チトー元帥はもうこの世にはいないが、彼の政治に対する志は旧ユーゴスラビア諸国に点在する巨大で前衛的なモニュメントに見て取れる。それらは、第二次世界大戦時、ナチスのバルカン半島侵攻・制圧によって出た多数の犠牲者と反ナチのパルチザンを追悼して建てられたものだ。 そしてさらに注目すべきは、数多く残る秘密の軍事施設だ。例えば、現在のコソボのプリシュティナ国際空港近くにあるスラティナ地下空軍基地や、ボスニア・ヘルツェゴヴィナのビハチ近くにあるジェリャヴァ地下空軍基地などである。 中でも最大のジェリャヴァの地下空軍基地「Objekat505」は、今でこそ崩れかけてはいるが、当時は軍事基地ネットワークの中心であり、社会主義共和国の長距離・早期警戒レーダーシステムの中枢としての役割を果たしていた。 ジェリャヴァの空軍基地はソ連の戦闘機「ミグ21」を運用する2つの飛行隊の本拠地であり、4つの入り口はすべて山