並び順

ブックマーク数

期間指定

  • から
  • まで

321 - 360 件 / 806件

新着順 人気順

小田嶋隆の検索結果321 - 360 件 / 806件

  • 10歩で罰金2千円? 「歩きスマホ規制条例」を提案〈AERA〉 (dot.) - Yahoo!ニュース

    スマホを手に、他人の迷惑など考えず、まるで取り憑かれたように街を闊歩する。それがいかに危険か知っているのか。駆逐する手立てはあるのか。 街を歩けば電車内や駅のホームはもちろん、信号待ちの間や歩きながらも食い入るようにスマホの画面を見つめている人がいる。思えば、従来型のガラケーでも「ながら歩き」が問題になった。が、タッチパネルを使うスマホはガラケーより画面を注視する時間が長くなる傾向があり、さらにタチが悪い。 首都圏を中心とした鉄道事業者の集計によれば、2011年度に関東地方で駅のホームから転落したのは3243人。うち18人は携帯電話を使っていた。巻き込まれて命を落とすことも考えれば、立派な「歩く凶器」だ。 スマホやガラケーのメール使用者の実態分析をしている筑波大学の徳田克己教授(バリアフリー論)によれば、もっとも危険なのは混雑した「駅のホーム」と「階段」だという。 徳田教授らがスマ

    • チキンなハートが招き入れるもの

      あいちトリエンナーレ2019をめぐる一連の騒動に関して、これまで、私は、積極的な発言を避けてきた。 理由は、この話題が典型的な炎上案件に見えたからだ。 ヘタなカラみ方をすると火傷をする。だから、じっくり考えて、さまざまな角度から事態を観察しつつ、自分なりの考えがまとまるまでは、脊髄反射のリアクションは控えようと、かように考えて関与を回避してきた次第だ。 当人としては、これはこれで、妥当な判断だったと思っている。 とはいうものの、いま言ったことが、弁解に過ぎないと言われたら、実は、反論しにくい。 「単にビビっただけだろ?」 という最もプリミティブなツッコミにも、うなだれるほかに、うまいリアクションがみつからない。 じっさい、私がビビっていたことは事実だからだ。 「私なりの考え」程度の直感的な見解は、問題が発生した当初から、頭の中にあれこれ浮かんでいた。 それを外に向けて表明しなかったのは、正

        チキンなハートが招き入れるもの
      • 加害者に「親密」な人たち

        扶桑社が発行する「週刊SPA!」編集部が、同誌に掲載した記事について、このほど、謝罪のコメントを発表した。 以下、経緯を説明する。 「週刊SPA!」は、昨年12月18日発売分(12月25日号)の同誌誌面上で、《ヤレる「ギャラ飲み」》というタイトルの特集記事を掲載した。「ギャラ飲み」とは、同誌によれば、「パパ活」に続いて頻繁にその名を聞くようになっている昨今流行のコミュニケーション作法のひとつらしい。もともとは、「タク飲み」という一緒に飲んだ女性にタクシー代として5000円から1万円を支払う飲み方から発展した習慣で、男性が女性に一定額の「ギャラ」を支払う飲み方なのだそうだ。 その「ギャラ飲み」について、特集記事では、カネを払って女の子と飲みたい男たちと、他人の支払いで酒を飲みたい女性を結びつけるスマホ用のマッチングアプリ4例を紹介しつつ、「ギャラ飲み」の実際をレポートしているわけなのだが、問

          加害者に「親密」な人たち
        • W杯の荒海に沈む:日経ビジネスオンライン

          W杯がはじまって2週間が経過した。 体調は、予想されていたことではあるのだが、かなりよろしくない。 深夜から早朝にかけての観戦と、昼の間のランダムな昼寝の繰り返しで、睡眠のリズムが乱れている。 感情の起伏も、おそらく、体調に悪い影響を及ぼしている。 無感動になりがちな初老期の男は、むしろ積極的に感情を起伏させる機会を持つべきだというご意見もある。 大筋としてはおっしゃる通りだ。 でも、乱高下は良くない。 サッカーは、そういう意味で、私にとって、あまりよろしくない娯楽なのだろう。 つつしまねばならない。 英国には、「サッカーは少年を紳士にするスポーツだ」ということわざがあるのだそうだが、私は出典を疑っている。つまり、私は、この成句について、どこかのサッカー関係者が捏造したデタラメかもしれないと思っているということだ。サッカー関係者には、非サッカー関係者同様、うそつきが多い。【※編注】 英国に

            W杯の荒海に沈む:日経ビジネスオンライン
          • 「編集」が消えていく世界に:日経ビジネスオンライン

            前回の当欄で話題にした雑誌「新潮45」をめぐる騒動は、同誌の休刊(9月25日に新潮社の公式サイト上で告知された→こちら)をもって一応の決着をみることとなった。 「一応の決着」という言葉を使ったのは、私自身、休刊が本当の決着だとは思っていないからだ。 もちろん、マトモな決着だとも思っていない。というよりも、こんなものは決着と呼ぶには値しないと思っている。 現時点で感じているところを率直に開陳すれば、私はこのたびのこのタイミングでの新潮社による休刊という決断にあきれている。理由は、休刊が一連の騒動への回答として不十分であり、「杉田論文」が引き起こした問題を解決するための手段としても、的外れかつ筋違いであると考えるからだ。こんなものが説明になるはずもなければ、事態を打開する突破口になる道理もないことは、多少ともメディアにかかわった経験を持つ人間であれば誰にだって見当のつくはずのことで、休刊は、言

              「編集」が消えていく世界に:日経ビジネスオンライン
            • まとめよう、あつまろう - Togetter

              コミュニケーションが生まれるツイートまとめツール

                まとめよう、あつまろう - Togetter
              • 猫っかぶりの「Win-Win」が見落としがちなこと:日経ビジネスオンライン

                「猫さん五輪消滅」 という記事の見出しを見て、ただちに状況を把握できた人は、かなりの事情通だと思う。 私は意味がわからなかった。 普通の人間は、最初の「猫さん」でつまづく。 「ねこ?」 「ぬこか?」 「なんで猫に敬称がつくんだ?」 と、そう思った瞬間に、その先に考えが進まなくなる。 より軽率な人々は「猫さん五輪」という不可思議な言葉に乗っかったカタチでイマジネーションをふくらませてしまう。 「つまり、にゃんこのオリンピックが企画されていたということなの?」 「あら、かわいいかも」 「ニャンリンピック賛成」 「石原閣下は全力で誘致すべき」 ちなみに解説すれば、当該の記事はネコリンピック招致合戦の帰趨について報告したものではない。猫ひろしという芸名で活躍しているタレントの五輪出場への可能性が消滅した件について述べている。以下引用する。原文はこちら。 《カンボジア国籍を取得しロンドン五輪男子マラ

                  猫っかぶりの「Win-Win」が見落としがちなこと:日経ビジネスオンライン
                • シャイロックにだってそりゃ無理だ:日経ビジネスオンライン

                  移民をめぐる議論が沸騰している。 話をはじめる前に、まず「移民」という言葉の定義をはっきりさせておかないといけない。 というのも、「移民」という言葉の周辺には「難民」や「外国人労働者」や「技能実習生」、さらには「不法滞留外国人」や「留学生」や「在日外国人」といった少しずつ違う立場の人々がいるからでもあれば、「移民」をめぐる議論が、それら周辺にいる人々を同一視する粗雑な論争に発展しがちなものでもあるからだ。 無用の混乱を避けるためには、とにかく「移民」という言葉が指し示す人間の範囲を、できる限り明示しておく必要がある。 「移民」は「国際連合広報センター」が説明しているところによれば、 《国際移民の正式な法的定義はありませんが、多くの専門家は、移住の理由や法的地位に関係なく、定住国を変更した人々を国際移民とみなすことに同意しています。3カ月から12カ月間の移動を短期的または一時的移住、1年以上

                    シャイロックにだってそりゃ無理だ:日経ビジネスオンライン
                  • 呑みすぎた男が語る禁酒論:日経ビジネスオンライン

                    福岡市の市長が禁酒令を発令したというニュースが話題になっている。 正確には「禁酒令」ではない。いくらなんでも、21世紀の市民社会で、そんな無茶なおふれを出すことは不可能だ。 実際のところは、 《福岡市の職員2人が飲酒後に暴行や傷害容疑で逮捕される事件があり、福岡市は21日、全職員約9600人と教員を対象に、外出先での飲酒を1カ月間自粛するよう求める通知を出した。――後略――》日本経済新聞5月21日版 ということだ。 誰であれ、勤務時間外に酒を飲む行為を禁じることはできない。法的な根拠は皆無だ。だから、この「通知」はあくまでも私的な「要請」に過ぎない。 そう考えれば、たいした話ではない。市長のちいさなお願い。本来なら文末にハートマークをつけて同報メールを打つのがせいぜいだ。どうせ強制力なんかありゃしないのだからして。 が、市長は本気だ。 その証拠に、「禁酒要請通知」にあわせて、飲酒による不祥

                      呑みすぎた男が語る禁酒論:日経ビジネスオンライン
                    • 小田嶋隆 on Twitter: "植え過ぎし 橘の花 枯れ落ちて 広瀬に捨つる 日が来たるかもw RT @kosaque1: @tako_ashi 対岸の火事場見物が可能ならいいですが…。最近はあらゆるたかしが討ち死にしてまして…。いわゆる四大たかしってやつでさぁ…。"

                      植え過ぎし 橘の花 枯れ落ちて 広瀬に捨つる 日が来たるかもw RT @kosaque1: @tako_ashi 対岸の火事場見物が可能ならいいですが…。最近はあらゆるたかしが討ち死にしてまして…。いわゆる四大たかしってやつでさぁ…。

                        小田嶋隆 on Twitter: "植え過ぎし 橘の花 枯れ落ちて 広瀬に捨つる 日が来たるかもw RT @kosaque1: @tako_ashi 対岸の火事場見物が可能ならいいですが…。最近はあらゆるたかしが討ち死にしてまして…。いわゆる四大たかしってやつでさぁ…。"
                      • 60秒間の奇跡:日経ビジネスオンライン

                        日本マクドナルドがこの1月4日からはじめたという「ENJOY! 60秒サービス」を、私はまだ経験していない。 ご存知でない方のために、一応解説しておく。 「60秒サービス」は、日本マクドナルドがこの1月4日からはじめたキャンペーンで、内容は「会計終了から商品を渡すまでの時間を砂時計で計り、60秒を超えた場合はバーガー無料券を、60秒以内でもコーヒーSサイズの無料券をプレゼントする」というものだ。ちなみに、期間は1月末まで。日本全国のマクドナルド各店で、午前11時~午後2時の間に実施しているのだそうだ。 当初、この話を、私は、まったくの冗談だと思っていた。 というのも、ファーストフードのチェーン店は、私の知る限り、昔から、心ない都市伝説の宝庫だったからだ。 「◯◯チキンって、アレだろ? もも肉を優先的に確保するために、六本足のニワトリを開発したところだよな?」 「うちの親戚の知り合いが◯◯バ

                          60秒間の奇跡:日経ビジネスオンライン
                        • 今日はうな重、それともkaba焼き?:日経ビジネスオンライン

                          ウナギの稚魚が3年続きの不漁で、小売価格が高騰しているのだそうだ。 ここまではわかる。 よくわからないのは、不漁が深刻で、売り上げや市場価格をどうこう言う以前に、資源の枯渇が心配されているという話だ。 資源の枯渇? ウナギの稚魚の漁獲が、養殖ウナギを含むウナギ全体の資源の問題にどう関わっているというのだろうか。意味がわからない。それに、「稚魚の不漁」という言い方自体、なんだか奇妙なお話に聞こえる。 ところが、調べてみると、ウナギの流通と生産量は、稚魚の漁獲が支えている。われわれが食べているウナギのほとんどは稚魚の時代に捕獲して、養殖場で育成したものだというのである。 なんと。 知らなかった。うむ。うかつな話だ。 私は、稚魚は稚魚のカタチで食べる好事家のために捕獲されている特別な食材なのだというふうに思い込んでいた。 が、そんなはずはなかった。 稚魚は、年々肥大化するウナギ需要をまかなうため

                            今日はうな重、それともkaba焼き?:日経ビジネスオンライン
                          • 噴飯中の皆様に告ぐ:日経ビジネスオンライン

                            9月の24日、文化庁が2012年度の国語に関する世論調査の結果を公表すると、早速、民放各局の情報番組が、いくつかのネタを引用して、5分ほどの小コーナーを作っていた。ちなみに、記事はこちら。文化庁の調査結果はこちらだ。 毎度のことだ。 「日本語の乱れ」 「カタカナ語の氾濫」 「敬語の誤用」 「慣用句についての思い違い」 「世代間のギャップ」 こういうお話は、視聴者にアピールしやすい、と、少なくとも制作現場はそう考えている。 「最近の若いヒトは言葉を知らないから」 「噴飯ものの意味も知らないなんて噴飯ものですよね」 おそらく、テレビ視聴者の多くは、自分より無知な人間が国民の多数派を占めているというふうに思い込んでいる。 ん? ということは、平均的なテレビ視聴者は平均的な日本人より賢いのだろうか? 真相はわからない。調べようもない。 ただ、無知な人々の多くは、自分より無知な人間が多くないという事

                              噴飯中の皆様に告ぐ:日経ビジネスオンライン
                            • 小田嶋隆 on Twitter: "「生存競争が人間を強くする」という観察から、いきなり「人は苛酷な環境で育つべきだ」という主張を導き出すの人間の内心には「弱い人間は踏みつけにしてもかまわない」という信念と、それ以上に「生き残ったオレは正しい」という強烈な全能感がある。"

                              「生存競争が人間を強くする」という観察から、いきなり「人は苛酷な環境で育つべきだ」という主張を導き出すの人間の内心には「弱い人間は踏みつけにしてもかまわない」という信念と、それ以上に「生き残ったオレは正しい」という強烈な全能感がある。

                                小田嶋隆 on Twitter: "「生存競争が人間を強くする」という観察から、いきなり「人は苛酷な環境で育つべきだ」という主張を導き出すの人間の内心には「弱い人間は踏みつけにしてもかまわない」という信念と、それ以上に「生き残ったオレは正しい」という強烈な全能感がある。"
                              • スマホの夏休み:日経ビジネスオンライン

                                国内スマートフォン市場が早くも踊り場にさしかかっているらしい(こちら)。 なるほど。 需要が一巡すれば売り上げは頭打ちになる。当然の展開だ。 食料品や消耗品を除けば、商品の市場にはおのずから来る限界がある。 その意味からすると、「踊り場」という言い方は、まだ甘いのかもしれない。 というのも、「踊り場」という用語には、「この停滞期の後に、また上昇局面がやってくる」というニュアンスが含まれているからだ。 この先、スマホの市場が、もう一度上向きのカーブに転じるものだろうか。私にはそうは思えない。スマホは、たぶん、崖っぷちに立っている。でなくても、長い下り坂を見下ろす局面に来ている。 10年後の日本人は 「2010年代って、スマホが流行ってたよな」 「ああ、あのヌメっとしたオモチャな」 とか言って、笑い合っていることだろう。 ちょうど、いまの人たちが15年前のテレビドラマを見て笑っているのと同じ感

                                  スマホの夏休み:日経ビジネスオンライン
                                • パソコンの電源を落として今年を振り返ってみる:日経ビジネスオンライン

                                  今年の分の更新は今回が最後だ。 ということで、今週は特にテーマを設けない。おおまかに2011年を振り返ることにする。 雑感? そう、雑感かもしれない。ビジネスパーソンが最も嫌う言葉だ。 お前の雑感を黙って聞かされるほどヒマじゃないぞ、と、おっしゃるムキもおありだろう。 が、世界を動かしているのは雑感なのだ。 生き馬の目を抜くビジネスの世界は、「情報」や「決断」が動かしているのかもしれない。あるいはイノベーションだとかプレゼンテーションみたいなものが。 でも、少なくとも、正月の日本は、われら庶民の雑感が支配している。「なんだか紅白歌合戦は、年々トンチンカンになるようだねえ」「ん? なんか言った?」「いいから除夜の鐘まで寝てなさい」そうやって年は明け、また似たような一年がやってくる。世界は前に進んだり後ろに戻ったりしているのではない。われわれは堂々巡りをしているのだ。 原稿を書く仕事を20年以

                                    パソコンの電源を落として今年を振り返ってみる:日経ビジネスオンライン
                                  • 水を運ぶメディア - 偉愚庵亭憮録

                                    サウジ戦の敗退を受けて、26日付けのスポニチは「3連覇夢散…オシム監督負け惜しみ連発」という見出しを掲げている。 またはじまったな……という感じ。 トルシエ時代に何回も味わった感覚だ。 代表チームが負けると、スポーツ新聞が待ってましたとばかりに、監督解任世論を煽りにかかる。 彼らにとって、解任アジテーション報道は、どっちに転んでも損にならない。 まず、そのまんま解任という結末になったとして、それはそれでオッケーだ。新監督関連のあれこれとか、オシム総括とか、注目度の高い記事をだらだら書くことができるから。 すったもんだの末に留任というシナリオも悪い展開ではない。解任騒動の裏で、確執報道だの観測記事だのご意見番の一言だのといった、与太な注目記事をずらずら並べることができるから。 つまり、マッチポンプですよ。 記事の全文を読むと、見出しから受ける印象ほど偏向しているわけではない。ただ、一般人(非

                                      水を運ぶメディア - 偉愚庵亭憮録
                                    • 生活のほとんどは補修である:日経ビジネスオンライン

                                      トンネル事故の第一報は、例によってツイッターのタイムラインに流れてきた。 で、一次ソースに当たるべく新聞記事を読みに行ったわけなのだが、事態はさして変わらなかった。現場を思い浮かべると、閉所恐怖気味の性向を持つ私は、考えているだけで息苦しくなってくる。 記事を読み終わって、急に息を吸い込むのは、かなり長い間息を止めて文字を読んでいたからだ。犠牲者のご冥福をお祈りしたい。 今回は、トンネル事故を通して考えたあれこれについて書くことにする。 トンネル事故は、それ自体としては偶発的な出来事以上のものではない。が、背景を考えると、この度の事故が示唆するものは、決して小さくない。もしかしたら、今後何十年かの私たちの国の未来を、予告編のようにして告げてくれている事件であったのかもしれない。 事故を受けて、何人かの専門家が異口同音に申し述べたのは、「今後やって来ることが予想される大量補修時代への備えは万

                                        生活のほとんどは補修である:日経ビジネスオンライン
                                      • 舛添都知事の会見に見る「説明責任」(小田嶋隆):日経ビジネスオンライン

                                        舛添要一東京都知事の金銭問題は、徐々に範囲を拡大しつつある。 例によって 「政治とカネ」 という見出しで処理され 「説明責任」 という錦の御旗が振られる中、記者会見が繰り返される流れだ。 会見の出来次第では、またしても知事の辞任が取り沙汰され、辞任が決まれば決まったで今度は新たな知事を選ぶための選挙が待っているわけだ。 率直に言って、うんざりだ。 「政治とカネ」にも「説明責任」にも「辞任&再選挙」にも、万事遺漏なく、隅々までうんざりさせていただいている。 ひとつずつ説明する。 まず、「政治とカネ」だ。 これについては、今年の1月に書いた当欄のテキストの中で比較的詳しく書いているので、面倒でなければ再読してほしい(こちら)。 リンク先の原稿で述べている通り、この10年ほど、「政治とカネ」という、このどうにも粗雑なタグが猛威を振るう流れの中で、わが国のメディアは、毎度毎度のモグラ叩き報道を繰り

                                          舛添都知事の会見に見る「説明責任」(小田嶋隆):日経ビジネスオンライン
                                        • 哀愁の中高年トレーナー

                                          ポケモンGOを少しずつ進めている。 現在、トレーナーレベルが13で、ポケモン図鑑に記載したモンスターは51種類だ。 ちなみにゲーム開始からの歩行距離は12日間で26.2km、捕獲したポケモンの総数はのべ291匹になる。 面白いか、と? その質問に答える前に、ポケモンGOをプレイしているおっさんが浴びなければならない世間の反応の冷たさについてご報告しておきたい。 「えっ? いいトシしてポケモンですか?」 「ははは。スマホ歩きしてホームから転落したりしないように」 「あんなもの、どこが楽しいんですか?」 「お前ってああいうのに飛びつくタイプだったっけ?」 「そういえばうちの近所の公園にも、フラフラ歩いてる挙動不審の連中が真夜中までたかってるな」 「ああ、あれな。駅前のベンチのところに人だかりがしてるからなんかの宗教かと思った」 「で、もう飽きましたか?」 まあ、半ば予想のついていた展開ではある

                                            哀愁の中高年トレーナー
                                          • グーグル、そして英語化される世界について考える:日経ビジネスオンライン

                                            日本のヤフーが米グーグルと提携することになるようだ。 驚くべきニュースだ。驚天動地の出来事と申し上げても良い。 が、誰も驚いていない。 私もだ。 まったく予想外だったにもかかわらず、ニュースを知った5秒後には、そんな気がしていたような気持ちになっている。現在では、「予想通り」だったというニセの感慨を抱くに至っている。即席コメンテーターの安心立命術。なんという欺瞞。食べていないぶどうが酸っぱいとか、そういう予防線のレベルではない。口中にある梅干しが甘いと言い張る域に到達している。哀れですらある。 この分野(インターネット関連)について、私は、もう何年も前から、予測や展望を放棄している。 「よぐわがんね」 といったあたりを公式な態度として事態を乗り切っているわけだ。 そのくせ、(あるいは、だからこそ)、「どうせ驚くべきことが起こるのさ」という点についてだけは、強い確信を抱いている。おかげで、何

                                              グーグル、そして英語化される世界について考える:日経ビジネスオンライン
                                            • マイナンバーは自虐の番号:日経ビジネスオンライン

                                              財務省がまとめた「軽減税率」案の内容が明らかになった。 新聞の記事を読んで、ちょっと茫然としている。 あまりにもバカげて見えるからだ。 もし財務省が、本気でこのプランを実行するつもりでいるのだとしたら、彼らの現実感覚は、かなり致命的にズレていると申し上げなければならない。 あるいは、一連の記事は、いわゆる「観測気球」であるのかもしれない。というよりも、今回の「案」は、消費税率についての実際の運用を、財務省が想定している最終的な落としどころに落着させるための、とりあえずのブラフなのかもしれない。つまりこれは「見せ金」なのだ。いくらなんでも、まさかこのまま実行するつもりのガチな計画ではないはずだ、と、そういうふうに解釈しないとこちらの理解が追いつかない。 念の為に、「財務省案」の概要を説明しておく。 軽減税率の対象となる品目は、基本的に、外食サービスを含む「酒類を除くすべての飲料と食料品」とい

                                                マイナンバーは自虐の番号:日経ビジネスオンライン
                                              • 卓袱台返して菅笠ひとり旅:日経ビジネスオンライン

                                                イタリアで6月の12日から13日にかけて行われた原子力発電所の再開の是非を問う国民投票は、94.05%という圧倒的な反対票を集めて幕を閉じた。結果を受けて、ベルルスコーニ首相は、原発との決別を約束している。 わが国では、自民党の石原伸晃幹事長が、翌14日の記者会見で、この件について以下のように述べた。 「あれだけ大きな事故があったので、集団ヒステリー状態になるのは、心情としては分かる」 驚くべき言及だ。 石原さんが「ヒステリー」という言葉を、「興奮・激情により冷静な判断力を喪失している状態」という辞書に載っている語義そのままの意味で使ったのだとすると、彼は、イタリア国民を「愚民」呼ばわりにしたことになる。これはよろしくない。 いくらなんでも、国政の中枢にある人物が、公式の会見の場で、こんな失礼な発言をカマして良いはずがない。幹事長は、言葉の選び方を誤った。おそらく、石原さんは、大きな数字を

                                                  卓袱台返して菅笠ひとり旅:日経ビジネスオンライン
                                                • 東京はバスで夜遊びする街です:日経ビジネスオンライン

                                                  ニューヨーク訪問中の猪瀬直樹東京都知事が、現地での講演の中で、年内に都営バスを24時間運行させる旨を表明したのだそうだ(リンクはこちら)。 記事を読むと、知事は、第一歩として、今年のクリスマスまでに、六本木~渋谷間での24時間運行を実現させるつもりでいるようだ。 あえてニューヨークで発表したところに、強い「意思」を感じる。 というのも、政治家がニューヨークという土地で、現地の記者に向けて語る言葉は、そのまま国際社会に向けたメッセージとして受けとめられるわけで、知事自身も、そのことを十分に意識していたはずだからだ。 外地での政策発表は、慣例上、引っ込めにくい。その意味で、知事は「背水の陣」を敷いたことになる。自ら「外圧」を作ってみせたという言い方もできる。 いずれにせよ、不退転の決意を感じさせる態度だ。 最初の実施区間として、六本木・渋谷間といういかにもちっぽけな路線を指定したことも、「なん

                                                    東京はバスで夜遊びする街です:日経ビジネスオンライン
                                                  • 「朝の連ドラ」と「東大9月入試」で考えるグローバル化:日経ビジネスオンライン

                                                    「カーネーション」(←NHKが現在放映している朝の連続ドラマ)を見た。 昨年来、聞こえてくる評判がいちいち好評ばかりなので、ずっと気になっていたのだ。 私は、原則として、ドラマは見ない。特に朝の連続ドラマは、21世紀に入って以来まったく視聴していない。というよりも、生まれてこの方、最後まで見通したシリーズはひとつも無い。たぶん、体質に合っていないのだと思う。「カーネーション」も、だから、無視していた。どうせ前向きでいい人ばっかりが出てくる退屈な女性賛歌なのだろうと、そう決めてかかっていたからだ。 ところが、「カーネーション」の評判は、日を追って高くなる。 ツイッターのタイムラインでも、見識の高い人々が、異口同音に絶賛している。これは無視しにくい。とても気になる。直接聞こえてくる評判も、「面白い」「見ろ」という声が圧倒的だ。 さすがの私も 「これは、いずれ見てみないといけないだろうな」 と、

                                                      「朝の連ドラ」と「東大9月入試」で考えるグローバル化:日経ビジネスオンライン
                                                    • ジョーカー、戴冠へ

                                                      米国の大統領選挙は、ご案内の通り、ドナルド・トランプ氏の勝利で決着した。 お恥ずかしい話だが、私はこの結果を、ほとんどまったく予期していなかった。 3カ月ほど前までは、トランプ氏が大統領の椅子に辿り着く可能性を、多少は勘定に入れていた。 が、10月の最終段階のテレビ討論会を見て、私はトランプを見限った。 この様子では、仮にクリントンの側が多少のスキャンダルに見舞われたとしても、逆転することは不可能だと判断した。 両候補の間にある実力差は、私の目には、メジャーリーガーと甲子園球児の間にあるそれと比べても遜色ないほど明らかに見えた。 対外的に話をするケースでは、発言の語尾に一応の含みを残すことを心がけていたものの、それも、言ってみれば、断定を避けるものの言い方を通じて自分の知的さをアピールしていただけの話で、内心では100パーセント、ヒラリー・クリントン氏の勝利で鉄板だと確信していた。 それが

                                                        ジョーカー、戴冠へ
                                                      • ひらがなで語れない日本野球:日経ビジネスオンライン

                                                        ワールド・ベースボール・クラシック(以下WBC)に出場する日本代表チームの監督に、元広島カープ監督の山本浩二氏が就任することが決定した。 この件について、さきほどから、適切な言葉が見つからずに苦慮している。 山本浩二氏の人物像や能力について疑念を抱いているからではない。落ち着き先として見るなら、これはこれで立派な人事だと思っている。というよりも、昭和40年代から50年代のプロ野球に熱狂した者の一人である私にとって、山本浩二氏は、十分に大きい名前だ。思いつきの批判など、とてもできない。 私が考えあぐねているのは、監督の個人的な資質についてではない。 わが国のプロ野球機構のガバナンスについてだ。 だからこそ私は、単純に「おめでとう」と祝福することができないのだ。 いま、私は、「ガバナンス」という横文字を使ったが、元来、私は、この種の横文字を好まない。それどころか、「ガバナンス」だとかいった赤毛

                                                          ひらがなで語れない日本野球:日経ビジネスオンライン
                                                        • レバ刺し最終試食会の夕べ:日経ビジネスオンライン

                                                          6月のはじめ頃、ある食事会に誘われた。 主旨は、「レバ刺しとのお別れ会」ということらしい。牛の生レバーが違法になる前に、最後の食べ納めをしようではないかという、なかなかおくゆかしい集まりだ。 なるほど。 が、私は、ちょうどスケジュール的にむずかしかったこともあって、参加を辞退した。 「レバ刺しはお好きじゃなかったですか?」 「えーと、まあ、あんまり食べない感じでしょうかね」 本当のことを言えば、生のレバーは生まれてこの方食べたことがない。そう言うと、なんだかケンカを売っている感じになるので、曖昧に答えた次第だ。 レバーは、生でなくても、基本的には食べない。牛であれ豚であれ、あるいは鶏でも馬でも、まず箸はつけない。というよりも、端的に述べるなら、レバーは大嫌いだ。 絶対に食べられないということではない。でも、よほど追い詰められない限りは口をつけない。ということはつまり、当方としては、今回の生

                                                            レバ刺し最終試食会の夕べ:日経ビジネスオンライン
                                                          • 敬語にまどわされる皇室との距離感:日経ビジネスオンライン

                                                            藤村官房長官が、11月25日の会見の中で、「女性宮家の創設」に言及して以来、皇室関連報道は、久々の活況を呈している。女性皇族の私生活に直接言及した話もあれば、関係の無い記事もある。中吊りの見出しは、皇室一色――いや、さすがに一色ではない。でも、どこの雑誌も必ず一本は皇室関連の話題を載せている。 で、主だったところの記事をひと通り見渡してみたわけなのだが、これがわからない。 私の側の読解力の問題もあるのだろうが、どの雑誌を読んでみても、いったい何が言いたいのか、何のために記事が書かれたのかが、読み取れないのだ。 事実関係は、もとより、ほとんど明らかにされない。記者が記事を書くに至った経緯も省略されている。女性宮家に関する編集部の見解も説明されていない。 昔から同じだ。 皇室関連の記事は、読み取りにくい文体で書かれることになっている。 理由はおそらく、書いている人間が、自分の意図を隠したいと考

                                                              敬語にまどわされる皇室との距離感:日経ビジネスオンライン
                                                            • 国会中継に見る与太話と馬鹿話の教訓

                                                              国会中継を見るのはいつも骨が折れる。 実態に即した言い方をするなら、見ていてうんざりするということでもある。 あるいは、国会中継は、一般人の視聴に耐え得るコンテンツではない、と言ったほうが正確かもしれない。 実際、私は、これまで、生中継で流れている国会の答弁の様子を、30分間以上集中して視聴できたためしがない。 毎度、10分もたたないうちに忍耐が尽きて、テレビの電源スイッチを押してしまう。 画面がシュッと縮まって黒っぽい平面の中に消える瞬間(あ、ブラウン管時代の記憶です)、いまいましい蚊をたたきつぶした時に似た、かすかな達成感をおぼえる。国会中継に好ましいところがあるのだとすれば、そのポイントだけだ。 質問のヌルさに腹を立てることもあれば、回答する官僚や大臣の言葉の使い方のデタラメさにいらいらすることもある。どっちにしても、30分だとか1時間みたいな単位の時間を、平常心で視聴し続けることは

                                                                国会中継に見る与太話と馬鹿話の教訓
                                                              • 「スーちゃん」と「スーさん」の間にあるもの:日経ビジネスオンライン

                                                                田中好子さんが亡くなった。享年55歳。私と同年齢だ。 印象的だったのは、NHKのニュースが彼女の訃報をその愛称とともに伝えていたことだ。 「元キャンディーズの『スーちゃん』こと女優の田中好子さんが……」 7時のニュースは、たしかにそうアナウンスしていた。 一方、キャンディーズ時代の同僚だった「ランちゃん」こと伊藤蘭さんは、弔辞の中で、故人に対して「スーさん」と呼びかけている。 この呼称の違いには、いかなる事情が介在しているのであろうか。 今回は、アイドルとそのファンの間に流れる「時間」について考えてみたい。 特定の信仰を持たない日本人は珍しくない。が、アイドルにカブれた経験を持っていない日本人は、そんなに多くないと思う。われわれは、誰もが、多かれ少なかれ、アイドルやスターに憧れる一時期を通過して大人になる。人はバカな時期を潜り抜けないとマトモな大人になれない。私はそう思っている。勘違いかも

                                                                  「スーちゃん」と「スーさん」の間にあるもの:日経ビジネスオンライン
                                                                • 日本代表監督に譲れない条件:日経ビジネスオンライン

                                                                  サッカーの日本代表監督だったハビエル・アギーレさんが解任されて以来、サッカーの世界では、後任監督をめぐる話題が行ったり来たりしている。 この件(代表監督の選任)についての私の意見は、5年前(←南アフリカW杯の直前のタイミング)の当欄で既に書いている。 つまり 「代表監督は、外国人でさえあればある程度誰でも良い」 ということだ。 この見解は、いま現在でも基本的には変わっていない。 理由は、リンク先を読みに行ってもらえばおわかりになっていただけると思う。が、なにぶん古い原稿でもあるので、補足も含めて、あらためて概要を以下に書き起こしておく。 日本人のサッカー選手(ならびに日本人全般)について毎度のように言われる「没個性」「事なかれ主義」「リスク回避傾向」「横並び志向」といったアンチサッカー的な諸傾向は、実は、われら日本人の「国民性」の問題というよりは、わたくしども日本人が集団として振る舞う時の

                                                                    日本代表監督に譲れない条件:日経ビジネスオンライン
                                                                  • 鉄砲玉たるの資格:日経ビジネスオンライン

                                                                    電話が鳴る。 と、思わず身構える。 最近、固定電話にかかってくる電話は、マトモなものの方が少ない。 先物取引、銀行のキャッシング勧誘、保険会社の契約確認を装った新商品セールス、生協のロボット電話、宗教団体のランダム折伏……もしかすると、あと5年ほどで固定電話のビジネスモデルは壊滅するかもしれない。それほど、回線に乗る通話の内容は劣化してきている。 いまのところはまだ、登録に際して自宅の電話番号を必須とするタイプの契約書類が残っていたりする。が、その種の設定も順次カタチを変えて行くはずで、そうなると、いよいよ「家の電話番号」を持っていることが「市民」の証であった時代は過去のものになる。この流れは誰にもとめられないだろう。 おそらく、10年後のこの国を動かしている新しい市民階級は、新聞と電話と自家用車を持っていない。 それらの代わりに、彼らが何を持っているのかは、まだはっきりしない。 もしかし

                                                                      鉄砲玉たるの資格:日経ビジネスオンライン
                                                                    • 「父親」を求める中二のオレらと、「ガールズ」の行く末:日経ビジネスオンライン

                                                                      民主党の代表選挙を、ニュースショーのキャスターは、真面目に取り合おうとしない。 斜め上から、一段見下した態度で処理している。 「まったくどういう了見なんでしょうかね」 と。 コメンテーターも苦笑い。 幼稚園児の兄弟喧嘩を眺める近所のおじさんぐらいな目線だ。 「困ったものですね」 にやにや。 新聞も醒めている。 たとえば9月1日付けの朝日新聞の見出しはこうだ。 「推薦人、菅氏に7閣僚の名、小沢氏は「ガールズ」3氏も」 ごらんの通り、「ガールズ」という軽佻な単語を、カギ括弧付きで使用している。 しかも『「ガールズ」3氏』という言い方で、推薦人の軽量ぶりを揶揄している。 語法としては「お犬様」と同じ。単語と敬称の間のギャップを半笑いで処理するカタチだ。 単純に言って、失礼だと思う。 「ガールズ」の一人として分類統合された個々の女性議員ご本人たちに対して失礼なのはもちろんだが、この言い方には、かな

                                                                        「父親」を求める中二のオレらと、「ガールズ」の行く末:日経ビジネスオンライン
                                                                      • 「失言」で辞めたあの人なら、砲撃について何と言うだろう:日経ビジネスオンライン

                                                                        柳田前法務大臣をおぼえておいでだろうか。 先週の今頃は、まさに「時の人」という感じだった。 それが、辞任が決まって記者会見が終わると、その場で「過去の人」になっている。用済み。産業廃棄物。更迭記事要員。なんという使い捨て感覚だろう。ボタン電池大臣。鼻紙閣僚。残飯内閣。ガベージ・キャビネット。まるで宵越しの寿司だ。高級食材がたったの一晩で生ゴミに化ける。再生は無理なのだろうか。トカゲの尻尾にだって使い道がありそうなものだと思うのだが。 ……でも、もはや回収不能なのだろうな。 というよりも、はじめから使い道がなかったのかもしれない。 法務行政の経験もなかったのだそうだし。 法務レス大臣。 寿司みたいに短命なミニスター。廻転ネタ閣僚。生き腐れ大臣。 あんなにイキが良かったのに。 結局、柳田前法相関連のニュースは、北朝鮮が国境の島に砲弾を打ち込むと、その瞬間に吹き飛ばされ、ワイドショーのヘッドライ

                                                                          「失言」で辞めたあの人なら、砲撃について何と言うだろう:日経ビジネスオンライン
                                                                        • 憲法改正「安倍首相の個人的な思い込み」 小田嶋隆さん:朝日新聞デジタル

                                                                          安倍首相が5月3日、改憲派の集会によせた、「2020年新憲法施行を」と訴えるビデオメッセージ。コラムニストの小田嶋隆さん(60)は「この文章は、日本の国語教育の結実です」と言う。そのココロは――。 ◇ 首相のメッセージは、緻密(ちみつ)に読むと意味が分からない文章です。新聞記者さんは職業柄、論理的整合性を気にしますが、私たちが日本の国語教育で求められてきた読解力とは、論理的帰結ではなく、「この人物の気持ちを読み取れ」「作者の真意は何か」といったものです。つまり、このメッセージは、書き手の真意を「忖度(そんたく)」する日本人の日本語の読み方の結実のようなものなんです。 では、この作者(首相)の狙いは何でしょう。論理的に一つ一つつめて、憲法をこう変えましょう、ということではなく、「新しく生まれ変わるんだから、新しくしましょうよ」「せっかく引っ越したんだから新しい冷蔵庫を買いましょうよ」みたいな

                                                                            憲法改正「安倍首相の個人的な思い込み」 小田嶋隆さん:朝日新聞デジタル
                                                                          • ウェブ時代でも、声を挙げるのは「ちょっとおっちょこちょい」な人:日経ビジネスオンライン

                                                                            岡 康道 クリエイティブ・ディレクター 1956年生まれ。佐賀県嬉野市出身。80年早稲田大学法学部卒。同年、電通に営業として入社。85年にクリエーティブ局へ異動。99年7月クリエーティブエージェンシー「TUGBOAT」を設立。 この著者の記事を見る

                                                                              ウェブ時代でも、声を挙げるのは「ちょっとおっちょこちょい」な人:日経ビジネスオンライン
                                                                            • いや、ここは「そもそも論」でしょう。:日経ビジネスオンライン

                                                                              新国立競技場の計画案は、白紙撤回されることになった。 近来にないグッドニュースだと思う。 とはいえ、積極的に良いことがはじまったわけではない。何か意義ある仕事が達成されたわけでもない。単に、最悪の事態を避けるための道筋が定まったということにすぎない。 つまり、このたびの白紙撤回の決断が、歓迎すべき展開であることは確かなのだとして、だからといって、この決断を誰かの手柄や功績として手放しで賞賛するわけには行かないということだ。 むしろ、この期に及んで白紙撤回というリスキーな決断をせねばならないところにわれわれを追い込んだ人間なり組織なりの名前を明らかにして、その彼らに責任を取ってもらわなければならない。そうでないとスジが通らない。 大勢の人間がひとつの決断に沿って行動する時には、その決断が誤りであった場合に責めを負うことになる人間を、あらかじめ確定しておかなければならない。 昔の船乗りは、船が

                                                                                いや、ここは「そもそも論」でしょう。:日経ビジネスオンライン
                                                                              • イチローが(おそらく)断る理由:日経ビジネスオンライン

                                                                                イチロー選手の9年連続200本安打達成の瞬間が目前に迫っている。 このテキストがアップされる頃には、記録は過去のものになっているかもしれない。 と、お国は、イチロー選手に国民栄誉賞を授与するのであろうか。 私は、ここに注目している。 記録はいずれ達成される。わかりきったことだ。 重要なのは、その記録をわれわれがどんなふうに報道し、評価し、利用し、描写するのかだ。イチロー自身は、淡々と通過するのみなのだと思う。彼にはわかりきったことなのだからして。 ご存じの方も多いと思うが、イチロー選手は、これまでに二度、国民栄誉賞の授与を打診されており、いずれも辞退している。 二度にわたって打診した政府の姿勢も異様だが、それを二度とも辞退するイチローの精神のありようも並大抵のものではない。だからこそ私は三度目に注目している。三度目の正直の三顧の礼の三振。もし実現したら、素晴らしく面白い見世物になる。 政府

                                                                                  イチローが(おそらく)断る理由:日経ビジネスオンライン
                                                                                • AKB48でなく野田さんとビートルズについて書くワケ:日経ビジネスオンライン

                                                                                  今回は、AKB48のメンバーだった前田敦子さんの「卒業」について書くつもりだったのだが、断念した。 知識を持っていない分野に口を出すと、恥をかくことになると思ったからだ 「それなら毎回のことじゃないか」 早速、コメント欄へのツッコミがアタマに浮かぶ。不幸な事態だ。 思うに、この世界には、知識のない人間が安易に口を挟むべきでない分野と、逆に、専門家ではないからこそあえて言及しなければならない分野がある。 AKB48の芸能史における位置づけや、メンバーの消長について何か意味のある言葉を言うためには、知識だけではなくて、彼女たちの活動に対する一定の理解と愛情を持っていないといけない。ろくに経過観察もしていない人間が思いつきでものを言うと、薄っぺらな批評ができあがってくる。で、その表面的な言葉は、書き手の底の浅さを露呈するのみならず、ファンの心を傷つける。そういう愚かな展開は避けるべきだ。 政治経

                                                                                    AKB48でなく野田さんとビートルズについて書くワケ:日経ビジネスオンライン