サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
中東情勢
project.nikkeibp.co.jp
4年目に突入したコロナ禍。不安定な社会情勢、経済状況による物価高などにより、閉塞感が漂っている。しかしそうしたなかでも、全国各地で30代を中心とした若い世代が、小さな場所で古本や“ひとり出版社”の刊行物を扱うスモールビジネスを次々と立ち上げている。それぞれ無理をしない人間らしいスケールで運営され、楽しそうに見える。東京都世田谷区経堂の商店街にある「ゆうらん古書店」はその一つ。2022年9月24日にオープンした新しい店だ。店主は、30代の今村亮太(いまむら・りょうた)さん。7坪ほどの小規模な店舗だが、創業4ヵ月にして、古本を売りたい客、買いたい客が、緩やかに訪れている。今村さんが夢を実現するきっかけとなったのは、時間をかけて培った商店街の、小さな店での小さなつながり。ゆうらん古書店の店づくりを通じて、若者たちが「これから」も可能な起業の姿と、文化を軸に形成されるしなやかなコミュニティの姿を見
国土交通省は、河川敷地の民間活用を促進するため、規制緩和の拡大「RIVASITE(リバサイト)」を開始する。社会実験のための占用の期間と範囲を拡大し、参入のための河川情報を発信する。 これまで、河川敷の占用許可期間は10年を上限としており、民間事業者は建築物を建てるなどの長期計画が立てられなかった。「RIVASITE」では、10年の期間満了後、10年間の更新を保証する。占用許可の範囲については、従来の施設ごとの許可からエリア一帯の占用に拡大する。ただし、河川管理施設整備や占用区域外の清掃・除草などが条件だ。
2021年初頭に顕在化した「半導体不足」の問題は2022年に大きな転機を迎えた。あらゆる用途の半導体が一様に不足している状況が解消された一方で、過剰供給品種と供給不足品種が混在する状況へと移行した。半導体不足の「一歩先」を占うのは、米中対立による両国経済の乖離、いわゆる「デカップリング」の行方だ。 パソコンやデータセンター用サーバーなどIT機器向け半導体チップは、コロナ禍による行動制限で需要が急増し供給不足に陥った。しかし2022年にその状況は完全に解消した。2022年半ばから、データの一時保存用のDRAMやフラッシュメモリーなどの供給が需要を上回り始め、2023年2月にはメモリーメーカーである韓国サムスン電子や韓国SKハイニクスの業績が急降下する事態に陥るまでになった。2022年10月~12月だけでDRAMとNAND型フラッシュメモリーの価格は約3割も下落したという。これに伴って、一時期
ComputerworldとCIO Magazineは 2023年5月23日で閉鎖しました。 長らくのご購読ありがとうございました。 日経クロステック TOPページ
「心理的安全性」に注目が集まっている。この心理的安全性について、人事部だからこそできる自社への普及・浸透のさせ方がありそうだ。16万部を超えるベストセラーになった『心理的安全性のつくりかた』の著者で、企業への組織診断やコンサルティングを手掛ける石井遼介氏に、個人も組織も成長する「ウェルビーイングな職場」に向けた人事部の在り方を聞く。 近年、日本企業における人材マネジメントの舵取りが、大きく変わりつつある。なかでも「心理的安全性」は従業員にとってより身近なテーマだ。 この心理的安全性が各所で取り上げられるきっかけをつくったのは、米グーグル。同社のピープル アナリティクス チームが取り組んだ社内調査プロジェクト「プロジェクトアリストテレス」を通じて、「チームの効果性に影響を与える因子の最も重要なものは心理的安全性である」ことを見出した[注1]。これを同社が2015年11月に発表して以降、各所で
ミドルマネジャーによる「ジョブアサインメント」が人材活用の鍵になる。社員一人ひとりの能力を引き出す3つのポイントを解説する。 今回は、人的資本経営を実践するための現場マネジメントのステップ3「人材への働きかけ」にフォーカスします。日常の中で、従業員に対してどのような働きかけをすればいいのでしょうか。「個とチームのエンパワーメント」について解説します。 3段階で価値を引き出す 人材への働きかけにおけるキーパーソンは、ミドルマネジャーです。特に重要となるのは、「ジョブアサインメント」だと考えています。組織の戦略と実践の結節点であるジョブアサインメントを工夫することで、「組織としての成果」と「人材価値の向上」の2つが期待できます。 個々の従業員の価値が最大限発揮される仕事を割り当て、その経験を通じてさらに価値を高めていく。その具体的な方法論として、リクルートワークス研究所のジョブアサインメントモ
東京都板橋区は、水害で浸水地域に取り残された区民を守るために、高台広場などの整備を官民連携で進めている。その一環で、三井不動産と日鉄興和不動産が事業者となって、日本製鉄君津製鉄所の東京地区跡地に大型物流施設を整備する。災害時には、支援物資の保管・配送拠点として活用する計画だ。 物流施設の名称は「MFLP・LOGIFRONT東京板橋」で2023年2月1日に着工。竣工は2024年9月を予定している。日鉄エンジニアリングが設計し、同社と佐藤工業のJVが施工。地上6階建て、延べ床面積は約25万6100m2で、事業者によると都内最大の物流施設になるという。テナントにはヤマト運輸が入る。 三井不動産、日鉄興和不動産、ヤマト運輸、板橋区の4者は2023年1月26日、「災害時等における防災施設整備等に関する4者基本合意書」を締結。物流施設を適切かつ効果的に運用することとしている。 物流施設の建設地は、都営
海産物を捕食したり、漁網に大量にかかって廃棄処分が必要になったりするなど、ヒトデは漁業者にとって海の厄介者である。このヒトデを活用し、様々な商品を展開する企業が「ヒトデを科学する」というキャッチコピーを掲げる北海道環境バイオセクターだ。ヒトデが鳥避けや消臭洗剤といった製品に生まれ変わる理由とともに、環境問題の解決という次なる大きな挑戦を聞いた。 現在、世界には約2000種、日本近海には約300種のヒトデが生息しているといわれる。漁網にかかるヒトデの量は、北海道だけで年間約1万5000トン。ヒトデがホタテなどを捕食することによる漁業被害も深刻化している。また、漁具にかかった大量のヒトデの廃棄処分も、自治体や漁業者にとって大きな負担となっている。 とはいえ、ヒトデは人間に害をもたらすだけではない。漁業者を悩ませるヒトデも、やり方次第では“宝の山”となる可能性を秘めている。抗菌・滅菌作用や抗酸化
開発のきっかけは、映像クリエイターが作った自身の動画に音楽を組み合わせるとき、著作権フリーの楽曲の中から映像のイメージにマッチする楽曲を探すのにとても苦労していたことでした。こうした背景があるので、映像の尺に合わせて楽曲をカスタマイズできる機能にもこだわっています。 例えば、「この30秒の尺にイメージがピッタリと合った楽曲を」というとき、映像に合わせて曲の展開を決めたり、テンポを合わせたりと自由なカスタマイズができます。具体的には、30秒程度の尺なら8秒ずつに4つから5つのパートに分け、最初の8秒は静かにLowモードで始まり、次の8秒はMediumモードに、サビの8秒はVery Hightのテンションにして、エンディングからOutroは再びLowモードで、というようにアレンジできます。 さらに専門家向けのプロモードを使うと、もっと細かく、例えば最初のパートはメロディのみで入って、次のMed
少子・高齢化や過疎化などにより全国で廃校が増えている。文部科学省によれば2021年5月時点で全国の廃校数は7398を数えたが、74%にあたる5481校が何らかのかたちで活用されている。その一例として、岡山県加賀郡吉備中央町には廃校を利用した保護猫施設がある。「一般社団法人ティアハイム小学校」だ。廃校を保護猫施設として活用した事例は日本初だという。NPO法人やボランティア団体ではないティアハイム小学校ではどのような施設運営をしているのか、お話を伺うために現地を訪ねた。 動物保護施設にはもってこいの遊休施設と環境 一般社団法人ティアハイム小学校は、岡山県中央部に広がる吉備高原に位置する人口1万600人ほどの吉備中央町にある。「ティアハイム」とはドイツ語で「保護施設」「動物の家」を意味する。ちなみにドイツの「ティアハイム・ベルリン」はヨーロッパでも最大級の動物保護施設として知られており、国を問わ
学校DXの足を引っ張ることになりそうな「人名外字問題」を解説する記事の後編。外字の廃止に成功した三重県桑名市の成功事例に学ぶ。 日本の名字(姓)に使われている漢字の種類は非常に多い。法務省が戸籍のオンライン手続きのために整理した「戸籍統一文字」は約5万5000種類ある。常用漢字が2136文字であることを考えると、信じられないほど多い。この中には、本記事 前編の図4で例示されている「辺・邊・邉」のように字形が異なる異体字が含まれている。「渡辺」の「辺」の異体字だけで数十種類あると言われる。 前編で解説した通り、OSを問わず全ての端末とクラウドサービス上で共通して使える文字は、Unicode互換のJIS X 0213に含まれる約1万種類に限られる。先の例で言うと、「辺」の異体字の中には、この中に含まれないものが多い。そうなると当然、戸籍通りに表示できない名字が出てくる。児童・生徒の名簿を作る際
SDGs(持続可能な開発目標)という言葉が使われる前からクローズアップされている水不足の問題。社会を維持するには、海水を真水に変える淡水化技術が不可欠となる。2022年5月に東京大学と理化学研究所のグループが発表した研究は、未来を明るく照らす可能性を秘めたものだ。10年間にわたり成果を追い続けた研究者に話を聞いた。 WHO(世界保健機関)/UNICEF(国際連合児童基金)の調査によれば、2017年の時点で世界の約3分の1にあたる22億人が安全な飲み水を利用できない状態にあるという。またOECD(経済協力開発機構)は、2050年に深刻な水不足に見舞われる河川流域の人口は39億人、世界人口の約40%以上になる可能性があると推計している。日本で暮らしていると他人事のようだが、これが世界の現実だ。 ※参考資料 https://data.unicef.org/resources/progress-d
抗老化物質NMN(ニコチンアミド・モノヌクレオチド)が日米、中国を中心に注目を集めている。このNMNなどによる老化制御研究で世界的に有名なワシントン大学医学部の今井眞一郎卓越教授が2022年11月15日、「NMNを中心とする健康長寿社会の未来 老化・寿命研究の最前線」と題し、東京都内で講演を行った。講演会は、健康食品などの製造販売を行う日清ファルマとプロダクティブ・エイジング研究機構、日本医療国際化機構が、一般の人向けにハイブリッド開催したもの。今井卓越教授は、日清ファルマの田中秀邦社長による紹介を受けて登壇。最新の研究報告に加え、NMNブームへの警鐘、自身の生活習慣、友人でもある老化研究者のデビッド・シンクレア教授との違いなど、幅広いテーマについて話した。 NMNの点滴投与はNADを壊す可能性も NMNは、生命の維持に欠かせないNAD(ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド)を増やし、
GIGAスクール構想を足掛かりに、各自治体で学校のデジタルトランスフォーメーション(DX)を進める機運が高まっている。ところが、その裏で人名外字に起因する厄介な問題が起こっている。学習系のアプリ・ツールと校務支援システムとの間で姓名の不一致が生じ、連携がうまくいかなくなる恐れがある。この「人名外字問題」を2回に分けて解説する。 戸籍通りの字形で名字を表示・印刷できるようにという配慮から、多くの地方自治体において外字が作られているという。ところが、名簿の姓名に外字(ユーザー定義文字)が使われていると、データを渡した先のアプリなどで正しく表示できない「文字化け」が起こる。例えば、校務支援システムで管理する名簿から児童・生徒用端末の学習アプリなどに氏名のデータを渡す際、外字が使われていると端末側で名前を正しく表示できなくなる。 こうした問題が2023年度以降も、児童・生徒の氏名を更新するたびに発
例えば、航空機向けなどで多く使われている炭素繊維と樹脂の複合材のリサイクルを可能にする、樹脂を熱分解して炭素繊維を高純度で回収する技術を今回の太陽光パネルにも応用している。 技術を応用するだけでなく、炭素繊維のリサイクルで熱分解処理に使っている設備を太陽光パネルにも活用することで研究開発や事業の効率を高めてきた。 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の補助事業なども活用して熱分解によるリサイクル技術の事業化のめどをつけ、2022年春には今回の処理施設を稼働しようと計画していた。 しかし、新型コロナウイルス感染症の影響で稼働が遅れている。処理装置の納入が遅れているためで、装置に必要な半導体不足の影響としている。 現在は納入のめどがつき、2022年内に処理装置の設置と試運転が終わり、その後、行政による検査と認可を待って2023年4月に稼働できる予定としている。 太陽光パネルのリサイク
国公立大学に加えて私立大学も幅広く利用する大学入学共通テストに「情報」が追加されたことは、大きなニュースとして取り上げられた。これにより、従来の5教科7科目が6教科8科目に変わる。「情報」の出題科目は、高等学校で共通必履修になった情報Ⅰだ。 多くの関係者は入試に「情報」が入ったことを歓迎している。高等学校では大学入試を見据え、情報Ⅰの指導に力を入れるようになるだろう。大学にとっては、情報Ⅰの内容をしっかり学習し、大学入学共通テストを受けて入学してくる学生は、これまでよりもリテラシーレベルが上がると期待できる。 国立大学の受験では実質必須 国立大学協会は、2024年度以降に実施する国立大学入試において、大学入学共通テストの「情報」を受験することを原則とする(図1)。このため、芸術系などの一部の専攻を除き、国立大学を受験するほとんどの受験生が「情報」の試験を受けることになりそうだ。河合塾の予想
全国で社会実装に向けた実証実験が相次いでいる自動運転バス。茨城県境町は人口約2万4000人の小さな町ながら、2020年11月に自動運転バスを実用化、定常運転を開始した。自動運転バスは、高齢化が進む地方の交通弱者を救済するために有効な手段として期待が高まっている。導入から1年を経て、何が見えてきたのか。実際に乗ってみた印象も含めてリポートする。 「町民みんなで大きなペットを飼っているようなもの」――。境町の橋本正裕町長は2020年に実用化を開始した自動運転バスについて、こう表現する。この言葉にはいくつかの意味が含まれている。その存在が町民から愛されて可愛がられていることや、まるで生き物のように手が掛かり、それを町民がみんなで支える気持ちが必要という意味もある。東京・上野動物園のパンダのように、地域の活性化や市民プライドの形成に一役買っているという面もある。 境町に導入されている自動運転バス「
一日平均乗降客数が100人台であるローカル線の駅前にある「パクチー銀行」が注目を集めている。東京湾に面する千葉県の内房エリアにある、本物の銀行跡地で行う「パクチー銀行」の活動の中心は、パクチーの種の“無担保融資”。同銀行の“頭取”を務める佐谷恭(さたに・きょう)さんは、2010年代に盛り上がって定着したパクチーブームの立役者だ。パクチーを軸に、無店舗の飲食営業、地域を活性化するランニングイベント、廃材を利用した内外装素材づくりの産業化など、多様な取り組みを通じて、人や地域をつなぐ。その活動を取材した。 千葉県南部、東京湾に臨む鋸南町(きょなんまち)は、ロープウェーのある鋸山(のこぎりやま)、高さ31メートルの大仏が有名な日本寺(にほんじ)などの人気スポットがある観光地である。 古くは、石橋山の戦いに敗れた源頼朝が再起をはかった地として知られる。江戸後期から明治期にかけては景色の美しい保田(
心理的安全性という用語は、「心理的に安心で快適な職場」と誤解されている向きがある。本来の意味を理解しておかなければ、社員の創造性や生産性の向上にはつながらない。 快適さを意味しない 人的資本への関心とも相まって、「心理的安全性」という用語をそこかしこで聞くようになりました。心理的安全性が重要と言う人が多い中、言葉のイメージが先行し、その意味合いを誤解して使われる傾向もあるように思います。 心理的安全性は、米ハーバードビジネススクール教授のエイミー・エドモンドソン氏が提唱した心理学用語です。エドモンドソン氏は心理的安全性によくある誤解として、「気軽さや心地良さを指すものではない」「相手に感じ良く振る舞うことではない」「相手の意見に賛成することではない」「性格の問題ではない」と著書(※1)に列挙しています。そうではなく、むしろ建設的に「反対意見を言い合う関係性」を指すのです。 この点を誤解して
米国を中心に世界では、「老いなき体」を手に入れようとする老化研究ビジネスが進みつつある。その動きを見据え、国や分野を超えた研究者のネットワークを構築しながら、「若返り」を目指した先進的な研究と社会実装化を進めているのが慶應義塾大学医学部精神・神経学教室特任講師の早野元詞氏だ。世界的なベストセラー『LIFESPAN老いなき世界』の著者、米ハーバード大医学大学院のデビッド・シンクレア教授の研究室で、老化モデルマウス「ICE(アイス)マウス」を開発した経歴を持つ。現在進めている若返り研究の成果と社会実装化の構想について、早野氏に聞いた。 サルコペニアなど老化によって進む病気の治療を若返りの突破口に 早野氏がICEマウスを開発する過程で明らかにしたのは、遺伝子のDNAの特定の部分に傷がつくと、細胞がそれを「エピゲノム」という形で記憶し、スイッチが入ったように老化が加速することだ。例えば、若い頃に日
経済の“いま”が分かる、三菱UFJリサーチ&コンサルティングのエコノミストによる徹底解説コラム。今回は「円安」について。今や、円安とインフレが日本経済にとって「悪者」と見なされているが、しばらく前までは「円高」こそが悪の元凶のように言われてきた。一体、どういうことなのか。(D-Com編集部) 「円高阻止・デフレ脱却」だったはずが… ついこの間まで、円高はデフレと並んで日本経済を苦しめる元凶のように言われてきた。しかし、今や円安とインフレが悪者になってしまった。円高阻止・デフレ脱却が日本経済を活性化する切り札のように言われてきたのがウソのようだ。 円高は日本からの輸出環境を悪化させ、輸入物価の低下が国内のデフレを深刻にする。円安になれば、これと逆のことが起こるはずだったが、そうはいかなかった。確かに、資源価格が高騰している時に円安が進むと、輸入価格が一段と高騰し、国内のインフレ圧力の高まりに
介護事業を広げたくても、働いてくれる人が集まらない。「キツイ、キタナイ、給料安い」の3Kと揶揄される介護業界において、新しい目線で事業を展開するビジョナリーの丹羽悠介さんは「介護のことを悪く言う人の多くは介護のことを知らないんだと思うんです」と笑う。業界のことを知ってもらうために丹羽さんが選んだ驚きの方法とは。 訪問介護ステーションをはじめ、訪問看護や障害者支援のグループホーム、また児童のための放課後等デイサービスなど19の事業(2021年12月現在)を展開するひだまりグループ。そのひだまりグループを運営するビジョナリー(愛知県名古屋市)の丹羽悠介さんは次のように語る。 「今でこそ地元ではわりと知られる会社になってきましたけれど、2008年に始めたころは業界の右も左も分からない状態。やる気だけで突き進んで、徐々に事業が広がっていったのはいいけれど、ある時期からスタッフ集めに苦しめられるよう
米Googleが始めた再エネ電力調達の新手法「24/7カーボンフリー電力」が世界で注目を浴び始めている。24/7カーボンフリー電力とは、どのような再エネ電力なのか。日本企業はこの新たな動きにどう対応すれば良いのだろうか。 昨年より安定供給や燃料価格の高騰が喫緊の課題となった電力・エネルギー業界だが、脱炭素に向けた動きが衰えている様子は今のところ見られない。 ブルームバーグNEF (Bloomberg New Energy Finance)によると、全世界での2021年の再エネ、交通の電動化、CCS(CO2の回収・貯留)などを含む脱炭素への総投資額は 7550億ドル(1ドル=135円で102兆円)であり、前年比27%増である。2021年の投資額は2015年のおよそ倍となっており、破竹の勢いである。 日本においても、2022年5月に岸田文雄首相が今後10年間でカーボンニュートラル実現のために官
小学校から高等学校まで1人1台端末の時代に入ったが、学校では必ずしも活用が進んでいない。その要因の一つが、生徒指導と結びついた「抑制的な情報モラル教育」だ。多くの学校は、携帯電話やSNSが絡むトラブルに端を発した“べからず集”的なルールを作り、デジタル機器やインターネットを「危ないもの」として子供たちから遠ざけてきた。だが、それではGIGAスクール構想で目指しているコンピューターとネットの使い方はできない。 そこで注目されているのが「デジタルシティズンシップ教育」だ。現代社会がデジタル機器やネットを抜きにして成り立たないことを前提に、それらをうまく使い、役立てるために必要な能力を身に付け、問題が起こったときには、その解決方法を考える力を養うという考え方だ。 そんな状況の中、2022年8月4日〜5日に開催された「第7回 関西教育ICT展」において、あえてタイトルに「情報モラル」を掲げるパネル
福井県は日本で最も自家用車保有率が高い県だ。しかし、これまで自動車に頼ってきた都市デザインも、過疎化や高齢化によってさまざまな課題が見えてきた。その課題解決のために、国の重要文化財にも指定された曹洞宗の大本山「永平寺」のお膝元永平寺町では、MaaS(Mobility as a Service)の取り組みが積極的に進められている。その一環として、永平寺町が国と福井県の支援を受けた自動走行実証実験用のオープンラボ「永平寺参ろーど」で、自動運転システムによる新交通システムの実証実験が行われた。過疎地における新交通システムの実用化には、どのような課題や展望が見えたのか。 福井県の人口は約79万人で、日本で5番目に人口が少ない県である(2019年3月現在)。一方で、福井県の1世帯当たりの自家用車保有台数は1.736台であり、これは全国で1位の数字となっている(2019年3月現在)。それくらい、福井県
ロボットの可能性は無限だ。人間では不可能な速さと正確さで力仕事を続けるロボットもあれば、地球から3億kmも離れた小惑星にたどり着き、サンプルを持って帰ってくるロボットもある。一方で、人間の注文に応じて料理を作ってくれたり、人々に癒しを与えてくれたりするロボットもいる。そんな高レベルな仕事はこなせるのに、足を使って移動するという、人間や動物が当たり前のように行う基本動作については不得意なようだ。近年では生物の特徴を積極的に取り入れたロボットが、新たな進化へのブレークスルーをもたらすと期待されている。 移動に関する課題解決が進化の鍵に 私たちが目にしているロボットのほとんどは、工業用、家庭用問わずモーターを使って車輪を回転させて移動している。陸上だけでなく、空を飛ぶドローンや水中を探索するロボットも、モーターでプロペラ(スクリュー)を回転させながら移動している。 車輪やプロペラを使った移動は、
2022年5月13日、デジタル庁の高谷浩樹氏が登壇するセミナーでは、広い会場を多くの聴講者が埋めていた。高谷氏は文部科学省の初等中等教育局 情報教育・外国語教育課 課長だった当時、GIGAスクール構想の実現に奔走した。現在は理化学研究所で経営企画部長を務めるが、デジタル庁のGIGAスクールアドバイザーでもある。教育関係者の間で知名度が高い高谷氏の講演とあって、多数の聴講者が集まった。 講演のテーマは「GIGAスクールの先へ、デジタル庁が示す教育データ利活用ロードマップと実現への課題」。教育データの利活用は、ICT活用教育において最もホットな話題だ。2022年1月、デジタル庁と文部科学省など4省庁が合同でまとめた「教育データ利活用ロードマップ」が発表された。これについてNHKが「政府は学習履歴など個人の教育データについて、2025年ごろまでにデジタル化して一元化する仕組みを構築する」と報道し
科学的人事を目指してHRテックを導入。ところがなかなか成果が生まれない。その一因はデータにあり。「ゴミ」のデータをいくら入れても結果はゴミに終わる。気鋭の経営者兼研究者である伊達洋駆さんと海老原さんが激論(写真:三宅弘晃、編集協力:荻野進介、会場は千代田区神田神保町の会員制フォークソング居酒屋「ハナリー島」) 中野宗彦氏(以下、中野):本日のゲストは伊達洋駆さん。神戸大学大学院経営学研究科在籍中の2011年に創業したビジネスリサーチラボの代表取締役です。2013年には神戸大学大学院服部泰宏研究室と共同で採用学研究所を設立、所長も務めておられます。海老原さん、今回、伊達さんをお招きした趣旨のご説明をお願いします。 90%の確率で活躍人材を見抜けるというツールの真贋 海老原嗣生氏(以下、海老原):今回の対談では、学問が基礎におく科学的プロセスや理論を理解しようとせず、すぐに結論に飛びついてしま
静岡県沼津市の「地域おこし協力隊」として戸田(へだ)地区に赴任し、「深海魚」を活用した新しい事業に取り組んでいる女性がいる。「しずおかの海PR大使」の青山沙織さんだ。観光コンテンツの企画・運営や新しい特産品の開発に従事しながら、“食べられない”深海魚にも着目し、その販売事業を軌道に乗せた。魚の知識もなく、兵庫県出身の青山さんがなぜ活動拠点に戸田地区を選んだのか。そこで手に入れた地域の人とのつながりや、深海魚をブランド化する事業への思いを聞いた。 世界一大きなタカアシガニが水揚げされる「深海魚の聖地」 沼津市の最南部、伊豆半島の北西部に位置する戸田地区。面積の8割以上を山林が占め、主要産業は農林水産業だ。農林業では柑橘類の樹園地も多く、近年はみかんの原種といわれるタチバナの栽培とその加工品づくりに力を入れており、水産業では底引き網漁(トロール漁)、まき網漁、刺し網漁が盛んに行われている。戸田
次のページ
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『project.nikkeibp.co.jp』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く