SF作家の草分けで、「日本沈没」など都市文明を風刺した作品や未来学、文明批評、万国博覧会などで幅広く活躍した作家、小松左京(こまつ・さきょう、本名・小松実=こまつ・みのる)さんが26日に大阪府箕面市の病院で肺炎で死去していたことが28日、分かった。80歳。葬儀は親族による密葬で済ませた。 1931年1月、大阪市生まれ。京都大学文学部イタリア文学科卒。一貫して「人類と文明」をテーマに膨大な作品を書き続け、73年に「日本沈没」で日本推理作家協会賞、85年に「首都消失」で日本SF大賞を受賞した。特に「日本沈没」は、当時の公害問題や石油危機などの社会不安を反映してミリオンセラーになり、映画やドラマにもなった。70年の日本万国博覧会(大阪万博)ではテーマ館のサブテーマ委員、90年の「国際花と緑の博覧会」では総合プロデューサーを務めた。