21年余りも土俵に上がり続ける魁皇が把瑠都を下し、幕内勝ち星を800の大台に乗せた。出身地の福岡で達成した史上3人目の偉業にも、「そんなことより明日に向けて切り替えていかないと」とそっけない。謙遜(けんそん)ではなく本心なのだろう。 [フォト] 魁皇、地元の声援受け800勝 立ち合いで当たった瞬間に右へ体をずらすと、相手の左腕を抱え込むようにして小手投げ。「先場所で差しにいこうと思って駄目だったから体が動いてしまった」。内容には不満顔だが、考えた末の取り口ともいえる。 体はぼろぼろだ。両ひざには分厚いテーピング。しかし、負傷とうまくつきあっている。「肉中心の食事を野菜中心に変え、(関節の潤滑油となる)ヒアルロン酸も両ひざに注射しているよ」。できることはそれこそ何でもやった。 周囲の支えもある。引退を考えたことは数知れないが、「『まだやれるだろう』ってみんなにいわれると、まだ頑張ろう