宇宙航空研究開発機構(JAXA)の金星探査機「あかつき」が2015年12月7日、金星周回軌道への投入を実施する。5年前の同日、あかつきは一度金星に到着。周回軌道への投入を試みたものの、エンジンのトラブルで失敗していた。この前代未聞の再挑戦を成功させ、日本初の惑星周回を実現できるかどうか、注目が集まる。 5年前の悲劇 あかつきは日本初の金星探査機。2010年5月21日にH-IIAロケット17号機で打ち上げられ、半年後に金星に到着、そこで軌道制御エンジン(OME)を噴射して、金星の周回軌道へ投入する計画だった。ところが、噴射から2分半ほどが経過したところで探査機の姿勢が大きく乱れ始め、噴射を中止。そのため減速が足らずに、金星を通過してしまった。 この5年前の軌道制御「VOI(Venus Orbit Insertion)-1」では一体何が起きたのか。当初、あかつきで初めて搭載された新技術のセラミ