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拡張現実(AR)技術が発展したとき、スマホに変わる主要なデバイスとなるのが「スマートコンタクトレンズ」だと予想されています。 そのため多くの企業や研究機関はスマートコンタクトレンズの開発に取り組んでいます。 しかし、このデバイスで大きな課題となるのが「どこから電力を供給するか」のかということです。 最近、アメリカのユタ大学(The University of Utah)電気コンピュータ工学部に所属するエルファン・プールシャバン氏ら研究チームは、瞬きで生じる涙と太陽光や人工光源から電力を生成できるスマートコンタクトレンズ用の発電システムを開発しました。 このシステムは外部電源に依存しないため、より便利で快適なスマートコンタクトレンズの開発に役立つはずです。 研究の詳細は、2024年3月13日付の科学誌『Small』に掲載されました。
なぜ歴史の教科書は間違ってしまったのか?文明育成系のシミュレーションゲーム好きの人ならば、農業技術すらない段階で技術ツリーの後半に出てくる蒸気機関だけがアンロックされている状況を想像していただければいいかと思います。 多くの場合、そのような隔絶した技術は恩恵を得るためにも前提となる技術が多く、使い物になりません。 / Credit:川勝康弘タイムトラベル要素のあるSFではしばしば「過去にタイムスリップした主人公が現代の知識を使って過去世界で産業革命を起こす」という設定を持つものみられます。 このような空想は、私たちの頭には「産業革命=蒸気機関」という認識が植え付けられているからだと言えるでしょう。 実際、多くの歴史家も産業革命の開始を蒸気機関の発明と関連付けて語っています。 しかし新たな研究では産業革命と蒸気機関をイコールで結びつけることは、産業革命という人類社会に起きた巨大な変革のイメー
人間の生き血を吸う細菌が私たちの身近にいたようです。 米ワシントン州立大学(WSU)の医学研究チームはこのほど、サルモネラ菌や大腸菌など、私たちにもなじみ深い細菌にヒトの血液をかぎつけて吸血する能力があることを発見しました。 チームは新たに見つかったこの現象を指して「細菌吸血鬼症(bacterial vampirism)」と呼んでいます。 では、私たちはどんな場合に細菌吸血鬼症にかかる恐れがあるのでしょうか? 研究の詳細は2024年4月16日付で科学雑誌『eLife』に掲載されています。
史上最大級の海のモンスターが発見されました。 英マンチェスター大学(University of Manchester)の古生物学者はこのほど、イギリス南西部の海岸で、約2億200万年前の三畳紀末に存在した「新種の巨大魚竜」の化石を発見したと報告。 見つかったのはアゴの骨の一部だけですが、アゴの長さだけでも2メートルを超えており、全長は約25メートル以上に達したと推定されています。 しかも死亡時はまだ成長段階にあったと見られ、完全に成長し切ると、地球上最大のシロナガスクジラ(約30m)に匹敵したかもしれません。 研究の詳細は2024年4月17日付で科学雑誌『PLOS ONE』に掲載されています。 Manchester paleontologist unearths what may be the largest known marine reptile https://www.manches
うつ病治療のスタンダードが大きく変わるかもしれません。 うつ病は現在、精神療法や薬物治療が一般的ですが、すぐに効果が現れなかったり、副作用が出るなどの問題があります。 しかし名古屋大学大学院 医学系研究科はこのほど、患者にヘッドバンドを装着して、そこから超低周波磁場を発生させることで、うつ症状の改善が見られたことを発表しました。 治療効果はわずか4週目から現れ、さらに人体への有害な作用も見られなかったとのことです。 研究の詳細は2024年3月26日付で科学雑誌『Asian Journal of Psychiatry』に掲載されています。
古代ヨーロッパではマフィアと同じ残忍な手法を使って、人を生き埋めにしていたようです。 仏トゥールーズ第3大学ポール・サバティエ(Toulouse III)はこのほど、約5500年前の遺跡から首と両足首を後ろ手に結ばれて生き埋めにされた2人の女性の遺骨を発見したと報告。 これはイタリアのマフィアが行う「インカプレッタメント(incaprettamento)」という殺人手法と同じで、首と両足首を紐でつなぐことで自然に首が絞まっていく残虐な手口です。 では、古代ヨーロッパ人は何のためにこの方法を使ったのでしょうか? 研究の詳細は2024年4月10日付で科学雑誌『Science Advances』に掲載されています。 Neolithic women in Europe were tied up and buried alive in ritual sacrifices, study suggest
小さな藻類のミドリムシはその名の通り、きれいな緑色の体をしています。 しかしこのほど、東京理科大学と株式会社ユーグレナの研究により、かつお出汁と赤色光で培養することで「赤色のミドリムシ」が誕生することが明らかになりました。 ミドリムシの体内に蓄積した赤色色素は「カロテノイド」という栄養価の高い成分であり、抗酸化作用や眼病予防の効果を持つことから食品としての利用が期待されています。 研究の詳細は2024年2月12日付で科学雑誌『Plants』に掲載されました。
左利きの起源は細胞レベルなのかもしれません。 ドイツのマックス・プランク研究所(MPI)で行われた希少変異の研究により、細胞レベルでの左右方向の混乱が、ヒトを左利きにしている可能性が示されました。 特に細胞の骨格としての役割を持つ微小管の遺伝子(TUBB4B)に特定の稀な変異が起こると、左利きになる確率が2.7倍になることが発見されました。 これまでの研究により、左利きは神経障害にも関連しており、統合失調症では左利きである率が2倍、自閉症では3倍になっていることが知られています。 しかし新たに発見されたTUBB4Bの変異はそれらとは違い、単に左利きになるだけの良性変異であるようです。 しかし細胞の骨格として働いている微小管に変異が起こると、なぜ利き腕が左になってしまうのでしょうか? 研究内容の詳細は2024年4月2日に『Nature Communications』にて公開されました。
一般的な魚の缶詰の賞味期限は製造日から3年であり、「保存食」として世界中で重宝されています。 保存がきくとはいえ、40年前の缶詰を食べようとは誰も思わないでしょう。 しかし、そんな古い缶詰が、研究者にとっては貴重な資料になるようです。 なんと古い鮭缶は、「寄生虫アニサキスのアーカイブ」として活用できるというのです。 アメリカのワシントン大学(University of Washington)に所属するナタリー・マスティック氏ら研究チームは、1979年から2021年にかけて製造された鮭缶を分析し、鮭缶の「鮭の切り身」に含まれる寄生虫アニサキスの数が増加していることを発見しました。 このことは、過去40年で、アニサキスを含む食物連鎖が正しく機能し、海洋哺乳類の個体数が増加している事実を示唆するという。 研究の詳細は、2024年4月4日付の科学誌『Ecology and Evolution』に掲
2023年8月、アメリカのグランドキャニオンで奇跡の生還を遂げた少年が世界中で話題になりました。 家族旅行でグランドキャニオンを訪れていた13歳のワイアット・カウフマンさんは、他の人の記念撮影の邪魔にならないようにと場所を移動した際、誤って崖から約30メートル下に落下してしまったのです。 救助には2時間もの時間を要し、ワイアットさんは9箇所の脊椎の骨折、脾臓の破裂、肺気胸、手の骨折、脱臼、脳震盪といった重傷を負いましたが、奇跡的に命に別状はありませんでした。 しかし、30メートルといえばマンションの10階に相当する高さです。普通であれば命を失ってしまいそうなものですが、ワイアットさんはどのようにして助かることができたのでしょうか。 実は世界には、ワイアットさんと同じように生存不可能と思われる高さから落下し、生還を成し遂げた人が多数います。 一体、彼らはどのようにして高所の落下から生き延びる
生物は似たような見た目でも様々な種に分類されているものですが、実は海の王者として知られるシャチは、これまで「シャチ」という名前(種名)でひとくくりにされ、世界に1種とされていました。 しかしついに、そのシャチの分類が更新され、全部で3種類にわけられました。 従来からシャチと呼ばれていた「Orcinus orca(オルキヌス・オルカ、英名:killer whale)」に加えて、新たに「Orcinus rectipinnus(オルキヌス・レクティピヌス、英名:Bigg’s killer whale)」と「Orcinus ater(オルキヌス・アータ、英名:resident killer whale)」の2種が記載されることになったのです。前者のrectipinnusは「直立したヒレ」、後者のaterは「黒い」という意味です。 こうした話を聞くと、そもそも生物における「種」とは何なのだろうと疑問
ひび割れた道路の上を自動車で走ると、車体がガタガタと揺れ、走り心地は良くありません。 自転車の場合は、ひび割れのせいで転倒してしまうことさえあるでしょう。 しかし、田舎道になればなるほど、ひび割れが補修されていないケースが多くなります。 イギリスでは、そんな問題を解決してくれるかもしれないマシンが登場しました。 イギリスのロボット開発企業「Robotiz3d」が、道路のひび割れを自動で補修してくれる自律走行マシン「ARRES Prevent」の路上テストに成功したのです。 「自律走行マシンが道路を補修する」なんて、まるで映画に出てくる近未来社会のようですが、私たちの世界はそんな社会に一歩近づいたようです。 Fully autonomous street crawlers could make potholes thing of the past https://newatlas.com/u
天才だけでなく天災も多かった三国時代三国時代は戦乱や天災によって、多くの農民が苦しんでいた / credit:いらすとや戦乱の時代になると人口が減少することは古今東西を問わずよく見られる現象ですが、三国時代のそれは他のものと比べても常軌を逸していました。 後漢の188年の中国の推定人口が6000万人なのに対し、三国時代の221年には1400万人まで激減しているのです。 そんな昔の人口がなぜ分かるのか? と思う人もいるかも知れませんが、中国では地理や官制、軍の編制など多岐に渉る記録が残されており、この記録の中には、各郡県や州の戸数などを記録したものもあるため、これにもとづいて当時の人口を推定することができるのです。 しかしこれは33年間で人口が四分の一になったということであり、非常に驚くべき数値といえます。 その原因として挙げられるのは、相次ぐ戦乱です。 群雄たちが合戦に臨むためには領民たち
深海生物たちの個性的な造形には舌を巻くしかありません。 ここ数カ月で「深海の新種生物を大量発見した」というニュースが相次いで報告されてきました。 しかし、その勢いは全くとどまることを知らないようです。 米シュミット海洋研究所(SOI)はこのほど、チリ沖で行われた新たな深海探査で、新種と見られる「未知の生物」を一挙に50種ほど発見したと報じました。 今度はどんな奇怪な生物が見つかったのでしょうか? Scientists Find Pristine Ecosystems on High-Seas Seamounts https://schmidtocean.org/scientists-find-pristine-ecosystems-on-high-seas-seamounts/ Gallery: 50 new marine species found, including this uni
男性の性器は平常時は、OFFモードでかなり小さな状態で下着の中にしまわれています。 もしこれが四六時中ONの状態になっていたら邪魔で仕方ありません。 しかし自然界には男性器にOFF機能がついておらず、常に勃起した状態にある動物がいます。 それが「ワニ」です。 この驚きの事実は2013年に米マサチューセッツ大学(University of Massachusetts)の研究で明らかになりました。 男性器が常に勃起状態だと生活に色々と支障がありそうですが、ワニはどのように対処しているのでしょうか? 研究の詳細は2013年2月13日付けで科学雑誌『The Anatomical Record』に掲載されています。 ※ 以下、ワニの生殖器の映像を掲載しています。苦手な方は閲覧にご注意ください。
「尿路結石」は腎臓内で形成され、尿の通り道を詰まらせる疾患です。 その痛みは想像を絶するほどで、経験者の中には「突然、ナイフで刺されたかと思った」と形容する人もいます。 また尿路結石はこれまでのところ、自然に体外に排出されるのを待つという治療法が一般的です。 しかし今回、名古屋市立大学大学院 医学研究科のチームは、ヒト由来のiPS細胞から作ったマクロファージ(免疫細胞のひとつ)によって結石を「溶かす」ことに世界で初めて成功したと報告しました。 これにより、革新的な尿路結石の治療法が開発されるかもしれません。 研究の詳細は2024年3月30日付で医学雑誌『Urolithiasis』に掲載されています。
「怒り」を鎮める簡単な方法が新たに見つかりました。 名古屋大学大学院 情報学研究科のチームは、自分が怒りを感じた内容や状況を紙に書いてゴミ箱に捨てることで、気持ちが怒りを感じる前の状態にまで鎮まることを発見。 さらにゴミ箱に捨てるだけでなく、その紙をシュレッダーにかけることでも怒りが消えたとのことです。 この方法は家庭や職場で怒りを効果的にコントロールする方法として役立つと期待されます。 研究の詳細は2024年4月9日付で科学雑誌『Scientific Reports』に掲載されました。
ドローンにおける大きな課題の1つは、飛行時間を伸ばすことです。 現在のドローンはバッテリー容量の問題から、ホビードローンであれば10分程度、本格的な産業ドローンであっても20~30分しか飛べないのです。 南デンマーク大学(SDU)に所属するベト・ズオン・ホアン氏ら研究チームは、そのような課題を解決するかもしれない新しいドローン・システムを開発しました。 彼らが開発したドローンは、電線につかまってぶら下がることができ、その電線からバッテリーを充電することが可能なのです。 ドローンが電線のそばから離れ過ぎない限り、ほぼ無限に空を飛び続けることができるでしょう。 研究の詳細は、2024年3月11日付で、プレゼントサーバ『arXiv』にて発表されています。 またこの論文は、2024年5月13日~17日に開催される「2024 IEEE ロボット工学とオートメーションに関する国際会議」でも発表される予
何かができなかったり失敗したとき、人は大抵しょうもない言い訳をしますが、少しでも相手の印象を良くする言い訳はあるのでしょうか? 英ロンドン大学(University of London)のジャニナ・スタインメッツ(Janina Steinmetz)氏は、約1,200名を対象とした6つの実験で、失敗の言い訳の仕方で周囲からの印象が変化するのかを検討しました。 実験の結果、時間を失敗の原因にした人は、お金を失敗の原因にした人よりも、自己コントロール能力が低いと評価されたのです。 研究チームは「人々は何か成し遂げることができなかったときに、時間がないことを言い訳にしがちであることを考えると、この結果は驚きだ。しかし他人が失敗の原因が時間にあるというと、もっと時間を有効活用できただろうと考えるようだ」と述べています。 失敗の原因を相手に対して説明するときには、コントロールできない要因に焦点を当てる
南米ペルーには、「ダンザンテ(danzante)」と呼ばれる踊る人間を描いた岩絵が無数に存在する場所があります。 これらは2000年以上前に描かれた彫刻ですが、どういう文脈で作られたのかはよくわかっていませんでした。 しかし今回、ポーランドのとワルシャワ大学(UW)とアダム・ミツキェヴィチ大学(UAM)の研究により、ダンザンテは幻覚剤をキメた古代人たちが、音楽に合わせてノリノリで踊っている姿を描いたものであることが示されました。 踊る人間のまわりに描かれたジグザグ線や点模様は、トリップ中に見られた幻覚の視覚表現である可能性が高いようです。 研究の詳細は2024年4月3日付で学術誌『Cambridge Archaeological Journal』に掲載されています。 This 2,000-Year-Old Peruvian Rock Art May Depict Psychedelic M
ダイヤモンドといえば、「非常に硬い物質」として有名です。 これはダイヤモンドを構成するそれぞれの炭素原子が結び付きの強い構造で配列されているからです。 そして理論的には、この炭素原子の配列を変更することで、さらに硬い材料が作れると考えられています。 最近、アメリカのサウスフロリダ大学(USF)に所属する物理学者イヴァン・オレイニク氏ら研究チームは、スーパーコンピュータを用いたシミュレーションにより、ダイヤモンドよりも圧力に対して30%高い抵抗力を示す「BC8」と呼ばれる構造の生成条件が判明したと報告しました。 「スーパーダイヤモンド」とも言えるこの物質は、非常に高い温度と圧力の中で生成されると考えられており、他の惑星では「既に存在しているかもしれない」とのこと。 研究の詳細は、2024年1月25日付の科学誌『Journal of Physical Chemistry Letters』に掲載
ヒトとイルカ・クジラのおばあちゃんの進化メカニズムは同じだったエリス氏たちはまず、おばあちゃんのいるハクジラは、おばあちゃんのいないハクジラに比べて、「寿命が長い」ことを明らかとしました※2。 またおばあちゃんのいるグループでは寿命が長いことに加えて、さらに「寿命のうち、繁殖のできない期間のみが長い」ことも明らかにしました。 この発見はなにを意味するのでしょうか? 実は、この発見の意味を理解することが、おばあちゃんの進化を理解するうえでとても重要です。 ※2哺乳類はふつう、体が大きいと寿命が長くなります。その影響を考慮しても、おばあちゃんのいる種は、期待される以上に寿命が長かった。 おばあちゃんのいる種は寿命が長い。特に、繁殖のできない期間のみが長い。 / credit: 海の仲間たち, 近本賢司 最初にお話しした通り、生き物のあらゆる行動や生活様式は、自分の子孫を残すことに直結しています
私たちにとっておばあちゃんは身近な存在です。 しかし、ほとんどの哺乳類にはおばあちゃんにあたる存在がいません。 それもそのはず、生き物のあらゆる行動や生活様式は、自分の子孫を残すことに直結しており、子孫を残す能力を失ったおばあちゃんはふつう進化しないはずです。 そのため、「なぜ、私たちヒトにはおばあちゃんがいるのか?」という問いは長年にわたり学者たちを悩ませてきました。 我々ヒトと同じく、イルカやクジラの一部にも繁殖能力を失ったおばあちゃんがいることが知られています。 今回、イギリスのエクセター大学(University of Exeter)のエリス氏(Samuel Ellis)を中心とするチームは、ヒトとイルカ・クジラのおばあちゃんは共通のメカニズムで進化していたことを発見しました。 本研究は2024年3月13日に科学雑誌「Nature」に掲載されました。
象を欲しがった江戸幕府アジアゾウ、現在生息している象はアジアゾウとアフリカゾウの2種類であり江戸時代に日本に送られたのはアジアゾウである / credit:wikipedia日本国内の象に関する記録は古く、例えば、1591年には広南朝(ベトナム中部にあった王朝)から贈り物として象牙が送られたことが記されています。 この時期は豊臣秀吉が太閤となった頃で、東南アジアとも交易がありました。秀吉は当初生きたオスの象を欲しがっており、広南朝もそれに応じてオスの象を贈ろうとしていたといいます。 しかし使者の船が小さくて物理的に日本まで運ぶことができないことから、やむなく象牙を贈ったのです。 このため日本にいる人々にとって象を知る人はほとんどおらず、権力者であっても見ることは叶わない存在でした。そして江戸時代に入ると、庶民の間でもベトナムの象について関心が寄せられ、絵図などに象や象遣いの様子が描かれるよ
「自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder:ASD)」は、対人関係への強い抵抗感や物事への偏ったこだわりを特徴とする発達障害の一つです。 その特性から通常の社会生活を営むことが難しく、しばしば福祉的なサポートを必要とします。 その一方で、自閉症の人々はときに、普通ではありえない驚くべき能力を発揮することがあります。 例えば、1度読んだだけで本を丸ごと暗記してしまう、難しい計算を瞬時に暗算できる、「西暦〇〇年の○月○日は何曜日?」と聞くとすぐに「○曜日」と答えられる、床に散らばったマッチの本数を瞬時に正確に答えられる、などこれらの信じがたい能力が実際に確認されているのです。 どうしてそんなことが可能なのでしょうか? 専門家たちは長年の研究により、あるものがその答えの鍵を握っていると考えています。 それが脳内に見られる「神経ノイズ(neural noise)」です。
国内最古の史書のひとつ『日本書紀』は、古代人のカルテとしても使えるようです。 京都大学の研究チームはこのほど、『日本書紀』の中に、当時の日本人が「先天異常」を患っていたと考えられる記述が複数見つかったことを発表しました。 先天異常とは、生まれつき身体的あるいは機能的に異常がある病気のこと。 その本格的な研究は1960年以降に始まったばかりで、それ以前における先天異常の実態は不明でした。 しかし『日本書紀』を詳しく調べると、生まれつき「腕に肉のこぶがある人」や「言葉を話せない人」といった先天異常の記述があったのです。 研究の詳細は2024年3月28日付で学術誌『Studies in Japanese Literature and Culture』に掲載されています。
シャカシャカと虫のように歩けるのでしょうか? ポルトガルのグルベンキアン科学研究所(IGC)で行われた研究により、マウスの遺伝子を操作することで、性器になるはずだった細胞を追加の後肢に変換し、6本脚のマウスを作り出すことに成功しました。 これは生殖器の代わりに後肢を増加させたのだという。 足と生殖器にはなんの関係もないように思えますが、なぜそのようなことができたのでしょうか? 研究内容の詳細は2024年3月20日に『Nature Communications』にて公開されました。
新たに報告された研究は「自分の性格を変えたい」と思っている人のための指針を提示しています。 米セントルイス・ワシントン大学(WashU)とスイス・チューリッヒ大学(University of Zurich)の2人の心理学者は、先行研究のレビューを通じて、自分の性格を変えるには4つの重要な要因が関与していることを発見しました。 これら4つの要因は、性格を変えるプロセスにおける道しるべのようなものです。 これを順番通りに実践することで、自分の性格を意識的に変えられるかもしれません。 研究の詳細は2024年3月15日付で学術誌『Nature Reviews Psychology』に掲載されています。 Research review suggests four key mechanisms are involved in changing one’s personality https://med
重力子の研究が加速しそうです。 米国のコロンビア大学(CU)をはじめとした国際研究により、非常に低温かつ強い磁場下でのみ出現する量子的現象(電子液体)の内部に、重力子のような特性をもった粒子を発見しました。 重力子には時空の曲がり具合、つまり重力波を伝えるために、他の素粒子には存在しない「スピン2」と呼ばれる特性があると考えられています。 驚くべきことに、新たに発見された粒子はこの「スピン2」の特性を持っていました。 研究者たちは「新たな粒子も重力子も量子化された計量値のゆらぎであり、そこでは時空がランダムに引っ張られたり引き延ばされたりされている」と述べています。 研究内容の詳細は2024年3月27日に『Nature』に掲載されました。
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