1992年、16歳の少女の両親が告発された。告発内容は、この16歳の自閉症の少女―Betsy―を両親が性的に虐待したという疑惑だった。その告発内容は、facilitated communication (FC) という援助手法を通して得られたとされる。FCは発語を困難とする人々がキーボードや文字盤および身体的補助を通してコミュニケーションを取ることを可能とすると謳われる手法であるが、FCから得られる発話内容は障害者本人が発するものではなく、介助者(ファシリテーター)から発せられていることが、科学的に示されている。 以下は Betsy の無実の両親を告発してしまったファシリテーターの手記を日本語要約したものである。 Boynton, J. (2012). Facilitated Communication—what harm it can do: Confessions of a forme