東日本大震災から7年半がたった大船渡市三陸町綾里地区で、本気の覚悟を秘めた「漁業女子」が奮闘している。26歳の見習い漁師高橋典子さんは元岩手県職員だ。浜の再生に向け、76歳の先輩漁師中島重男さんと船を出す。 7日午前5時すぎ、綾里漁港から沖合3キロのポイントに着いた。水深約80メートルの海底に仕掛けた籠を次々引き上げる。「これも大きいぞ」。大漁のアナゴに2人の笑い声がはじけた。 今春、地元水産会社に入社し、第18新栄丸(2.5トン)の操縦を任されるようになった。 アナゴの生態に関する論文を読み込んだ。地形を分析し、仕掛けを改良した。緻密な仕事ぶりは、やはり公務員仕込みだ。「風や波の向き、潮の流れ、海水温。海の条件は毎日違う」と勉強熱心な高橋さんに、中島さんも舌を巻く。 花巻市生まれで、子どもの頃から公務員志望だった。2014年に県庁職員となって大船渡地域振興センターに赴任。休日を利用して知