これはユーゴスラビアで生まれ、ドイツで育ち、1957年にアメリカに移住した医学者の話である。Jacob Harich博士(1919‐1996)のことだ。移住しての仕事はロングアイランド大学医学部の医師。専門は免疫学だった。つまり、これから紹介するのは、免疫学者が植物エッセンスに目をつけて実用化したという話である。そう、Harich博士はGSE(Grapefruit Seed Extract)の開発者なのだ。 フロリダに移住して研究開発 Harich博士はグレープフルーツ好きだったらしい。ある日、種を噛んだらやたら苦かったことから、なにか機能性があると直感。生ゴミの中のグレープフルーツの果皮が腐りにくいことも気になっていたという。そして、1963年にはフロリダに移住し、研究を始めた。 そして1970年代に入り、Harich博士はグレープフルーツ種子から抗菌性のある物質「GSE」を抽出すること