『人はどのように鉄を作ってきたか』を読み終わりました。久々に鉄道以外の本ですね。と言っても鉄ですが。 著者の永田氏は大学の教官で、金属工学、冶金が専門のようです。製鉄の歴史をかなり研究してきたようですね。大きく言えば、ヨーロッパの伝統的製鉄法、日本の伝統的製鉄法(たたら製鉄)、そして近現代の製鉄法の3種類を紹介していますが、ヒッタイトに始まる鉄の歴史も多少触れています。 木炭で鉄鉱石を熱することが非常に重要だったのですね。炭素成分が鉄に浸透すると融点が下がるのだそうで、鉄そのものの融点まで熱して溶かしているわけではないのだそうです。現代の製鉄ではそれをコークスでやっているわけですが。著者は、これを熱する用途(必ずしも炭素でなくてよい)と、鉄の炭素成分量の調整(炭素が必要)に分離してはどうかと、電子レンジで加熱しながら炭素量の調整だけ別途炭素を添加して製鉄するという方法を考えたそうで、実際に