16歳のとき、はじめてaikoのライブに行った。 aikoを好きになって2年弱が過ぎたころのことで、 チケットを取った約半年前から、 ライブ当日を本当に楽しみにしていた。 ライブは18時の開演だったけれど、 グッズの先行販売の時間に間に合うように、 午前中のうちに、会場のある広島に新幹線で向かった。 今日、いよいよaikoに会える。 その事実を噛みしめてはドキドキしていたはずなのに、 新幹線を降りて、広島駅の改札を出たとき、 わたしの心に広がったのは、 ライブの待ち遠しさからくる胸の高鳴りとは まったく別の感情だった。 どうしよう、わたし、死ぬほどださい。 広島の街を歩く、わたしと同世代の女の子たちは、 自分とは比べものにならないほどお洒落で、あかぬけていた。 一方のわたしといえば、初夏の季節をまったく無視した、 朱色のトップスと深緑のロングスカートという、 全体的にもっさりとした格好だっ