かつて北の海で活躍したバイキング。女性リーダーの遺体や美しい装飾品、幅広い交易の証拠など、“野蛮な海賊”のイメージを覆す発見が相次いでいる。 文=ヘザー・プリングル 写真=ロバート・クラーク、デビッド・グッテンフェルダー 何世紀も前に死に絶えた海の戦士たちは、今も想像力をかき立て、映画や小説、漫画の世界で生き生きと活躍している。だが、本物のバイキングについて、私たちはどれだけ知っているだろうか。 最新の研究を通じて、豪快な航海者たちの野望と、彼らが与えた文化的な影響が徐々に明らかになってきた。8世紀半ば、財宝を求めてスカンディナビア半島から出航したバイキングは、300年にわたってヨーロッパ各地へ進出し、これまで考えられていたより広い範囲へと遠征。流線形の帆船と、海路や水路に関する詳しい知識を誇る彼らは、アフガニスタンからカナダまで、現在の37カ国余りに及ぶ地域を訪れたと、スウェーデンのウプ