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どんな組織にも、夢やビジョンは大事だと思います。会社という単位だけでなく、チームや国という単位でも、また個人においても夢を持つことは大事です。でも反面、人から夢を聞かされると「大丈夫なの?」と感じてしまうこともよくあります。 私たちは課題出しをするときによく、To be(あるべき姿)とAs is(現状の姿)を対照的に描きますが、As isの認識が危ういとそう思うわけです。To beとAs isのいずれも大事ですが、現実問題としてしっかり考えるべきはどちらでしょうか? 私は圧倒的にAs isの認識のほうが大事で、こちらにたっぷり時間をかけるべきだと思っています。人様に聞かせるときは反対にTo beのウェイトが高いかもしれませんが、内省に時間をかけるべきはAs isではないでしょうか。 追いかけるのは"未練" 最近伊集院静氏が書いた『追いかけるな』(講談社)にも書かれています。伊集院氏といえば
地方消滅という言葉がありますがこれは字面通り地方が消えてしまうわけではありません。人口が減って行政サービスを成り立たせられなくなり、行政機能が他の自治体に吸収されてしまうことを言っているのでしょう。「消滅」というのは行政都合の言葉なのだと思います。 では反対に東京はどうなるのでしょうか。松谷明彦氏は『東京劣化』の中で、東京は将来的に、例えば2040年頃といったいう長いスパンで考えると、地方以上に深刻な高齢化問題を抱えることになると予想しています。「劣化」というのは交通インフラなどの都市機能が支えきれなくなり、都市がスラム化することを言うそうです。消滅はしないけれども劣化してしまうというのは困った問題です。 東京劣化 (PHP新書) 松谷 明彦 (著) 日本全体の少子高齢化の趨勢は抗いようのないもので、地方と東京の人口動態はゼロサムどころかマイナスサムの競争にしかなっていません。東京の人口構
先日とある会社の研修で、受講生からターゲティングとポジショニングをひっくり返して進めても良いですかと聞かれてイエスと回答しました。STP(Segmentation, Targeting, Positioning)をご存じの方にはピンとくる話だと思いますが、顧客を特定する作業(ターゲティング)を、提供価値を特定する作業(ポジショニング)の後で行っても良いかという問いでした。 顧客と提供価値を整合させることが大事なことですので、これは発想の順序だけの問題です。顧客起点で提供価値を決めても(T→P)、価値起点で顧客を特定しても(P→T)、いずれも問題ありません。文脈によって使い分ければ良いことです。 大塚家具のケース そのときは事例を説明しませんでしたが、今日のテレビ報道で大塚家具の大塚久美子社長のインタビューを聞いてこれがまさに例だと感じました。久美子社長は「(勝久会長とは)目指すところは同じ
出席した会議に消耗感や重苦しさを感じたことのある人は多いのではないでしょうか。「一人の話が超長くて飽き飽きする」「何もしようとしないくせに意見ばかりする」「何か意見をいえば責任をとらされ何も言えなくなる」「人数が多すぎて議論にならない」などなど。そんな経験を味わった方は多いのではないかと思います。 日本は生産現場などのブルーカラーの生産性向上にきゅうきゅうとしてきましたが、残念ながらホワイトカラーの生産性や創造生産性は聖域になってきました。その最たる元凶はムダな会議や下手な会議にあるのではないでしょうか。最近のホワイトカラー・エグゼンプションという残業規制の緩和の動きは一つの救いになりますが、これはホワイトカラーが何かする仕事を減らせというものではありません。しかし結末として残業が増え、だったら会議をどうにかしないといけない事態になるでしょう。ホワイトカラー・エグゼンプションはよい動きです
社員が辞めてしまわないか気になる気持ちは分かります。しかし気をつけていただきたいのは、不満が出ないことのほうです。 経営に不満を口に出す人は会社をやめません。 「経営判断がおかしい」とか「十分に報われていない」とか、不満はいろいろあるでしょう。それが正しいことはどうかは知りません。しかし言えることは、不満を口に出す人はまだ会社に見込みがあると思っているということです。「ウチの会社はこんなに強みがあるのに、経営はそれを活かせていない」などとです。やり方次第で勝てると思っているから文句を言いたくなるのです。不満はネガティブに聞こえるかもしれませんが、実は根底部分ではポジティブな期待を持っていることに気づかなくてはなりません。 辞めていく人は不満を言わずに辞めていきます。それは他の人がまだ見込みがあると思っているものをそうではないと思っているからです。他の人が「この会社にはこういう強さがある」と
IT業界にいる企業経営者にとって、今はまさに自社のビジョンを描きにくい時期ではないでしょうか。クラウドへの対応は確実に増えてきていますが、「クラウドへの対応」では未来像になりません。クラウドは確かに対応しなくてはならないものの一つでしょうが、その先にあるものは何かが見えてこないのです。自ずと、自社が未来にどんなビジネスをしているのかも想像しがたいものになってきます。 「ユーザーのコンテキストへの対応」は有力な未来像の一つではないでしょうか。ロバート・スコーブル氏は著書「コンテキストの時代」で、コンテキスト対応が次の10年の大きなうねりになる言っています。コンテキストとは「文脈」として訳されますが、ここでは「前後の事情、背景」という意味になります。コンピュータがユーザーの事情や背景を知り、ユーザーが必要とするサービスを的確に判断したり、予測したりできるようになるということです。 コンテキスト
(出所)生産年齢人口予測(都道府県データランキング) http://uub.jp/pdr/j/fp.html に基づき筆者作成 人手不足がどういう問題を起こすかというと、介護や医療サービスを受けたくても受けられない、バスなどの交通機関を動かせない、などと生活に深く関わる問題にぶちあたります。 東京に住んでいるから地方の問題は関係ない、と思ってもだめです。地方に行っても儲からないから地方の問題には関わりたくない、と思ってもだめです。構造的な問題は、いずれ誰にも降りかかってくる、避けて通れない問題です。 地方の人手不足問題をビジネス視点で解決する こうした地方の人手不足の問題を、経営共創基盤代表・冨山和彦氏はビジネス視点で光をあてています。 なぜローカル経済から日本は甦るのか GとLの経済成長戦略 PHP新書 冨山和彦(著) 冨山氏は、ビジネスをグローバルビジネス(G)とローカルビジネス(L)
政治が長期政権になるのは国にとっても企業にとっても良いことだと思います。リーダーが長期に安定した力を発揮できるというのは、展望を持って未来を迎える必要条件だと考えるからです。 昨年は年末に安倍首相が次も勝つという見込みで解散選挙をしました。民意を問うという意味では良い判断だったと思いますが、一方でこの程度のことで解散をしなければならないのか、という意見もありました。確かに日本の政権は増税などの不人気な政策に耐えられない脆さを持っています。こんなことで長期展望をもった運営ができるのかと本当に不安になります。 最近の首相在任期間は平均430日 これまでの首相の在任期間を調べてみたら、初代の伊藤博文から現在の安倍晋三までで平均で490日(1年4ヶ月)でした。これは二回、三回と複数回務めた首相もいますから、それを複数回として母数にして平均した日数です。そして初代(1885年)から現在までの130年
事業環境を分析する際、SWOTという手法がよく使われます。ご存じの方も多いですが、SWOTとは会社の内部要因をStrength(強み)とWeakness(弱み)に分けて認識し、外部要因をOpportunity(機会)とThreat(脅威)に分けて認識するフレームワークです。 SWOT分析でいちばん大事になるところは、諸要因を抽出する際、それぞれを事実として認識するところです。実際、分析をしてみると、その人の視野の広さや情報感度の高さが問われますし、その人のものを見る立ち位置なども映し出されてきます。 とくに会社の現状を厳しくとらえ、勝てる施策を根本から考えなければならないときには、単純なことですが事実認識をすることの難しさを身にしみて感じることになります。 一番問題になるのは、脅威(T)に強み(S)がさらされていることへの現状認識でしょうか。一言でいえば「強みを持つものの、市場で通用しない
イノベーションのあるべき姿について様々な意見がありますが、国内ではイコール技術革新では無いということが最近はよく強調されてきたように思います。それでも技術革新を偏重した議論になりやすいと感じるのですが、市場起点に立ち返らねばといいつつ、常に技術面の革新性に視点が集まってしまうか、せいぜい市場側に遡ったところで要件の議論に留まってしまうからではないでしょうか。 確かに、技術革新は市場側のトレードオフ(排反)した要件をかなえる上でとても重要な手段になりますが、イノベーションの全てではありません。やはり市場の性質をしっかり理解するところから入らないとイノベーションの十分条件が見えてこないのではないでしょうか。 ベンチャー投資家ピーター・ティールが最近著した「ゼロ・トゥ・ワン」は、我々が見落としがちな、市場側の理解について単純明快な視点を打ち出してくれましたのでご紹介します。 ちなみに、ピーター・
国が道路や河川などの社会インフラの維持管理にかける費用は、2013年には3.6兆円でしたが、2033年に1.4倍の5.5兆円に膨らむと予想されています。これはインフラの老朽化が進行するためということです。人口の高齢化問題と並行して、インフラの高齢化問題も進んでいるのです。 既に多くのIT業界関係者がこの市場に注目しています。IT業界だけではありません。ヤマト運輸などの宅配業界も、ALSOKなどの警備業界も注目しています。本流の建設業界だけでなく、こうした異業種がこの市場に注目しています。 それはなぜでしょうか。維持管理市場では人材不足が起きているからです。建設業界は公共投資の減少に合わせて就業者数が減ってきました。もとより建設業界においても、維持管理に関わる業務は敬遠されてきたこともありますから、この先も人材不足は慢性的に続くでしょう。ITや宅配、警備などの異業種が参入機会をうかがうのは、
第一・第二の矢はワンセット。これはアメに過ぎなかった 第一の矢と第二の矢は、いずれもアメの政策であり、短期政策です。経済にとってお祭りのような気分を出すことはとても大事なので、確かに重要かもしれませんが、2つまとめて1つにしてもいいぐらいの重みではないでしょうか。2つに分けて大きく見せたかったという心理的工作があったのかもしれません。 それから蓋を開けたら第一の矢も第二の矢も日銀に責任を押しつけていた、という点もポイントです。日銀の黒田総裁がものすごくクローズアップされましたが、ずっと違和感を感じていました。企業でいえば、KGI(売上など、最終業績指標)とKPI(商談件数など、中間業績指標)といった業績指標があるのですが、日銀は追いかけられるのはKPIレベル(2%のインフレ目標などがそう)です。残念なことに、国の経営は中間管理職の仕事ぶりにあまりにも高い期待をかけすぎていました。 肝心のK
経営は新領域の拡大を模索するとき、必ずといっていいほど秩序と自由のジレンマに悩む。現場には自由にやらせたいが、何かスジの通ったことでないものは困る。資源を集中しないと上手くいかないということを分かっているからだ。 ある程度大きな会社ともなれば、物わかりのいい経営トップがほとんどで、無茶を言うことはない。「俺の言うことを聞いていればいい」などと強権をふりかざす信長みたいな経営者は殆どいない。だからまずは現場に自由にやらせてみようとなって、しばらくすると介入が始まるのが普通だ。 しかしこの介入が厄介な問題を引き起こす。目標で合意したのに経営からプロセスチェックが細かく入ってくるのだ。言うほうも、良心に駆られているから介入した感覚を持たない。実は言われるほうも、あまり悪い気がしていないのかもしれない。しかし下手をすると現場の発想の自由を奪ったり弱くしたりする懸念をはらんでいる。 これを権限委譲が
明けましておめでとうございます。 昨年は格別のお引き立てに預かり、厚く御礼申し上げます。 ごあいさつとして、勝手ながら昨年の仕事を振り返っての問題提起をさせていただきます。 決めごとが溢れていないか お客様と仕事をしていて最近は、組織が思い通りに動かなくなってきている状況を感じます。現象面を言えば「元気が無い」とか「手を上げる人がいない」といった状況です。これを新しい世代のせいにする人がいますが、しかし冷めた人が増えたからということでは決してありません。思い通りに動けない事情が増えているからだと思います。 決めたのに動かないというのは、決めごとが溢れてしまっているからではないでしょうか。 例えば「これからは新しい市場に力を入れていきますよ」などと、戦略上にかかわる何か重要なことを決めても、組織が前に決めたこととぶつかってしまいます。セキュリティやコンプライアンス(法令遵守)、業務システム、
10倍挑戦、5倍失敗、2倍成功 またこうした企業間提携はトップの意思決定のスピードがものをいいますが、会社全体を爆速で動かしていくためには社員が自律的に新しい事業に挑戦できるようにしないといけません。 ですが新しい取り組みには失敗がつきものです。それまでの経営陣は「よく分からないものに投資して、どれだけ儲かるの」とすぐに数字を求めてくる態度だったようです。こうした態度が新しい事業への参入を遅らせ、ヤフーを「動きのない会社」にしてしまったのかもしれません。 宮坂社長は「10倍挑戦、5倍失敗、2倍成功だ」といって、何度失敗してもそれを許容し、次に挑戦できる環境を作ろうとしました。ヒットを打とうと気にするあまり、打席に立つことすら慎重に構えてしまうのではなく、何度も打席に立ってもらい、いつかヒット、いつかホームランを打てればよいという考え方に変えようとしたのです。 ヤフーの使命を再定義 宮坂氏は
自分がまだ社会人になりたての頃、会社の上司に「君のコストは一日○○円だからその意識で仕事して欲しい」と言われた記憶が今でも強く残っています。 当初は自分にそれだけの価値が無いのではないかという不安にかられたりもしましたが、やがてそれは慢心に変わりました。一日分の仕事をすれば○○円分を請求できて当然といったような気分です。この慢心な感じの気分はずっと続きました。 今思えば、人間はカネで動くものだという考え方は、自分が社会人になったときに受けた洗脳のようなものです。 しかし世の中には全く無報酬で動いている人たちがたくさんいます。いわゆるボランティア活動だけではありません。卑近なところでいえばネットで書評を詳しく書いている人たちもそうです。好きな人に親切にする行為も無報酬です。 いや、自分が無報酬で動かなかったということは全くなく、そういう側面もあるということに気づいていなかっただけなのです。
客先の研修の場で最近はよく「これは研修じゃなくてワークショップです」と言うようにしています。研修を否定して言うのではなく、参加者が教えられて進めるのではなく自分自身で気づいて進めるものだという意図を出すためです。 しかし思えば、そういう意図とは逆に「一方的に教えてやる」的な瞬間が無いとは言い切れません。 受け取り方の問題かもしれませんが、教育にしろコンサルティングにしろ、現場から離れて見るからこそ現場にしてみれば大胆と思えるような言葉を使えるからです。その言葉が参加者にとって素敵な刺激になることもあれば、不幸にも双方の心が離れていく瞬間であったりもするのです。。。 部外者が決めると責任者不在になる ですがとりわけ物事を「決める」のは当事者の専管事項ではないでしょうか。なかなか決められない状況にあっても当事者が決めるまで辛抱強く待つのが大事です。 部外者がしびれを切らして決めようとしてしまえ
プランテックラボ株式会社 代表取締役 人材育成にめざめコンサルに復帰。「手を動かしながら考える~」の著者。 ITの明るい未来観を描きたく、読書を通じて潮流と哲学を追いかける。
思うようにいかないことが実際起きたときに私たちは反省するものだ。例えば受注できるだろうと期待していた仕事が逸注に終わってしまったときなどのように。 そんなときこそ、実際の状況はこうだったのではないかと、自分が思い違いをしていたことを真面目に反省してみるものだ。実は、日常的にも失敗につながる前兆やら小さな失敗がたくさんあり、今となってはそれを見過ごしていたことも振り返ると、反省の分量が足りなかったことにも気づけて、半分ぐらい気持ちが楽になったりする。
前職のときの同僚がホンダ出身で、その彼からホンダについていろいろ聞くうちに、社風に惚れて入社するような会社が、この世にはあるんだということを知った。 ホンダの創業者は本田宗一郎で、1991年に亡くなっている。その同僚と知り合ったのは本田宗一郎の亡くなった後のことだが、ホンダという会社は創業者が一代でたたき上げて巨大にした会社という印象が強く残った。
電子書籍端末の市場で、なぜソニーのリーダーが失敗し、アマゾンのキンドルが成功したのか。キンドルは「間違いなく工業的に醜い」と言われながらも成功を収めた。アマゾンのCEOジョフ・ベゾス氏は「キンドルは製品端末ではなく、サービスである」と新しいビジネスモデルであることを強調したがそれだけだろうか。ソニーはリーダーをサービスビジネスとして見ていなかったわけでは決してない。
昨年12月に行われた衆議院総選挙では党派がすごく分かれてしまい政策が分かりづらい様相となった。そのためか党首が誰か、どんな人かということが相対的に強く印象に残った。政策は大事だが、それ以上に党首の人柄や能力のほうが気になった選挙ではなかっただろうか。政策の違いが分かりづらかったことで余計に党首像が目立ったのだ。 とくに気になったのは「この党首は官僚の言いなりにならない人だろうか」という点だ。政策の是非よりも、こういう目線で選挙を見ていた人は私以外にも多いのではないだろうか。
我々は人の性格を言うときによく「きちょうめんか大雑把か」「ポジティブかネガティブか」「社交的か内向的か」といったものさしを使ったりする。そしてだいたいは本人のいないところで話がされていたりする。遠慮しないでその人の品定めを楽しむことができるからだ。 結局、周りの人のほうが自分より自分の性格を捉えていて、自分のことはよく分からないことが多い。たいていは自分のことを甘めに見積もっている。周囲と自分の評価のずれもまた、面白い話題になる(笑)
未来は決まるのではなく決めるものである、とはよく言われる。精神論としてはその通りだと思うが、真実は「未来は決まるものであり決めるものでもある」だと思う。 未来に対する態度のことで、自分は確か小学生の3年生頃に先生と激しく対立したことがあった。自分は「宿命」という言葉を使ったことを鮮明に覚えている。先生は「未来は自分が決めるもの」ということを道徳として教えようとしていたのだが、私が「未来は宿命です。最初から決まっている。」と反論したことで授業をしらけさせてしまった。クラスのみんなからも嫌な奴を見るような視線を感じたことを今でも憶えている。 宿命という言葉は先生の意図に反する響きがあったようだが、(運命を)宿すとあるように未来を決める素質は自分自身が持っていることを言っているので、「自分が未来を決める」ことを否定しているわけではない。未来が宿命だというのは、「決まるものであり決めるものである」
世界のグローバル化はどこまで進のだろうかとふと思う。自分は独立してからずっと国内の仕事ばかりするようになって海外の仕事に近づく機会がほとんどない。しかしメディアを介して海外の情報は入ってくるので、グローバル化の流れは止まらない現象のように思えてくる。 グローバル化という言葉が一人歩きしはじめたような感覚があるというのはおそらくそれを動かしている前提や結果として起きている問題がよく見えなくなっているからだろう。 静かなる大恐慌 (集英社新書) 柴山桂太 (著) 本書はグローバル化の大前提として資本主義であることを置いている。この前提がシンプルである故に話の筋が分かりやすい。 ざっと次のようなストーリーラインで読めば大意はつかめると思う。 資本主義体制の下でのグローバル化は社会や経済を不安定化させやすい。 さてこの資本主義とは何か。そして資本主義の問題とは何か。 不安定化した社会・経済は自然に
そのCERNが今回発見したとしてニュースになったのは、「ヒッグス」と呼ばれる、17番目、つまり最後の素粒子だ。ヒッグスは他の素粒子に質量を与える作用を及ぼす素粒子。だから質量の起源の素粒子と言われたりする。質量は、物理の授業で習ったように、モノの物理的な量を表す概念の1つ。当たり前を言うようで恐縮だが、我々はこの質量という概念を、地球の重力のおかげでモノの重さとして知覚している。ヒッグスが作り出しているのは、その重さの元となっている質量のほうだ。なんかややこしいが。 著者の竹内薫(たけうちかおる)さんは、サイエンスゼロの解説などでも有名な、サイエンス作家。竹内さんは科学が分からない人の目線で解説しようとしてくれるので、「なんとなく興味はあるけど敷居が高くて、、、」という人にとってはありがたい。私もその一人だ。しかし本当のターゲットは序章で「中学生や高校生にも分かるように」とあるように、もっ
一人で静かに考える時間を大切にしたい。大勢の中にいても、ふと心の中に静けさが生まれ、ゆっくり、長く、考え続けられる時間を持つというのは大切なことだ。事後であってもいいと思う。 この本の面白いところは、佐藤氏が日常ふと感じたことを自分の心になぜそう感じたのかと問いかけ、辛抱強く問いを繰り返し、自分なりに納得する答えを導くという、とても平穏な解決方法をとっているところだ。
経営トップやリーダーのサクセスストーリーを描いた本は多いが、本当にわたしたちを奮い立たせるのは成功への憧れや成功の背景にある才能や努力、、、などの模範的側面だけではない。さらにその背景にはハンディキャップの認識や屈折した感情すら隠れていたりする。いや、むしろそれこそ見てみたいものだ。そこにリアリティを感じるからだ。 ━━成功要因の本質は強みにあるのではなく、弱みを自覚することにある。ある意味、弱みを感じやすい感度は大切だともいえる。ナイーブな問題は由来をきちんと聞かなければ聞き出せないもの。本に著されたものになかなかお目にかかれない理由もそこにあるのか。 知り合いから頼まれて、自己の弱みやハンデの克服を原点にして成功したトップやリーダーの書籍を紹介してほしいと言われのたで、思い当たるものを挙げてみた。せっかくなので、ここにも紹介しておきたい。 一勝九敗 柳井 正(著) ユニクロ(ファースト
IT市場に関連して事業開発をする人向けに、アイデア出しや戦略検討において役に立ちそうな参考図書を紹介する。 選んだのは昨今の潮流を考えさせてくれる情報が詰まっており、ブレストや議論のネタとして面白いと思われた、事例ベースのビジネス書だ。ノウハウ紹介を中心としたいわゆるノウハウ本はアイデアの探索や構想に直接利かないのでここでは選んでいない。 お勧めは社内でこうした本を課題図書にした勉強会を開くこと。本を情報源とし、「先生がいない」状況で自ら問いを発し、自らアウトプットする勉強会ができれば、探索力や構想力の鍛錬に効果的だ。 とりあえず各本について、勉強会を想定し、問いの一例を挙げてみた。レベルは3段階の難易度を示しており、☆★★(易)、☆☆★(中)、☆☆☆(難)とした。 . 小倉昌男氏は「クロネコヤマトの宅急便」を創業された方。既に亡くなられているが、ヤマト運輸の経営者としてこれを書かれた。か
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