累増する国債残高 バブル崩壊以降の日本経済は低迷を続け、2010年代の平均経済成長率は名目1.0%、実質0.8%となっている。現代の日本は、かつてのような高い経済成長が見込めず、財政赤字という「借金」を経済成長による税の自然増収で賄うのが非常に困難な状況に陥っている。 この結果、図表2のように、国の債務残高が累増し、日本財政の持続可能性が危惧される事態となっている。 財政破綻確率シミュレーションの概要 このように、新型コロナ対策により、国の財政が悪化したことを受けて、国の「財政破綻確率」を、経済理論との整合性が極めて高く、経済構造と政策やショックの波及経路が明示されるDSGEモデルを用いて、現在の一般会計の歳出歳入構造が今後も継続するものとした場合、日本財政が将来的にも持続可能なのか否か、シミュレーション分析を行い、「財政破綻確率」を推計した。 具体的には、5000回実行したシミュレーショ