●James Hamilton, “Oil prices and inflation”(Econbrowser, March 13, 2022) 原油価格がこの1年で倍になっている。世界中の製油所に送り届けられるロシア産の原油の量が著しく減るようなら、原油価格はさらに跳ね上がる可能性がある。 ロシアによるウクライナ侵攻に伴って原油価格が高騰しているわけだが、そのことが米国経済にとってどんな意味を持ち得るかについて、二回に分けて論じていきたいと思う。今回は、原油価格の高騰が米国内のインフレに及ぼす影響に焦点を当てる。次回は、原油価格の高騰が米国の実質GDPに及ぼす影響について論じる予定だ。 原油価格は、ロシアがウクライナに侵攻する素振りを見せる前から既に、かなりの勢いで上昇を続けていた。それはどうしてか? 「モノの値段が上がるのはなぜ?」という問いに対する答えがその理由だ。需要の伸び(回復)