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東京五輪の本来の主役って コロナ問題や五輪開催がどうしようもなく深く民心の分裂を招き、もうこれを再統合させるには人類ゾンビ化現象の勃発拡大ぐらいの超危機イベント発生しかないかなー、などと茹だった頭で考えてしまう猛暑の今日このごろ、皆様いかがお過ごしでしょうか? 私はドイツ公共放送のプロデューサーとして、東京五輪中継の撮影手配とか編集サポートとかの作業にひたすら埋もれて…となるはずが、ドイツ本局から派遣されてドイツ向け番組に出演する予定だった特派員が諸般の事情で来れなくなったため「お前出ろ」ということになり、 ・開会式の中継(日本の事情や文化の地元民視点での紹介役) ・五輪番組での日本文化紹介コーナー出演 私は東京五輪の開会式にて、ドイツZDFテレビの、ドイツ向け放送の実況コメンテーターを務めることになりました。文化的意味や文脈のドイツ向け翻訳をやるので何気にキツい。 NHK語学講座以来、メ
日本在住ドイツ人、マライ・メントラインが(信じられないことに!)始まってしまったロシアのウクライナ侵攻を考える。プーチンは「いわゆる『ネットで真実を知った系おじさん』化しているのでは?」疑惑が恐ろしい。 世界を「え?」と驚かせたプーチンの強烈主張 ロシア軍によるウクライナ侵攻は現在(2022/3/6時点)進行中で、やたらな情報が飛び交い、あまり断定的なことを述べるのが憚られる状況です。かといって他の話題に首を突っ込む気にもならないというのが正直なところで、実に困ります。 キューバ危機にも似た、あるいはそれ以上の緊張感が世界を包み、「あの」ドイツすらまさかの対露強硬姿勢を明確にし、軍事・政治だけでなく世界経済にも多大な影響を与えている今回の事態がどういう結末を迎えるのかはわかりません。が、現時点で世界を「え?」と驚かせたプーチンの強烈主張のひとつに、 ウクライナを非ナチ化する という開戦理由
学生に「ゴールデンウィーク中に観るといいアニメを教えてほしい」と頼まれ、アニメ評論家・藤津亮太は考えた。20歳のアニメファン向け「入門書」を編むべきではないか。この本を読むことで「日本でメジャー流通するアニメが、現在のような形になっている背景を知ることができる」ことを目標に、まずはタイトル選びに着手した。 過去の作品・歴史上の創作者にアクセスするには 先日、非常勤講師をやっている大学で学生から声をかけられた。ゴールデンウィーク中に観るといいアニメを教えてほしい、というのだ。観終わったら個人的に短いレポートを提出したいが見てもらえるか、という話とセットだったので、単に「おもしろいアニメを知りたい」というわけではない。むしろ「アニメというのものにもうちょっと迫りたい」という積極性の表れという感じだった。 そこで僕は、ちょっと迷ったのだけれど、今 敏監督の映画を観ることを勧めた。学生は見たことが
昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、てれびのスキマによる2021年のテレビ鑑賞記録。 『家、ついて行ってイイですか?』4時間半SP すごいものを観た……。オナニーマシーン・イノマーのドキュメント。泣いた。だけど、泣いたと書くのはあまりに軽過ぎる。 もともと、番組スタッフが下北沢で終電を逃した人を探していたところ、イノマーのパートナー・ヒロさんと遭遇したことが始まりだった。なんとその日は彼の葬儀が行われた日。死後4日の2019年12月23日のことだった。スタッフが「こんな状況でアレなんですけど、家、ついて行ってイイですか?」と取材を申し込むと「どうでしょうね……」と一瞬躊躇しながらも「故人もこの番組すごい好きで」と、彼女は引き受けた。取材ディレクターはこの時点ではオナニーマシーンの存在も知らない。ヒロさんが「本当に命を使い切って死んでいった」と、彼の最期の生き
見る人の数だけ存在する「アイドル」のイメージに翻弄され、時にエイジズム、ルッキズムの呪縛にかかりながらも、その言葉の枠に留まらない女性たちの心の内を聞く連載「アイドルとシスターフッド」。 今回のテーマは「アイドルと水着グラビア」。登場するのはでんぱ組.incと虹のコンキスタドールを兼任し、2022年4月末でアイドルを卒業する根本凪と、プロデューサーであるもふくちゃん(福嶋麻衣子)。雑誌や写真集など、水着グラビアの分野でも活躍する根本さんは、ひきこもりを経てアイドルになった当初、「グラビアの仕事で自己肯定感が上がった」と明かす。 インタビュー前編では、グラビアの仕事を始めたことによる心境の変化や、グラビアの仕事に対する誹謗中傷、それらとどう向き合っているのかなどについて語ってもらった。 ※取材は2021年秋の活動休止発表前に行いました ──写真集や雑誌など水着グラビアの分野でも活躍する根本さ
「90年代のバラエティ番組で、いつも男に怒ってたおばちゃん」。そう聞いて多くの人が思い浮かべるであろう人物が、田嶋陽子だ。あれから20年以上が経ち、“ブーム”と呼べる状況になっているのはなぜなのか。 これまで1200人以上の恋愛相談に耳を傾け、男女問題やフェミニズムに詳しい「桃山商事」の清田隆之が、自らの記憶と経験を振り返りながら解説する。 「イメージ」を作ったメディアの思惑 今、田嶋陽子の言葉がにわかに脚光を浴びている。どこでと聞かれたら「ジェンダー界隈」とか「フェミクラスタ」などと答えるのがわかりやすいのかもしれないが、個人的に「界隈」という言葉が苦手なのと、属性や好みにかかわらずさまざまな人に読まれるべきものだと思っているので、ここでは広く「メディアの世界で」くらいに言ってみたい。 私は1980年生まれの39歳で、自分の世代にとって田嶋陽子とはバラエティ番組の中でいつも男に怒ってるお
あとは単純に僕の性格として、「時間がなければやらなくていいや」となるんです。あの映画観なきゃ死ぬ!あの店で飯食わなきゃ死ぬ!とか、全然ない。歳を取ってそういうのはなくなりました。 たしかに仕事ができる時間は減りました。以前は午後10時以前に会社を出るのは稀で、頻繁にタクシーを使っていましたが、子供が小さいうちはなかなかできません。 ただ、コロナ禍で職場の働き方改革が進み、早く帰ることが推奨されたので、結果よかったと思ってます。 結論、子供ができたから時間を取られて困った、と思ったことはありません。そこまで悩んでる人がいるのは、ちょっと意外かな。 サブカル者は「共通の趣味」で結婚相手を選ぶな 幸運だったのは、妻が僕の趣味活動に何も文句を言わないことです。 理解があるというよりは無関心。僕が趣味で買ってくるアナログレコードに「なんで買うの?」とか言わない。オタクやサブカル好きに絶対言っちゃいけ
作りとしては、コアなファン向け 現在大ヒット中の『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』は異例の存在だ。そもそも新型コロナウイルス感染症の流行という情勢そのものが過去に例のない事態なのだが、異例なのはそれだけに留まらない。今回は、その異例さを確認し、仮説を立てることで、これからのアニメのあり方を考えてみたい。 改めて説明するとマンガ『鬼滅の刃』は『週刊少年ジャンプ』の連載作で、2019年4月からテレビアニメ全26話が放送された。鬼に家族を殺された少年・竈門炭治郎が、鬼殺隊という組織に入り、努力を重ねながら鬼と戦っていくというストーリーだ。テレビアニメは1巻から6巻(正確には7巻冒頭の第53話)までを描いており、今回の『無限列車編』はそのつづきにあたる、7巻から8巻の途中までを映画化したものだ。また、原作自体は2020年5月に連載を終了し、すでに22巻まで発売されている。 『無限列車編』で異例な点は
9月30日から公開が始まる『銀河英雄伝説 Die Neue These 策謀』(三章構成)のドイツ語監修を担当するマライ・メントラインがお届けする制作秘話。今回は「起動篇」と題し、発表から40年後も古びない名作の魅力をガイダンスします。 『ノイエ銀英伝』のドイツ語監修を担当 『銀河英雄伝説』皆様ご存知ですか? 私は超知ってます。何故かといえば、アニメ版『銀河英雄伝説 Die Neue These(以下、ノイエ銀英伝)』にてドイツ語監修を担当しているからです。銀英伝といえば作中のドイツ語がちょっと変ということでさんざんイジられたことでも有名ですが、ノイエ銀英伝では「アレはドイツ語ではなく、遠未来の既得権サークルが文化的なカッコつけのため、古代語たるドイツ語を不完全に再現した【銀河帝国語】なので超ノープロブレム」(銀河帝国はルドルフという一政治家が選挙で皇帝に選ばれたのち、近世ドイツ社会を模倣
『テラスハウス』(フジテレビ)に出演中だったプロレスラー・木村花さんが亡くなったことが5月23日に報じられ、SNS上で大きな衝撃を持って受け止められた。ネット上での誹謗中傷に悩んでいたという報道もあり、さまざまな議論が巻き起こっている。 ネットニュース編集者の中川淳一郎さんは、たとえネット上であっても誹謗中傷によって個人が受けるダメージは大きいとし、これからSNSとどう向き合うべきか、思いを綴った。 『テラハ』出演中の木村花さんが亡くなった 5月23日、恋愛リアリティショー番組『テラスハウス』(フジテレビ)に出演中だった女子プロレスラー・木村花さんが亡くなったことを所属団体・スターダムが発表した。これを受けて匿名掲示板5ちゃんねるには「【訃報】女子プロレスの木村花選手(22)、急死 『テラスハウス』出演でネット上で凄まじい誹謗中傷を受けていた」というスレッドが立ち上がり、書き込みスピードが
時代の寵児となった小泉悠 ロシア軍によるウクライナ侵攻開始以来、「軍事」「戦略」「ロシア」専門家として小泉悠氏は、本人の意図とおそらく無関係に時代の寵児となり、教養的な信頼性・お茶の間アイドル性・サブカル的アングラ性による聖三位一体を成し遂げてしまった。まさにファティマの聖母もビックリといえよう。 ちなみにファティマの聖母預言では「ロシアがいずれヤバいことをやらかすから何とかせんといかんよ君たち」というガチ発言があったものの、世間的には、まぁ冷戦終結でそのへん何とかなったんでしょ、とタカを括っていたのだ。あまい、あまいぞ俗世! 神的・霊的存在にとって「短期」とはたぶん50年程度の話なワケで。 今般、彼の新著というか対談集『ウクライナ戦争の200日』(文春新書)にて、中国専門家の安田峰俊氏とともに鼎談メンバーとして代表イレブン招集がかかったのを機に、このあたり、状況について思うことを述べてみ
『クイック・ジャパン』では過去に「テレビ・オブ・ザ・イヤー」「YouTube on the border」などジャンルごとにその年のコンテンツを総括する座談会を開催してきた。昨年末にも「お笑いの配信オブ・ザ・イヤー2022」と題して、TVer、映像系サブスクリプションなどWEB上で視聴できた映像コンテンツを総括・分析したが、今回はライブ、Podcast、地上波放送などタッチできる限りすべての「お笑い」コンテンツが対象だ。現役でお笑いシーンを作る芸人やテレビディレクターなど最強のお笑い通6名によって2023年上半期のお笑いコンテンツを振り返る。 奥森皐月 (おくもり・さつき)2004年生まれ、東京都出身。女優、タレント。3歳で芸能界入り。『にほんごであそぼ』(Eテレ)にレギュラー出演中。多彩な趣味の中でも特にお笑いを偏愛し、毎月150本のネタを鑑賞、毎週30時間程度のラジオ番組を愛聴している
地下格闘技場みたいな暗黒頭脳フィールド 【前回概要】微妙に『ノイエ銀英伝』(『銀河英雄伝説 Die Neue These 策謀』)の中の人といえるかもしれない、ドイツ語というか「銀河帝国語」監修担当のマライ・メントラインが、制作の舞台裏や作品の魅力を語る! そして作品解釈の深奥に分け入ろうとしたところで「待て、次号!」という勿体ぶり商業主義じみた展開が。ズルいぞマライ! そしてついに、その「次号」がやってきたのだ。 「銀河英雄伝説 Die Neue These 策謀」第一章 本予告 今回は完全に個人的見解を述べます。前回記事がプロダクションI.Gや銀英伝公式の協力をいただいた檜舞台だったのに対し、今回は、法律が存在しない地下格闘技場みたいな暗黒頭脳フィールドですので、どうぞよろしくお願い致します。 さて銀英伝には、「史実的エッセンスの再構築」という面で識者を唸らせる瞬間が多いわけですが、私
田中さんはベリーダンスの衣装に着替えて派手なメイクをしてもやっぱり40代相応のシワがある女性だし、特別美人なわけでもありません。 そしてAIのように正確に経理をこなす「しごでき」の一面を持ちながらも、自分に自信がなく、気を抜くとすぐに友達や恋人ができたことのない過去を思い出して背筋が曲がりがちです。 けれど主人公の(倉橋)朱里は、そんな田中さんに惹かれ、憧れます。 田中さんとは真逆のタイプである朱里もまた、自分に自信のない面を持つひとりの女性です。 朱里は23歳で、子供のころから「ぶっちゃけ引くほどモテた」くらいかわいく、明るい性格。婚活目的で合コンに参加すれば、すぐに男性から連絡先を聞かれます。 けれど、自分は男性からなめられがちだから「モテる」と知っていて、「今」の若さをフル活用しなければすぐ相手にされなくなるのではないかという焦りがあります。 モテるけれど交際してきた相手と心から通じ
名作ぞろいの水島新司の作品を未来につなぎたい。なのに! 水島マンガ評論家でもあるライター・オグマナオトが、悲しい現状を訴える。 水島マンガを語ることはタブーなのか? 9月23日の『水曜日のダウンタウン』(TBS)で「野球漫画史上最強の防御率No.1投手ランキング」なる企画が放送された。歴代の人気野球マンガから50作品をピックアップし、「規定投球回数は50イニング以上での防御率上位10人をランキングする」というもの。 ツッコミどころは満載である。小学生も中学・高校もプロも同じ土俵で語るのは無理があるし、高校とプロは成績を合算しているのに、星飛雄馬は左投げと右投げでは合算していなかったのも謎。そもそも、50作品に何を選んだのかも明かしてほしかったところだ。 それでも、野球マンガファンとしてこういった企画が地上波で流れることはやはり歓迎したい。初めて作品の存在を知り、「じゃあ読んでみようかな」と
タイトルのとおり、テレビ東京のゲームバラエティー『勇者ああああ』の放送枠が、木曜1時30分から土曜22時30分に昇格する。MCは引きつづき、アルコ&ピースの平子祐希、酒井健太。 時間帯が早くなると、合わせて内容も変わっていくことが多いものだが、『勇者ああああ』の場合はどうだろうか。演出・プロデューサーを務める板川侑右が、番組の今後についてMCのアルコ&ピースと共に考える。 10月から『新美の巨人たち』の次に始まる『勇者ああああ』 深夜番組がゴールデン・プライム帯(夜の看板番組が並ぶ時間帯)に昇格すると、「深夜時代のほうがおもしろかった」と言われることがある。 とにかくコントがおもしろかったあの番組は、ゴールデン帯に昇格した途端にただのスタジオバラエティーになってしまったし、過酷なロケが視聴者の目を引いたあの番組は、プライム帯になった途端に生活に役立つトピックスを紹介するただの情報番組になっ
現在進行形で炎上騒動となっている『ラブライブ!サンシャイン!!』のPRイラスト。「過度に性的」とされるイラストが公共空間に置かれることの是非は、過去に何度も大論争となった。では、批判側は何を問題視し、激しく反論する擁護派は何に対して怒っているのか? 「桃山商事」の清田隆之が、これまで1200人以上の恋愛相談に耳を傾け、ラジオやコラムで紹介してきたジェンダー論の目線から疑問点を整理する。 続きを読む 「過度に性的な表現」という批判を受けた広告たち アニメ『ラブライブ!サンシャイン!!』の主人公・高海千歌(たかみちか)を起用したJAなんすん(南駿農業協同組合)のPRイラストがツイッターで炎上騒ぎとなっている。これは静岡県沼津市の特産品である「西浦みかん」の広告で、この地を舞台にしている『ラブライブ!サンシャイン!!』とのコラボレーション企画の一環として制作されたものだ。 高海千歌の「みかん大使
就寝直前に『ゴールデンカムイ』実写化の第一報を聞いて、反射的に思ったことがあった。「あの監督だったらやだな」。翌朝目を覚ましたらみんなが同じことを言っていた。みんなが同じ「ない未来」に苛まれて、ネットが阿鼻叫喚の様相を呈していた。 ああ、やっぱみんなそう思うんだ、というのが最初に感じたこと。次に感じたのが、これってある意味ものすごく興味深いことが起こってるんじゃないか?ということ。これは、ある現代的な恐怖のかたちがすっかりポピュラーなものになったことのひとつの証左といえる現象なんじゃないか。いわゆる「推しを人質に取られる問題」だ。 さまざまな“人質”のあり方 “こういうこと”は、もうすっかり我々の日常風景だ。広くおなじみのあるあるの苦しみになった。“推し”という概念にも“人質に取る”という表現にも思うことはあるものの、日々さまざまなかたちで、さまざまな作品や作り手が“人質”化させられている
2022年8月24日、公式サイトにて「令和4年度については、作品の募集は行わないこととなりました」と掲載、9月16日〜26日の開催をもって幕を閉じた文化庁メディア芸術祭について、アニメ評論家・藤津亮太が考察する。 メディア芸術祭、終了 文化庁メディア芸術祭が第25回で終幕となった。メディア芸術祭だけでなく、文化庁芸術祭も贈賞を廃止し(芸術祭そのものは続行)、文化庁映画賞も廃止ということで、アートやエンターテインメントに関する顕彰の仕組みそのものを見直すということだろうという観測も出ている。 僕自身とメディア芸術祭の関係はたいしてあるわけではない。最後となった第25回のアニメーション部門に審査委員として参加したのが一番大きな接点だ。 この審査員以外だと、2020年(第23回)には受賞作に関するトークに進行役などで参加し、2021年(第24回)はそうしたトークに加え、受賞作展覧会(会場:日本科
「好きなものを深めたい」からラジオへ 2020年4月に高校に入学した私は、現役の“FJK”(First JK=高校1年生)である。 令和JKは、SNSと共に生きる世代。インスタグラムに軸足を置き、恋リアを嗜み、推しの俳優やアイドルについて友達と話に花を咲かせる。しかしながら、私はそんな女子高生にはなれなかった。 「生活の中心にしているもの」「なくなると生きていけないもの」「愛してやまないもの」。私の場合、これらがひとつに集約されている。ラジオだ。自己紹介では、名前より先に「ラジオが主食のラジオ好き女子高校生です」と言いたいくらいにはラジオが好きだ。 幼いころからラジオにはなじみがあった。母が仕事中のBGMとしてJ-WAVEを流していたからだ。「君の席」(バナナマンとおぎやはぎとラーメンズによるお笑いユニット)が好きな母は『バナナマンのバナナムーンGOLD』と『おぎやはぎのメガネびいき』(共
昨年、YouTubeに「ジャズとJ-Popの融合」という動画がアップされ、日本でもツイッターを中心に話題となった。この動画で熱弁しているのは、アメリカ人のジャズサックス奏者、パトリック・バートリーJr.(Patrick Bartley Jr.)。マンハッタン音楽学校で音楽を学び、ジャズの大家であるウィントン・マルサリスや、ザ・チェインスモーカーズとも共演経験を持つ27歳だ。 J-POPに並々ならぬ愛を持つ彼は、自身が主宰するプロジェクト「J-MUSIC Ensemble」で日本のゲームやアニメ音楽を多数演奏している。パトリックはなぜ日本の音楽を傾聴し、どんな魅力を感じているのか? 来日していた彼に、日本における初インタビューを行った。 日本でも話題になった動画「ジャズとJ-Popの融合」 パトリックのプロフィールには、「ブルースに根ざしたアメリカ黒人音楽とJ-POPの類似点を発見した」と書
ロシア依存のシステムがそのまんまな理由は? ウクライナ危機にしろ何にしろ、ロシアが仕掛ける西欧への各種の揺さぶり策に対して「いちおう西欧のボス」みたいな立場にいるドイツは、世間的な期待水準に比してどうにも消極的というか弱腰というか、煮え切らない態度を示すことが多いです。その理由については「天然ガスなどエネルギーの輸入元としてロシアを強く頼っているから」という根拠からさんざん説明されているのですが、 そもそも何故そこまでロシア依存のシステムになったのか? ていうか、急所を握られながら何故そのまんま状態でいるのか? という、より重要な点についてはろくな解説がないまま毎日が過ぎています。この状況はイマイチだよなということで、先日「JAM THE PLANET」(J-WAVE)というラジオ番組でいろいろ語ったのですが、語りきれるわけもないので今回この記事にまとめなおしてみようと思う所存です。 中東
そんなマヂカルラブリーが大ブレイクをしたのはもちろん、おいでやすこが、見取り図、錦鯉、ニューヨーク、オズワルドらファイナリストたちが軒並みブレイクを果たし、昨年までは「お笑い第七世代」が席巻していたテレビの風景を変えた。 『ボクらの時代』(フジテレビ)9月26日放送回、霜降り明星の粗品が「『第七』ブームを終わらせたのはマヂラブではないか」と言うと、野田は「俺らというより、去年の『M-1』ファイナリスト」と返したが、それは的を射た分析だろう。加えて、敗者復活戦で最下位になりながらも強烈なインパクトを与えたランジャタイまでもがブレイクした特異な大会だった。 『M-1グランプリ2021』決勝直前の状況整理 今回、昨年のファイナリストから残ったのは、オズワルド、錦鯉、インディアンス(2020年は敗者復活)の3組。ゆにばーすが2018年以来の返り咲き、もも、真空ジェシカ、モグライダー、ランジャタイ、
1994年刊行の雑誌『クイック・ジャパン』から生まれたウェブニュースメディア『QJWeb クイック・ジャパン ウェブ』。私たちが「本当におもしろい」と確信したことだけを活字に。個人の声、個人の視点にこだわり、カルチャー(生活)からニュース(世界)を読むことを実践。
「M-1グランプリ」第15代王者に輝いたミルクボーイは、駒場孝(こまば・たかし)、内海崇(うつみ・たかし)のふたりのコンビだ。決勝だけでなく準決勝すら初進出。メディア関係者の間では、2019年秋頃から「今年のM-1はミルクボーイが仕上がっている。『最中(もなか)』というすごいネタがある」と噂されていた。しかし一般的にはまったく無名の彼らが、一気に優勝をかっさらっていった姿は痛快だった。 ミルクボーイがどんな経歴なのかは、まだあやふやなネット情報しかない。まずはふたりのこれまでの経歴を洗いざらい聞いてみることにした。「ウィキペディア」には「高校時代はお互いに違うコンビを組んでM-1甲子園に出場」とある。彼らはお笑いのエリートコースを歩んできたのだろうか。 内海 高3の時に高校生お笑いNO.1を決めるイベント「M-1甲子園」に出ましたが、予選で負けたんです。当時はモヤモヤしてましたけど、芸人を
マライ・メントラインプロフィール中の〈「エンタメ途上国」ドイツへの視線は自然に厳しくなるとも言える〉。この一文に、ネット上で興味深い反応があった。そこでマライの脳裏に改めて浮上した命題は「ドイツはなぜ『エンタメ途上国』なのか」。今回のクイックジャーナルは「シン・エヴァンゲリオン考察」を端緒として、ドイツ「文学の法王」と呼ばれた人物の去就に及ぶ。 きっかけは「シン・エヴァンゲリオン考察」 意味はありませんが、今回は「です・ます調」文章でいきます。 先日、『女子SPA!』というWEB媒体に「ドイツ人が見た『エヴァンゲリオン』のヒロイン像。アスカがしんどい」という記事を書きました。 ぱっと見、ドイツ考証的にエヴァの重箱の隅をつつく内容のように見せかけて実はそうでもない、というプチ罠みたいな記事で、編集担当はこの『QJWeb』と同じアライユキコさんでした。アライさんどうもありがとうございます。 …
変わりない日々を送るタクシー運転手・小戸川。偏屈で無口な彼が乗せる乗客は、どこかクセのある人々ばかり。なんでもなかったはずの彼らの会話はやがて失踪したある少女へとつながっていき……。 動物として描かれたキャラクターが繰り広げる、不思議なアニメ『オッドタクシー』。その前日譚となるシナリオを『クイック・ジャパン』本誌に独占で書き下ろし。マンガ『セトウツミ』などでも知られる此元和津也による『オッドタクシー』の世界をお楽しみください。 ※『クイック・ジャパン』vol.154に掲載された記事を転載したものです。 小戸川(おどかわ) 41歳。タクシー運転手。他人にあまり心を開かない、偏屈で無口な変わり者。まじめで情に厚い一面もある。趣味は寝る前に聞く落語と仕事中に聞くラジオ。 ○タクシー車内 夏。夕方。 ハンドルに顎を乗せ、信号待ちをしている小戸川。 フロントガラスの前を通り過ぎる歩行者を眺めている。
アニメ作品を軸に社会現象を読み解く「藤津亮太のクイックジャーナル」では「宗教とアニメ」をテーマに、『輪るピングドラム』『銀河英雄伝説』『機動戦士Vガンダム』をピックアップ、現実と不可分の命題を考察する。 架空の宗教団体が登場する作品をピックアップ 宗教が登場するアニメは多い。 まず、伝統宗教から新新宗教、カルトに至るまで、宗教団体が宣伝のためにアニメを作ることは珍しくない。また“いわゆる中世風”のファンタジー作品にも架空の信仰が出てくる場合があるし、ハルマゲドンといった宗教的モチーフを扱った『幻魔大戦』のような作品もある。 変わったところでは百年戦争の時代のフランスを舞台にした『純潔のマリア』。本作には、アニメオリジナルキャラクターとして敬虔で頭脳明晰な修道院長ベルナールが登場する。彼の明晰な頭脳は、主人公である魔女マリアと対話を経た結果、皮肉にも「神を必要としない信仰のあり方」という“異
ジェンダーの呪縛になりかねないという批判 先日、ツイッターで『おしゃカワ!ビューティー大じてん』(成美堂出版)という本が話題になった。きっかけはある女性アカウントのつぶやきで、本の表紙や内容を写した4枚の画像と共に「今のJS(※女子小学生の略)ガール達こんなの読んでるなんておばさん驚いちゃったよ。。」とつぶやき、14万を超えるいいねを集めた。 この本自体は2018年8月に発売されたもので、主に小学生の女子に向けてファッションやヘアアレンジ、メイクにスキンケアなどのノウハウを提供する、タイトルどおり“美容の入門書”といった趣の内容だ。これが2年を経てこんなにも注目されたのは、その内容が小学生の女子たちにモテやルッキズムの呪いを植えつけたり、ステレオタイプなジェンダー観を再生産したりしかねないという批判を集めたからだ。 ネットで取り寄せた本書の目次には、「女子力上げ♡ヘアレシピ」「スペシャルな
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