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今月はコンシューマゲーム市場について述べたい。コンシューマゲーム業界の状況が悪化しているのは,Sony Interactive Entertainment(以下,SIE)とMicrosoftがゲームビジネスの本質を理解してないからだと筆者は考えている。 その根拠は,ゲーム機が売れる要因について因果性を考慮せずに,思い込み(バイアス)だけで経営しているように見えるためである。 今回もゲーム業界に蔓延している思い込みについて話したい。 その思い込みとは以下の3点である。 (1)ゲーム機は性能が高ければ売れる (2)ゲーム機は独占ソフトがあれば売れる (3)ゲーム機は安ければ売れる これらは当たり前に,ゲーム業界の常識として語られてきたが,(1)と(2)については,多くの人が懐疑的になっている。そのことも含めて話していこう。 まず,「性能が高ければ売れる」について,Switchが世界を席巻してい
GamesightのEmilee Helm氏が,インフルエンサーマーケティングにおける5つの戦略と,良いオファーと悪いオファーの見分け方を共有する ゲームパブリッシャやデベロッパにとって,インフルエンサーとのパートナーシップの世界を航海するのは大変なことかもしれないが,うまく構築された契約はキャンペーンを決定づける貴重な活気を生み出すことができ,それはゲームがささやかなファンファーレで登場するか,ゲーム文化の中で無視できないほどの存在感を示すかの分かれ目となる。 コンテンツクリエイターとの戦略的な展開は,ゲームをローンチする際に無視できないほどの可能性を秘めている。大半のゲームでは予測可能な将来にわたって予算が逼迫し続けているので,なおさらだ。 Emilee Helm氏(Gamesightのインフルエンサー責任者) すべてのキャンペーンは唯一無二だが,2024年以降の「活気づけ」を検討する
Sekiroについての議論は,急速に「イージーモード」の論点をすり替えた批判を拡散した ― この混乱の中で障害を持ったゲーマーの需要は失われつつある。 ここ数週間,ゲームの難度モードとアクセシビリティについての議論が繰り広げられているのを見ると,実際には苛立たしいほどまったく異なる二つの会話が並行して行われていることは明らかだ ―議論の参加者は主に互いに理解できないと叫んでいるだけである。 この論争は,フロムソフトウェアの最も妥協のない挑戦的で困難なゲームの一つである「Sekiro:Shadows Die Twice」の発表によって始まった。論争の趣旨は God of WarのディレクターCory Barlog氏らからの洞察に満ちた貢献によって提起されたが(関連英文記事),この問題の議論のために交わされるものの多くは,実際のゲームクリエイターの思慮深いアイデアというよりも,いまだ,ネットミ
ビデオゲーム業界がどのように,そしてなぜ狙われるのか,また被害にあわないためにできる具体的な対策について,専門家が解説する これまでの常識では,あなたのビジネスがサイバー犯罪者に狙われるのは,時間の問題だと考えられている。 Insomniacの従業員は,ランサムウェアグループが1.67テラバイトのデータをダークウェブ上に掲載するという,ゲーム業界史上で最も壊滅的なハッキングの1つに揺れ動いた。昨年6月,ハッカーはBlizzardを分散型サービス妨害(DDoS)攻撃で襲い,プレイヤーは最大で12時間「ディアブロ IV」にアクセスできなくなった。このほか,「S.T.A.L.K.E.R. 2」の開発会社であるGSC Game Worldに対する「絶え間ない」サイバー攻撃や,Riotに対するランサムウェア攻撃,2022年3月に発覚したUbisoftに対する攻撃など,数え切れないほどの事例がある。
今月は任天堂について述べたい。 だがその前に,前回の記事を執筆したあとに発表されたSony Interactive Entertainmentの構造改革に触れておく。すでにBungieのレイオフが実施済みだったので,さらに人員削減が行われたことに驚いた人も多いだろう。2024年に入ってAAAやライブサービスに積極的に資本を投下していた米系メーカーがレイオフを積極化している。膨れ上がった開発費を回収することが,PS5の予想外の不振で難しくなっているからだ。 東洋証券では,Z世代が購買力を持つ結果,嗜好が変わり(行動変容),ゲーム販売がアニメ指向になるので,意味のない規制はやめ,ハードもゲーム機らしくしアニメの本場ともいえる日本市場の本格対応を進めるべきだと提案をしてきた。しかしSIEからは悲しい気持ちにしかならないから批判をしないでほしいという意見表明を返されてしまった。その結果が,8%,9
パブリッシャは,ファンによるデメイクがコミュニティの関心を保ち,IPの寿命を延ばせると認識している 画像クレジット:左から「Absolver」「Bloodborne」「Furi」「Farming Simulator 2019」のデメイク版 ファンによるデメイク(レトロにリメイクすること)は,itch.ioのようなプラットフォームで人気のジャンルだ。彼らは愛されるIPのエッセンスを抽出し,古いプラットフォームの制限と融合させ,まったく新しいものを作り上げる。 IPと古いゲーム機の両方に造形が深い人でなければできないことを考えると,これらのデメイクはファンやオリジナルタイトルの公式開発者からのラブレターといえる。 だが,ラブレターの中には受け取る側が望まないものもある。2024年1月下旬,「Bloodborne」のPSXデメイクを手掛けた開発者のLilith Walther氏は,IPホルダーで
シンガポールを拠点に世界各国のAAAタイトルやHDリマスターなどさまざまなタイトルのエクスターナル・デベロップメントを請け負う企業Virtuos(ヴァーチャス)の東京スタジオが、リメイクやリマスター作品のトレンド分析と、それらの成功要因を探った独自の調査を公開している。 同社によると、2023年は「リメイクとリマスターの黄金時代」と呼ばれるほどリニューアル作品の成功が目立った年だったという。今回の調査では、ゲーマーとゲーム開発会社双方の視点から、その成功の要因が分析されている。 定義 リマスターとは主にグラフィックやクオリティ・オブ・ライフ等の小規模なアップグレードによって、ゲームを現行の基準に合わせることを特徴とする リメイクはゲームのコアストーリーや世界感をそのまま保持しながら、ゲームプレイの大幅な改変や、その他のほぼ全ての要素の広範な変更を伴う リスクを避けるデベロッパたち 過去数年
今月は最初にソニーグループの決算について話したい。 ソニーグループの第3四半期全体は好調だった。ただ,ゲーム事業は大幅な増収となった一方,営業利益は大幅な減少となった。この理由は後に述べるとして,最初に結論から話すとPS5に魅力がないのではないか,ということである。 ジム・ライアン氏は一貫して,「PS5は素晴らしいゲーム機でPS4を上回る販売になるのは当然であり,2021年〜2022年にかけては半導体不足の影響を受けたことが大きいので,PS5はPS4を上回る実売になる」と豪語していた。 しかしPS5ハードの売上(着荷)台数は前年同期比で増えたものの,PS4のピーク970万台を大きく下回る820万台に留まった。半導体不足も解消し,万全の体制で臨んだ第3四半期は「Marvel's Spider-Man 2」の同梱版を旧型,新型ともに出すなど,同社では出来うる限りの販促施策を打っていた背景も考え
AppQuantumのVladislav Samarin氏が,モバイルマーケティングの基礎について探る。ユーザー獲得部門の運営,代理店との協業,モバイルパブリッシングについても モバイルゲームシーンを制する方法は,ユーザーの注目を集め,あなたのモバイルゲームをワクワクしてダウンロードしてもらい,楽しんでもらうことに尽きる。しかし,モバイルゲームデベロッパとしてユーザー獲得キャンペーンを実施する際には,岐路に立たされるかもしれない。そこには,スタジオ内にユーザー獲得チームを設立したり,モバイルマーケティング代理店の専門知識を活用したり,モバイルゲームパブリッシャと協力したりする選択肢がある。 各アプローチには長所と短所があり,選択すべき道はあなたの具体的な目標とリソースによって決まる。そこで,3つの方法を複合的に検討し,それぞれの利点と欠点を検証していく。 ユーザー獲得チームの責任を探る ユ
Cat Channon氏は,ゲームビジネスにおける人的影響を最小限に抑え,大きな変化を受け入れてもらう方法についてアドバイスする 昨年末に開催したGamesIndustry.biz 人事サミットの講演で,ゲーム業界におけるコミュニケーションのベテランであるCat Channon氏は,レイオフや大規模なM&A,あるいはスタッフに影響を与える可能性がある現実世界の厄災などの,変化の中でのコミュニケーションについて指南し,情報をスタッフに共有する際の人的影響を考慮する方法についても語った。 Channon氏はゲーム業界で30年以上の経験を持ち,直近ではEAのグローバル・コーポレート・コミュニケーション担当のバイスプレジデントとして,23の拠点で働く1万3000人の従業員を監督するチームをサポートしていた。彼女はWarner Bros.や,Vivendiの子会社だったころのBlizzard,Tak
WigginのEllie Sergeant氏とSeth Roe氏は,ますます人気の高まっているこのスケジュールへとビジネスを移行する前に,雇用主が考慮しなければならない点について論じている 1920年代,ヘンリー・フォードは週6日労働という常識を覆し,労働者の給与を下げることなく,現在のスタンダードである「9時から5時まで」の週5日労働を確立した。フォードが労働日数の流行を作ってから約100年が経ち,リモートワークや効率的なテクノロジーが普及した今,「なぜ我々も先駆者になれないのか」と考える雇用主もいるかもしれない。 週4日労働の登場だ。パンデミック以降,週4日労働の推進運動は勢いを増している。週4日労働の導入が,労働者の定着率,人材獲得,生産性,士気を向上させるという研究結果もあり,競争の激しいゲーム業界では,これらすべてが重要なセールスポイントであることは明らかだ。 しかし,ゲーム業界
【月間総括】因果関係で捉えられていないゲーム機が売れる理由と,パルワールドに見る新規IPで大成功することの難しさ 今月はまず年末年始商戦について見ていきたい。 Switchの2023年10月から2024年1月第1週までの日本における売上推移は,概ね前年同期比30%強の減少であった。国内は前回書いた予想通りの展開だったと言えるだろう。Switchはさすがにユーザーにマンネリ感が出ていると考えているので,8年目が目前であり次への展開は避けられないところだと思う(1月26日にブルームバーグと日経新聞で,任天堂が2024年に次世代機を発売するとの報道が相次いだ)。 経営目標がほとんど開示されないソニーグループと違い,任天堂の戦略目標はシンプルで,任天堂IPに接触する人口を増やすとなっている。 接触人口を増やすには, (1)露出を増やす (2)ゲーム機の普及台数を増やす の2つがある。 (2)はSw
※この記事は,ゲーム業界での生活についての見識や,ゲーム業界に入るためのアドバイスを学生に提供する企画「Get into Games」の一環です。 ゲーム開発を仕事にすることは,世界中の多くの人々にとっての夢だ。それは大人気のエンターテイメントであり,開発者たちは芸術と科学の最先端で働いている。 EGX 2023で,XR Gamesの人材獲得マネージャーであるAndy Driver氏は,ゲーム開発分野で初めての仕事に就くためのヒントを語った。 だが最初に彼は,この分野でポジションを獲得するのは本当に難しいという過酷な現実を示し,強力なスキルセットを持つことは戦いの半分にすぎないと説明した。すぐに夢の仕事に就けるとは限らず,キャリアは一歩ずつ進んでいく旅なのだ。 また,ゲーム開発以外のことに興味を持つことも大切である。おそらく,それは最初の仕事を得るために不可欠なものだ。 就職は単純ではない
Radical Forgeの専門家によるパネルディスカッションでは,この分野への有力なルートと,就職確率を高める方法について議論された ※この記事は,ゲーム業界での生活についての見識や,ゲーム業界に入るためのアドバイスを学生に提供する企画「Get into Games」の一環です。 ゲーム業界にある無数の仕事の中で,おそらくアーティストは部外者にとって最も理解しやすいポジションの1つだろう。プログラマーも名前の通りの仕事をする。だが,テクニカルアーティストはどうだろうか。その両方の世界にまたがり,アートをまさに思い通りのゲーム内アセットやキャラクターに変えるためのツールを作る人たち? ああ,それはもう少し複雑だ。 EGX 2023の講演では,Radical Forgeのテクニカルアートチームに所属するCalvin Simpson氏(元プリンシパルテクニカルアーティスト,現Blueshift
マーケティングから資金調達,コミュニティマネジメントまで,直接の開発職以外にも多くの役割やキャリアがある ※この記事は,ゲーム業界での生活についての見識や,ゲーム業界に入るためのアドバイスを学生に提供する企画「Get into Games」の一環です。 ゲーム業界について考えるとき,自然に私たちはゲームを作っている人や会社のことを考え,高度な技術的スキルを持つ人だけが関わる業界だと思いこんでいる。しかし,イギリスだけでも70億5000万ポンド(2022年の英国コンシューマゲーム市場評価額に基づく)の産業なので,中核となるゲーム開発以外にも,業界を構成する多くの活動がある。 ゲーム業界への就職に興味はあるけれど,技術的スキルが足りないと悩んでいる人にとっても,クリエイティブかつ自分に合った仕事がたくさんある。EGX 2023で行われたパネルディスカッションには,さまざまな仕事に就いている人々
Media Moleculeの2DアーティストであるSinéad Oram氏が,この分野のゲーム開発で成功を収める方法を概説する ※この記事は,ゲーム業界での生活についての見識や,ゲーム業界に入るためのアドバイスを学生に提供する企画「Get into Games」の一環です。 ゲーム業界でアーティストとして働くのは,難しいことのように思えるかもしれない。しかし,それは適切な水準のスキルと努力があれば,絶対に手に入れられるものだ。 EGX2023のGamesIndustry.biz ACADEMYステージにて,ソニー傘下のMedia Moleculeで2Dアーティストを務めるSinéad Oram氏は,ゲーム開発のこの分野においてポジションを確保するための洞察を披露した。 ゲームアートにはどんな仕事があるのか いくら稼げるのか 大学のコースの選び方 大学が選択肢にない場合は どのゲームエンジ
Media MoleculeのSteven Taarland氏が,プロデューサーの役割や,優先順位の設定が必要な理由,信頼関係,そして「曖昧さを受け入れることへの慣れ」について説明してくれた。 ※この記事は,ゲーム業界での生活についての見識や,ゲーム業界に入るためのアドバイスを学生に提供する企画「Get into Games」の一環です。 ゲーム開発における役割の多くは,「アーティスト」「作曲家」「プログラマー」のように名前の通りでそれほど難しくはないが,より重要な役割のひとつ「プロデューサー」を定義するのは難しい。 プロデューサーの職務はスタジオによって変わるだけでなく,プロデューサーごとに異なっている。 EGX 2023の講演で,Media MoleculeのシニアプロデューサーであるSteven Taarland氏(IGDA財団のプログラムディレクターで,クィアフレンドリーなゲームジ
Media MoleculeのシニアゲームデザイナーであるEilidh MacLeod氏が,自信喪失を克服し,自分の業績を認められるようになるためのアドバイスを共有してくれた ※この記事は,ゲーム業界での生活についての見識や,ゲーム業界に入るためのアドバイスを学生に提供する企画「Get into Games」の一環です。 学生時代は優等生で,アバーテイ大学を首席で卒業したにもかかわらず,Eilidh MacLeod氏(Media Moleculeのシニアゲームデザイナー)は,決して自分の実力が十分だと感じられなかった。 多くの人と同じく,彼女も自分の成功体験と優秀さを無視してしまう一連の感情,インポスター症候群に苦しんでいた。 「インポスター症候群の最も一般的な特徴には,自信喪失,自分の貢献の過小評価,自分の成功を外的要因に帰すること,自分自身に非現実的な期待をかけること,そして期待に応え
今月は任天堂の決算について述べたい。 任天堂の第2四半期決算は大幅な増収増益であった。ただ第2四半期3か月では伸び率は大幅に鈍化した。これは第1四半期が「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」の発売で過去最高になった反動によるものだ。そのため業績的には,やや弱かったという印象だ。ただ7年目のゲーム機としてみた場合,かなり健闘しているとも言える。第1四半期でも用いたグラフを見てもらうと,分かりやすいだろう。 任天堂決算資料より(東洋証券作成) Switchの販売が上期はわずかながらプラスに転じている。 一般的には「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」の効果と思われているが,以前も指摘したようにソフトの発売から2か月が経過してもSwitchの販売は好調で,古川社長も謎と話していた動きになっている。 なお上記の数字には「Nintendo Switch(有機ELモデル) マリ
TinyBuildのCEOであるAlex Nichiporchik氏が,100時間の大作を作ることなく,プレイヤーをゲームに没頭させる方法についてアドバイスする プレイヤーは,かつてないほどゲームに多くを期待している。過去20年間で,ゲームの領域,予算,観客の期待は膨れ上がり,小規模なスタジオは,ますます野心的な作品のリターンが減少するサイクルに陥っているように見える。 ツールは劇的に改善され,小規模なチームでもこれまで以上に複雑なグラフィックスやメカニクスを駆使したゲームを制作できるようになったとはいえ,AAAメガスタジオと同等の体験を生み出すには法外なコストがかかる。投資に対して,より即効性のあるリターンを求める賢明なスタジオは,ゲームデザインに対してほかの,より費用対効果の高いアプローチを求めるかもしれない。 10時間のソロキャンペーンはスリリングだが,直線的なコンテンツは制作費がか
今月はソニーグループの決算について述べたい。 ソニーグループのゲーム事業の第2四半期決算は,増収増益であった。 増収増益なので良かったと,一部のメディアでは指摘されているが,売り上げが前年同期と比べて2000億円増えているにもかかわらず,実態としての利益はわずか70億円弱しか増えていない。また,総額表示の影響もあるとはいえ,利益水準は低いと言わざるをえない。 ゲームハードでは採算悪化が述べられており,2022年の半導体不足の際に高値で部品を調達した影響がでているとしていた。部材を高く調達する状況に陥ったのは,2022年の夏場に,品薄に対する非常に多くの強い批判にソニーグループやSIEは晒されていたからだろう。 PS5は発売から2年以上も店頭にほぼないという状況が続き,生産台数もPS4を大きく下回っており,半導体不足に適切に対応できていなかった。初期に大量供給していれば,PS5はPS4未満の
Edward Castronova教授と,MachinationsのCEOであるMihai Gheza氏が,しっかりとしたゲーム経済を設計するための3つの柱について説明する 堅牢なゲーム経済を構築するのは,並大抵のことではない。これは,多面的な課題であり,慎重な検討が求められる。ゲームエコノミーデザインの目標は,長期的にゲームの活力を維持することだ。経済的な問題は,プロジェクト全体を崩壊させる可能性がある。 この記事では,ゲーム経済を設計する際に心配しなければならない,3つの柱について掘り下げる。 通貨の安定性 価格の合理性 適正な分配 通貨の安定性にスポットライトが当てられることが多いが,それぞれの柱は必要条件であり,十分条件ではないことを理解しなければならない。3つすべてが不可欠なのだ。どれか1つでもおろそかにすると,ゲーム経済全体の安定性が損なわれる。 より深く掘り下げる前に,「なぜ
組織心理学者のGraham McAllister氏は,ゲームビジョンの整合性を維持することの重要さを指摘する 9月のGamesIndustry.biz HR Summitでは,組織心理学者のGraham McAllister氏が「Game vision alignment: Its role in team effectiveness」と題した講演を行い,スタジオが制作するゲームの明確なビジョンを維持することで,どのようにゲームを向上させられるかを探った。 McAllister氏は,ユーザー調査とプレイテストのスタジオ,Player Researchを2012年に設立したが,2019年にそこを離れた。その後,開発期間におけるチームの関係性を保つことに特化したスタジオ,TeamSyncを立ち上げた。 オーディエンスにスタジオの成功率を高める3つのことは何かと尋ねたあと,McAllister氏
現在の売り上げ状況 さて,前回リリース直後の売り上げが「1本」であったことを報告させていただきました我々のゲーム「INUMEDA」ですが,なんとこの1か月で売上本数は「15本」を突破しました(15万,とかではなく15本です。念のためお間違いなきよう)。 売上としては1か月で15倍(!?)なわけですが元々が1本なので合計は15本です。 これをどうとらえるかには色々なアングルがあるとして,我々としてはこの謎のゲームがまだまだ十分に説明されていない,ということを主題として引き続きその分析を続けていき,本作の広報活動の第一歩としていきたいと思います。 東京ゲームショーで起こったこと 説明不足なブースですが,なぜか足を止めてくれる人が多かったです 分析/説明といえば,前回までに「何の告知も行わずいきなりTGSに出展したらどうなるか」という壮大な社会実験が完了しました。 そんな今,やるべきことはその実
最初に予め申し上げておきますが,本稿タイトルにある「リリース初日の売り上げが一本だった」というのはごく最近起こった紛れもない事実・実話であり,例え話ではありません。 これは2023年8月28日に我々24Frameがゲーム配信プラットフォーム「Steam」でリリースした「INUMEDA」という作品の初日の売り上げ実績です。 今までに我々が携わらせていただいたゲームは勿論のこと,自社で開発したいくつかのゲームを並べてみても,ここまで華々しいスタートを切った作品はかつてないのではないでしょうか。 どのような形にせよ,作品のリリースというものはそれを作った人間にとって重要な意味を持ちます。そして願わくばできるだけそこから良い流れが起こり,作品がヒットの階段を上り始める。そんな未来を大なり小なり想像せずにはいられないものです。 しかし今回に限って言えば,そこには上るべき階段すらなかった,または階段だ
前回の最後にTGSについて話すと書いたが,大きなニュースが出たこともあり見送ることにした。原稿の準備はしていたのだが,予告と違う内容になることをお詫びしたい。 というわけで,まずは突然発表された新型PS5について話を進めたい。 10月11日未明に,SIEは現行のPS5を小型化した新型PS5を発表した。仕様に大きな変更はなく,ストレージのみ175GB増量した1TBモデルとなっている。 価格は少しややこしく,スタンダードモデルの欧米での価格は据え置きとなるが,日本は値上げとなった。また,縦置きスタンドは別売りとなったので,実質的には大幅値上げと言っていいだろう。 一方,デジタルエディション(以下,DE)は単体で大幅な値上げとなった。DEはそもそも逆ザヤで売っているため一定台数以上出荷できない問題があった。それは,赤字負担が大きいDEを大量に販売すると全体的な収益性が悪化するためだ。大幅な値上げ
Roll7の人材部門責任者であるNisha Minhas氏は,スタジオで働かない人が,強いスタジオ文化を築くための,OlliOlliスタジオの秘訣を語った Roll7は7年前からリモートワークのスタジオであり,「OlliOlli」と「ローラードローム」の開発者は,それをうまく機能させる方法について,ほかの人より少し経験があるかもしれない。 先月開催されたGamesIndustry.biz HR Summitのプレゼンテーションで,Roll7の人材・運営責任者であるNisha Minhas氏は,長期的にリモートワークを導入する方法について,スタジオの知見を共有した。Minhas氏は人事部門で15年のキャリアがあるが,パンデミックのときに初めてリモートワークを経験し,それが彼女の個人的な状況に合っていた。 「より多くの人々にとって,リモートワークは1日の副次的なイベントになりつつあります」とM
No Brake GamesのSitara Shefta氏が,チームをサポートし,チームからサポートされる最善の方法についてアドバイスをくれた 大いなる力には,大いなる責任が伴う。これはスパイダーマンのベンおじさんの哲学であるだけではなく,今年初めにNo Brakes Gamesのスタジオ責任者Sitara Shefta氏が,Develop Brightonで行った講演のテーマでもあった。 「ヒューマン フォール フラット」の開発リーダーである彼女は,26人のチームとリトアニアの姉妹スタジオを率いた5年間の経験をもとに,有能な管理職になるための重要な優先事項と,最善の方法について語った。 「私が思うに,最悪なことのひとつは,ひらめきを楽しむことができない,あるいはイノベーションが制限されている場所で働くことです」とShefta氏は言う。「そのような職場は,人々が活躍する機会を与えてくれない
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