「今月をどう乗り切ろう」。地方の国立大でポスドク(任期付き博士研究員)をする男性(30)は不安に駆られていた。2020年に博士号を取得。所属大学の教員が主導する研究班で働いてきたが報酬は月7万円ほど。別の研究プロジェクトでは数カ月間を無給で過ごした。苦しい月はクレジットカードで支出を先送りし親に援助を求めた。今年、常勤研究員になったが、任期は1年弱で収入は月約20万円。奨学金約400万円の返済
大学4年生の6割強が大学院進学を希望し、進学を希望しない学生の4割近くが家庭の経済状態や奨学金返済に対する不安を理由に挙げていることが、文部科学省の全国調査で分かった。調査結果は大学生や大学院生らの修学支援策を検討する文科省の有識者会議初会合で報告された。 それによると、大学院への進学を希望する学生は全体の62.3%。人文・社会系の学生は25.8%にとどまったものの、理工・農学系の学生は84.5%に達した。奨学金利用の有無で進学希望に差は見られなかった。 大学院への進学希望を持たない学生のうち、54.6%は「過去に進学を考えたことがある」と答えた。進学を希望しない理由では「大学院で学修・研究を深めたいという気持ちがない」「早く社会に出て仕事の経験を深めたい」とする声が多かったが、38.1%は家庭の経済状態や奨学金返済に対する不安を挙げている。 大学院に在学中、授業料納付を免除され、修了後の
大学院がどんなところか知らない場合,うっかり話しかけた内容で相手(大学院生)の気分を害することがある。大学院での生活がどんなであるかは,インターネットで少し調べれば分かるが,だからといってどういったことを聞くとムッとされるかは自明ではない。そこで,「分かっている」感じがする質問例を提示していく。この際,応用が利くように,前提となるコアな知識に分けることにする。 前提1:大学院の組織 大学には,学部(がくぶ)があり,その下に学科(がっか)が置かれる。ときに変な大学だとその構成が特殊である。例えば東京大学では,新入生はほぼ全員が「文科一類」から「理科三類」の6つの科類に分けられる。筑波大学では「学部」の代わりに「学群」,「学科」の代わりに「学類」が置かれる。金沢大学は「学域」と「学類」としている。 大学院とは,大学の学部の後に進学するところで,基本的に研究をするところである。従って,大きな教室
さて、今回は題名の件について報告申し上げる次第である。 この度、自身はNational University of SingaporeのMaster of Computing(通称MComp)学科より入学オファーを頂き、2021年の1月から、正規の修士課程の生徒として学ぶ事になった。当初は現在の仕事は継続しながらパートタイム学生として修了する事を目指していたが、諸々あって会社を辞める事にした事もあり、いっその事であるし1年間位の間学生に専念して集中的に学ぶ事にした。 PythonとSQLを独学で学び始めて足掛け5年、大学院の最初の出願から足掛け3年で3度目の出願、直近2年に渡るGraduate Certificateによる社会人聴講クラスでの大学潜り込みによる外堀埋めの準備期間、と言った長期に渡る「中年からの文系からの海外大学院を利用した理転」の試みが、(卒業しないといけないのだが)まずは
はてな匿名ダイアリーで以下のようなエントリーを見ると、自分の研究室でうつ病になった子を思い出して心配になる。 自殺すると研究室にお金が入る仕組みってないのかなぁ 気持ちの整理になるかもしれないので書いてみる 私は、卒業研究や修士研究で得た経験が今後の人生においていくばくかの役に立つと信じているので、卒業研究や修士研究を真剣にかつ楽しく行って欲しいと思っている。でも、一方で、卒業研究や修士研究は長い人生において、何回か登場するちょっとした進級試験でしかないことも理解している。だから、はっきりいって卒業研究や修士研究で自分の心や体を壊すなんていうのはあまりにももったいないと思う。 博士研究は別として、卒業研究と修士研究は成果ではなく努力を評価の対象としている。「でも、中間試問や最終試問とかでは成果について問いただすじゃないか?」という疑問もあろうかと思うけれども、それは、努力の度合いを成果を用
僕は成城大学で文学を学んだ。師匠からは後に、「君は文学が好きなんじゃなくて、文学を通じて社会を考えるのが好きなんだよな」と言われたのだけれど、いずれにしてもゼミでの研究は楽しかった。もっと研究を続けたいな。そう思っていた僕は、大学3年の後半にはすでに、大学院に行きたいと考えていた。 とはいえ、親の勤めていた会社が破産するなどして、決して暮らしが豊かではなかった僕は、大学進学の時点ですでに数百万円の奨学金(という名の借金)を抱えていた。「早く働いてお金を返さなくては」という思いと、「自分は研究職には向いていないな」という思いもあって、博士課程にまで行くという道は考えず、「あと2年だけ、修士課程だけ、大学院に行こう」と心に決めていた。 院に行きたい。修士課程だけ行くつもりだ。そういうと、友人たちの反応はまちまちだった。 「文系の院に行って、何になるの?」というものから、「今は就職が厳しいから、
はじめに ブラック企業という言葉が市民権を得てしばらく経ちますね。毎年、ブラック企業大賞なるものが発表され、だれもが聞いたことのあるような企業が名を連ねます。それに対し、ブラック研究室という言葉も有名なものの、どこの研究室がブラックだとかいった情報は大学内部の学生でないとなかなか知りえないものがあります。ましてや研究室の内情は所属している学生しか分かりません。 今回は、そんな研究室の中でも異質なケースとして、自分が修士課程の2年間過ごした研究室の話をみなさんに紹介したいと思い、筆を執りました。必ずしも拘束時間が長く、人格否定を行うような研究室だけが悪い環境ではないということ、メディアなどでよく見かけ、有名で人気な研究室が良い環境であるとは言えないということだけでも皆さんに覚えていただきたいです。後進の方々の研究室選びの参考に少しでもなれば幸いです。 研究室運営の問題点 初めに、研究室の運
医 化 学 教 室 と 私 渡 部 紀久子 医化学教室100周年を迎えられましたことをお祝い申し上げます。 私が医化学教室にお世話になり,その後も医化学教室と御縁のあるところで研究を続けて参りまして,早くも20数年の月日が過ぎようとしております。奈良女子大学の修士課程を終了後,ふらふらと現れました私を山本尚三先生が拾ってくださったことが昨日のことのように思い出されます。それまでの環境とは全く違い何も知らず,わからない私に研究の一から丁寧にお教えいただき,この時のことが現在まがりなりにも研究を続け,また若い人たちに教えていくことができることの基礎となっております。山本先生が徳島に御栄転後,清水孝雄先生にお世話になり研究をすることの楽しさと厳しさを,清水先生が留学後は吉田龍太郎先生にデイスカッションすることの大切さを教えられたように思います。それぞれ持ち味が異なる先生方でありましたが,共通して
大学院生へのメッセージ 篠本 滋 version 4.5: 2016/02/12 大学院生に向けたメッセージをここにまとめます.基本的には京都大学物理教室の篠本グループの院生を想定していますが,一般に通じるメッセージも多く含まれていると思います. 1.大学院生活で何を最適化するか 人生の目標をどこにおいて大学院をどのように過ごすかはご自分の自由です.そのスタンスは以下の3つに大別できるでしょう.まずはそのどれをとるか,決めてください.私はそれに応じたアドバイスを行います. スタンス[0]: 大学院時代に学籍だけ置いて別のことに専念する.学位は不要.卒業しなくても良い. → そのようないき方もあっていいと思います.私に前もって宣言しておいていただければ,他の学生に迷惑をかけない範囲で学籍のみ置いておかれることは構いません.友人として楽しくつきあいたいと思います. スタンス[1]: 大学院を
0. はじめに 久しぶりのブログ記事投稿で、いきなりポエムを書きます。技術的な記事じゃないです。 今回は学部や修士の学生が、アメリカの大学院へ進学、ないし一定期間滞在させてもらう方法の一つを実際に私の体験を元に書きます。 以前こういうツイートをしたら、 10月から1年間、客員研究員としてカーネギーメロン大学(CMU)のCyLabで働く事になりました。 多分ほぼ確定— るくす (@RKX1209) 2018年1月23日 どういう経緯で行くことになったのか、書類等はどうしたのか等の質問が来たので、せっかくなので記事としてまとめてしまいます。 海外進出を視野に入れている学生の皆さんの参考になれば幸いです。 私は現在大学院修士1年生で特にOSや仮想マシンモニター、ファームウェアといったシステムソフトウェアをターゲットとした攻撃やその対策技術を研究しています。 また今年の10月から1年ほどこちらの大
こちらのサイトは更新されていません。ウェブサイトはこちらに引っ越しました→https://www.lab.med.kyushu-u.ac.jp/dn/ 教授挨拶 教授 今井 猛(Takeshi Imai, Ph.D.) 九大ウェブサイトの挨拶文はこちら。 九大ウェブサイトの教授メッセージはこちら。 プロフィールはこちら。 2017年4月より基礎医学部門、疾患情報研究分野の教授に着任しました。当分野は新設された研究室で、生理学の学部教育を担当しています。 私は2001年に東京大学理学部を卒業後、同理学系研究科にて、坂野仁先生の下で研究者としてのトレーニングを受けました。当時から、我々の脳がどのように構築されるかを知りたい、というのが大きな目標でしたが、大学院時代には、当時大きな謎とされていた嗅神経細胞の軸索投射の問題に取り組みました。2006年に博士号(理学)を取得後も数年間坂野研究室で引き
皆様 こんにちはtkmです。 今回から数回に分けて米国のComputer ScienceのPh.D.とM.S.の受験について語っていきたいと思います。 はじめに 英語(TOEFL)対策 GRE対策 SoP [エッセイ] 対策 国内奨学金応募 推薦状依頼 出願先の決め方 出願とそれまでのスケジュール 出願後の過ごし方 お金編 GPA編 Ph.D.は駄目でしたがUC Irvine MSCSから合格を貰えたので後に続く人たちのためになるっぽいもの書いていきます。 【速報】ワイUC Irvine CS修士に合格 PhDは全滅だったし、修士でいくお金を確保できるか怪しいけど とりあえずコネなし論文なしアラサーでも頭おかしい米国CSの倍率をくぐり抜けたられ事を素直に喜ぼう— Takami Sato (@tkm2261) 2018年4月11日 スペック的には下界を攻めた気がするので多くの人に勇気を与えた
今年の卒論・修論が一段落した.そこで思うのあるが,研究室で学生をみていると,学部・修士・博士を問わず,研究(者)に向いているかってのは,かなり簡単に判断できるよな.研究者として就職できるかってなるとまたコネなど色々な要素が関連してくるので一概にいえないのだが,たとえば「こいつにファースト(筆頭)で論文を書かせて査読を通せそうか」あるいはそういう人間に成長しそうかってのはけっこう早い段階で分かる. 論文の元となる調査や実験そのものには失敗がつきものなので,卒論や修論の研究が頑張った割にいいものにならないってのは,運の要素もある.しかしそこはおいといて,「そこそこ意味のある調査結果が得られた場合に,通るんじゃないかと期待を持てる論文を書けるかどうか」は,レポートやプレゼン資料や論文を書き上げる際の態度みたいなもので,かなり判断できるのだ. その態度というのは,昔から言われている平凡な真実なので
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