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“余計なもの”って何? 「Mate 20 Pro」の疑惑を晴らす:製品分解で探るアジアの新トレンド(34)(1/3 ページ) Huaweiの2018年におけるフラグシップ機「Mate 20 Pro」。この機種には、“余計なもの”が搭載されているとのうわさもある。本当にそうなのだろうか。いつものように分解し、徹底的に検証してみた。 弊社(テカナリエ)では、年間おおよそ30機種ほどのスマートフォンを分解している(実際にはカスタム解析依頼などに対応するために同じ機種を数台分解するので、台数はさらに多い)。 分解の前に若干使う場合もあるが、多くは買ったものをそのまま分解する。分解は、おおよそ1時間ほどで終わる。実際、分解するだけならば手慣れたもので、数分もあれば基板取り出しまでできてしまうのだが、分解の各工程を写真に撮りながら進めるので1時間程度かかるわけだ。2018年、最も時間をかけて丁寧に分解
1つの量子テレポーテション回路を繰り返し利用 東京大学工学系研究科教授の古澤明氏と同助教の武田俊太郎氏は2017年9月22日、大規模な汎用量子コンピュータを実現する方法として、1つの量子テレポーテーション回路を無制限に繰り返し利用するループ構造の光回路を用いる方式を発明したと発表した。これまで量子コンピュータの大規模化には多くの技術課題があったが、発明した方式は、量子計算の基本単位である量子テレポーテーション回路を1つしか使用しない最小規模の回路構成であり、「究極の大規模量子コンピュータ実現法」(古澤氏)とする。 今回発明した光量子コンピュータ方式。一列に連なった多数の光パルスが1ブロックの量子テレポーテーション回路を何度もループする構造となっている。ループ内で光パルスを周回させておき、1個の量子テレポーテーション回路の機能を切り替えながら繰り返し用いることで計算が実行できる 出典:東京大
マスクは、「他人へのウイルス拡散防止」にはなっても、「他人から自分へのウイルス拡散防止」にはならない。こんな非対称的な論理が、なぜ成立するのだろうか――。今回のコラムは、私のこの疑問に対して、現役医師で、私の過去のコラムでも何度もお世話になっている「轢断のシバタ*)」さんが下さった、1万字以上にも及ぶメールを紹介するものです。 *)例えば、「1/100秒単位でシミュレーションした「飛び込み」は、想像を絶する苦痛と絶望に満ちていた」の回でお世話になっています。 まず、何も言わずに、以下の私の2020年3月9日の日記を読んでください。 正直に申し上げて、私は分からないので、誰か教えてください。 COVID-19の感染防止だけではなく、インフルエンザ等についても良く言われることの一つに (1)マスクは、自分がキャリア(ウイルスの運び屋)である時には、他人へのウイルスの拡散防止にはなる しかし、
量子の非局所性の厳密検証に成功――新方式の量子コンピュータにも道:アインシュタイン提唱の「物理学の100年論争」が決着!(1/3 ページ) 東京大学 教授の古澤明氏らの研究チームは2015年3月、約100年前にアインシュタインが提唱した「量子(光子)の非局所性」を世界で初めて厳密に検証したと発表した。検証に用いた技術は、「新方式の超高速量子暗号や超高効率量子コンピュータへの応用が可能」(古澤氏)とする。 東京大学 教授の古澤明氏らの研究チームは2015年3月24日、約100年前にアインシュタインが提唱した「量子(光子)の非局所性」を世界で初めて厳密に検証したと発表した。検証に用いた技術は、「新方式の超高速量子暗号や超高効率量子コンピュータへの応用が可能」(古澤氏)とする。なお、この研究成果は、英国の科学雑誌「Nature Communications」(2015年3月24日[現地時間]オン
東京大学大学院工学系研究科の古澤明教授らは、光での量子もつれ生成を時間的に多重化する新手法を用いて、従来に比べ1000倍以上となる1万6000個以上の量子がもつれ合った超大規模量子もつれの生成に成功したと発表した。古澤氏は「量子コンピュータ実現に向け、大きな課題の1つだった『量子もつれの大規模化』に関しては、解決された」とする。 東京大学大学院工学系研究科の古澤明教授らは2013年11月18日、光での量子もつれ生成を時間的に多重化する新手法を用いて、従来に比べ1000倍以上となる1万6000個以上の量子がもつれ合った超大規模量子もつれの生成に成功したと発表した。量子コンピュータの実現に向け超大規模量子もつれが不可欠とされ、古澤氏は「今回の成果により、量子コンピュータ研究は新たな時代に突入した」という。 これまで最高14量子間だったところ、一気に1万6000量子間の量子もつれの生成を実現 実
東芝は2017年1月27日、同年3月31日をメドに、メモリ事業を分社化すると発表した。分社化に合わせて、「外部資本の導入を視野に入れている」(東芝)としている。 分社化するのは、現在、社内カンパニーであるストレージ&デバイスソリューション社の手掛ける事業のうち、SSDを含むフラッシュメモリ事業で、2016年3月期の売上高実績で8456億円に相当する部分。同社内カンパニーが手掛けるHDDやディスクリート半導体、イメージセンサー事業などは含まない。分社化の狙いとして東芝は「メモリ事業における機動的かつ迅速な経営判断体制の整備および、資金調達手段の拡充を通じて、メモリ事業の更なる成長、引いてはグループの企業価値の最大化を図る」としている。 東芝は、原子力事業における数千億円規模の損失を計上する見通しとなっており、「損失の可能性を考慮すると2017年3月末までに、グループの財務体質強化が必要であり
NVIDIAによる買収、失敗すればArmは業績低迷か:両社が英国・競争市場庁に反論(1/2 ページ) 英国政府当局が現在進めている、NVIDIAのArm買収に関する調査の一環として発表した文書によると、もしNVIDIAによる買収提案が失敗に終わった場合、Armはスタンドアロン企業として成長していく上で、重大な障壁に直面することになるという。 英国政府当局が現在進めている、NVIDIAのArm買収に関する調査の一環として発表した文書によると、もしNVIDIAによる買収提案が失敗に終わった場合、Armはスタンドアロン企業として成長していく上で、重大な障壁に直面することになるという。 29ページに及ぶこの文書は、英国政府が2021年11月に英国の競争市場庁(CMA:Competition and Markets Authority)にさらなる調査の実施を指示したことに対し、Arm/NVIDIAが
2016年4月に最大で1万2000人を削減する計画を発表したIntel。それに伴い、モバイル機器向けSoC(System on Chip)の「Atom」シリーズを終了する。 Intelは、2016年4月19日(米国時間)に発表した大規模な人員削減計画を進めていく中で、これまで苦戦が続いていた「Atom」シリーズを終了することにより、スマートフォン/タブレットなどモバイル機器向けのSoC市場から撤退していく考えであることを明らかにした。廃止予定のAtomチップとして、「SoFIA」「Broxton」「Cherry Trail」(いずれも開発コード名)などを挙げている。 同社のCEO(最高経営責任者)であるBrian Krzanich氏は、最近投稿したブログの中で、「当社は今後、クラウドやIoT(モノのインターネット)、メモリ/プログラマブルソリューション、5G(第5世代移動通信)、ムーアの法
EE Times Japan主催オンラインカンファレンス「エッジAI イニシアチブ 2024」(会期:2024年6月19~21日)の開催が決定しました。AI(人工知能)、特にエッジAIに焦点を当て、技術トレンドや実装に関わる課題解決策を探るカンファレンスになっています。参加無料。事前登録が必要です。
「一億総活躍社会の実現に向けた最大のチャレンジ」として政府が進めようとしている「働き方改革」。しかし、第一線で働く現役世代にとっては、違和感や矛盾、意見が山ほどあるテーマではないでしょうか。今回は、なかなか本音では語りにくいこのテーマを、いつものごとく、計算とシミュレーションを使い倒して検証します。⇒連載バックナンバーはこちらから 後輩からレビューを受けた時のことです。 後輩:「江端さんは女性の労働問題(「女性活用」)を、男性を中心とした作られた企業や組織にあると見なしているようですね」 と、後輩は前回のコラムの原稿を見ながら言いました。 江端:「そうだけど?」 後輩:「もちろん、それは間違っていませんが、その観点だけ見ていると、いつまで立っても解決方法は見えてきませんよ」 江端:「と、言うと?」 後輩:「例えば、戦後の日本は、夫を戦争で失った妻や子どもを守ってきたという歴史があるのですよ
「Raspberry Pi」(以下、ラズパイ)の産業利用に対する注目度が高まっている。ラズパイを産業利用するのであれば、ぜひ知っておきたいメリットとデメリットを、メカトラックスの代表取締役である永里壮一氏に聞いた。 「Raspberry Pi」(以下、ラズパイ)の産業利用に対する注目度が高まっている。今や教育用途やホビー用途よりも産業用途が上回るラズパイではあるが、開発された段階では産業利用は想定されておらず、Raspberry Pi財団の方針から、今後もラズパイの中核となる用途は教育であることは変わらないと思われる。 つまり、ラズパイを産業利用するのであれば、「本来は教育用途だ」ということをしっかり認識し、産業利用する際の注意点を知っておくことが大切になる。 ラズパイ周辺機器の製造/販売などを手掛けるメカトラックスの代表取締役である永里壮一氏は、そうした“注意点”を最もよく知る人物の一人
オムロンが、新規事業創出を目指すべく2018年4月に創設した「イノベーション推進本部」。そのイノベーション推進本部が2019年1月、新たな取り組みとして、「Raspberry Pi(ラズベリーパイ、以下ラズパイ)」や「Arduino」などのオープンプラットフォームに対応したセンサーを発表した。 オムロンが、新規事業創出を目指すべく2018年4月に創設した「イノベーション推進本部」。そのイノベーション推進本部が2019年1月、新たな取り組みとして、「Raspberry Pi(ラズベリーパイ、以下ラズパイ)」や「Arduino」などのオープンプラットフォームに対応したセンサーを発表した。 非接触温度センサー、感震センサー、絶対圧センサーの3種類があり、センサーを搭載した評価モジュールという形で提供する。評価モジュールは、数量と期間を限定(2019年1月11日から約半年)し、スイッチサイエンスと
トヨタの急加速事故は欠陥だらけのファームウェアが原因?――原告側調査の詳細:ビジネスニュース 企業動向(1/3 ページ) 2007年に米国オクラホマ州で、トヨタ自動車の乗用車「カムリ」が急加速したことによる死亡事故が発生した。事故をめぐる訴訟において、原告側証人として事故原因の調査を行った組み込みソフトウェアの専門家は、裁判で「カムリのエンジン制御モジュール(ECM)のファームウェアに重大な欠陥が見つかった」と報告した。 2013年10月24日、トヨタ自動車の乗用車の急加速による死亡事故をめぐる米国オクラホマ州での訴訟において、陪審団は同社に対し賠償を命じる評決を下した。なお、本訴訟は、10月25日に和解が成立している。 この事故は、2007年にオクラホマ州で、2005年モデルの「カムリ」が急加速し、運転者と同乗者の2名が死傷したというもの。運転者ら原告側は、運転者の意図しない急加速(UA
東京大学物性研究所の黒田健太助教らによる研究グループは、反強磁性体マンガン化合物の内部で、「磁気ワイル粒子」を世界で初めて発見した。 外部磁場による制御で磁気ワイル粒子を自在に操作 東京大学物性研究所の黒田健太助教や冨田崇弘研究員、近藤猛准教授、中辻知教授を中心とする研究グループは2017年9月、理化学研究所創発物性科学研究センターの有田亮太郎チームリーダーらの協力を得て、反強磁性体マンガン化合物(Mn3Sn)内部で、「磁気ワイル粒子」を世界で初めて発見したと発表した。これにより、Mn3Snがワイル粒子と磁性を併せ持つ「ワイル磁性体」であることが初めて実証された。 ワイル粒子は質量がゼロの粒子である。2015年に固体の非磁性体物質であるヒ素化タンタル(TaAs)の中で、その存在が発見されたという。今回発見したワイル粒子は、これまでとは発現機構が全く異なるもので、物質の磁性によって創出される
RISC-Vを取り巻く環境が大きく変化した1週間:「x86、Armに並ぶ存在」とIntelも認める(1/2 ページ) 2022年2月7日の週はRISC-Vエコシステムにとって、非常に重要な1週間だったといえる。一連の発表により、オープンソースの命令セットアーキテクチャ(ISA)の注目度が高まったのだ。以下に詳しく取り上げていきたい。 2022年2月7日の週はRISC-Vエコシステムにとって、非常に重要な1週間だったといえる。一連の発表により、オープンソースの命令セットアーキテクチャ(ISA)の注目度が高まったのだ。以下に詳しく取り上げていきたい。 IntelのRISC-V International加盟 Intelは2022年2月7日(米国時間)、RISC-V Internationalにプレミア(Premier)会員として加盟することを発表した。同社のファウンドリー事業部門「IFS(In
電池レスのセンサー端末から無線LAN機器にデータ送信、発想の転換でルネサスが実現:無線通信技術(1/2 ページ) センサーノードのピーク消費電力を数μWに抑えつつ、無線LANやBluetoothなどに対応したホスト機器にデータを無線送信できる。環境発電で生成した電力だけでセンサーノードを稼働させられる上、ホスト機器にハードを追加する必要がない。 数m程度の近距離を無線でデータを飛ばす近距離無線通信の応用が広がっている。スマートフォンやタブレット端末、ノートPCといった携帯型機器には無線LANやBluetoothといった近距離無線通信インタフェースが標準的に搭載されており、自宅や外出先で高速データ通信を利用するスタイルが一般的な消費者にも浸透しつつある。 さらに近距離無線通信は、超小型センサー端末(センサーノード)と結び付くことで新たなアプリケーションを生む。人や物に取り付けたセンサーノード
沈黙する人工知能 ~なぜAIは米大統領選の予測に使われなかったのか:Over the AI ――AIの向こう側に(5)(1/9 ページ) 世界中が固唾をのんで、その行方を見守った、2016年11月8日の米国大統領選挙。私は、大統領選の予測こそ、人工知能(AI)を使い倒し、その性能をアピールする絶好の機会だとみていたのですが、果たしてAIを手掛けるメーカーや研究所は沈黙を決め込んだままでした。なぜか――。クリントンvsトランプの大統領選の投票を1兆回、シミュレーションしてみた結果、その答えが見えてきました。 今、ちまたをにぎわせているAI(人工知能)。しかしAIは、特に新しい話題ではなく、何十年も前から隆盛と衰退を繰り返してきたテーマなのです。にもかかわらず、その実態は曖昧なまま……。本連載では、AIの栄枯盛衰を見てきた著者が、AIについてたっぷりと検証していきます。果たして”AIの彼方(か
初代ファミコンとクラシックミニのチップ解剖で見えた“半導体の1/3世紀”:この10年で起こったこと、次の10年で起こること(11)(1/3 ページ) 家庭用テレビゲーム機「任天堂ファミリーコンピュータ」の発売からおおよそ“1/3世紀”を経た2016年11月にその復刻版といえる「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」が発売された。今回は、この2つの“ファミコン”をチップまで分解して、1/3世紀という時を経て、半導体はどう変わったのかを見ていく。
「超」高速無線LANがやってくる、IEEE802.11ac/adが変えるモバイルの世界(動向編):無線通信技術 Wi-Fi(1/4 ページ) 201X年の近未来、モバイル機器はもっと自由になる。写真や映像といったさまざまな大容量コンテンツを、「意識」しないほどスムーズにやりとりできる時代へ。モバイル機器の無線通信技術が今大きく変わろうとしている。スマートフォンやタブレットPCといったモバイル機器の使い勝手を大きく高める、新たな無線通信技術の最新動向をまとめた。 重い、遅い、つながりにくい―。スマートフォンやタブレットPCといったモバイル機器が身近になり、さまざまなインターネットサービスやアプリケーションを使えば使うほど、「データを移動している」ということを意識する機会が増えてしまう。高画質な写真をSNSに投稿したい、ハイビジョンの映画を大画面のデジタルテレビで視聴したい、スマートフォンのコ
半導体不況を蹴散らしたビッグニュース 2021年のコロナ特需は終わりを迎え、半導体業界は不況に突入し始めた……と思っていたら、そんな不況を吹っ飛ばすビッグニュースが2022年11月10日(木)以降に日本列島を駆け巡った。 同日夜7時のNHKニュースが、トヨタ自動車、デンソー、ソニーグループ、NTT、NEC、ソフトバンク、キオクシア、三菱UFJ銀行の8社が出資する半導体の新会社「Rapidus(ラピダス)」が設立され、5年後の2027年に2nmプロセスノードの先端ロジック半導体を量産すると報じたのだ(図1)。 筆者はこのニュースにのけぞり、これはもはや暴挙を通り越して笑うしかないと思った。それはどう考えても“Mission Impossible”だからだ。 まず、誰が2nmのロジック半導体を設計し、誰がプロセス開発を行い、誰が量産するのか? 出資会社の中には半導体メーカーが2社含まれている。
NVIDIAが解説するディープラーニングの基礎(前編):歴史から仕組み、学習まで(1/4 ページ) エヌビディアは2018年4月24日、ディープラーニングに関するセミナー「NVIDIA Deep Learning Seminar 2018」を東京都内で開催した。本稿では、セッション「これから始める人のためのディープラーニング基礎講座」から、ディープラーニングの歴史や概要、学習の流れについて紹介する。
「海外で仕事をしたい」なんて一言も言っていない!:「英語に愛されないエンジニア」のための新行動論(1)(1/3 ページ) われわれエンジニアは、エンジニアである以上、どのような形であれ、いずれ国外に追い出される……。いかに立ち向かうべきか!?→「『英語に愛されないエンジニア』」のための新行動論」 連載一覧 中学から高校、大学、そして社会人になっても、今なお、私たちは、「必死に勉強すれば、なんだってできるのだ。英語だって例外じゃない」と言われ続けています。確かに、日々の激務の中から時間を捻出して、英語を身につけた方はいらっしゃいます。現実に、私はそのような人に出会ったことがあります。そして、数多くの成功体験談が、インターネットに溢れ、書店に書籍として詰み上げられています。 しかし、そのような成功体験をしている人は驚くほど少ないように思います。私が出会った人の中でも数えるほどしかいません。その
ビットコインの正体 ~電力と計算資源を消費するだけの“旗取りゲーム”:踊るバズワード ~Behind the Buzzword(7)ブロックチェーン(1)(1/8 ページ) 今回から新しいシリーズとして「ブロックチェーン」を取り上げます。さて、このブロックチェーンを理解するために、まずは「ビットコイン」のお話から始めましょう。なぜビットコインか、というのは本文を読んでいただくとして、あらためてビットコインを調べ始めた私がまず発見したものは――「人間を支配するアルゴリズム」でした。 「業界のトレンド」といわれる技術の名称は、“バズワード”になることが少なくありません。“M2M”“ユビキタス”“Web2.0”、そして“AI”。理解不能な技術が登場すると、それに“もっともらしい名前”を付けて分かったフリをするのです。このように作られた名前に世界は踊り、私たち技術者を翻弄した揚げ句、最後は無責任に
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)や東京大学ら7つのメーカーおよび研究機関が、炭素繊維の新しい製造技術を開発した。従来の方法に比べて、単位時間当たりの生産量が10倍に向上するという。 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2016年1月14日、炭素繊維の新しい製造技術を開発したと発表した。NEDOの材料開発プロジェクト「革新的新構造材料等研究開発*)」の一環として、NEDOと東京大学、産業技術総合研究所(産総研)、東レ、帝人、帝人の子会社である東邦テナックス、三菱レイヨンが共同で開発したもの。従来の方法に比べて生産性を10倍向上するだけでなく、製造する際に必要なエネルギーと、発生するCO2排出量が半減するという。 *)自動車の重量を半減することを目標に、素材開発および接合技術開発を進めるプロジェクトである。ただし、今回開発した製造技術で生産した炭素繊維は、自動車だけで
手のひらサイズの安価な小型コンピュータ「Raspberry Pi(ラズベリーパイ、ラズパイ)」は、2018年に“10周年”を迎えた。現在、ラズパイの用途は、当初の目的だった教育用途よりも、産業用途が上回っている。 手のひらサイズの安価な小型コンピュータ「Raspberry Pi(ラズベリーパイ、ラズパイ)」は、2018年に“10周年”を迎えた。 2008年、Raspberry Piを開発する英国のチャリティ組織Raspberry Pi財団が法人化した。2011年までは社外秘で開発されていたRaspberry Piは、2012年2月に最初のモデル「Raspberry Pi 1 Model B」として発売される。販売されるやいなや、初日で10万台が売れるほどの話題となった。 以降、バージョンアップを重ねながら順調に出荷台数を伸ばし、2016年9月には累計出荷台数1000万台を、2017年12月
1990年代前半から東芝でフラッシュメモリの開発を担当し、主力事業に成長させる技術を確立した竹内氏。その後米国でMBAを取得した、日本では異色といえるエンジニアだ。帰国後も同事業に携わり、世界のライバルと渡り合うも、事業の絶頂期に退社し、大学に転じた。同氏の目に今、日本の電機/半導体はどう映るのか。 →“異色のエンジニア” 竹内 健氏 ロングインタビュー(2)「エンジニアは好きなことだけやってる? そんなのウソです」へ続く 1990年代前半から東芝で当時「お荷物」事業だったフラッシュメモリの開発に携わり、多値セル技術を確立するなど、事業の成功に大きく貢献した竹内氏。同社在籍中に、技術だけの世界にいることを窮屈に感じ、「技術プラス経営の二刀流でいこう」と考え、米国に留学してMBAを取得した。日本のエンジニアとしては異色の人物である。帰国後も同事業で主導的な役割を果たし、技術とビジネスの両面で
新型コロナウイルス感染症(COVID-19/以下、コロナ)の感染が世界に拡大する直前の2020年2月11日にお亡くなりになった野村克也氏は、プロ野球の監督時代に、「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」という名言を残している(『負けに不思議の負けなし』(朝日文庫)という著書もある)。 これは、「勝負は時の運と言うが、偶然勝つことはあっても、偶然負けることは無い」という意味だ。つまり、負けた場合、そこには必ずそれなりの理由があるということである。 2021年に入ってから現在に至るまで、車載半導体の供給不足のためにクルマがつくれないというニュースが連日報道されている。2月初旬に米テキサス州を襲った寒波でドイツのInfineon TechnologiesとオランダのNXP Semiconductorsの半導体工場が停止し、3月19日にルネサス那珂工場で火災が発生した。さらに4月14日、
2017年3月3日に任天堂からゲーム機「Nintendo Switch」が発売された。任天堂は歴代、新たな半導体チップを擁して常にゲーム機の新しさを追求してきた会社の1社である。初代「ファミリーコンピュータ」(以下、ファミコン)、「スーパーファミコン」、「NINTENDO64」などで独自チップを作り、その上で走るユニークなソフトウェアで一時代を築いてきた。図1は、今回発売されたNintendo Switchの前世代ゲーム機である「Wii U」と「3DS」(2014年版)に搭載されているメインプロセッサの様子である。 任天堂のゲーム機用チップは初代ファミコンからCPUとグラフィック系チップを用いている。Wii UではIBMのPowerPC系のCPUを3基持ち、GPUはAMDのRadeon HDのモディファイ版が使われている。2チップ構成だ。ともにWii U専用の新規開発のカスタムチップであっ
―実践編(パラダイムシフト)――技術英語はプログラミング言語である:「英語に愛されないエンジニア」のための新行動論(6)(1/4 ページ) 本来、「言語」とは「人間相互理解」の道具であり、「民族」という単位のポピュラーな指標であり、「文化」という荷物を過去から未来へ運ぶリヤカーのような役割もあります。しかし、「技術英語」には、そのいずれの機能もありません。「技術英語」が、言語でなく、「英語」の下位概念ですらないとすれば、それは一体何でしょうか。「技術英語」とは、「図」を構成要素とする「プログラミング言語」です。 われわれエンジニアは、エンジニアである以上、どのような形であれ、いずれ国外に追い出される……。いかに立ち向かうか?→「『英語に愛されないエンジニア』」のための新行動論」 連載一覧 「英語に愛されないエンジニア」である私たちが立ち向かわなければならないものは、「英語そのもの」ではあり
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