休日、本を数冊持って、二三日外で暮らしても足りるぐらいのお金を財布に入れて、電車でどこか遠くへ遠くへ行く。 一応、連絡手段としてスマホは持つけど、基本バッグに入れっぱなし。 朝から出かけて、夜に帰ってくる。翌日も休みならどこかに一泊してもいい。替えの服も一泊くらいなら下着だけでいいし、荷物も少なくて済む。 そうすると、ずーっと本にしか触れられない貴重な時間が出来上がる。 読むのに疲れたら、車窓がある。遠くへ行けば行くほど、知らない車窓が待っている。 車窓にも飽きたら、適当な駅で降りてもいい。腹ごしらえに近くの定食屋に入ってもいい。座りすぎてお尻が痛くなったら、知らない街並みを歩いてみるのもいい。 とにかく、物理的に日常の範囲から遠ざかる。何か違う自分が見えてくる。 本は、そういうときかけがえのないものになる。