『自選 谷川俊太郎詩集』(岩波文庫)を読む。谷川は1931年生まれの天才詩人で、18歳のときに三好達治の推薦で『文学界』に詩が掲載され、20歳で処女詩集『二十億光年の孤独』が創元社から刊行される。以後現在までに60冊以上の詩集を刊行している。 巧い詩人で、日常の言葉が詩になり、詩論も詩で書かれる。sexも詩に書かれる。そのsexを読んだ詩。 ああ あああ ああああ声が出ちゃう 私じゃない でも声が出ちゃう どこから出てくるのかわからない 私からだじゅう笛みたいになってる (後略) 私は高校の教科書で「二十億光年の孤独」を読んだほか、あちこちで谷川の詩を目にしてきた。朝日新聞でも谷川の詩が連載されている。でも本書を読むまできちんと谷川の詩集を読んだことがなかった。ただ1冊だけ『はだか』(筑摩書房)を読んでいるが。その中の「おじいちゃん」を紹介する。 おじいちゃんはとてもゆっくりとうごく はこ