第166回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が19日、東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、直木賞に大津市在住の作家今村翔吾(いまむら・しょうご)さん(37)の長編歴史小説「塞王(さいおう)の楯(たて)」(集英社)と米澤穂信(よねざわ・ほのぶ)さん(43)の「黒牢城(こくろうじょう)」(KADOKAWA)が選ばれた。 【写真】直木賞のノミネート作一覧 「塞王の楯」は、石垣づくりをなりわいとする「穴太(あのう)衆」と、全国有数の鉄砲づくり集団である「国友衆」が関ヶ原の戦い前夜、琵琶湖畔の大津城で繰り広げた激闘を描く。穴太衆「飛田屋」の将来を担う匡介(きょうすけ)は「己の石垣で二度と戦の起こらない真の泰平を生み出したい」と願い、国友衆の若き鬼才・彦九郎(げんくろう)もまた「泰平を生み出すのは、決して使われない砲よ」と、武器による平和を希求する。