ロシアのウクライナ侵攻が長期化する中、国際社会の分断が続く。今年、日本は主要7カ国(G7)の議長国と、国連安全保障理事会の非常任理事国を務める。外交力が問われる正念場だ。 岸田文雄首相がインドを訪問し、演説で、日本が外交の柱に掲げる「自由で開かれたインド太平洋」(FOIP)の新しい推進計画を発表した。 もともとは安倍政権が提唱し、「法の支配」のもと、太平洋とインド洋を結ぶ地域がともに成長することを目指した構想だ。ウクライナ侵攻という歴史の転換期を迎え、国際社会の分断を協調に向かわせるには何が必要かという視点で、検討が加えられた。 根底にあるのは、グローバルサウスと呼ばれる南半球を中心とする新興・途上国との連携強化が不可欠との認識だ。これらの国々が特定の国に依存することなく、多層的な協力によって地域の成長を目指す考え方が打ち出された。 懸念される世界三極化 ウクライナ危機は食料とエネルギーの