視点･論点 「新しい常識で家をつくろう」 | 視点・論点 | 解説委員室ブログ:NHKデザイナー 原研哉 デザイナーの原研哉です。 きょうは日本の新しい産業の交差点としての『家』についてお話ししてみようと思います。 製品と言うのはある経済文化圏に生えた木になった実のようなものだと僕は思います。 かつて言われた三種の神器、例えばテレビであるとか、クーラーであるとか、冷蔵庫であるとか、車、そういうふうなものがその木になっていたわけですけどもそろそろ家をそこにならせてみたいと考えます。 家と言うのは高度成長の時代には一種の金融商品のようなものだったと思いますね。 １０年経つと倍になるわけですから、自分の暮らしにぴったりの、自分の暮らしに役立つ道具を買うと言うよりも、間違いのない買い物をしなきゃいけないと言う心理が働きますから、非常に保守的な買い物の対象だったわけですね。 日本は今高齢社会と言われてますけれども、実はその問題はですね、福祉とか税の問題だけではなくて、そこに
