長時間労働と著しい睡眠不足でトラック運転手が過労死したとして、遺族の妻が、川口労働基準監督署(埼玉県)に対し労災申請をした。申請は9月6日付。妻と代理人弁護士が9月10日、東京・霞が関の厚生労働省で会見し明らかにした。妻は「悔やんでも悔やみきれない。当事者になって初めて過労死遺族の苦しさがわかった」と言葉を詰まらせながら語った。 ●配送先で意識不明に 亡くなった運転手は武田正臣さん(52)。正臣さんは配送先の物流センターで意識を失い、今年4月28日、致死性不整脈で死亡した。運送業者「ライフサポート・エガワ」(東京都足立区)に1991年に正社員として入社。埼玉県内の同社戸田センターで2014年9月ごろから大型トラックの運転手となり、スーパーで扱う製菓類の運送を任されていた。 1日の勤務の流れはこうだった。午前2時半までに出勤し、荷物の積み込みを1時間から1時間半程度行った後に、タイムカードに