1. 新しいメディアを保存することの難しさ 「1895年、1897年、あるいは少なくとも1903年に、誰かが映画という新しい媒体(メディウム))の出現が持つ根本的な重要性を認識して、包括的な記録を作っていたらよかったのにと思う──観客へのインタビューとか、年ごとに発展していくナラティヴの戦略や、舞台背景画法や、カメラの位置の体系的な説明とか、出現しつつある映画言語が同時代の多種多様な大衆的娯楽と取り結んでいる関係の分析といった記録である。残念ながら、そのような記録は存在しない。代わりに残されているのは、新聞記事、映画の発明者たちの日記、映画上映の番組表、その他諸々の断片といった、行き当たりばったりの、むらのある形で配布された一連の歴史的サンプルである。 今日、私たちは新しい媒体の出現を目の当たりにしている……映画が生まれつつあった100年前とは違って、私たちはこのニューメディア革命の重要性