解説:「終わりの無い物語」-絵本で描く憎しみの連鎖の心理 「悪は憎まなければいけない」…そんな考え方(善悪の文化)は、むろん憎しみを生み出します。 「悪を憎め」ですから。 そして、善悪の文化は容易にその憎しみを永続化させてしまいます。 つまり、憎しみの連鎖・暴力の連鎖が生まれ/続くのは、善悪の文化を前提とするならほぼ必然であると考えられます。 もし延々と―場合によっては百年、千年を超え―繰り返される悲劇に心を痛めて憎しみの連鎖/暴力の連鎖を終わらせたいと願うなら、 善悪の文化(善と悪で分離し、悪を憎むという考え方)そのものに働きかけていく必要があるのではないでしょうか。 逆に言えば、善悪の文化を変えることで(世界に善悪の錯覚への気づきを広げて行くことで)、政治家・権力者に頼らなくても暴力・軍事力に頼らなくても我々の手で、つまりは草の根ベースの努力で、憎しみと暴力の連鎖に終止符を打てる可能性