今日は自主ゼミを行いました。学部生8人に集まって頂きました(そのうち、半数以上が経済学部というのは、偶然のことだと思います)。 私が提示した論点の1つは、震災の復興期において権力によって紡がれるであろう「回復の物語」の支配性に対抗し得るかということでした。たとえば、ある大学は「再生に取り組む」ことを課題として掲げるのですが、そこにあるべき「再生」の方向性、つまり、元の状態にそっくりそのまま戻ることが、社会制度についてのみならず個人の内面についてまで埋め込まれていることに危惧を覚えます。しかし、検討文献が示すように個人の「回復の物語」は多様です。物語に複数の筋があったり、回復できなかったり/しなかったりということは必ずあることです。私の関心は、必ずしもそっくりそのまま戻るわけではない「回復」がいかにして可能かについてありました。 今日の参加者は理論への関心が強かったようで、とても頼もしいこと