ロシアが首都モスクワ郊外のコンサート施設で起きた銃乱射テロ事件をウクライナに結びつけようとする動きを強めている。ロシアは国民のウクライナに対する敵意をあおりつつ、ウクライナの信用を失墜させたい思惑だとみられる。事件への関与を否定しているウクライナのゼレンスキー大統領は「責任転嫁だ」とロシアを非難した。 タス通信によると、露連邦保安局(FSB)は23日、事件後に現場から逃走して西部ブリャンスク州で拘束された実行犯4人について「ウクライナ国境を越えようとしていた。ウクライナ側と接触していた」と主張。プーチン露大統領も23日、事件を受けた国民向け演説で「実行犯4人とウクライナ側の間に、国境を越えるための窓口が用意されていた」と述べた。 露国営メディア「RT」トップのシモニャン氏も23日、事件の首謀者は犯行声明を出したイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)ではなく、ウクライナなのは明白だ