日本の核武装に関する中川氏や麻生氏の発言が問題になっている。政治やマスコミの現場での取り上げられ方は奇妙でしかないのだが、従来の日本政治が正面から取り上げなかった以上、仕方ないかもしれない。以前にもやや関連する内容を書いたが、つらつらとこの問題への感想を述べてみたい。 麻生氏と中川氏の発言はかなり計算されている。中川氏は飛ばしているようにも見えるが明確に管理された発言の印象がある。どのような角度から考えても、諸外国への牽制なのであるが、同時に日本国内への負荷テストを兼ねているだろう。そのため麻生氏よりやや身軽と思われる中川氏の発言は、行政府ではなくあくまで一政党の議員の発言として受け止められる。例えば米国などでは立法府側におけるこの種の意見の多様さは元よりいくらでもある話なので問題が無い。実際は日本の議院内閣制においては結構重い内容を含むのだが。その意味では米国の政治の現場を配慮した形跡も
連載終了にあたって(下)今こそ求められる日本の「國體」(2008/9/24) 連載終了にあたって(上) 左右の「バカの壁」破ろう(2008/9/17) 福田総理にあてた記者の公開状(2008/9/10) メドベージェフの“乳離れ”(2008/9/3) パキスタン大統領の辞任(2008/8/27) グルジア問題の背景(下)(2008/8/20) グルジア問題の背景(上) (2008/8/13) 北方領土ビジネスを駆逐せよ(2008/8/6) 北方領土と竹島(下)(2008/7/30) 北方領土と竹島(中)(2008/7/23)
昨年のG4案が廃案になって以来、安保理改革の話は停滞気味である。確かに案件は山のようにあり、特に今年になってからは人権委員会などの問題を放置して常任理事国入りの交渉など出来る状況ではない。イラン問題で揉め、スーダンやチャドがあの具合では日本も主張し辛いタイミングではある。 今月、興味深い事に国連次席大使の北岡伸一氏が複数の雑誌に国連関係で寄稿している。「中央公論」に安保理改革の停滞に関する話を、「論座」に安保理の実態や活動の意義を示す内容を寄せている。特に後者のほうが興味深くはあるが、いずれもこのブログなどよりよほど目を通す価値があるので推薦しておきたい。 前者の中央公論に掲載された内容は、今まで多くの識者が述べてきたことをまとめたものだ。もっとも内容の整理のされ方は大半のものより洗練されている。特に米国、中国、アフリカに課題があったとしている。ただ、ここで北岡氏はG4案が通る可能性はかな
第14回 2006年、日本は「普通の国」になる ~米軍再編、増長する中韓が曖昧な対応を許さない~ 国際問題評論家 古森 義久氏 2006年1月6日 日本の外交は米国の国際戦略の従属変数 新しい年、2006年である。 国際情勢のうねりに暦の上の区分はないとはいえ、人間社会の歳月の区切りは私たちに回顧や展望を思い立たせる。新しい年、新しい時代の出発点に立ったという認識は、人間にごく自然に、来し方、行く末を意識させるのだろう。 さてそんな思いから2006年の日本外交の展望を試みることにした。日本外交というのは日本の対外関係とか日本と諸外国とのかかわり、と言い換えてもよい。その展望も私の場合、国際報道の普段の拠点であるワシントンからの視点を踏まえて、ということになる。私自身、アメリカから日本にはかなり頻繁に戻っており、日本外交の一方の支点たる日本国内の政治や世論の動きも、自分なりに把握
挨拶がすっかり遅れましたが、明けましておめでとうございます。バタバタしているうちに過ぎた正月休みでした。前回のエントリに続き、最近思ったことに関して軽くコメントして今年のスタートにしたいと思います。 ・小泉首相の前原氏へのアプローチ 大連立を持ちかけたりとかの話題が昨年あったが、今でも類似の発言を繰り返しているようだ。確かに奇妙なインパクトはあり、ニュースのネタにはしやすいが、何の思惑かと騒ぐマスコミの論調には私は違和感を持つ。というのは、民主主義政体下で議会政治を営む場合は、多数派を形成する努力をすること自体は当たり前すぎるほど当たり前の事だからだ。小泉首相が異論を切り捨てるのを責める、マスコミのその同じ会社が多数派形成に違和感を唱えることがある。矛盾としか言えない奇妙な報道であろう。私見では、自己の勢力が衆参両院で2/3に達するまでは、多数派形成の努力は目標とする政策が歪められない限り
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