第一三共は1日、遺伝子を組み換えたヘルペスウイルスの一種でがんを治療する注射剤を発売した。「腫瘍溶解性ウイルス」と呼ばれる国内で初めての治療薬で、悪性度が高い脳腫瘍向け。頭部を切開して脳腫瘍に直接注射することでがん細胞を破壊する。正常な細胞は攻撃しないため副作用が比較的少ないことも特徴という。発売した「デリタクト注」は脳腫瘍の一種である「悪性神経膠腫」が対象となる。国内で年間約28
神経膠腫(こうしゅ)(グリオーマ)は、原発性脳腫瘍のおよそ4分の1を占め、代表的な悪性脳腫瘍です。神経膠腫は悪性度に従って4段階に分けられ、悪性度の高い2つの段階のもの(悪性度3と4)を悪性神経膠腫と呼びます。神経膠腫の中で最も頻度が高く、また最も悪性度の高いのが膠芽腫(グリオブラストーマ)です。手術をしてから放射線治療と化学療法を行っても、生存期間中央値(いわゆる平均余命)は診断から18カ月、5年生存率は10%程度で、治癒は極めて困難とされます。特に、最初の手術で全摘出できず放射線治療後にも腫瘍が残っている場合や再発した場合は、進行が早く有効な手段もないことから、G47∆のような、全く新しい機序による治療手段の開発が待ち望まれています。 がんのウイルス療法とは、がん細胞のみで増えることができるウイルスを感染させ、ウイルスが直接がん細胞を破壊する治療法です。ウイルス療法では、遺伝子工学技術
愛知県がんセンター研究所・発がん制御研究部の稲垣昌樹部長(細胞生物学)らの研究チームは11日、試験管での培養実験で、正常な細胞は生かし、がん細胞だけを死滅させることに成功したと発表した。 今後、がんの新たな治療法や新薬の開発につながることが期待できるとしている。研究成果は米科学誌「ジャーナル・オブ・セルバイオロジー」に掲載された。 人間を含む哺乳類の細胞は、増殖を停止する際、表面に「一次線毛」と呼ばれる突起物を生じることが知られていた。研究チームは、一次線毛が形成されると、細胞内から、ある酵素が減少することに着目。培養実験の際、この酵素を人為的になくすと、正常細胞は突然、一次線毛を形成し、健康なまま増殖しない「休眠状態」となった。 一方、がん細胞は増殖が続くことを確認したが、増殖の際、うまく細胞分裂できずに死滅したという。
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く