呼吸を止めるフサアンコウ。(US DOC/NOAA/OAR/OER US DOC/NOAA/OAR/OER) 「棺桶魚」という英名をもつ魚がいる。真っ暗な深海底で繁栄できるように進化した、奇妙な姿のフサアンコウだ。 「海のヒキガエル」と呼ばれることもあるこの深海の住人たちが、海底を「歩く」ための特殊なひれを持つことはすでに知られていた。だが、このほど学術誌「Journal of Fish Biology」に掲載された新たな論文で、フサアンコウの秘密がまた1つ明らかになった。(参考記事:「【動画】「歩く魚」を撮影、種は不明」) えらが収まった鰓室(さいしつ)を海水で大きく膨らませ、酸素を多く取り込み、最大で4分間も呼吸を止められるというのだ。魚類で初めて見つかったこの行動は、餌の乏しい環境でエネルギーを節約する方法なのかもしれない。 「すごいですよ。他のどんな魚も使っていないような方法です」