出版されていない、ということを意味しません。ただ、(これは四大レーベルもそうかもですが)玉石混交の新書判書籍にあって、トータルの打率というか、平均的なよさみを比較すると、明らかにこの四大レーベルと他レーベルに厳然たる差があることは、明らかであるように思われます(四大レーベルの中でも格の違いがあるわけですが、それは後述しましょう)。そこで、この四大レーベルでそれぞれ個人的ベスト3を選出し、もって新書十二神将を選出したいと思います。なぜ十二神将かといえば、そのなかに「しんしょ」の文字列が潜んでいるからです。それではやっていきましょう。 まず十二神将のラインナップを示しておきましょう。出版年も明記しておきます

                                                                                  新書十二神将を連れてきたよ(四大新書レーベルからそれぞれベスト3を選んだよの意) - 宇宙、日本、練馬
                                                                                • フライボーイ2──ブラック・ミュージック文化論集 | ele-king

                                                                                  グレッグ・テイト(著)山本昭宏、ほか(訳) 2023/5/30 本体 3,980円+税 ISBN:978-4-910511-46-7 Amazon 本邦初訳となる 「ヒップホップ・ジャーナリズムのゴッドファーザー」 と呼ばれた黒人批評家による博覧強記の代表作! ジョージ・クリントンの “メタなバカさ” が アミリ・バラカの “変わっていく同じもの” へと放り込まれ フリー・ジャズもマイケル・ジャクソンもギャングスタ・ラップもジェイムズ・ブラウンもトニ・モリスンも、すべては同一線上で語られる ヒップホップは、逆さまの資本主義 ヒップホップは、植民地主義の逆再生 ヒップホップは、黒人化された衝撃の未来に送り込まれた、 奴隷主たちが作り出した世界 ヒップホップは、地下からの略奪品、 喜んで他のすべてを弄ぶ ヒップホップは我らが文化の消費と商品化、 潜在意識の誘惑とアメリカン・ドリーム機械の 黒い

                                                                                    フライボーイ2──ブラック・ミュージック文化論集 | ele-king